2023年2月8日
Special Edition
初登場2位 売上21.6万枚
2018年より4~6月にシングル年1ポッキリというほぼ1年間隔でのリリースが続いていたが今回は8ヶ月ぶりとなった。2月にシングルが出たのは年2ペースだった頃の2017年以来でこの年は8月にもう1枚出ている。2017年以来のシングル年2が実現するのか、矢吹奈子卒業に合わせて前倒ししただけで次はまた1年後になるのかも注目される。
Type-A,B,劇場盤の3種発売。
共通C/Wが復活し、Type-A,BでC/W2曲収録を復活させた代わりに劇場盤が共通C/W1曲だけとなったため、表題+異なるC/W3種だった前作と曲数は同じ。劇場盤のみのC/Wが存在しないのはHKT48では初。
DVDは共通収録2曲のMV2作が2種で共通、「HKT48 11th anniversary LIVE 2022 ~未来へのメッセージ~ ドキュメンタリー」前編・後編がA,Bに分散収録。C/WのMV制作は2020年「3-2」以来。
と、48系列で進行しているC/W削減やMV制作削減の簡素化の進行が止まったものの、曲数4曲のまま調整しただけで良くなったのか現状維持なのかは判断しがたい状況となっている。先行するNGT48が映像廃止(CDのみ)になっていた事を考えると、今作ではC/WのMV制作が復活していて映像廃止が一気に進行する事は無さそうだ。
矢吹奈子が2022年10月に卒業を発表しており、ラストセンターという前提で各種インタビューでも最終参加作のように触れられているが発売時点ではまだ卒業時期未定となっている。また渡部愛加里も卒業発表していて最終参加となり、こちらは3月26日に決まっている。
IZ*ONEの日本人メンバー3人は解散・帰国直後に各グループへと戻ったが、宮脇咲良は復帰即卒業しており、これにてAKB48の本田仁美のみとなった。
1.君はもっとできる
センターは矢吹奈子。卒業発表済みでラストセンター。作曲はToshikazu.K、川浦正大、編曲はToshikazu.K。
IZ*ONEの日本人メンバー3人は解散・帰国直後に宮脇咲良が卒業しており、矢吹奈子はもう少しHKT48に何か残してからという意識があったようだが、元々20歳くらいで辞めるつもりだったとか、21歳にしてもうアイドルはやりきったと発言している事からやはり現在の48系列だと20代半ばくらいまでは当たり前になってきている46系列とは考え方がだいぶ違う事が伺える。20歳前後でもドッカドカ辞めていくし、そりゃ5年連続でシングルが年1ではなぁ…。矢吹奈子は3人の中では金髪にもせずすぐに辞めもせず、最もKに染まっていない感じだったけど、今作ではもう最後だからかアイドルモードから自分を出しつつある感じにはなっている感じはする。
物凄い勢いで君は出来るもっと出来ると鼓舞する強めの応援歌。これで励まされる人もいるだろうけど、脳筋レベルでの根性論ごり押しなのである程度余裕が無い場合は心折れてしまうだろうし、”夢はきっと叶う”もしらじらしく聞こえる危険性もあり、正直際どい曲だと思う。この3月でデビュー10周年、結成当時から応援しているリスナー相手だとそれなりに人生重ねているだろうし、どこまでできるかできないかを知ってしまった者の方が多いと思われ、この歌詞はちょっと厳しいのではないか。IZ*ONE流れでファンになった若い10代のリスナー向けといったところはあり、ファンの入れ替えも進んでいるならいいんだけど、10年前からのファンが大半ならかなり外した歌詞になってくるのでは。曲自体は王道的なアイドルポップだし、今回髪を染めて前と雰囲気が変わっているが(年1リリースが続いているので前見た時と見た目が変わっていても仕方ないどころか大量にいなくなっていたりするから仕方ない)、矢吹奈子の明るそうな雰囲気にも合っていていいラストソングだと思う。
★★★☆☆
2.クラクションで I love you!(HKT48栄光のラビリンスCM選抜)
