2021年9月29日
Special Edition
初登場1位 売上45.2万枚
初登場30位圏外 最高29位 売上0.4万DL(単曲)
初登場14位 売上0.04万DL(Special Edition、アルバム扱い)
20年3月以来1年半ぶりのシングルCD。新コロ握手会封じにより、握手券による姉妹グループ総動員でのミリオン到達が不可能となり、単独で動いている姉妹グループ、坂道グループはオンラインに切り替えてリリースを再開していたがAKB48だけは新作がリリースできない状態となっていた。
リリース再開にあたっては2008年『大声ダイヤモンド』でSKE48の松井珠理奈を選抜に入れて以来行っていた姉妹グループメンバーを参加させるという48グループ総動員状態(事実上のJPN48)を廃止、純AKB48メンバーのみの参加とした。これは1回目のじゃんけん選抜で参加資格が当時存在したSKE48、SDN48には無くAKB48メンバーだけだった2010年「チャンスの順番」以来となる(その前はキング移籍前)。
なお岡田奈々は元々AKB48で出向の形でSTU48と兼任していたがSTU48との兼任は来月のSTU48シングルで最後となり、AKB48専属へ戻る。兼任メンバーはこれでいなくなる見込み。
A,B,C,劇場盤の4種、A,B,Cに初回盤、通常盤が存在するが内容は同じで初回盤は応募抽選シリアル、通常盤は生写真ランダム封入。
A,B,C,劇場盤の4種で3曲目が異なる。
DVDはA,B,C共通で表題曲MVとダンスバージョンを収録、A,Bに「離れていても」、Cに「君がいなくなる12月」のMVを収録。
他の姉妹グループが2曲入りに規模を縮小する中で3曲(3曲目が4種で異なる)を継続したが、MVが新規2曲しか制作されず、昨年配信リリースした既存の「離れていても」と合わせて3曲しかないため、A,BのDVDの内容が全く同じという手抜き商法となった。姉妹グループでは規模縮小に伴って近年この前例があったが、AKB48名義でDVDの内容が同じという手抜きは史上初。
また坂道が始めた配信用にはタイプごと配信せずにカラオケをカットして全曲をまとめたSpecial Editionで配信する手法を姉妹グループが追従するようになる中でAKB48だけは前作までタイプごと配信を継続していたが、今作で素直にSpecial Edition手法を初採用した。
というわけで前作までは劇場盤以外を全種CDで揃えていたが、MV以外特典収録が無い状態が長年続いている事とついにDVDがA,B同じの手抜きに走ったため、サブスクSpecial Edition視聴へと一気に格下げ。正直ここまでスッキリと手抜きされると容赦なく移行できた。
なお1クールで休止になった冠番組名では乃木坂に抜かれたと自虐したタイトルだったが、O社売上では乃木坂どころか、日向坂、櫻坂にも抜かれ、3坂道に抜かれていたことが判明した。
1.根も葉もRumor
センターは岡田奈々で「ジャーバージャ」以来3年半ぶり2度目。
気合の入ったカッコいいダンスナンバー。英語詞での掛け声もいつもの秋元系カタカナ表記ではなくしっかり英字で歌詞表記されている(そこ?)。ルーマールーマー連呼するサビもインパクトがあり、Nothingの連呼が梨に聞こえるとしてとっとり梨食べ大使に就任決定するなどシャレも効いている(そこ?)。AKB48単独シングルとしては一定のキャッチーさも保っているバランス感覚もいい。PRODUCE 48にかぶれていた「NO WAY MAN」よりも聞きやすさはある。正直秋元康の興味が薄れていて明らかに坂道系に比べてシングル表題曲の出来にムラがあるのは仕方ないにしても現状ではベストなチョイス、C/W含めてもちゃんと1番シングルっぽい曲ではあると思う。
