2023年8月23日
2023年8月1日(おひとりさま天国)
2023年8月16日(Special Edition)
初登場1位 売上65.4万枚
初登場10位 売上1.2万DL(おひとりさま天国)
初登場1位 売上0.47万DL(アルバム扱い、Special Edition)
5ヵ月ぶりのシングル。8月1日に表題曲のみ先行配信、1週間前に全曲セットのSpecial Editionが先行配信された。
8月24日で卒業する早川聖来は不参加。
3月31日から休業している岡本姫奈、6月10日から休業している林瑠奈は共に不参加。
事故から1年経過するが休養状態のままで復帰のめどは立っておらず掛橋沙耶香は不参加。事故から1年となる神宮ライブでも何の発表もないまま過ぎ去った。
Type-Dの特典映像「32nd SG アンダーライブ」は4月開催で休業前のため林瑠奈は参加している。また卒業した北川悠理の最終参加ライブとなった。
Type-A,B,C,D,通常盤の5種発売。3曲目C/Wが異なり、A~DのBlu-rayの内容は全て異なる。A~Cが5期生個人PV、Dがアンダーライブ抜粋というのは前作と全く同じで最初期の”MV+個人PV振り分け”の固定フォーマットが続いた時期を除くと前作から特典映像の内容に変化が無いのは実質初となる。MV制作4曲は前作からキープ。規模の縮小は見られない。
1.おひとりさま天国
岩本蓮加、一ノ瀬美空、与田祐希、梅澤美波、五百城茉央、田村真佑
山下美月、賀喜遥香、井上和、遠藤さくら、久保史緒里
井上和が初センター。デビューセンターの中西アルノに続く5期生2人目のセンターとなる。卒業する早川聖来が不参加となったが、前作選抜から佐藤璃果、松尾美佑が外れて中村麗乃と池田瑛紗が初選抜。入れ替えの仕方から10thまでの間に1期生に見られた未選抜メンバーを1回ずつ選抜入りさせていき順番が来る前に早期卒業してしまった2名を除いて全員1回は選抜入りさせていた通称「思い出選抜」が復活しているのではないかという見方もあるとか…ないとか…。
作曲はAkira Sunset,丸谷マナブ,ha-j,遠藤ナオキ、編曲はAPPAZI。随分と連名になっているが作家陣がコライト形式で共作したようだ。しかし結局アレンジをまとめたのがAPAZZI単独というところにまたAPAZZI任せかよ…という感じも無くはない…。
恋愛至上主義の考え方についていけない、興味がない主人公がおひとりさまライフを満喫しようとする女の子目線の楽曲。これいつものように作詞家お得意の純情男子目線にすると結局世の中大多数派の恋愛至上主義の人たちにモテない野郎が強がっているだけみたいな見方をされて地獄曲扱いみたいになってしまうところ、女子目線だと何故かOK、ましてやアイドルなので万事OKみたいになってしまう辺りが実に策士家。
クール系っぽく見えるけどまだまだ若くカワイイ路線もやれる井上和も案外センターとしてハマっている印象。ただせっかくの歌唱力があまり生かされず、サビ前のほぼ台詞の”It’s the single life”をかわいく言うのと大サビで1フレーズくらいしかソロ歌唱が無いのはもったいないというかなんというか…。しかも”It’s the single life”も1番だけだし。
お祭りソングみたいなノリと電子音路線となんだか色々ごっちゃまぜにしたような楽曲ではあるが、歴代の夏曲の中でも久々にこれぞという1曲になった印象ではある。ていうか歴代夏シングルってライブでの登場頻度と使われ方が大体いつも同じで何度も映像化されているのでCD音源なんて久しく聞いてないのに軒並み飽きてしまっている状態なので、新定番として定着してほしい。
MVは各メンバーの趣味や番組で残した爪跡などの要素が詰め込まれていて見どころが多い。過去に主に2期生曲で思い入れの強さを発揮していた伊藤衆人氏、2期生もみんないなくなってしまったがまだまだ手腕を発揮してくれている。
★★★★☆
2.踏んでしまった
アンダー曲。センターは松尾美佑。前作選抜の佐藤璃果、松尾美佑がアンダーとなり(松尾はセンター)、前作アンダーの伊藤理々杏、中村麗乃、池田瑛紗は選抜入りで抜け、岡本姫奈、林瑠奈が不参加で北川悠理が卒業したので前作17人から4人少ない13人。作曲はyoss、編曲は野口大志,yoss。
