2021年11月の配信シングル(前編)
2021年11月に聞いた配信シングル(Amazon Music視聴)をまとめて更新。サブスク移行した途端に配信曲が増えてきた。今月は配信曲だけで10曲を越えてしまったので当初月末にまとめて更新するつもりだったが前後編に分けて更新。後編は30日に更新。
Small world/BUMP OF CHICKEN
21年11月1日
5ヵ月ぶり新曲。昨年不倫報道自粛となり前2作不参加のベース直井が今作で復帰。2週間後にここまでの3作の配信シングルをそのまままとめたシングルCD『なないろ』を12月発売と告知。
映画『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』主題歌。すっかりタイアップ職人になってしまって久しいが、2人だけの小さな世界の幸せを描いたような温かみのある楽曲。藤原氏が結婚したためなのか、以前よりもラブソング感が増している気がしなくもない。また4人に戻ったバンドの姿を例えているようにも見えなくもない。
序盤はアコースティックな始まりなのでバンド感が無いが、バンドインした時に確かに4人に戻った感はある。前2作と何が違うのかとか直井のベースプレイの特徴とか何も分からないけど(1番良く喋る人という印象しかない)なんかこう揃った!っていう感覚がある(頭の悪そうな感想)。
★★★★☆
アルデバラン/AI
21年11月1日
MHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』主題歌。前の朝ドラ担当のBUMPの次の新曲と同日発売となった(こっちは放送開始に合わせただけなので向こうが合わせてきたというべきか)。作詞作曲は森山直太朗で編曲は斎藤ネコ。普段は御徒町凧との共作名義だが何故か今作は単独の作詞作曲となっていてそうなればほとんど初めてなのでは…。直近の森山直太朗の「遠くへ行きたい」カバーでの編曲も斎藤ネコが担当していた。森山直太朗は05年に朝ドラ主題歌を自ら担当していて主題歌は当然その時以来となり、本人歌唱と提供で2度担当したことになるほか、昨年の『エール』には役者として出演していたので主題歌歌唱、主題歌曲提供、本編に役者としてレギュラー出演を達成したことになる。
作詞作曲が単独になっていて御徒町が作詞に参加していないっぽいので特有の小難しい詞的な表現や見慣れない言葉が頻出するような事は無く比較的ストレートな歌詞になっていて普段のあれらの小難しい詩人的な表現はやはり御徒町の作風だった事が分かる。どことなく直太朗感のあるメロディーではあるがそれよりも“「Story」のヒットで知られるAIの新曲”といった装いでAIに合わせていった感じ。朝ドラで流れる部分は比較的落ち着いているが、フル尺での終盤はゴスペル的な盛り上がりを見せてもう1つの代表曲「ハピネス」的な要素も感じられるし、ヒット路線AIの集大成みたいな曲だ。
ただ朝らしい爽やかさはあまり意識されておらず、そもそもアルデバランは星の名前であり、夜の曲のイメージ。『カムカムエヴリバディ』なんていうキャッチーな感じのタイトルともあまり合ってない(内容はともかく)とは思う。朝ドラ主題歌としてはけっこう攻めているかも。今年使われていた3曲の中では最も愚直に朝を意識して朝の爽やかさを表現した曲が紅白落選とはマジで泣きのエピソードだよな。
★★★★☆
SHINOBI-NAI/花澤香菜
21年11月3日
ポニーキャニオン移籍1発目のシングルCDから1ヶ月ぶり。ポルカドットスティングレイのメインライター雫による作詞作曲で編曲はポルカドットスティングレイ・ながしまみのりというポルカドットスティングレイによる完パケ提供曲。
ポルカドットスティングレイは聞いたことが無いが、いかにも最近のバンドらしいひねった凝った感じのポップナンバー。花澤香菜に提供したというより、花澤香菜がそのままカラオケカバーしている感じに近いのではないかというくらいあちらさんの作風に乗っかっているように聞こえる。しかしバンド名が秀逸だなぁ。曲調がまさにポルカドットスティングレイっていう感じでひねくれた感じがポルカドットってるっていうか、スティングレっているっていうか。
★★★☆☆
大好物/スピッツ
21年11月3日
劇場版『きのう何食べた?』主題歌。7ヶ月ぶり新曲。淡々と進み過ぎて盛り上がりがないいわゆるサビどこ路線が続いていたが前作辺りからサビが帰ってきて今作もサビがある。ちょっとかわいい雰囲気もあってポップで聞きやすい。こういう人懐っこい感じの曲もかなり久々のような…。MVもなんかポップでかわいい感じ。