MVは高校ダンス部のドキュメンタリー風の内容で静岡県の伊東市立宇佐美中学校でロケを決行。先のNGT48と若干コンセプトが被るが(実際の学校でロケ、生徒もダンスに参加)こちらはダンサーには現地生徒ではなくダンス部に力を入れている三重高校のダンス部SERIOUS FLAVORを召喚。また明確なストーリーは無いようで、ただ練習してただ踊るといった感じでひたすらダンスの迫力勝負。一応設定はあるようだが、年齢が行き過ぎた柏木・横山由は生徒役ではなく先生役が割り振られている。それでもセンター岡田がピンク髪、そのすぐ横の本田がド金髪というのは異色。そんな派手な髪色で学園モノ高校生設定にしなくても大学のダンスサークルくらいにしておいた方が良かったのでは…。あとビビッて生徒全員マスク着用させたNGT48と異なり、明らかにNGT48撮影当時の10倍以上(春先の新潟県と夏の千葉県だと陽性者数10倍差どころではなかった?)の陽性者状況下、蔓延防止だか緊急事態まで出ていたかどうかという宣言下の撮影でも”演者・スタッフともに感染予防対策を徹底のうえ「根も葉もRumor」のMV撮影に臨み”の一文を加えるだけで生徒全員ノーマスク世界を実現させるという同じ48グループでも正反対の判断をしているところは興味深い。
いずれにせよとにかくAKB48に対するメンバーの危機感、ここからもう1度行くぞという気合の入れ方は全部ダンスを本格化するという方向性に特化するつもりのようでダンスの気合が凄い。踊りたくなるダンスを提供して運良く「踊ってみた」でバズったり、どこかの高校のダンス部が踊りまくってくれて広がればヒット曲として返り咲けるというのが最大の狙いと思われるが、AKB48ファンは激しいダンスをさほど望んでいるとも思えず、そういう魅せるダンスが好きならとっくにハロプロやK-POP他のダンスグループに行っていると思うし、むしろピンク髪やらド金髪、カッコいい系のダンス路線は清純派を望むファン受けが著しく悪いことが容易に想像され、ダンス好き学生世代という絞ったターゲット層に無風で終わった場合ますます厳しくなりそうな気もしなくもない。なんか世界的な流行りがそれだからとこぞってダンスダンスダンスと群がらなくてもAKBらしさを求めるお客さんにあまりにもドマンネリにはならない程度にAKBらしいアイドル感を提供し続ける方が遠回りなようで今は必要な事のようにも思う。まずはJPN化し続けて完全に失われてしまった純AKB48としてのグループ感を取り戻す、純メンバーをちゃんと前に出して定着させて1人でもエース級のメンバーを輩出できる環境を整えてほしい。
★★★☆☆
2.離れていても
共通C/W
20年7月に配信限定でリリースしたコロナバラードのCD化。乃木坂46に遅れる事1ヶ月以上、二番煎じのような医療従事者絶対感謝全額寄付を打ち出すという出遅れっぷり(芸能界は最初の緊急事態宣言明け以降はとっくに自粛解除になっていた)で、ソーシャルディスタンスプロパガンダを展開してDLランキングにも顔を出さない一体いくら寄付出来たのだろうか…という大コケをぶちかました事すら既に記憶から消え去っている勢いだったが、まさかの再利用。乃木坂46はこんな既出曲でC/W枠を埋める事はしていないのに、既出曲を共通C/Wにして枠を埋めた挙句に、表題曲と「君がいなくなる12月」しかMVを制作しなかったので、DVDの収録枠を埋めるのに活用するとは…。医療従事者絶対感謝全額寄付の精神はどこへいったのか。
この曲は当時参加できる面々が集結したため、AKB48メンバーだけでなく卒業生、そして指原・松井・山本といった姉妹グループメンバーも参加。今作における”AKB48メンバーだけ”はC/Wにも適用されているがこの曲だけルールを破っている事になる。改めてちゃんと聞いても質の悪い洗脳バラード。締めの”君のために離れていよう”とかこの物言いのせいでどれだけのものが失われたのだろうか。
☆彡
3.大騒ぎ天国/Second Generation
Type-Aのみ
JPN化に伴い総選挙時以外でアンダー枠が消失してもう何年も経っているが、形を変えてアンダー枠を復活させて世代でSecondとFirstに分けて振り分けた模様。ここでMVが作れないのが人気急落っぷりを物語るが(アンダー枠でも第1回総選挙以降MVを作っていた)、近年は1曲も参加していない非選抜純AKB48メンバーが大量に出現している状態を長年放置し続けていたのでAKB48メンバーがAKB48のCDにちゃんと全員参加するという当たり前がようやく復活したのは喜ばしい。ていうかマジでなんで長年こんな大事な部分を放置していたのか。
一応若手という事もあってか、今作の中ではタイトル通りの大騒ぎっぷりで最も元気いっぱいな感じの元気アイドルポップ。ブリッジ部分の右から左~♪の中毒性はかつてのTeam8っぽい。
★★★☆☆
4.西高東低/Team 8