ハイテンポなロックナンバー。なんか思いっきりSCANDALっぽい曲調で、打ち込みじゃなくて生バンドにしたらマジでそのままSCANDALのド王道ロックナンバーになるんじゃないのかこの曲。自問自答系の意味深歌詞、何を踏んでしまったのかも一見すると良く分からない抽象的な楽曲だが、何かを振り切ろうとするかのような激しい曲調にはマッチしているか。
MVはありえない場所に立っている合成映像と屋上でのあからさまに酷暑全開っぽいダンス映像が展開。ありえない場所に立っている合成映像ってV6の「Feel your breeze」を思い出すなぁ…っていうかほとんどパクリじゃね?と思ったんだけど21年も前だった…。21年経った割に合成技術があまり進化してないというかなんか今作の方がむしろちょっと雑で不自然な気が…。
Type-Aのみ
3.誰かの肩
表題曲と同じ。作曲は山田智和、編曲は住谷翔平。
卒バラ以外では珍しい合唱バラードナンバー。ただこの手の合唱バラード、ドキュメント映画のタイアップのやつとかで前も無かったっけ…?と思うくらい既にどこかで聞いたことがあるような感じが…。1,2期生が全員いなくなった後の3期以降の現メンバーでのバラードという事でここらで1曲必要ではあったのかもしれない。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.マグカップとシンク
4期生同士のユニット。遠藤さくらは前作の5期生井上和とのデュエットに続いて2作連続の2人ユニット参加となり、大園桃子とのデュエット「友情ピアス」含めて何故かデュエット3作目となる。作曲はCOMiNUM,TomoLow、編曲はTomoLow。
かつて西野七瀬が過剰優遇されて1人だけソロバラード曲連投という事があったが、デュエットばかり3曲3人目というのは新しいパターンだ。歌唱力に乏しいのは西野七瀬も同様だったが、なんかこう曲を与えてあげたくなる系のメンバーという点では似ているところがあるのかもしれない。ソロ曲だと当たりが強くなる上に、本人が卒業した後のソロ曲は使いどころに困るがデュエット編成なら新デュエット編成で歌いつなげるという計算もあるのかないのか…。過去2回は先輩と後輩だったが今回は初の同期となりやりやすそうではあるんだけど、イメージや歌唱力に対してクールな曲調が合っていないような…。賀喜はそこそこ歌えるのでこういうのも行けるんだけど。
表題、アンダー、5期に続く最後のMV制作枠に選ばれた(2人しか参加してない曲に貴重な1枠を…)。ドラマ仕立てになっており、シンガーソングライターsakuraとして動画サイトに投稿しているが再生回数2桁で停滞している遠藤さくらとイラストレーターを目指している(?)賀喜遥香が遠藤が働くバーで出会い、賀喜が遠藤を描いた事から遠藤もsakuraの曲を聞かせて意気投合。しかしあまりに売れない遠藤はバーも辞めて姿を消してしまう…。というところで曲が終わってしまうが曲終了後に駅のホームにいた遠藤の元に賀喜がやってきて励まして共に歩き出そうとする様子が示唆され、ラストカットで賀喜がジャケットイラストを手掛けたsakuraのCDが映り、2人でCD制作にこぎつけた未来が示されて終了する。台詞なしなのでちょっと分かりにくいが、後輩イメージの強かった4期生でも中堅となり、もう当たり前のように学園モノではない、年齢的には大学生モノのMVになるところに時の流れを感じたりも。
しかし遠藤さん、2021年に「友情ピアス」で大園桃子とギター弾き語りをやらされ、同年バンド編成の「泥だらけ」ではエレキギターをやらされ(楽器初心者向けの曲とは到底思えない編曲になっており、練習はしているがギターソロは無理と当時発言していた)…とギターは元々得意なわけではなくなんか急にギター弾く編成の曲に参加させられた感があったけど、その後もちゃんと続けているようで「おひとりさま天国」でも遠藤の部屋にはギターが置かれ、今作もピアノ系ではないギター系のシンガーソングライター役…と相変わらずギターキャラ押しで随分と珍しい。というのもこれまでも何故かギター弾ける子や弾けるようになった子はあんまり運営でギター押ししてこなかっただけに遠藤は随分ギター押しするなぁという印象。
