2023年2月の配信シングル(中編)

2023年2月の配信シングル(中編)

アドベンチャー/YOASOBI

2023年2月15日
“ユニバーサル・スタジオ・ジャパン『ユニ春』CMソング。CM用書き下ろしでついに小説を音楽にするコンセプトも形骸化していくのかと思っていたら、“一般公募した“パークでの学生時代の忘れられない思い出”のエピソードの中から、YOASOBI賞としてグランプリを獲った菜葵の『レンズ越しの煌めきを』をもとに書き下ろし”。となっていた。<あらすじ>とかいつものように載せてるけどこれは小説ではなく作文だろ…完全に作文だろ…。コンセプトとしてはギリOKなのか。なんか外部のニュース記事では”エピソードの想いを組みつつ、メンバーたちが実際にUSJに行った時の思い出なども盛り込んだ楽曲”とか思いっきり自分たちのユニバで遊んだ思い出も盛り込んでるけどそれでも原作には違いないということか…タイアップがどんどん舞い込んでくるとどうしても難しくなってくるよなぁ…。ある程度はソロの方でさばいていく手段は使えるけど。

そんなわけでいつもよりもちょっとワクワク感がある楽しい感じがするのはタイトルというより、ユニバで遊んだ思い出が盛り込まれているせいか。ブレイク時の勢いはさすがに感じられなくなってきて次から次へと新曲が流れていってしまっている状況ではあるけど普通以上にいい曲。そういや『THE BOOK 3』も出てないな…。
★★★★☆

Voyage/FLOW

2023年2月15日
アルバム『Voy☆☆☆』1週前先行配信。ジャケットも流用、事実上の表題曲、リード曲と言える爽快なナンバー。打ち込み電子音を駆使しながらも、フレッシュな勢いに溢れている。20周年とはいえ最初のベスト程度ですっかり聞かなくなっていたけど今なお続けていられるだけの勢いは感じられた。
★★★☆☆

このまま君だけを奪い去りたい(DEEN The Best DX)/DEEN

2023年2月15日
3月のベスト盤からの先行配信。原曲アレンジでのスタジオライブ形式でのセルフカバーとなっている。バージョン名は公式には入っていないが区別のためか配信ではアルバムタイトルがバージョン名として併記されている模様。といっても原曲は『SINGLES+1』の1曲としてDL配信されているだけなんだけど。

原曲よりテンポが落とされており、よりじっくり歌い上げていく仕様。原曲キーだと思われるが…なんか高くないか。原曲はまだある程度勢いで奪い去れるけど、このバージョンはゆったりなせいかこのキーでこのテンポだと声が維持できなくて歌えねぇ…(お前の話は聞いていない)

25周年武道館で原曲キーを取り戻して、既に1度ピアノ+ストリングス編成でのセルフカバーは発表されているが、以後も原曲キーで歌い続けて当初は残っていた低音カスカスも全く無くなり、ド安定。現状配信されていない原曲の代わりというかもうこれ新たな原曲って事でいいよ

年齢は重ねているはずなんだけど何故アラフィフ(48~53)の間でここまで劇的に声が出るようになるんだ…。次は蕎麦森による「貴方の声も復活する!蕎麦森健康術」が発表されるのか。
★★★★★

YOU/FUNKY MONKEY BΛBY’S

2023年2月15日
3月29日の再始動後最初のアルバムからの先行配信。今作のジャケットはカンニング竹山を起用。アルバムジャケットはこれまで全てケミカルだったが今回はメンバー2人となる事も発表済み。

先行配信というよりかは先行シングルという感じか。ファンモンのシングルらしいメロウな楽曲。ひたすら優しく疲れた相手を肯定して励ましてくれる応援歌。解散前はこの手の曲あんまり刺さらなかったんだけど、彼らも40代となり、当時のリスナーの多くが30代以上になってきて、年季の入ったカンニング竹山氏のジャケットとなればなんか自然と色々と深みは出るわな。
★★★★☆

好きなんだ/TRIPLANE

2023年2月15日
10数年前にミスチルっぽい雰囲気の美メロなバンドとしてブレイク候補になっていたもののブレイクしなかったバンド。アルバム『リバーシブル』を聞いていいなと思ったものの続くシングル「雪のアスタリスク」を聞いただけでそのまま聞かなくなってしまい、ベスト盤『SINGLES 04-12』で改めて聞いたんだけどやはりそれっきり…。気がつけば聞かなくなってちょうど10年経っていた。御健在だったようでたまたま新曲配信が目に留まったので聞いてみた。

