MUSIC MUSCLE(STANDARD盤)

Disc 1〜FIGHTING MUSCLE〜
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 LOVE MUSCLE 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人 13th配信シングル 初CD化
2 HigherHigher 大黒摩季 大黒摩季 DJ YUTAKA,
m.c.A・T
4th配信シングル、8thベスト『Greatest Hits 1991-2016〜All Singles+〜』収録曲
3 Lie,Lie,Lie 大黒摩季 大黒摩季 Rockin'MaMa
(原田喧太&柴田敏孝&大黒摩季)
34thシングル 最高20位 売上0.3万枚
4 リベンジ 大黒摩季 原田喧太,
徳永暁人,
大黒摩季
Rockin'MaMa
(原田喧太&徳永暁人&大黒摩季)
34thシングルC/W
5 笑顔のトビラ 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人  
6 My Will〜世界は変えられなくても〜 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人 8thベスト『Greatest Hits 1991-2016〜All Singles+〜』収録曲
7 Naturally
feat.DIMENSION & KENNY from SPiCYSOL
大黒摩季 大黒摩季 小野塚晃 KENNYがボーカルで参加
8 Spotlight 大黒摩季 大黒摩季 池田大介 9th配信シングル 初CD化
9 泣いていいんだよ 大黒摩季 大黒摩季 小倉博和  
10 Because,You... feat.春畑道哉 from TUBE 大黒摩季 大黒摩季 春畑道哉 7th配信シングル(8th同発) 初CD化
11 時のしづく feat. Zeebra Zeebra,
大黒摩季
大黒摩季 田中義人 Zeebraがラップで参加
12 FIGHT★GO☆FIGHT〜戦えBLOODY HEART〜
feat.TAKUYA
大黒摩季 大黒摩季 AKIRA  
13 EXPLOSION 大黒摩季 原田喧太 原田喧太  
14 latitude〜明日が来るから〜 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人 5th配信シングル 初CD化

※公式サイトのライナーノーツ部分では「リベンジ」作曲は大黒摩季、「時のしづく」作詞は大黒摩季、「EXPLOSION」作曲は原田喧太&大黒摩季と表記されているがブックレットの表記に従った。

Brass Arranged by 竹上良成(3)
Strings Arranged by 池田大介(8)、弦一徹(10)

 

Disc 2〜RESTING MUSCLE〜
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 女はつらいよ。 大黒摩季 大黒摩季 原田喧太 10th配信シングル 初CD化
2 親心ブルース feat.原田喧太 大黒摩季 原田喧太&
大黒摩季
原田喧太 11th配信シングル 初CD化 原田喧太がボーカルで参加
3 マリンタワーに着くまでに 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人  
4 鉄板ガール feat.ミトカツユキ 大黒摩季 大黒摩季 ミトカツユキ  
5 HigherHigher〜SALSA ver.〜
feat.オルケスタ・デ・ラ・ルス
大黒摩季 大黒摩季 相川等 「HigherHigher」の歌詞・アレンジ変更バージョン
6 あなたは私の苦しみがわかりますか 大黒摩季 大黒摩季 楠井五月&橋本まさし  
7 Mama forever 大黒摩季 大黒摩季 柴田敏孝 34thシングルBIG盤のみC/W リアレンジ
8 Harmony feat.徳永暁人 from doa 大黒摩季 大黒摩季 徳永暁人 12th配信シングル 初CD化 徳永暁人がボーカルで参加
9 CRASH&RUSH feat.doa 大黒摩季 原田喧太&
大黒摩季
原田喧太 8th配信シングル(7th同発) 初CD化
徳永がベースを弾いている以外はdoaは3人ともコーラス参加
10 Zoom Up★ feat. Booooze 大黒摩季 大黒摩季 原田喧太 6th配信シングル 初CD化 佐藤陽(Booooze) とのデュエット
11 東京ロケンロー feat. 麗蘭 大黒摩季 大黒摩季 麗蘭  
Bonus Track 01
12 Respect
dedicated to Aretha Franklin
Otis Redding Otis Redding 小島良喜 Aretha Franklinのカバー
91年のカバーコンピ盤『ROYAL STRAIGHT SOUL』でカバーした曲を2度目のカバー
Bonus Track 02
13 (You Make Me Feel Like)A Natural Woman
dedicated to Aretha Franklin
Gerry Goffin,
Carole King&
Jerry Wexler
Gerry Goffin,
Carole King&
Jerry Wexler
小島良喜 Aretha Frannkliのカバー