★★★☆☆
Type-Cのみ
3.考えないようにする
5期生曲。センターは冨里奈央。休業中の岡本姫奈は不参加。作曲は杉山勝彦、編曲は杉山勝彦,谷地学。
5期生曲は2作連続のみん杉曲。杉山勝彦がリスナーの間で高評価を獲得してとりあえず杉山勝彦の名前があればそれだけで期待される状態(これがいわゆる「みんな大好き杉山勝彦」いわゆるとか言っているけど言っているの当サイトだけなので他所では使えないゾ)となったのはストレートに良メロだったゆえだが、前作同様に今回もみん杉メロディー全開の必殺真っ向勝負な良曲。
ただなんかこの感じ、以前聞いたことがあるな…と思ったんだけど2015年の「大人への近道」だ(『今、話したい誰かがいる』Type-BのみC/W。北野日奈子、寺田蘭世、中田花奈、中元日芽香、堀未央奈の5人ユニットでサンクエトワールと名付けられて後にもう1曲「君に贈る花がない」も発表)。ピアノイントロからのドンドンドンドンリズムのソロパート始まりとか全体に漂う切ない雰囲気とか大枠を踏襲しているような感じ。「大人への近道」は古川貴浩の作編曲でこの前後数年にかけてC/Wで今でも比較的人気ある曲を担当するもここ最近は提供していない。今回はみん杉なので作者は違うがさりげにかなり意識しているような…。ていうか他にもなんか色々な過去曲の要素がありそうだな。
MVでは意味深な冨里奈央のモノローグが最初と最後に追加されている。1番ではソロパートを誰が歌っているのか分かるようなカット割りになっている(ソロパートのメンバーが映って歌っている)ので分かりやすくていいんだけど2番では無視されているので2番のソロ歌唱がさっぱり分からない。1番で歌っていない残りのメンバーメインだとは思うんだけど…。
★★★★☆
Type-Dのみ
3.お別れタコス
3期4期から2人ずつのユニット。3人が1999年生まれだが中村のみ2001年生まれで特に共通項のある選抜ではない模様。
作編曲は中谷信行。
作詞家のパターンとしては「ロマンティックいか焼き」辺りと全く同じパターンのパワー造語だが、今回は失恋曲。いつものフードコートに呼び出されてタコス食べながらフラれる男の曲。あまりのショックに”涙がサルサのように…”、”チリはいつものチリで変わらない”のに”スパイス効き過ぎてるよ”とかなりタコスに引っ張られており、”さよならタコス”とも言っているように恐らく主人公はタコスがリンクしすぎて思い出すからもう2度とタコスを食べることは無いだろう…。
アレンジや曲調は「ロマンティックいか焼き」とは全く違う曲でなんだかビートリー(?)な感じ(=「Ticket to Ride」的な感じ)のギターメインのバンド風サウンド。極稀にやるメンバーに楽器持たせてバンド編成曲にバンド外部の装飾音入れまくったり打ち込み過ぎてバンド感無い曲にしてしまったりするのに、バンド路線でも何でもない曲でストレートにバンドっぽい曲を持ってきてしまうのは何故なのか。バンドの時にこういうアレンジ持ってこいよ…。ギターがちょっとごまかし効かないのでアコギジャカジャカ弾けますレベルでやらせるのは無理だけど向井葉月辺りなら弾けそうだし。
★★★☆☆
通常盤のみ
3.命の冒涜
千葉県出身メンバーによるユニット。3期生に千葉出身がいないため4期5期で構成されている。歴代でも千葉出身は1期に4人のみで、4人のうち2人は初期に卒業(宮澤成良、市來玲奈)、残る2人である高山一実と星野みなみは長期在籍していたが3期生に千葉出身がおらず、しばらく2名だった。4期生柴田が久々の千葉出身者で新4期で松尾も追加されたので、高山・星野の相次ぐ卒業後も柴田・松尾で2名をキープする見込みだったが、直後に加入した5期生に何故か千葉出身者が5人もいたので一気に一大勢力となり、ついにユニットにまでなった。
作曲はミノシマシンゴ,新Q、編曲は新Q,ミノシマシンゴ。わざわざ並びが逆になっているので作曲はミノシマシンゴがメイン、編曲は新Qがメインで手掛けたのだろうか。
これも平メロはソロパート繋ぎ(ほとんど誰か分からんが…)、広がりのある爽やか良メロナンバー。ただやはりどこかで聞いたことがあるようなないような…。
★★★☆☆
Blu-ray
Type-Aのみ
-5期生個人PV-
井上和
