Definitely Maybe(30th Anniversary Deluxe Edition)

Disc 1
Definitely Maybe:Original Album
No タイトル 作詞 作曲 備考・イギリス基準・売上は日本
1 Rock'n'Roll Star Noel Gallagher Noel Gallagher  
2 Shakermaker Noel Gallagher Noel Gallagher 2ndシングル 日本未発売
日本盤『Supersonic』C/W
3 Live Forever Noel Gallagher Noel Gallagher 3rdシングル 日本未発売
4 Up In The Sky Noel Gallagher Noel Gallagher  
5 Columbia Noel Gallagher Noel Gallagher  
6 Supersonic Noel Gallagher Noel Gallagher 1stシングル 最高81位 売上0.4万枚(アルバム集計)
7 Bring It On Down Noel Gallagher Noel Gallagher  
8 Cigarettes&Alcohol Noel Gallagher Noel Gallagher 4thシングル(カット) 日本未発売
9 Digsy's Dinner Noel Gallagher Noel Gallagher  
10 Slide Away Noel Gallagher Noel Gallagher  
11 Married With Children Noel Gallagher Noel Gallagher  

 

Disc 1
Definitely Maybe:Monnow Valley Versions+Sawmills Outtakes
No タイトル 備考
Monnow Valley Versions
1 Rock'n'Roll Star  
2 Shakermaker  
3 Live Forever  
4 Up In The Sky  
5 Columbia  
6 Bring It On Down 20周年デラックス盤の日本盤ボーナストラック「Bring It On Down(Monnow Valley)」と同一音源
7 Cigarettes&Alcohol  
8 Digsy's Dinner  
Sawmills Outtakes(No Overdubs)
9 Rock'n'Roll Star  
10 Up In The Sky  
11 Columbia  
12 Bring It On Down  
13 Cigarettes&Alcohol  
14 Digsy's Dinner  
15 Slide Away  
16 Sad Song(Mauldeth Road West Demo,Nov'92) リアムボーカルのデモバージョン

リリースデータ

2024年8月30日 初登場18位 売上0.6万枚 Produced by Oasis and Mark Coyle(DISC-1,Sawmills Outtakes),
Dave Batchelor(Monnow Valley Versions),
Mark Coyle(Sad Song(Mauldeth Road West Demo, Nov'92))
Sony Music Japan International

メンバー

Vocals Liam Gallagher
Lead Guitars&Backing Vocals Noel Gallagher
Rhythm Guitar Paul Arthurs
Bass Guitar Paul McGuigan
Drums Tony McCarroll

OASIS1stアルバム『DEFINITELY MAYBE』発売30周年記念アルバム。邦題は『オアシス:30周年記念デラックス・エディション』。10年前2014年に20周年記念でリマスターされた際の2014年リマスター音源をそのまま使用しており、日本盤の帯裏や日本語解説にはハッキリと明記もされている。新規で収録されたのはDISC-2でMonnow Valley Studio→Sawmills Studioでのレコーディング音源を収録。「Bring It On Down」のみ20周年盤の日本盤ボーナストラックとして10年前に発表済みとなる。発売直前に再結成が発表された。

DISC-1が20周年盤のリマスター音源のため、1CDでの発売は無い(2014年盤スタンダード・エディションの単なる再発になってしまうばかりか日本盤は2014年盤から2曲削ったグレードダウン仕様になってしまうため1CDで出す意味が無く、2014年盤を継続販売していれば問題ない)2CD、4LPの2形態のみの発売となった。日本盤は完全生産限定盤CDと輸入盤国内仕様4LPの2種発売。輸入盤2CDは通常盤仕様で日本のように限定ではない模様。輸入盤LPは通常の黒色仕様のものとピンク & ホワイト・マーブルのカラー仕様の2種が存在する。

今作では日本盤のボーナストラック追加が無く、オリジナル11曲仕様となり、日本で3度目の発売にして初めてボーナストラック収録が無いオリジナルそのままとなった。代わりに日本盤限定仕様としてBlu-spec CD2仕様となった(20周年盤は普通のCD)。また日本語ブックレットにはオリジナルの翻訳、20周年盤掲載のノエルコメントの転載だけでなく、書き下ろしの日本盤オリジナル解説と全曲解説がかつてない長文で掲載されている。なお20周年盤にも再掲載していた1994年オリジナルの妙にくだけた文章の珍妙なノリの日本語解説や20周年盤の日本語解説は破棄されている。