※公式サイトのライナーノーツ部分では「親心ブルース」作曲は大黒摩季、「あなたは私の苦しみがわかりますか」編曲は楠井五月と表記されているがブックレットの表記に従った。

Horn Arranged by ミトカツユキ&庵原良司(4)
Brass Arranged by 竹上良成(9)、勝田一樹(12)
Strings & Horn Arranged by MissTy(13)
訳詞:永泰一朗&大黒摩季(12,13)

リリースデータ

2018年12月5日 初登場30位 売上0.5万枚 All Produced by Maki's Creative Team/PRIMAL FORCE3/大黒摩季 Being

大黒摩季14thアルバム。『すっぴん』以来8年4ヵ月ぶりのオリジナルアルバム。2016年の活動再開以降に発表されたシングルCDは1作のみだったが配信シングルは10作リリースされており、特に18年5〜10月には"25周年ファイナル記念6ヶ月連続新曲配信"として最初の5月のみ2曲同時、以降は1曲ずつ毎月配信を行っていた。ベスト盤に収録済みだった「HigherHigher」、ベスト盤の新曲として収録していた「My Will〜世界は変えられなくても〜」も含めて復帰した2016年以降に発表してきた新曲は全て今作に収録された。「Mama forever」のみ大黒摩季のピアノ弾き語りだった原曲からリアレンジされて収録されている。

初の2枚組オリジナルアルバムとなっていてDISC-1は日々と自分自身と戦う心を鼓舞し、熱をあげるためのHyper Soundを中心としたFIGHTING MUSCLE、DISC-2は疲れた心と体を休ませ、大黒が言う大人になると必要なのは『 癒し、というより自分への許し。』を表現したRESTING MUSCLEとして振り分けられている。

ボーナストラックとしてソウルの女王として世界的に有名なAretha Frannkliのカバー2曲を収録。これは8月にAretha Frannkliが死去したことを追悼してのもので"dedicated to Aretha Franklin"と記されている。このうち「Respect」は92年のデビュー前となる91年にビーイングがシリーズでリリースしていた洋楽カバーのコンピ盤『ROYAL STRAIGHT SOUL』でカバーしていたものでこれが大黒摩季のプロデビュー作(最初に世に出た音源)であった。今回は21歳当時のキー、同じ演奏メンバーで当時の自分にリベンジしたいという意向で27年越し2度目のカバーとなっている。ただ既に亡くなっている演奏メンバーもいたため全員集結は叶わずドラムの村上“ポンタ”秀一、キーボードの小島良喜、パーカッションの斎藤ノヴ、ブラスの勝田一樹セクション、コーラスの坪倉唯子が当時と同じメンバーでギターやベースは当時とは異なるメンバーが演奏している。

復帰以降の全CDに共通して今回もA4サイズパッケージのBIG盤通常サイズのSTANDARD盤の2種でのリリース。BIG盤はMV等を収録したDVD付、A4サイズのフォトブックやA4サイズなので裸眼で見える大きめの歌詞など概ね『Greatest Hits 1991-2016〜All Singles+〜』以降と同じような事がアピールされていた。BIG盤が今回も1万円、STANDARD盤でも4500円と高額設定だった事と、ベスト盤のトップ10ヒット以降は配信リリースばかりで話題性に乏しかった事もあって『すっぴん』の頃と変わらないどころかむしろ売り上げを少し落とす結果となった。

 

