2021年11月の配信シングル(後編)
2021年11月に聞いた配信シングル(Amazon Music視聴)をまとめて更新。後編。今月配信多かったな…。
奇々怪界-KIKIKAIKAI-/ゆず
21年11月10日
5ヵ月ぶりの新曲(前作「NATSUMONOGATARI」はサブスク検討移行期でドタバタしていて見逃してしまったので感想を記録していない)。久々ということもあったと思われるが岩沢曲というのも大々的にアピールされ、同時に予告だけでもあまりにもぶっ飛び過ぎた楽曲でリスナーがざわつく事態となった。実際は作詞は岩沢厚治単独だが作曲は岩沢厚治・Giga・TeddyLoidの共同名義となっていて、打ち込み全開の作風からしてもGiga・TeddyLoidによる編曲が大きく影響していそう。“ハイブリットなデジタルサウンドに、縦横無尽な“岩沢ワールド”が大展開”などと公式に形容されているが、もう何年もシングルで出てくることが稀にしかなく、出てきてもはじけまくる北川と対照的な変わらぬ堅実な王道的な作風や岩沢バラードとしか言いようがないバラードばかりで、岩沢曲に縦横無尽なワールドがある印象は正直ない。むしろ縦横無尽に切り開き続けていたのは北川の方ではないのか。
いずれにせよ出番の少なかった岩沢曲がこれだけフューチャーされるだけでも面白い展開ではあるが…あまりにぶっ飛びすぎている上に終始変なテンションの高さで置いてけぼり、思考が停止したまま気が付くと曲が終わっているのでなんかとんでもなく変な曲だったという以外に何度聞いても思考停止してしまって全く印象に残らない。奇々怪界すぎるのも考え物だ…。
そして何故今作に限ってカラオケバージョン(Instrumental)があるんだ。そんなにサウンドを聞いてほしいのだろうか。
★★★☆☆
Point of No Return feat. 関口シンゴ/CHEMISTRY
21年11月10日
20周年記念連続配信第2弾。デビュー作に続いてそのままストレートに2ndシングル。今回も関口シンゴがゲストボーカルとして参加しているという意味ではなくリメイク担当のアレンジャーが関口シンゴという意味。今回は原曲とそんなに大きく印象が変わらない。原曲も当時の流行全開だった超軽いチキチキリズムの軽量サウンドだったが今回も軽めのサウンドをそのまま継承、そこにもう少しこだわりを加えたような感じにはなっているが、あまり集中せずに一部だけ流し聞きしたらどっちか一瞬判断できなくなるかも。
★★★☆☆
Frontier/MONKEY MAJIK
21年11月10日
8月27日にMovie Versionとしてショートサイズで配信されていた曲のフルバージョン。ゼロワン Othersシリーズ2作目『ゼロワン Others 仮面ライダーバルカン&バルキリー』主題歌。前作「S.O.S」もゼロワン Others1作目『ゼロワン Others 仮面ライダー滅亡迅雷』主題歌で3月にMovie Version、7月にフルサイズ配信されていたがどういうわけかMONKEY MAJIK側では正式な新曲発売として告知せず、Twittterでちょっと情報流すだけ。公式サイトでは新曲配信として告知せずもちろんディスコグラフィー掲載も無いままで最新作はまだ1月のベスト盤のまま。タイアップ先と関連ニュースでしか扱われていないので、MONKEY MAJIKのTwitterをフォローしていても見逃すといつの間にかリリースされていたという事態に…。ライダータイアップは権利の問題とかあってあまり積極的にアーティスト側が発売に関与できないのだろうか。
前作は久々のロックバンドっぽいナンバーだったが今回は比較的落ち着いた雰囲気。ただ一時期のトラックメイカー全開な打ち込みサウンドよりはバンドっぽさが戻っていて聞きやすい。
★★★☆☆
ゆるキャン△ Have a nice day!
