Candle In The Rain

No タイトル 作詩 作曲 編曲 備考
1 PEARL'S AWAKE 福井ミカ 織田哲郎 織田哲郎 全英語詞
2 WILD HORSE 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎 16thシングル『キズナ』C/W(リメイク)
3 TWO HEARTS 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎 8thシングルC/W(同時発売)
4 空蝉 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎  
5 CANDLE IN THE RAIN 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎  
6 IN THE DREAM 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎 8thシングル(同時発売) 100位圏外
7 DANCE WITH DANGER 福井ミカ 織田哲郎 織田哲郎 全英語詞
8 (Let's go to the)DOWN TOWN CLUB 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎  
9 SHERRIE MY LOVE 福井ミカ 織田哲郎 大谷哲範 全英語詞
10 晩夏 織田哲郎 織田哲郎 織田哲郎 17thシングル『真夜中の虹』C/W(リメイク)

リリースデータ

1989年3月21日 初登場59位 売上0.5万枚 Produced by 織田哲郎 CBSソニー

織田哲郎8thアルバム。前作から10ヵ月ぶり。シングル「IN THE DREAM」と同時発売でC/W共々そのまま収録。シングルは今作から8センチCDに切り替わった模様。「WILD HORSE」は00年のシングル「キズナ」C/Wでリメイクされ、続けて03年のシングル「青空」では「晩夏」がリメイクされた。今作を持ってCBSソニー時代が終了。今作までの8枚のアルバムから厳選した41曲が2008年に唯一の公認ベストアルバム『GROWING UP 1983-1989』としてまとめられた。88年以前のデータが正式に確認できないためもしかしたら前作以前でもランクインしていたかもしれないが、確認できる情報の中では今作が最初のランクイン作品。

今作でも概ね前作と同じミュージシャンが参加しているが、前作に参加していなかったサックスの古村敏比古が再度参加(ライブは勝田一樹になっていたようだが…)。また「WILD HORSE」「TWO HEARTS」「CANDLE IN THE RAIN」のドラムはREBECCAで活動していた小田原豊が担当している。福井ミカが作詞した3曲は全英語詞。1曲ごとの演奏クレジット以外にスタッフクレジットに混ざって大谷哲範がSynthesizer Programming、葉山たけしがDrums&Computer Programmingとしてクレジットされている。

1曲目からボサノヴァテイストで始まる異色の始まりだが、「空蝉」では民族的な要素(フォルクローレ)、ラストを飾る「晩夏」などアコースティックで落ち着いた渋い方向性は00年代以降の後年に通じるものがある。一方で「TWO HEARTS」「IN THE DREAM」辺りはヒットメイカー織田哲郎に通じるポップな楽曲。「TWO HEARTS」はリフが好きだからという理由で異様にアウトロが延々と続くため6分越えの長尺になってしまっているが確かに心地いいものを感じる。これ以外にも「CANDLE IN THE RAIN」は普通に曲が長く、「(Let's go to the)DOWN TOWN CLUB」も5分半越え…など今までにない大作もあって、『SEASON』でロックから離れて変わった雰囲気がさらに変わっていったような印象。

前作『SEASON』を作った事で自身の"治療"(救済的な意味合いを指している模様)のために音楽を続けてきた事を自覚してその治療が終わったと感じたという。なのでもう治療の為に音楽を続ける必要がなくなり、辞める前に残しておきたい、という思いが今作に反映されているようだ。よって全体にどこか終幕を思わせるような空気が流れているのは気のせいではなく、ここから先が想像できないというか、行き着いてしまったというか、有終の美を感じるところもある。

そんなわけで初期のロックミュージシャン織田哲郎としては前々作辺りまでで路線的には区切りっぽくもあるが、今作までが1つの流れの終点、そしてこの後やり残した全英語詞ロックに挑むTOUGH BANANA、遺書代わりという次回作がその延長にあるという立ち位置になるようだ。

CandleInTheRain  

印象度★★★☆☆

2019.4.11更新

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