DEARS

Strings Arranged by 村田泰子(5)
Strings Arrangement:岡村美央(6)
Horn Arrangements by 竹上良成&ICEDOWN(10)

Strings Arranged by 森俊也(１)、小松原温子(5)、落合範久(6)
Strings,Horn&Jazz Band Arranged by Brian Lynch(7)

リリースデータ

中島美嘉2ndベストアルバム。『TEARS』と同時発売。05年の『BEST』に続く2度目のベストアルバムでここまでの全シングル39作A面40曲を“二つの涙”をテーマに【DEARS】盤と【TEARS】盤に分け、“明日のために流す涙”盤の【DEARS】、“誰かを想って流す涙”盤の【TEARS】としてそれぞれ20曲ずつを収録。初回盤は歴代のライブ映像から6曲を収録した「DEARS LIVE BEST」、特典映像「一日一美嘉〜占い篇〜」を収録したDVD付、DVDサイズの縦長デジパックケース仕様になっている。

コラボや別名義も通算シングルカウントされているが、「GLAMOROUS SKY」は当時の名義であるNANA starring MIKA NAKASHIMAが記載されていない一方で、「I DON'T KNOW」はMICA 3 CHU(森三中とのコラボユニット)名義、「Gift」は中島美嘉×加藤ミリヤ名義で表記されている。

ソニーお得意の2枚分散ベストだが一応今作のテーマは"明日のために流す涙"となっている。"TEARS"で意味そのまま"涙"なのに"DEARS"でも涙とはこれは一体！？DEARSなら1番多く使われる意味は"親愛なる"とかだと思うんだけど"DEARS"をどう解釈したら"明日のために流す涙"になるんだ…。しかも"誰かを想って流す涙"の方がDEARSっぽいけど逆じゃないの！？とタイトルとテーマで混乱する。また「Dear」という今作に近いタイトルのシングルが存在するが今作には収録されず『TEARS』に収録されているなどメチャクチャである。

数あるソニー2作分割ベストの中でも今作は悪手すぎやしないか。前年のポルノグラフィティ『PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary"ALL TIME SINGLES"』とほぼ曲数が同じため、普通にやるなら3枚組オールタイムベストを銘打つところを無理やり2作に分けようとしたため、3枚で入る内容を4枚に薄めて1枚10曲に減らして2作分割って。これならアルバム曲の選出も可能なのにシングルコレクションのままなのも良く分からない。詰め込むより10曲ずつ4枚の方が聞きやすいという配慮をしてくれているのだろうか…。

『BEST』ではデビュー作「STARS」がボーカル新録音、1stアルバムでもアルバムバージョンだったので純粋なシングルバージョンで「STARS」がアルバム初収録、1曲目を飾るなど文字通りの最初の1曲からスタートするも以降の曲順はバラバラ。しかし冒頭3曲で「雪の華」以外で有名なヒットシングル3曲をいきなり出してしまい、掴みはバッチリなんだけど知っている曲一気に出ちゃってまだ先が長いのにちょっと不安になってくる。ただ10年の長きにわたってシングルヒットを狙っての話題作を出し続け、配信の声が聞こえ始めた時代においてもシングルヒット然とした楽曲を出し続け、その間にアルバムも8枚+ミニ2枚とおろそかにせずに作品数を重ね続けたのは伊達ではなく、思ったよりも聞き覚えのあるその時々でヒット曲として街で流れていたような曲が多くて驚いた。バラードのイメージが強かったけどけっこう色々な方向性に挑んでいてシングルでも一辺倒になっていないのでアルバム曲で幅を見せなくても十分に多彩な魅力を感じられるシングルコレクションではあると思う。

初回盤DVD付　　通常盤　

印象度★★★★☆

2023.1.11更新

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