Time
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 恋の速度 | 大久保伸隆、今井千尋 | 今井千尋 | 大久保伸隆 | |
2 | ジグソーパズル | 大久保伸隆 | Kazuhiro Maruyama | 大久保伸隆 | |
3 | 光景 | 大久保伸隆 | 今井千尋 | 大久保伸隆 | |
4 | I feel you | 大久保伸隆 | Miyae Yama | 大久保伸隆 | |
5 | 帰り道 | 大久保伸隆 | 深沼元昭 | 大久保伸隆 | |
6 | 歌うたいのバラッド | 斉藤和義 | 斉藤和義 | 大久保伸隆 | 斉藤和義のカバー |
7 | 未来 | 大久保伸隆 | 今井千尋 | 大久保伸隆 |
Strings Arrangement:大久保伸隆&Tatsuro Ariki(1,3,4,6,7)
Brass Arrangement:大久保伸隆&Tatsuro Ariki(5)
リリースデータ
2021年5月16日 | 公式通販限定 | Produced by 大久保伸隆 | Rendezvous |
大久保伸隆4thアルバム。前作から7年8ヶ月ぶり。前作以降ライブで披露していた新曲はあったようだが一切の新曲発売が無かった。公式サイトにて2020年6月9日に2021年アルバム発売を告知、新コロ対応でレコーディング時間を減らすために当初の10曲予定から7曲に曲数を減らして制作され、告知から11ヶ月経過しての発売となった。「歌うたいのバラッド」は斉藤和義のカバー。
2021年はSomething ELseとしてのデビューから25周年を迎える記念年。サムエルは事務所から独立してアルバムを出した後に音沙汰が無くなり、1年で解散してしまい、解散時は大久保伸隆が続けたかった旨をコメントするなど他の2人と温度差が感じられる状況となっていて、解散後ソロになった大久保伸隆に対して2人はユニットを組んでしばらく活動するなど独立後に大久保VS伊藤&今井で分裂したのではないかという見方も強かった(元々大久保と伊藤が同級生でコンビでやっていたところに今井が声をかけて結成したという経緯だったが大久保&伊藤ではなく大久保が1人で伊藤&今井と分かれたため)。しかし今作では元メンバーの今井千尋からの曲提供が実現。前作でSomething ELseカバーがあったものの、今井千尋の書いた新曲を大久保伸隆が歌うのはSomething ELseとしての最終作2005年の『COLORS』以来となる。また今井千尋は提供だけでなく1,2,3,5ではコーラス参加もしている。実際にはデビュー20周年を迎えた2016年のソロライブに今井千尋がゲストとして登場、この頃から交流が復活して曲提供も実現してライブでは披露していたが作品発表の機会が途絶えていて音源化されていなかったというのが正確なところのようだ。
なかなか音源を出せなかった割には生のバンド編成でまとめられていて打ち込み疑似バンド処理という低予算あるあるにはなっておらずけっこうしっかりとしたスタジオアルバム。アコースティックを軸にしたシンプルなバンドサウンドと変わらぬ歌声による爽やかな楽曲が並んでいて総じて好印象。久々に聞いて久々にやっぱりいいよなぁと素直に思える1作だ。ただストリングスとブラスは演奏者不在で打ち込みで処理しているようで、明らかにシンセストリングスみたいな音色がファーっとなぞっているのが聞こえるが、いくらなんでも使いすぎ。ほぼ全曲ふわーっと鳴らしていて特にサビで強調してくるという使い方をしているんだけど、まさに平井堅が言っていた"サビで流麗なストリングスがドーン! 瞳をとじてー! みたいな展開"(今作はバラードではなく爽やかな曲やミディアムだけど)。なんか流麗な感じがして盛り上がるのでなんとなくいい感じには聞こえるんだけどここまでどの曲でも同じような事をやるとどれも同じような曲に聞こえてきてしまいちょっと逆効果になってしまっている。この辺りの時代の流れを読んだり立ち回りがあまりうまくない(サムエルセルフカバーやるなら前作じゃなくて20周年のタイミングか20周年で何も出せなかったなら25周年の今だったのに前作という変なタイミングでしかも一気にアルバムの半分もやってしまったとか)のはサムエル時代からなのでいつも惜しいなとも思ってしまうんだけど、でもボーカリストとしての大久保伸隆はまだまだ健在だというのは存分に伝わってくる1作。ガツンとしたところは無いんだけどスーッと染み入ってくるようなアルバムだ。ここからまたコンスタントに新作を聞きたいところでもあるが…。
どういうわけか配信で曲を出したことも無いようで、今作もストリーミングどころか配信で出さずに公式通販のみ。配信やストリーミングでは利益にならないとか適宜配信で切っていって溜まった頃にアルバムを出すやり方だと既出曲だらけになってアルバムが売れないかもしれないとか、配信に対する抵抗感が最大の理由と思われるが、新曲はあるのにCDでさえ8年近く出せなかったとなると本末転倒なのでは。
その後CDは早期に売り切れ完売してしまい、入手不可となっていたが、ようやく配信に出す覚悟を決めたのか、12月16日に前作『progress』の配信を開始、17日に前々作『FlightNightParty2』も配信を開始。2022年2月1日についに今作の配信も開始したが「歌うたいのバラッド」を省いた6曲仕様となり、「歌うたいのバラッド」は2月5日に単独配信された。いずれもDL/ST両方で配信されているが、『FlightNightParty』のみ配信されていない。
公式通販限定(完売) 配信版(6曲仕様) 配信版(「歌うたいのバラッド」単曲)
印象度★★★☆☆
2021.7.10更新、22.2配信情報追記