センターは小田彩加。作曲は山崎燿、編曲はAPAZZI。
ドンドンドンドン突き進む王道の元気アイドルポップ。APAZZIが今やかつての野中的ポジションにすっかり収まった感がある。完全に量産型になりつつあるような。歌詞は何故かヤンキー路線で好きな子の家の前に深夜に車をぶっ飛ばして家の前でクラクション鳴らしてアピールするというヤンキー青年の愛の暴走を描いた内容。クラクションに留まらずにカーステレオで爆音で流すとか80’sイメージだと怒鳴られるだけで済むけど現代ではリアルに通報案件になるぞ…。しかも作詞家の手腕も発揮して歌詞の1ブロックだけ彼女目線に切り替わりいつか連れ去って欲しいという心情も歌われていて、相手にとっては迷惑ではないことは示されているなど芸が細かい。
MV制作が復活したが、スタジオでのダンスシーン+1~数名でのリップシーンというオーソドックスな構成であまり特徴は無い。カメラワークでグイングイン動いて見せたり、ライティングで派手な感じを出しているもののやはりC/WのMV制作は厳しいのか、48系のMVのハロプロ化(ダンス&リップの定型エンドレスパターン)が止まらない。
★★★☆☆
Type-Aのみ
3.青春フルスロットル(Team H)
チーム曲は2016年のシングル『最高かよ』C/W以来だっただろうか…。どんどん辞めていき補充が追いつかなくなったためか、Team TⅡが1月31日付で解体となり、2月1日より”クラス替え”と称してHとKⅡの2チーム(+研究生)に再編成された。新チームになったので早速チームごとに新曲となったようだ。ピーク時で正規メンバーは50人弱、研究生含めた総数で60名超の時期もあったものの、2022年1月で正規メンバー45人いたのが現時点では32人にまで減ってしまい、研究生入れた総数でも50人を割っているので、16人×2の2チーム制というのはまともな判断といえる。昨年5月にお披露目した6期生(研究生)を早急にドカドカ昇格させればまたTⅡ復活も出来るんだろうけど、TⅡを残してそれをしなかったところからして急いで昇格させまくるつもりもないのかなこれ。
作曲はSCONE BEATS、編曲はAPAZZI。最近の秋元系のシングルでチョイチョイ出てくるようになった歌謡色の強いナンバー。かつて演歌アレンジまで手掛けていた野中氏だが、やはりAPAZZIがそのポジションに…。Kの国の路線ではなく、策士家がキャリアを開始させた頃のJの国の古き良き過去に回帰する独自の道を行くつもりなのか。みんなKの国のダンス音楽になってしまっても全く面白くないので、これはこれで独自の道としていいのかもしれないけど、やはりちょっと古いなぁ…。歌詞は何故かバイク事故で死んだ友人を思うというまさかのヤンキー路線2連投。いや同じシングルで2曲連続、車とバイクの違いはあれど暴走系ヤンキーノリってなんだよ。「マジすか学園」の企画からやけに80’sヤンキー要素が好きだなという感じはあったけどまさか今更こんな「湘南純愛組」みたいな歌詞をアイドルに歌わせるとは…。当のメンバーはこんな古臭いのよりカッコいいKの国に憧れている子が多そうだ。策士家とメンバーがおじいちゃんと孫くらいの年齢差に本格的になってきてそのギャップも気になってくる頃合いかも。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.そういうことFebruary(Team KⅣ)
作編曲は外山大輔。ギター主体の爽やかポップロック系のアイドルソング。ちょっとさっぱりした雰囲気がサウンド面では今作の中では好感触。歌詞はお得意の告白できない純情少年のモジモジラブソング。ヤンキー路線の2連発の後だとやたら主人公が優等生男子に思えてしまう。発売が2月だと聞いて卒業までに告白しないとだけど出来ないという路線で行こう!とパッと決めて書いたような感じはする。
★★★☆☆
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