2023年8月の配信シングル(後編)

WeTube~夏やろうの夏~/TUBE

2023年8月16日
1年2ヶ月ぶりの新曲。恒例の横浜スタジアムでのライブ『TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2023 TUBE JAMBOREE』を盛り上げるための新曲とされている。TUBEは配信にはかなり消極的で2019年にCMで使用されていた「いただきSummer」を同年のTV出演時から新曲として何度か披露しながらも未発売のまま頑なに配信でも出さずに1年後の2020年のアルバムでようやく商品化、2021年にCMで使用されていた「スマイルフラワー」は6月のシングルC/WとしてCD化する1ヶ月前に単曲先行配信してようやく配信を活用した。今回がCD化が告知されていない状態(先行配信ではない)初の配信となる。

作詞:前田亘輝,ヤマモトショウ、作曲:春畑道哉、編曲:南田健吾,福島貴夫、Produced by agehaspringsとなっており、作曲のみかろうじて単独だが、編曲プロデュースはagehaspringsに丸投げ、作詞すらも単独ではなく共作となっていて今回は外部にかなりの部分を委ねているようだ。毎年のアルバム発売を行っていた最後の年である2012年に編曲を外部に委ね、2015~2016年もまだ外部に委ねていたのが2017年ミニアルバム『sunny day』でようやく編曲:TUBEが戻ってきていたけどまた外部か…。

「海の家」など2000年代前半~半ば頃までアルバムのリード曲にしていたみんなで楽しく歌って踊ろう路線の極みみたいな1曲。メンバーネタが1ブロックごろに盛り込まれ、合唱部分ではメンバー全員が単独歌唱でも登場するなどより内輪盛り上がりも同時に極まっているのでまあ長年応援しているファン向けではあるんだけど、思いのほかけっこう楽しいノリだし、特に昨年までの落ち込みモードから一転してのこの騒ぎ方には安心感もある。

ただここまで内輪メンバーネタの歌詞なのに作詞に外部の手を借りている点は若干気になる。しかもこのヤマモトショウってTUBEより若く(TUBE1985年、ヤマモトショウ1988年)、これまでに関与していた人物でもなく完全に外部から招いているのでそんなにメンバーに詳しいわけでもなさそうだ。YouTubeに引っかけてのWeTube、ノブテルンバ(前田)、ハルハタンゴ(春畑)、リョージルバ(松本)、カクノサンバ(角野)などパワーワードが炸裂しまくるが、こういったシャレの効いた造語を次々と生み出したのは前田亘輝なのかヤマモトショウなのか。いずれにせよ内輪メンバーネタソングの歌詞を1人でまとめきれなかったいう事で前田さんもさすがに老いたのかなぁ…とちょっと思った。”待ちきれないのは、永遠の夏休み 昨日にさよなら きっとどこかで”とか過去の曲をネタにした部分(「夏を待ちきれなくて」「あー夏休み」「さよならイエスタデイ」「きっと どこかで」) なんかもどっちなんだろうな。
★★★☆☆

メタり!!(feat. Tom Morello)/BABYMETAL

2023年8月18日

新生BABYMETALとして、初の新曲となる「メタり!!(feat. Tom Morello)」は、メタ村の夏祭りをテーマに、みんなで輪(サークル)になって踊れる、わっしょい(リフトアップ)ソング。
ROCK界における革命的レジェンドバンド・Rage Against the MachineのギタリストTom Morelloをゲストに迎え、まさに世代を超えたエクストリームコラボが実現!!
夏のライブで盛り上がること必至のアッパーチューンで、日本の夏を、世界の夏を、さらにアツくするBABYMETAL流サマーメタルソング誕生!!