Type-Bのみ
JPN化してからもチーム曲がまともに作られなくなってからもTeam 8だけは独立して曲を与え続けていて今回も唯一残された。これはTeam 8メンバーの大量の非選抜メンバーはSecond Generation、First Generationに混ぜていないので全員参加を達成させるためと思われる。全盛期過ぎくらいの時期にTOYOTAスポンサーで始まった47都道府県から1人ずつというチームのシステムが最早足枷になっていて相次ぐ離脱で10以上の抜け都道府県が放置されたまま補充が間に合っていなかったり、Team 8だけでAKB48メンバー半分を占める、10人以上抜けが出ていてもなお大人数過ぎて扱いにくいなど、システムが明らかに弊害になっている感はある。かといって今更リストラも出来ないし、補充せずにじわじわ縮小させてほかのチームと同じ人数編成まで縮小させていくしかないのでは…。
爽快なバンドポップ風のナンバー。爽やかさが気持ちいい。現在の2人の微妙な関係を気圧に例えて現在は西高東低、つまり冬型の気圧配置=日本海側は大雪という事でうまく行っていないが夏になったら変わるかなと待ちの姿勢を取る純情男子目線のラブソング。策士家のユニークな策士っぷりが堪能できるが、さすがに主人公が変人すぎないか。
★★★☆☆
5.君がいなくなる12月/横山由依卒業ソング
Type-Cのみ
12月卒業との発表を受けての卒バラ。そのまま12月って…と思ったが、歌詞の主人公は”僕”だし、これまでの卒バラのような本人のエピソードや思いを組み込んだり、本人の決意を組み込んだものではなく、本人とは関係ない旅立つ(?)君との別れを惜しむような喪失系ラブソング。一応横山が去った後のファンの喪失感を歌詞にしているのかな…。そんなん歌詞にされても辛さが増すだけでまともに聞けなくない?とも思ったが明らかに2人の距離は恋人関係っぽく描写されているので(「愛」とか言っちゃってるし、目の前に手を伸ばせば君は確かに存在していたとかファンだとすればヤバいレベルでガチ恋しすぎている)ファン目線では無理がある。横山本人の卒業ソング感はどうにもあまりない。歌詞の内容なんだこれ、どうしてこうなった。
当初は歌手志望と言っていただけあって歌は安定感があるが、その後ソロシンガーを目指している感じも全くなくなってしまった。出世は早かったけど、2代目総監督指名されてしまったのが結果的は運のツキになってしまった感もある。既にどうにもならないJPN化で単独コンサートすら希望しても出来ないような状況での総監督業は動かせない組織とファンとメンバーの不満の板挟みでしかなく、2018年に3代目の向地に総監督を譲るも、卒業せずに自身はそのままお局さん感化して残るというますます影の薄い感じになってしまい…。なんか組織に縛られ過ぎなければもう少し個人として輝けたのではないかとは思ってしまう。後輩ポジだったNot yetの頃の方がアイドルとしてはイキイキしていた。初代の高橋がこの総監督という重いシステムを横山に受け継がせてしまう事に難色を示していたわけだし総監督して功績を残せることがあったとしたら総監督制度を横山限りで終わらせることだったとも思うがそれも出来なかったしなぁ…。今作で単独AKB48としてCDリリースが実現できた以上、48グループ全体の総監督はもう必要なくなるかもしれないし。
★★★☆☆
6.ブラックジャガー/First Generation
劇場盤のみ
残りの年長メンバーが参加。推されていた時期があった入山杏奈や加藤玲奈って今は選抜落ちなのか…とか全盛期を知る数少ない生き残り大家志津香、宮崎美穂がまだいる!…とか残党知っているメンバーの数は個人的には実は選抜とあまり変わらなかったりする。
ギラついた感じの派手なナンバー。編曲にZYYGの後藤康二だが、こういう野中まさ系のバリバリ48っぽいアレンジもするのかとちょっと意外。
しかしSecond Generationと対になるFirst Generationなのに劇場盤送りって。まあ今回MV制作がどちらも無かったから格差は出なかったけど今までだったらこっちだけMV制作なしに回されていたかもしれないわけで…。
★★★☆☆
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