サヨナラのかわりに/TUBE×GACKT

2024年2月7日(単曲先行配信)
2024年2月28日
初登場9位 売上0.88万枚

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2023年12月13日放送「FNS歌謡祭」で披露した初のコラボ曲。親交のあった前田とGACKTがある日の会話の中で「人との別れ」について想うところが一致し音楽として表現しようと意気投合して制作された。一夜限りのコラボ曲という扱いだったが、年明け1月7日に発売されることが発表された。2月7日に先行配信。CD化の際には新たにTUBE1988年のシングル曲「Remember Me」もコラボで新録音された。

TUBEは昨年8月の配信シングル以来、CDとしては1年8ヶ月ぶりとなるが、Gacktは体調不良で無期限休止になった2021年9月の遥か以前から新作リリースが停止状態にあり、2017年3月のシングル以来6年11ヶ月ぶりとなった。

初回盤は4トラック仕様、Music Video収録Blu-ray付。EPサイズジャケット仕様。
通常盤は2曲のInstrumentalが追加された6トラック仕様。配信版は通常盤に準拠。

1.サヨナラのかわりに

多くのTUBEの曲は作詞がボーカル前田、作曲がギター春畑だが、今作は作詞作曲編曲がTUBE×GACKTの一括表記になっている。

2015年にが森友嵐士(T-BOLAN)と鬼龍院翔(ゴールデンボンバー)がmorioniとして「サヨナラは歩き出す」という似たようなタイトルの卒業ソング出していたなぁ…と思い出して卒業シーズンに合わせた曲なのかと思っていたら、思いっきり死別を取り扱った真剣バラード。周囲でもミュージシャン仲間でも死に直面する事がここ数年増えているのは明白であり、そんな状況の中で生まれた曲という事か。重いな。笑って別れようというのが「サヨナラのかわりに」という事なんだけどこの言葉が出てくるのは最後の最後の1回だけでその前の2回は「ありがとうのかわりに」。最後の最後で「サヨナラのかわりに」とようやく言えるというのが深い。

サウンド自体はかつてに比べてキーがべらぼうに低くなったここ10年くらいの穏やかないつものTUBE。GACKTも高音系ではないので全盛期のTUBEのキーは無理そうだが今の低いキーならいい感じに余裕のある歌唱になっている…がやはりタイプが違うのと前田ボーカルが穏やかで抑えめ+GACKTが異様にデカく聞こえるという異種コラボ感が凄い。ブックレットの5人で並んだ写真でもTUBE4人が横並びで同じくらいの身長でGACKTだけ異様にデカくておかしなことになってるしさすがにこれはサイズ盛っ
★★★☆☆

2.サヨナラのかわりに(only 前田亘輝 ver.)
3.サヨナラのかわりに(only GACKT ver.)

ソロボーカルバージョンかと思ったらデュエット系のシングルでよくあるお互いの声だけ抜いたカラオケバージョン。よって相手のボーカルのところは抜け落ちただけになっている。

4.Remember Me-TUBE×GACKT –

作詞:前田亘輝、作曲:栗林誠一郎、編曲:TUBE
1988年のTUBE8thシングルのカバー。TUBE自身もアルバムバージョンでボーカルテイク違い、1994年のバラードベスト『Melodies&Memories』でTUBE編曲で新録音、2000年にEnglish Versionを過去に制作している。GACKTが愛聴していた曲でたっての希望でカバーが実現とされ、編曲はTUBE単独。English Versionでも既に24年前という事で過去のセルフカバーはいずれも原曲キー余裕だったがさすがにあんな高音はもう出せなくなってからでも10年以上(2005年20周年のシングル「SKY HIGH」「Ding! Dong! Dang!」まではラストで高音のロングトーンをバリバリ響かせていたが2000年代後半になって一気に落とした印象)経っていると思われ、案の定べらぼうに低くなっていて別の味わいの「Remember Me」に。しかしおかげでGACKTも余裕で歌える。バンドサウンドではなく完全なアコースティックバージョンなので春畑ギターをバックに2人で歌っているようなイメージ。
★★★☆☆

Blu-ray

「サヨナラのかわりに」Music Video

松重豊、遠藤憲一主演。TUBEとGACKTは一切出演していない全編ドラマシーンで構成されている。最後のサビ前に曲が止まって若干台詞が入る箇所があるがそれ以外はドラマ音声オフで展開する。YouTubeで公開されているバージョンは松重豊のアップから曲から始まり、ラストに流れるギターインストも途中でフェードアウトするが、Blu-rayにはフルサイズが収録されており、曲が始まる前に松重豊が丘の上のベンチにやってくるシーンから開始される。またエンディングではギターインストがフルサイズで収録されエンドロールが流れるという完全版になっている。

といってもストーリー自体はYouTube版に全て収録されていて、Blu-rayにしか収録されていない曲の前後の部分は本編には影響が無い。

曲に合わせて死別をテーマにした内容で冒頭から寂し気の丘の上のベンチで佇んでいる松重豊、回想で登場する明るい性格っぽい同僚の遠藤憲一、とこの時点で遠藤憲一演じる同僚男性が故人である事が容易に想像できるが…。なんと回想シーンの中で遠藤憲一より先に松重豊の妻が遺影化。放心状態で生きる気力を失っていた松重豊を明るく励まして前を向かせてくれたのが同僚の遠藤憲一だった事が示唆されるが、その遠藤憲一も当初の想像通りに遺影化。現在の松重豊、なんと妻に続いて妻の死から立ち直るきっかけをくれた同僚で友人の遠藤憲一まで相次いで亡くしての冒頭の佇まいであった。あまりにキツすぎる現実だったが、遠藤憲一に励まされた事を思いながら感謝を告げるという曲に合わせた終幕となるが…いやここまで重ね掛けで失い続けて残された主人公の姿には重すぎるものがある。名優2人の演技が切なすぎる…。

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