奥田いろは
五百城茉央はイメージを変えたカッコいい姿を見せるロックナンバーの歌モノ。井上和は父子家庭で育った高校生の娘が父の定年の日に料理をするという内容だが…これは60歳定年にしても父が40半ば過ぎでの子供だったのか?父の姿はハッキリ映さない方式を取っているが、高校生で父定年って割と珍しいような晩婚化で今は珍しくないような…。奥田いろはもドラマモノだが、おじいちゃんがボケていておばあちゃん(の若い頃)と勘違いされ、会話を通して父の思いを少し知るという少しいい話。途中で終わってしまう感じは否めないが…。
Type-Bのみ
-5期生個人PV-
川﨑桜
中西アルノ
小川彩は反抗期…と言いつつもメチャメチャラブリーで無邪気に遊び回るアイドルソングMV。しかしこの子、加入時はまあ幼さを残しているなくらいだったけどそのままあまり変わって御田主年齢の割に見た目が幼いままで未だに高校生には見えない。ひねくれずに愛想愛嬌全開のまま成長した”IFの世界の飛鳥ちゃん”みたいな雰囲気もあるようなないような。川﨑桜はヘンテコ世界での歌モノ。中西アルノも名前を入れ込みまくったアイドルダンスナンバー。歌唱力の高さから真面目な歌い上げ系に走りがちなところバリバリのアイドルダンスポップでアイドルしているアルノというのがポイントか。と、ここは3人全員歌モノMV。小川・中西の歌唱力が高いので、挟まれた川﨑は普通にアイドル標準でヘタではないんだけどヘロヘロ感が際立ってしまう。配置が悪くないかこれは。
Type-Cのみ
-5期生個人PV-
一ノ瀬美空
菅原咲月
冨里奈央
池田瑛紗は青年の前に突如現れて真意不明に絡んでくるという「世にも奇妙」テイスト。底知れぬ不思議な世界観と魅力を併せ持った個性が存分に醸し出されていて今作の中でも異色の出来。一ノ瀬美空は右手をドリルに改造したというコメディを全力全開で振り切ってやっていて対応力の高さが垣間見える。菅原咲月は指令・チャレンジモノ。冨里奈央は笑顔を盗まれたというドラマモノだがアイドルとしての自身を再確認するような意外と深い内容だった。
全体通して今回は典型的なクリエイター系が無く(しいて言うなら川﨑桜の歌以外のキャラクターの設定等が意味不明でクリエイター色強めに出ちゃってる感じはあった)、それぞれの新たな魅力を存分に見せてくれた感じはする。
ただなぁ…デビュー当時はいきなり30数名いて3種しか無かったので1種10名程度の個人PV+MV2曲を収録した1時間近いDVD付Type-A,B,Cだったわけで、DVD1種に全部収録していたような内容を3分割してBlu-rayで単価上げってコンテンツあまりにも薄め過ぎじゃないですかね…。
Type-Dのみ
-32nd SG アンダーライブ-
自惚れビーチ
嫉妬の権利
誰よりそばにいたい
4月開催なので直前で岡本姫奈は不参加決定となったが、林瑠奈は参加。5月に卒業発表して6月に引退した北川悠理は最終参加ライブとなる。
「さざ波は戻らない」を引っ提げてのアンダーライブなので同曲Wセンターの伊藤理々杏、林瑠奈が座長ポジションでの公演。林には確かに異変の兆候が感じられ、笑顔少なめで少し疲れているように見える。「さざ波は戻らない」の前のインタビューが伊藤1人なのでインタビューに応じられない状態だったのかと思ったが、最後のインタビューには2人揃って参加していたのでそこまでではなかったようだ。
選抜と休業を経てアンダー初参加となった清宮レイもピックアップされており、「自惚れビーチ」ではセンターを担当。2期生鈴木絢音センターであまり明るくないイメージで売っていた人がメチャクチャ明るいアイドルサマーポップを歌ってはじけるというところにオリジナルの面白さがあったが、普段から明るい清宮センターもまた王道な良さがある。
「嫉妬の権利」は矢久保美緒と卒業した北川悠理のWセンター。北川が個人PV(と単独クイズ番組出演)以外でピックアップされる機会はこれまで皆無だったので最後に貴重な映像となった。「誰よりそばにいたい」の前には初合流となった5期生のインタビューも挟まれているが、楽曲自体は終盤まで全員のソロパート繋ぎとなっているのが見どころ。
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