21年11月11日
アニメ『ゆるキャン△』のSwitch/PS4ゲーム版OP/EDを収録した配信シングル。アニメ版同様にOPを亜咲花、EDを佐々木恵梨が担当しているがこれまでと異なり各自でのシングル発売ではなく、まとめての配信となった。佐々木恵梨サイドは公式サイトで今作を配信シングルとして告知しているが、亜咲花サイドはOP担当決定のニュースを8月に掲載したのみで今作の情報を掲載していない。
See The Light/亜咲花
OP。これまでのアニメ版OP2曲を綺麗に踏襲したようなこれだよな!という感じの安定の1曲。期待通りだからいいんだけど、ここまでブレずに『ゆるキャン△』OPはこうだという路線を貫くとはなかなか清々しいというか潔すぎるというか。
★★★☆☆
ロッホと旅人/佐々木恵梨
ED。序盤はこれまたEDはこれだよな!という感じの安定アコースティックバラードで始まるが、後半になるにつれてもう少し浮遊感のある独自の世界観が加味されていく。夜中から夜明けのようなイメージもあるが、こちらは『ゆるキャン△』っぽい方向性を堅持しつつ自身のアーティストカラーも少し入れてみた感じがする。
★★★☆☆
サンタにkissをして/大塚愛
21年11月17日
12月8日のアルバムからの先行配信と銘打たれているが、きちんと専用ジャケットが制作され、MVも制作された。ポップなクリスマスソングのド王道。こういういかにもな王道クリスマスソングも最近少ないのでよくぞやってくれたという感じ。先に出ているシングルがポップだったのもあるが今回アルバムが『LOVE POP』とされているようにエレクトロ傾倒からJ-POPへ帰還した作風になっていると思われ、これは期待できる。
★★★☆☆
それは白くて柔らかい/森山直太朗
21年11月24日
1ヶ月ぶり新曲。テレビ東京系ドラマ24『スナック キズツキ』エンディング。
作詞:御徒町凧、作曲:森山直太朗、編曲:櫻井大介。今回は共作ではなく作詞と作曲で完全分業体制になっている。
音数少なめのしっとりバラード。映画ドラマタイアップはこの手の王道的なバラードが求められるのだろうか。2作連続シンプルバラードとなってしまいどうにも印象に残らない。ていうかもうこれで次のアルバム配信既出曲だけで確実に半分以上埋まるの確定しちゃってるんだけど…。
★★★☆☆
You Go Your Way feat. Shingo Suzuki/CHEMISTRY
21年11月24日
20周年記念連続配信第2弾。デビュー作に続いてそのままストレートに3rdシングル。前作のシンゴに続いてまさかの別のShingoという2連続シンゴォォォォェ原曲は歌い上げる派手なバラードで、バラードのイメージも決定づけたような印象がある(次のシングルもシングルカットのバラードでその次にバラードじゃない曲を出したら売上急落となり、売上以上のインパクトを見せて初期代表曲最後の1曲となった「My Gift to You」もバラード)。ただ改めて聞き返すとJ-POPストバラ時代到来の数年前だったため、ストリングスっぽいラインもシンセのような堅い音色になっているし、後半で音数が増えてもライトな感触の音作りになっている。歌の熱量が強かったのもあるけどなんかもっとこってりしたコバチルコブクロHYいきものがかりみたいなストバライメージにいつの間にか変わっていた。とはいえチキチキタカタカしていた前2作よりは厚みがあるのも確か。
今回のリメイクではチキチキタカタカ路線に近い軽めのシンプルで抑えたアレンジになり、これに伴って歌の熱量も抑えられ、大熱唱な原曲から余裕のある大人の「You Go Your Way」に生まれ変わった感じ。
★★★☆☆
雪どけ/Awesome City Club
21年11月24日
11月3日から始まった7作連続配信リリースの2曲目で来春アルバム発売も告知されているので先行配信とみられる。ただ紅白出演が決まってドタバタしているのか以後の公式サイトの更新が止まってしまい、今作の配信は告知されていない。
紅白出演という事で名前を覚えた矢先に新曲が出ていたのでひとまず聞いてみた。ていうか名前自体は知っていて先日のGLAYの「BETTY BLUE」に女性ボーカルのPORINが単独歌唱するパートがあったりと耳にする機会もあったが、曲自体は聞いたことが無く、今年流行っていたという曲も知らない。
全く知らない最初に聞いた1曲として聞いたことになるが、普通にいい曲。ウィンターソング感漂う雰囲気もいいが、冬の始まりなのに雪溶けちゃってるんだよな…。男女ツインボーカルってキーの問題から難しくて特に男性の方が無理な高音を張り上げてキンキンという苦手な感じが多い印象が強かったが、そういった無理に張り上げる感じではなくスーッと聞きやすいポップス路線。せっかくのサブスクだし、連続配信するというのでもう少し注目して聞いてみようと思う。
★★★☆☆
君に夢中/宇多田ヒカル
21年11月24日
5ヵ月ぶりの配信新曲。2018年のアルバム以降、「Face My Fears」と「One Last Kiss」しか出してない(しかもチェック予定CDに入れておいて2作ともチェックチェック詐欺で聞かなかったという)認識だったが、配信でも新曲ちょこちょこ出していたとは知らなかった。サブスクに無いのは存在しないのと一緒理論に疑問があるのはまさにこの部分でお手軽に配信されすぎて新曲発売と大々的にアピールされないので、出ていたのに気づかない。特にこの手の名前だけ売れている大物はみんな配信での動きが案外悪くてビルボード様でも別に目立った記録にならないので余計分からない(安定人気を得た後のミュージシャンが全く目立たなくなるのは本当の流行とやらを拾い上げようとするビルボードの仕組み上、絶対生じる現象ではあるが…)。いずれにせよ結局サブスクにあろうとなかろうと認識できない以上は存在しないのと一緒、まだパッケージで出ている方がパッケージ売らなきゃいけないのでそれなりにアピールされて出た事を認識しやすい。ある程度の手間は必要なのではないだろうか。
まあmoraのニューリリースを眺める→Amazon Music配信で月ごとにプレイリスト化という手順を踏むようになったので見落とさない限り、今後はとらえきれると思う、たぶん。宇多田クラスなら新曲出れば上位表示されていると思うし。
ドラマ『最愛』主題歌。復帰以降のコクのある落ち着いた雰囲気に加えてなんか最先端風な複雑な電子ブースト音みたいなアレンジが加わった独特な雰囲気。メロディーの割に電子ブースト音みたいなのがこの忙しない感じで不思議な味わい。
★★★☆☆
コメント