ハッピー☆ブギ/中納良恵 さかいゆう 趣里

2023年10月4日(配信)
2023年11月15日(CD)
2023年11月22日(アナログ盤)
初登場26位 売上0.5万枚

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NHK連続テレビ小説『ブギウギ』主題歌シングル。10月4日に配信でリリースされた際はカラオケ抜きの2曲でロゴのみのジャケ写となっていた。11月15日のCDでは2曲のカラオケが追加収録されており、3人が写ったジャケットになっている。

配信でもこの際にCDと同内容で出し直したが、元の10月4日配信版も残っているため、2曲のみロゴジャケ写の10月4日配信版と2曲+カラオケ2曲の3人ジャケ写の11月15日配信版と別々にDL/ST配信されている。11月22日のアナログ盤は配信同様に2曲のみでカラオケは無い

EGO-WRAPPIN’、中納良恵ソロ共にトイズファクトリー、さかいゆうはユニバーサル(オーガスタ)だが、今作は笠置シヅ子の楽曲を現在リリースしているコロムビアからのリリース。

1.ハッピー☆ブギ/中納良恵 さかいゆう 趣里

NHK連続テレビ小説『ブギウギ』主題歌。EGO-WRAPPIN’のボーカル中納良恵、ソロシンガーさかいゆう、主演の趣里の3人名義。作詞作曲編曲は草彅剛演じる羽鳥善一のモデルとなっている服部良一の孫である服部隆之(ドラマの音楽担当も兼任)。作中に登場する楽曲は服部良一氏が実際に当時手掛けたヒット曲となっているが、主題歌である今作は服部隆之による書き下ろしとなる。主演の趣里は本編での歌唱の仕上がりが良かった事から後から参加してもらう事が決まったと公表されている。

服部隆之は主にアレンジャーとして活動しており、ドラマや映画の音楽担当の仕事が多いので作曲業はインストがメインで、歌の入った作曲をするだけでもかなり珍しいが、今回はほとんど初めてなんじゃないかという勢いの作詞まで行って作詞作曲編曲を一手に手掛けていてかなり珍しい。祖父である服部良一への最大限のリスペクトを込めた新たなるブギウギという感じで、シンプルな言葉にブギウギ連呼しながら華やかに盛り上がるという現代版ブギウギに仕上がった。まあこんだけブギウギ言っておいて華やかな感じにすればまず外さないというか紛れもなくブギウギだし、リスペクト感も出るし、正直祖父の偉大なる功績に挑むようなムチャぶりな主題歌依頼に応えたのは凄いなとも思った。

YouTubeには3人が出てこないリリックビデオのみを公開しており、発売後も3人の歌唱映像が一切出されていないのは紅白で初ステージというのを狙ってあえて見せないようにしていると思われ(たがまさかの外部での曲披露一切無しとなった)、イマイチどんな感じで歌っているのかは分かりにくいが大半は3人で歌っているようでソロ歌唱になっているのは1番冒頭が中納良恵→”ブギのウギが心軽くするの”の部分が趣里、2番冒頭はさかいゆう、Cメロらしき部分では趣里、中納良恵、さかいゆうにそれぞれソロパートがあるくらいか。

朝ドラ主題歌版ではイントロからすぐに歌になるがフルサイズはイントロがけっこう長いのと、Cメロがガッツリ短縮されていた事が判明。Cメロは不自然にならないように最初のフレーズから一気に最後に繋げているので主題歌版ではさかいゆうのソロ部分が目立つようになっていたが、主題歌サイズでも3人のソロパートが出てくるように構成したためと思われる。

そんなわけでフルサイズだとイントロの長さや2番冒頭のさかいゆうのソロパート、本来の3人順番にソロを取っているCメロが聞けてけっこう新鮮だった。
★★★★☆

2.東京ブギウギ/福来スズ子(趣里)

笠置シヅ子のカバー。劇中歌(劇中では羽鳥善一の作曲という設定)としてそのまま役名でのソロ歌唱。笠置シヅ子最大の代表曲として扱われていて、初回冒頭で先行してこの曲の歌唱映像が登場していたものの、11月15日のCD発売日付近の放送ではまだ最初の「ラッパと娘」が完成し、次の「センチメンタル・ダイナ」を制作・完成させた辺りまでしか話が進んでいないタイミングでの発売となった。この後本格的に戦時中に物語が進行していっており、11月までの放送では新曲どころではなくなっているのとこの曲の発表は戦後なので作中での到達にはもう少しかかりそうである。

なんとなく聞いたことのある曲ではあったが、 笠置シヅ子が亡くなったのは1985年3月30日、一応1985年3月1日生まれの筆者としては1ヶ月だけこの世に同時に存在していた事になるが実質ほぼ生まれる前に亡くなっていた人であり、さらに笠置シヅ子の場合は1957年頃には歌手廃業を宣言しているので、両親世代ですら歌手の現役時代を知らず、女優やCMに出ていた姿しか記憶してない

「東京ブギウギ」の当時の熱狂をリアルタイムで体感した人とはつまり戦争体験を語れる人とほとんど同じなわけで2023年の現在はOVER 80’s WORLDの領域である(発表は1947年、紅白での歌唱は3度目の出場となった1953年)。戦争体験は証言・資料として残っても笠置シヅ子体験、東京ブギウギ体験なんてものはあまり記録として残っていないのではないか。

残された音源自体は聞けるとはいえわざわざ聞こうという事も無く、この機会に改めてちゃんと聞いたけど戦後の日本の流行歌という背景も踏まえてこういう明るさが必要な時代だったんだろうなとは改めて思った。

あとなんかナチュラルに趣里の歌が上手い。グイグイ歌い上げるタイプではないがしっかりしていて聞きやすい歌声だ。既に12年のキャリアで33歳となるが歌手としての活動歴はなかっただけに驚き。
★★★★☆

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