2022年10月19日
Special Edition
初登場1位 売上41.8万枚
5ヵ月ぶりのシングル。2020、2021年は年1となっていたが、2019年以来年間2枚のシングルCD発売となった。
Type-A,B,C,劇場盤の4パターン発売。A,B,Cは初回盤と通常盤でジャケ写が異なるほか、初回は応募抽選シリアルナンバー券封入、通常盤は生写真1種ランダム封入。
4種でC/W3曲目が異なるが、Type-A,B,CのDVDの内容は2作連続で3種全て同じ(共通収録2曲のMV)。
1.久しぶりのリップグロス
センターは千葉恵里。シングル表題曲では初センター。2015年にドラフト加入し、楽曲デビューは2017年3月のシングル『シュートサイン』Type-D,EのC/W「アクシデント中」(AKB48 U-19選抜)に研究生の立場で参加したのが最初。しかしJPN化が常態化していた当時出世の道はほぼ無く、以後も総選挙結果シングルである『#好きなんだ』『センチメンタルトレイ』と『ジワるDAYS』以外のシングルのC/W1曲のみ参加がずっと続いていた。純AKB48となった『根も葉もRumor』で初選抜、C/W「大騒ぎ天国」(Second Generation)では初センター&初の1シングル2曲以上参加と一気に出世し、3作連続選抜入り、3作目でセンターと一気に上り詰めた。今作時点でまだ19歳と見るか、11,2歳の頃にドラフトで獲得した逸材だったはずが10代の大半を干したと見るかは微妙なところ…。また茂木忍は2011年12月のお披露目から初選抜まで10年10ヶ月という最長記録を更新。なお楽曲デビューは2012年8月の『ギンガムチェック』C/Wだったので楽曲初参加から数えても10年かかっている。
作曲は川浦正大(「上からマリコ」の人)、編曲はAPAZZIでA面は「ジワるDAYS」以来と思われ、48への参加も多いが乃木坂46への関与が最も多く、今年も「Actually…」を手掛けたばかり。久々にAKB48らしい王道アイドルナンバーだが、ここで井上ヨシマサを呼び戻したり、野中“まさ”雄一や若田部誠をC/Wに回す辺り、策士家のフェイバリット作家(?)ブームの頂点に今いるのはAPAZZIなのかなという気もしなくもない。
今作に関してはとことん王道でこれが続いていたらマンネリもいいところだが、1年以上のブランクからダンス路線2連発を経て王道自体が久々である事と、純AKB48化の実現以降、純AKB48メンバーによる表題曲で王道をやるのは柏木由紀以外初めてみたいなもの(「大声ダイヤモンド」でSKE48松井珠理奈が参加してからは姉妹グループ参加が常態化していったため柏木由紀でさえ「BINGO!」「桜の花びらたち2008」「Baby! Baby! Baby!」の3曲くらいしかなかった)と考えればリスナー以上に今作の参加メンバーにとってついに憧れのAKB48王道のシングル曲に選抜されたという感慨は深いかもしれない。
MVも王道の海辺ダンス(今回は砂浜ではなく砂浜にステージ設置)&メンバー同士のわちゃわちゃととことん王道アイドル路線。メンバーは意外とキャリアが長い者が多いが、ほとんど誰が誰だか分からない。上がつっかえていたのではなく、他のグループのエース格を長年に渡って常時参加させて純メンバーがまともに選抜入りできないか入っても目立たない位置だった弊害が顕著で、もっと早く常時オールスター状態を廃止していれば茂木さんが10年も選抜入りできない事は無かったし、1年に1回とか2年に1回くらいのペースでオールスター選抜にすればスペシャル感が出ていただろうし、数多の辞めていったメンバーにもチャンスは巡ってきていたはずだし、現メンバーの顔と名前ももう少し浸透していただろうに…。
★★★★☆
2.Sugar night(SHOWROOM選抜)
7月18日~8月3日まで行われた『AKB48「SHOWROOM選抜」決定オーディション』での結果を受けた上位8人の選抜。順位は上の通りで1位となった本田仁美がセンター。AKB48名義によるSHOWROOM選抜企画は2016~2018年まで総選挙と連動して行われ、総選挙結果とは別にC/Wに「SHOWROOM選抜」枠が用意されており、MV付で総選挙結果シングルに収録されていた。対象が48グループだったため、姉妹グループメンバーが奮闘する傾向があり、過去1位2位1位とNGT48中井りかが最上位常連だったが、今回はAKB48限定となり、また4年ぶりという事もあってメンバーも様変わりした。しかし2017年にだけ超奮闘して1位をかっさらった大西桃香は今作で8位ギリギリの選抜入りを果たしている。