と紹介されているように3月のアルバム『THE OTHER ONE』以来の新曲ながら、MOMOMETALが加入して再度3人組となってから最初の新曲。MOMOMETAL=岡崎百々子はさくら学院(2021年3月終了)の後輩となるが、2015年加入、2017年度卒。中元すず香は2012年度卒、菊地最愛(と脱退した水野由結)は2014年度卒なのでさくら学院で共に活動したことは無い。

テンケテンケ鳴り続けるお祭り・音頭にズンドコ重たいメタルサウンドを融合させるというインパクト絶大な1曲。新コロでライブできなくなったのでしばらく休止して復活する際に”バーチャルワールド「METALVERSE」を通じて、“我々の知らなかったBABYMETAL”を復元させる計画「THE OTHER ONE」の開始”、3月に出したアルバムの説明は”石化されたBABYMETALを復元させる計画「THE OTHER ONE」が始動した。それは、BABYMETALのもうひとつの物語・・・今作は、我々の知らなかったBABYMETALの楽曲を復元させたコンセプトアルバム。「THE OTHER ONE – BLACK BOX」に封印されていた謎を解く復元計画「THE OTHER ONE」を進めていく中で明らかになった時空を超えて存在する10個のパラレルワールド、そのそれぞれの世界をテーマにした楽曲10曲”ととにかくいちいち設定まみれで崇高になっていく一方だったが、初期の頃に見られたメタルとアイドルや和の要素との融合という面白さが形を変えて復活したようでもあり久々に面白い曲が出てきた。ボーカルもなんかいつもと歌い方違うし。途中のお告げみたいなパートは新メンバー?
★★★☆☆

ワラッタラッタ/HY

2023年8月20日
昨年9月のアルバム以来11ヶ月ぶりの新曲。公式サイトでは何故か今作の告知を一切行わず、仲宗根泉の11月発売のカバーアルバム「灯 -10 Cover Songs-」の告知しか行っていなかった。今作の配信は公式Twitterで告知された。三線も使っているようだが、ブラスも交えた明るいポップソングになっているのでいわゆる島唄的な沖縄っぽさは皆無というこれはこれで珍しいナンバー。曲自体はいつもの明るくポップなHY。
★★★☆☆

ROBO/SEKAI NO OWARI

2023年8月22日
ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』主題歌。作詞:Saori、作曲:Nakajin。2クール連続のドラマ主題歌となったが、7月4日の初回放送からドラマも後半に差し掛かった頃になって8月17日に配信を告知して配信された。6月28日に前作シングルCDを出したばかりなので少しズラしたのだろうか。

ドラマでは専用映像なしで終わり付近でそういえばセカオワっぽい声の曲がなんとなくかかっていたような…というBGM的な使われ方なので印象は薄い。実際落ち着いた打ち込みポップなので引っ掛かりは薄い。執行官のドラマが何故ROBOになってしまうのか、合っているのかもイマイチ分からない(疲弊してオンボロロボットのようになりながらも執行官頑張ってます的なイメージだったのかもしれないが残念ながらあまりそういう主人公サイドの苦悩を出してくるドラマにはならなかった)。それよりもここのところ別の方向性で凝るようになったのですっかり控えめになっていたボーカル加工が「ROBO」なのをいいことに全面ロボトミーボーカルになってしまったのが残念。
★★★☆☆

I’m going to love/Tourbillon

2023年8月26日
RYUICHI、INORAN、H.Hayamaによる3人組の2016年10月のアルバム以来の新曲。デビューは2005年だったが結成のきっかけになった3人のライブでの共演が2003年だったため8月にTourbillon Love 2023「20years Since Time Began」を開催。それに合わせて新曲も制作していた模様。元々2005、2006年の最初の2年しかまともに稼働しておらず、仮面ライダータイアップで2008年にシングル1枚をリリースして以降は活動していなかったが2015年に10周年でベスト、2016年にも続けて新作を発売するもまたも長く沈黙…となっていただけに急に始点をズラして始動20周年とか言われても…というのは正直ある。

作詞はRYUICHIで作曲はINORAN。かなり地味なミディアムナンバーで不穏なピアノの音色からやがてバンドサウンドになるもエレキギターが派手に盛り上がることも無く淡々と進行。RYUICHIのボーカルは終始加工ボイスになっていて味気ない。これは…一体どうしてしまったのか。久々の新曲がこれって戸惑いしか…。
★★★☆☆

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