DISC-1
2014年の20周年盤Blu-spec CD2にしてボーナストラック2曲をカット(1994年オリジナルの日本盤ボーナストラックも削除されたまま)。日本盤として英国オリジナルの曲目で発売されたのは初という事にはなるし、途中にボーナストラックを挟むことも無く、「Married With Children」で終了するのが本来の形のまま…とはいえ、やはり元からあったボーナス曲は残してほしかったところ。基本的に感想も10年前から変わりようがないが、発売から30年経っても色褪せない良さはある。

DISC-2
この30周年盤の目玉というか20周年盤を持っている場合はこっちがメイン商品。時系列では16曲目「Sad Song(Mauldeth Road West Demo,Nov'92)」が最も古くて契約前の1992年のデモ音源。このバージョンではリアムが歌唱している…が、そもそもこの曲は1994年オリジナルの日本盤orアナログ盤のボーナストラック、20周年盤ではデラックス・エディションDISC-2に収録されていたのでこの30周年盤には「Sad Song」が収録されていない。よって今作だけで聞き比べする事は出来ず、旧盤を所持しているのが前提となる。1〜8は1993年暮れにMonnow Valley Studioで録音された8曲。オリジナルよりも小綺麗に整った音源が並んでいて、初期OASISらしい荒々しさに欠けている。これはこれでいいんだけど、らしくないという点で長年お蔵入りしていたのも分からなくもない。少なくともデモのような未完成な音源ではなくこれはこれでアナザーバージョンとして聞けるくらいにはどの曲も仕上がっている。9〜15のSawmills Outtakes(No Overdubs)は1994年1月に改めてSawmills Studioで録音したもの完成版の原型になったアウトテイクでタイトルにあるようにオーバーダブを施していない。こちらはオリジナルとあまり区別がつかないくらい完成に近づいている曲もあればまだ割と違う曲もある。そしてここからDISC-1へ進むと完成形…という時系列になる。

この手の作品でよくあるのは楽曲自体の原型であるデモ音源の収録だが、今作にはいかにもデモっぽい弾き語りみたいな音源は無く、当時のメンバーがレコーディングしたバンド演奏にはなっているので、完成に近づいていくまでの過程を聞ける1作といったところ。明らかに何もかも違う…というほどではないので割とコアなリスナー向けではあると思う。少なくとも再結成を機に今作を聞いてみようというリスナーは基本的には今作よりも20周年デラックス盤推奨。今作のDISC-1に新たな価値は無いし(Blu-spec CD2に価値を感じるかどうか…)、いきなり今作を聞くよりも20周年デラックス盤DISC-2の方が明らかに次に聞くべき内容でアルバム未収録B面と有名シングル「Whatever」を聞く事ができる。優先すべきはそちらだろう。デモやライブ音源が混在した内容でゴチャゴチャしていた20周年盤のDISC-3よりは今作のDISC-2の方が面白いかなとは思うが…。

ただし今作の日本盤はとても誠実な姿勢が見てとれる。オリジナル(英文)の部分にはマスタリングの表記があるだけで2014年の音源とは書かれていないし、オリジナルのライナーでも音源には一切触れていない。しかし日本盤ではパッケージ裏の曲目部分に小さくはあるがきちんと「2014年リマスター音源」と記載していて、さらに日本語解説の中でも"20周年記念盤の際のリマスタリング音源が使われている"と明記。"あれが決定版だという意識がノエルにあるに違いない"と使い回しである事へのフォローも行っているし、20周年盤の日本盤にだけ「Bring It On Down(Monnow Valley)」が収録されていた事など情報もしっかりしていて詳しい。これ以外でも今作の背景や各楽曲ごとの解説、Monnow Valley音源やSawmills Outtakes音源との違い、これらのバージョンが無い曲は何故無いのかまできちんと解説されていて、まさに日本語解説の鑑といえる丁寧さ。DISC-1音源の価値が皆無でもこの丁寧な解説だけで十分に価値はあった。

B0D7PX62M8CD B0D7PY1DYSLP B0D3C8TPP1輸入盤CD  B0D3CFWVQ6輸入盤LP  B0D4VXTFPN輸入盤カラーLP 

印象度★★★★☆

2024.10.20更新

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