2024年3月の配信シングル(後編)

POISON/BLUE ENCOUNT × Takashi Sorimachi

2024年3月1日
いつ配信だろうと思っていたらもう配信されてた。反町隆史の字面ならざっと眺めて目に入るけど“Takashi Sorimachi”じゃ見逃すって。

4月1日放送のSPドラマ『GTOリバイバル』主題歌。『GTO』反町隆史主演版は1998年夏ドラマとして大ヒットを記録するも、反町以外の出演者スタッフ制作を一新した1999年末の映画『GTO』は大コケしてしまいそれっきり尻切れでいつの間にか完結終了していた事になってしまっていた。続編オファーも断っていたというが、実際フジテレビはAKIRA主演版『GTO』を2012年にリメイク版として制作、2012~2014年まで連ドラ2回、SP3回と好評で完結した。実は原作漫画準拠だったのはAKIRA版で、反町版は要素だけ頂いてほぼ完全オリジナル展開だったりもしたのでこれで歴史は塗り替わったのかなと思っていたが、反町自ら続編を持ち掛けたそうで実現。少子高齢化の影響なのか、10年前のAKIRA版よりも26年前の反町版の方が懐かしく覚えている声が多く、AKIRA版はすっかり無かった事に…。

そんなわけで反町自ら意欲満々だった『GTOリバイバル』だが、主題歌「POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~」もドラマ同様にリバイバル(新録)してくれというオファーはもうずっと歌っていないからという理由で拒否。しかし事務所研音後輩バンドのBLUE ENCOUNTにリバイバルを託しゲストボーカルとして参加するという形でならOKを出したことでリメイクが実現した。

BLUE ENCOUNTは1987~88年生まれの30代半ばでドラマ当時は小学生として熱狂していた世代。それゆえ馴染み深かったと思われ、原曲の要素(例のインパクトギターリフ)を残しつつも令和の新しい「POISON」としてそれなりに大胆にリアレンジしていると思う。間奏明けラストサビ(汚い嘘や~♪のくだり)は何故か2回リフレインして強調されていたり、BLUE ENCOUNT側が歌っているサビ終わりを上げて歌っているという違いも。

特有の低音が無くなってやや高めの音像になったので恐らくこれでは赤ちゃんは泣き止まなくなってしまったと思われるが、これはこれでカッコいい。反町とはほぼ交互&一緒に歌うという均等なボーカル割。歌い方はやや変わってマイルドになったかな…。ただ元々無理な高音系ではなかったのでしばらく歌ってなくてもOVER 50’sでも歌えない事はないと思われ、自信を取り戻してもう1度歌手活動もやってほしい。それ以前に反町隆史の配信は何故か『BEST OF MY TIME~1999』の中から「Foerver」「POISON」の2曲しか配信されていない。このタイミングで一気に行くかと思ったが…。
★★★★☆

きみのたこ焼き/木梨憲武

2024年3月16日
2024年2~3月NHK「みんなのうた」。作詞作曲は所ジョージ、編曲は沼井雅之。2019年~2022年にかけて思い出作りと称したソロ歌手活動を行い最終章を銘打った『木梨ミュージック コネクション最終章~御年60周年記念盤~』で一区切りとなっていたが今回も引き続きユニバーサルからのリリース(告知はされずディスコグラフィーにしれっと追加だけされた)。60歳で一区切りとした際にはその後でとんねるずとしてライブを行いたいと具体的な目標を語っていたが結局実現しないまま2年経過。石橋貴明は元野猿メンバーと立ち上げたB Pressureをライブが出来ない事を理由に休止したまま制限解除後も一向に立て直す様子が無く自然消滅に陥っており、石橋が音楽活動を再開する意欲が無くなってしまっているのかと思われたが、今作の発売後に11月にとんねるずとしての日本武道館2days開催が発表された。石橋が「俺が嫌がってたみたいにするのはやめてよ」とか発言して石橋がその気にならなかった説を否定しているが、早い段階で木梨が意欲を語っていたのに実現しなかったのだからそりゃそうなるでしょ…。

令和の「およげ!たいやきくん」を作ろうとしたんだろうか…というようなコミカル&哀愁系ナンバー。全く話題にならずにサイレントに滑り倒して終わってしまった感も否めないが…。まあ所ジョージ×木梨憲武ならこんなおふざけになるよなという納得な作風ではあった。
★★★☆☆

TRy the Future/TRF

2024年3月20日
BOX『TRF 30th Anniversary “past and future” Premium Edition』DISC-1に収録される新曲を同日に配信シングルとしても単独配信。BOXのCD3枚のうち2枚(20周年時の企画アルバム3作をノンストップミックスしたDISC-3以外)もそれぞれ単独配信されているため、今作もそこで配信されているがわざわざ単独で配信し、単独配信版にはBOX未収録のインスト(カラオケ)もバンドル配信となっている。なおBOXにはインストが収録されているが、シングルのカラオケはコーラスが残されているもので、BOXのインストは全ての声を抜いたオケのみという違いがある。