謎の作家デレク・ターナーが作曲、編曲はここで登場ベテランの野中“まさ”雄一。Su Su Su Su Su Sugar Nightの連呼が耳に残るキャッチーなナンバー。MVがド派手でセンター本田仁美が衣装に合わせたオレンジ髪、大竹ひとみも青髪になっているなど派手な髪色も目立つが黒髪のメンバーもチョイチョイカラーを取り入れているなど極彩色のカラフルな仕様(小栗有以はずっと黒髪でなんか黒髪にこだわってそうな印象あるけど)。なんかK-POP勢を意識したような雰囲気だが、本田仁美の経験やイメージに合わせた結果なのか。青髪が目立つ大竹ひとみは以前から派手な髪色にしていたようで、ここで目立って一気に出世作になりそうだが果たして。
★★★☆☆
Type-Aのみ
3.Wonderful Love(AKB48 17期研究生)
17期生は5月にお披露目されたばかり。ドラフトだ別枠のTeam 8だ色々加入方法は他にあったとはいえ、1つ前の16期は2016年お披露目なのでかなり久々の正規ルートの新人だ。研究生枠は全盛期の劇場盤C/Wで連続した事があったがしばらく途絶え、〇期研究生の名義で楽曲が制作されたのは2017年の16期研究生名義以来2度目。16期の時は総選挙結果シングル『#好きなんだ』の劇場盤C/Wの枠をなんとか確保した形だったが、今回はType-Aの3曲目という枠で劇場盤C/Wが既定だった研究生曲がこの位置に収録されるのは初。やはり純AKB48化に伴い意識が変わっている事が伺える。
作曲は表題に続く川浦正大、編曲はおなじみアレンジャーの1人若田部誠。元気な感じよりうも初々しい感じを押し出したアイドルポップ。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.わがままメタバース(AKB48 SURREAL)
NTT運営メタバースプラットフォーム「XR World」に専用空間「AKB48 SURREAL Theater」がオープンしそのテーマ曲を歌うメンバーによるユニット。SURRYというのはバーチャルキャラクターながらセンターに配置されている。5人のメンバーも別ネームとなっているなど企画色が強い。AKB48初のリアル・バーチャル混合ユニットとされているが、架空のメンバーをセンターに置くというのはグリコの企画で参加メンバーの顔を合成して作ったセンター江口愛実など前例はある。
で、なんか思ったよりもやべぇ感じだった。
なんかもっと近未来っぽいバーチャルキャラなのかと思ったら20年くらい前のそれこそPlay Stationの初代の頃のゲームでもこのくらいのCGデザインのキャラなら既にいたよねっていう(この動きは当時だと無理なのかもしれないが…)。バックで踊るリアルメンバーとの合ってなさと違和感が凄すぎて映像から曲が入ってこない。曲にしてもクールな感じではあるが真新しさは無く…。この企画色々と大丈夫なのか。
★★★☆☆
Type-Cのみ
3.マジか(2nd Generation)
「久しぶりのリップグロス」「Sugar night」に選抜されていない残りの全正規メンバーのうち21世紀生まれ(2001年以降)のメンバーを集めた事実上のアンダーメンバー。表題選抜ではないがSHOWROOM選抜には入ったメンバーに21世紀生まれはいないためこの条件はあまり関係が無い。
もっと若い感じを前面に出すのかと思ったらゆったりとしたサウンドの雰囲気が心地いいオシャレ系ナンバー。意外な作風だが好感触。
★★★☆☆
劇場盤のみ
3.運命の歌(1st Generation)
「久しぶりのリップグロス」「Sugar night」に選抜されていない残りの全正規メンバーのうち20世紀生まれ(2000年以前)のメンバーを集めた事実上のアンダーメンバーその2。表題選抜ではないがSHOWROOM選抜には入った4人(28歳の岩立沙穂、23歳の大竹ひとみ、22歳の山根涼羽、26歳の篠崎彩奈)は全て20世紀生まれで今作には参加していない。
前述のように研究生など新人枠で使用していた劇場盤C/Wに事実上アンダーの年長メンバーがまとめて送られるとは…。カッコいい系のダンスナンバー。
★★★☆☆
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