超大作。確認しなくても凄まじい力作。そもそも大黒摩季はEMI移籍以降大作傾向が強まっていて普通のアップテンポでも平気で5分越え、6〜8分の超大作も多かったが、体調不良による休止からの復帰という事で更なるエネルギーが溢れ出したようで、このようなかつてない2枚組オリジナルアルバムとなった。2枚ともほぼCDフル収録であり、ここまでみっちり詰まった2枚組オリジナルアルバムは聞いた事が無い。また今作がこれまでとは一線を画すのはゲスト・サポートミュージシャンが大挙して参加しまくっているビーイング史上恐らく演奏ミュージシャン数最多のオリジナルアルバムだと思うし、ビーイングに限らずトップ10入り数万枚売れるクラスの女性ソロでもアレンジャー1人オケ制作が珍しくない昨今、こんなに惜しげもなくゲストを投入しまくったオリジナルアルバムを2018年に制作してしまったのが凄い

「LOVE MUSCLE」1曲だけに元WANDSの柴崎浩、大島こうすけ元PRINCESS PRINCESSの渡辺敦子、富田京子、そしてdoaの徳永暁人(渡辺とベースを分け合っている)が共演。徳永以外の4人はこの1曲ポッキリで、以降も参加1曲ポッキリの豪華ゲストミュージシャンが次々に出てくる。feat.表記が無いメンバーでもドラムのLUNA SEA真矢とか、ギターの春畑が大々的にfeat扱いで参加している中でTUBEボーカル前田亘輝に至ってはコーラスですらなく「女はつらいよ。」の間奏で夫のセリフ(Voice)を担当しているだけ。人脈の成せる業か。

そんなわけでいくらBIG盤を1万円にしたところで完全に赤字覚悟、そして恐らくO社売上0.5万枚ではまともに制作費回収に至れるとは思えず本当に大赤字になってしまったのではないかと思うが、売れた売れない抜きにして2度と作れなさそうな豪華な1作だ。今作も確かに長いことは長いけど以前のようなただひたすらどれも長いという感じは案外しなかった。また贅沢に演奏メンバーを次々起用して攻めただけあって過去の長いアルバムとは一線を画すゴージャスさがある。何よりEMI以降どこかパッとしない印象があったけど楽曲のキレもかなり戻ったように感じた。

何となくFIGHTING MUSCLEがアッパー、RESTING MUSCLEはミディアム〜バラードなんだろうなという印象ではあるが、案外そうでもない。前述の印象通りなのは2枚とも主に前半だけで、FIGHTING MUSCLEは中盤以降はバラードの連続になるし、RESTING MUSCLEも中盤からはFIGHTINGな感じの曲も出てくる。ただそれでも全体の印象としてはFIGHTING MUSCLEは数々のヒット曲で知られるヒットしていた頃の大黒摩季そのままの熱いイメージRESTING MUSCLEはジャジーやブルージーだったり、ビーイング離脱後の一部の作品で見せていたしっとり落ち着いた大人っぽい雰囲気でオシャレなアレンジの曲も多くて深みを感じさせる。その上でどちらもそればっかりにならないように流れを考えて曲を配置した感じだろうか。長すぎるゆえに買って時間をかけてじっくり聞かないとその凄さを実感するにも至らない(レンタルしてきてとっとと返却してさっと1回2回聞いて終わるだけでは恐らくただ長い印象だけで終わる)という欠点はあるけど、今作はとにかくこの時代にこれだけの熱さをもって丁寧に作り上げたというところで突き抜けた1作になったと思う。復帰してから2年もかけずに配信で曲は溜まっていっていたのだから、手際よくシングルを切りながら普通に2017年に1枚、2018年に1枚と出せば復帰特需も緩やかに続いてもう少し高い売上でキープできたのではないかと思わなくもないがあえてこの2枚組の気合というところに意味があるのだろうきっとそうだろう

個人的には『POWER OF DREAMS』や『MOTHER EARTH』辺りが1番聞きやすくて最高傑作だと思っていたけど、聞きやすさを別にするのであれば今作は過去の全てのアルバムを越えた大黒摩季の極みみたいな内容になっているのは間違いなく、それはつまり最高傑作という事だと思う。これ以上はもう想像できない。ただヘビーなのも確かなので、最高傑作的印象だけど★5以上にはならない…という感じ。正直『RHYTHM BLACK』辺りから曲が無駄に長い印象が強まっていて今回なんか確実にダレると思っていたのでそれすら吹き飛ばすような気合には圧倒された。

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印象度★★★★☆

2019.2.3更新

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