ファンモンと同日だったのでファンモンと一緒に聞いたんだけどこれもファンモンの曲かと思った。ポップな雰囲気で好きなんだ好きなんだと直球で連呼する若手ポップグループみたいなノリに驚いたが、キャリアを考えると…けっこうなアンチエイジング路線になってるんだな…。
★★★☆☆

僕たちのサヨナラ/乃木坂46

2023年2月17日
最後の1期生となった秋元真夏の最終参加曲。2期生の鈴木絢音も卒業を発表し、次のシングル不参加と言っているので鈴木絢音もこれが最終参加曲になるのか?と思ったら鈴木絢音は既に参加していなかったことがCD化された際の正式な参加メンバー表記によって判明。次のシングルに収録予定とされ、卒業公演前に配信シングルとしてリリースされた。“「11th YEAR BIRTHDAY LIVE」に参加する全メンバーでレコーディング”とわざわざ書いており、昨夏の神宮ライブで転落負傷して以降姿を見せていない掛橋沙耶香のみ不参加となっている事が暗に示されている。

作曲はかわいえいじ(本人公表)。作曲としか書いていないので編曲は別の人だろうか。秋元系列(48/46系)にはたぶん提供した事のない初起用の作曲家だと思う。

ラジオにて秋元真夏本人が今までの卒業生がどうだったかは分からないという前置き付で、自分の場合は卒業曲をソロにするかどうするか選択させてもらえてみんなで歌うのを選んだと語っていた。最早区別のつかない卒バラ路線ではなく、割とアップテンポ寄りでバンドっぽいロック系とは意外。イメージ的にも驚いたが11年在籍したキャリアを考えるとアイドル全開で終わるのではなく、乃木坂46としての秋元真夏の最終形としてこういう落ち着いた作風は大いにありなのかもしれない。「二度目のキスから」みたいなのをもう1度やるよりも、量産型卒バラをやるのとも違う。素敵なラストソングだ。

MVも公開されたが、秋元真夏のソロ仕様となっていて、昨年秋の櫻坂46キャプテン菅井の卒業時と同じやり方(卒業に合わせて配信でリリースする全員参加曲、次のシングルC/Wに卒業後の置き土産的に収録、MVはソロ仕様)。櫻坂46も乃木坂46が特典映像でやっていたマネージャー撮影舞台裏映像(マネージャーのコメンタリー付)を今回のシングルの特典映像にしていて、双方で過去にやったやり方をトレースし合う事になったのは偶然か。
★★★★☆

遥か未来の君へ/Rockon Social Club

2023年2月17日
3月1日のデビューアルバムからの先行配信だが専用ジャケットが用意された。男闘呼組メンバーを中心とした寺岡呼人プロデュースによる新バンドとされていて、公式サイトでも正式なメンバー表記がされていないが、中心とするどころか写真のメンバーは男闘呼組メンバー4人のみ

男闘呼組としては4~7月まで『2023 THE LAST LIVE』と銘打った全国ツアーを開催予定でこれにて区切りをつける事を示唆しているが、ツアー開始前にRockon Social Clubが始動し、昨年男闘呼組名義での復活TV出演で演奏していた「パズル」などの新曲もRockon Social Club名義でアルバムに収録して発売。成田商事、リトルブラックドレス、Rockon Social Clubとの3組出演だが「Tokyo Records Presents Rockon Social Club Secret Party」というツアーが3~4月に開催とライブも始めるという。しかも『2023 THE LAST LIVE』ツアーで5月4,5日に男闘呼組として東京ガーデンシアターでのライブが2日間予定されているが、翌6日はRockon Social Clubで東京ガーデンシアターを押さえての初ワンマンライブという…。

ファンも混乱しそうな突如出現した別名義バンドと並行しての活動となったが…まあジャニーズ特例的復活となった男闘呼組はやはりこの名前で活動し続けるのは契約面で難しいところがあるが、メンバー4人は再集結をこれで終わらせるつもりはなくまた4人でやりたい強い意向があると思われそういう事でのこういう流れなのかなと。”男闘呼組メンバーを中心とした”とかじゃあ他に誰がいるんだよ的なぼやっとした紹介をしているのもJ社が怒らないギリギリのラインなのかもしれない。

そんなわけで楽曲は熱いバラード。現役時代の男闘呼組というのはもちろんカッコ良かったんだけど、若さが前面に出た尖りっぷりもあってもう1つピンとこないところもあった。今の彼らが歌う楽曲にはあの頃には無かった熱さがあるし、絆もたぶんあの頃よりよほど深いんじゃないだろうか。あの頃よりずっとカッコいい。これはちょっとアルバムも聞いてみたいな。
★★★★☆

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