★★★☆☆
スクールカースト~底から見た光~/Little Parade
21年11月3日
元Aqua Timez太志のソロユニット。2ヶ月ぶり新曲で24日のアルバムの先行配信だが、アルバムジャケットではなく専用ジャケットが用意された単独配信シングルとしての配信。今回もAqua Timezから変わらず太志らしい方向性。期待通りの安定感だがそれ以外に感想が出てこないくらい安定している。
★★★☆☆
Watching Over You/Peach & Apricot
21年11月4日
ドラマ『和田家の男たち』主題歌。謎の覆面ユニットとしてOAされていたが、1978年デビューの同期である竹内まりやと杏里だった事を明かした。Peach=初期のヒット曲「不思議なピーチパイ」=竹内まりや、Apricot=1stアルバム『Apricot Jam』=杏里となる。作詞は竹内まりやが、作編曲は林哲司。竹内まりやにとっては初期以来(結婚前)の林哲司作品となる。林哲司提供では竹内まりやは「SEPTEMBER」、杏里は「悲しみがとまらない」があり、「悲しみがとまらない」はシティポップの1曲とされ今年だけでDEEN、雨宮天が相次いでカバー。竹内まりやは林哲司作品ではなく自作だが「プラスティック・ラブ」が再ブームとなっており、シティポップ再評価界隈の人たちが再集結して新曲を作ったといった装い。
落ち着いたミディアムな感じで、正直最近の竹内まりやが普通にやりそうな雰囲気。いい曲ではあるが、シングルCDで出したら恐らくアナログで出した「プラスティック・ラブ」より売れずに埋もれてしまいそうな気もする。杏里はどんな曲を歌っているのか普段の歌声も把握してないので分からないが、竹内まりやと雰囲気も似ていて違和感のないデュエット歌唱だ。ていうか正体隠してもこれ片方の声は竹内まりやだとすぐ分かるくらい竹内まりやそのままじゃないか。
★★★☆☆
最後のTight Hug/乃木坂46
21年11月5日
12月のベスト盤発売が告知されているが、まだタイトルが公表されただけで収録内容も明かされていない中で生田絵梨花の卒業が発表され、生田のラストセンター曲にしてベスト収録の新曲としていち早く解禁、先行配信された。1ヶ月以上前の先行配信は異例だが、生田の卒業日が12月31日に設定されているため紅白をこの曲で締める目的もあると思われ、年末歌番組に照準を合わせて披露しまくりある程度選曲に説得力を持たせて浸透させておく算段と思われる。ただ単独配信シングル扱いではなくあくまで先行配信扱いでジャケットはベスト盤の流用となっている。1週間先行とかならまだしも1ヶ月以上前で生田ラストセンターならちゃんとジャケット作ればよかったのに…。この後新内眞衣の卒業も発表され、全員参加曲としては最終参加曲(卒業ソロ曲も同時に発表された)。このためか普段は3列目隅なのにいわゆる裏センター的な立ち位置に新内眞衣が入っているようだ。
みんな大好き杉山勝彦によるみんな大好き王道路線。いわゆる1期(と2期)の乃木坂46による「君の名は希望」以降続く王道路線として普通にいい曲だがさすがに今回は過去を越えない感じで、ちょっと置きに来たなと感じた「ありがちな恋愛」よりも個人的にはさらにもう1つ下に来る安定曲といった感じ。みんな大好き杉山勝彦の乃木坂っぽい王道路線はもう行き着く果てまで行き着いていてもうこれ以上のものは生まれない状態なんじゃないだろうか。
「ごめんねFingers crossed」「君に叱られた」が3期4期中心の新たな時代への移り変わりといった感じがしていたので今作は明確に1期2期ありがとう的に“戻った”感覚がある。メンバーが入れ替わっていく以上はこの路線を王道として引きずるよりもこれでみんな大好き杉山勝彦によるみんな大好き王道路線も締めにするくらいの方がいいのかもしれない。こういう乃木坂っぽい曲になるとあの人ももういない、この人ももういないとなってくるし。来年は本格的に3期4期そして来る5期による新たな乃木坂46を期待したい。正直30代になっても残ってファンと一緒に年を重ねていく路線もありだとは思うけど、女性アイドルは特に難しく、それでもモーニング娘。の頃は25歳前後が限界だったのを30前後まで引き上げただけでもAKB48含めてよくやったのかなと。まあ声優アイドル以外でもメディア系トップアイドル以外のアイドルでは年齢不詳もOVER 30’s WORLDも割と普通だったりするようだが…。
★★★☆☆
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