TRFの完全新作シングルとしては約15年ぶり(2009年の最後のシングルCD『Memorial Snow/CLOSURE』以来)としているが新曲としては2013年のミニアルバム『WATCH THE MUSIC』以来11年ぶりとなる。2018年の「LET ME GO MY WAY feat.Daisuke Asakura」はOTHER枠扱いに追いやられていて”完全新作シングル”ではなかったのだ…

いずれにせよ2000~2005年、2010~2011年と新曲を出していない期間があったが、20周年展開からはいよいよ10年越えて正規の新曲が無い状態が続いて(「LET ME GO MY WAY feat.Daisuke Asakura」は非正規扱い)、昨年の30周年時には「EZ DO DANCE -Version.2023-」を配信、その後のライブでシングルを出すと宣言したもののそのまま2023年が終わってしまい、30周年が終わるタイミングでようやく今作が告知された。20周年から10年以上新作が出せない状況は正直なところ致命的なまでに重く、この間にKOO、SAMが還暦を越え、ETSUも今年8月で還暦、他の2人も50代後半に差し掛かっていてアラ還ダンスグループになってしまった。ダンサー陣としては最早前人未到の領域だけにむしろどこまでやれるのかという注目が集まってきて一時期より話題性が増すのかもしれないが…。

作詞作曲編曲はYOW-ROW。メンバーも小室もかつてのエイベックスの主力作家陣でもない新規起用となったものの若手ではない。メンバーや小室よりは若いだけで20年以上のキャリアがある普通にベテランだが、これがカッコいい。”ジャジーでファンクでそれでいて一度聴いたら忘れないキャッチ―な大人の極上ダンスPOP”と称されているが、TRFらしいと確かに感じられつつも、DJ KOOや今の小室哲哉にはここまでの勢いのある曲は書けなそうだしこの起用は成功だったのではないだろうか。これ以上手遅れになる前に最高の新曲が聴けて良かった…
★★★★☆

Kaiju/DREAMS COME TRUE

2024年3月21日
映画『カミノフデ~怪獣たちのいる島~』主題歌。35周年記念日で今年の色々な企画を発表するのと一緒にサプライズ配信となり、実際のタイアップ先映画は夏公開予定とかなり先のものとなった。近年のパターン的にそのタイミングでまた変な特典をつけたCDシングル発売に踏み切る可能性も…?

そんなわけで記念日に何も出すものが無かったので先のタイアップ曲を出してきただけで記念曲ではない上、タイアップとはいえあまりヒット性のある曲でもないスローなサビどこ系地味曲。そろそろ真っ向勝負のポップな曲も聞きたいところだが、実験的な曲やわざと外していったような(売れ線度外視のような)曲ばかりで真っ向勝負でヒットを狙いに行くのを避けているような気も…。以前のCDが売れない発言も変な形態で売り出したものが売れないと言うどこか逃げ道のある出し方をしていて注目を集めようとしていた感が強かった。気がつけばアルバムも過去最長6年半出ていない。
★★★☆☆

ブルースター/山本彩

2024年3月27日
3ヶ月連続配信第2弾。…え!?2?と思ったら第1弾見逃してた…。第1弾「Nocturnal」は清水“カルロス”宥人との共作(作曲共作で編曲)のエレクトロ系。ギター、バンド、ロック路線では時代に適応できないためか、エレクトロ方面にも手を出して攻めた作風だったが、今作はオーソドックスなバラード系。4月からのアニメ『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』エンディング。作詞は山本彩、作曲は山本彩・杉山勝彦・尾上榛、編曲は尾上榛・杉山勝彦・小名川高弘。共作連発で仕上げてきたような聞かせるナンバーとなっていて、さすみん(さすがみんな大好き杉山勝彦の略)的な良作ではあるし、エレクトロよりは安心感はある。
★★★☆☆

青のなかで/いきものがかり

2024年3月28日
『三ツ矢サイダー』テーマソング。2月27日に告知。昨年12月のアルバム以来の新曲。今作配信前の3月11日には既に次の曲の4月7日配信が告知されていた。近年の三ツ矢サイダーCMソングと出演者は別々である事の方が多いが(40周年の時のサザンオールスターズのようにそのままメンバーが出るのもある)今回は横浜流星と共にメンバー2人も出演している。

水野曲、編曲は松本ジュン。いつもの本島亀ではなく、アルバム曲「YUKIMANIA」を担当していた新参加アレンジャーの1人1993年生まれなのでOVER 30’sではあるものの、メンバーより遥かに若く、ベテラン化固定化していたアレンジャー陣の中でも若手であるのは間違いなく、若手にアップテンポのフレッシュなナンバーのアレンジを任せた事実は非常に大きい3分台で終わる理想的な爽やかポップスに仕上がった。OVER 40’sを感じないアンチエイジングポップな1曲。
★★★★☆

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