REV

リリースデータ

REV1stアルバム。1992年に解散したGRASS VALLEYのボーカル出口雅之がビーイングに移籍してREVとして93年4月にデビュー。当初栗林誠一郎とユニットを組む予定で曲作りをしていたが、音楽性の相違で栗林はZYYGに加入したのでREVは出口1人のソロユニットになったと『vocal compilation 90's hits vol.1〜male〜 at the BEING studio』のライナーで説明さてている。シングル2作から3曲を収録。デビュー直後に参加し、作曲を担当していた「果てしない夢を」のセルフカバーも収録。当時のZAIN恒例で曲解説が記載されたライナーノーツが付属する。シングル、アルバムと全てトップ10ヒットを記録したが、今作はシングル2作の売上を下回り伸び悩んだ。

ギターとキーボードを中心としたビートポップ/ロックっぽい感じの作風。葉山たけしが一貫してアレンジを担当、提供無しの自作な上、既にGRASS VALLEYとして5年の実績を積んでいたためか、同時期のビーイング系のようにプロデュース色は強くない。編曲は任せているとはいえ、サウンドプロデュースは連名で名前が入っているなど、ある程度実力を信頼されて自由にやれていたのではないかと思う。方向性が定まっていない1stアルバムが多かった当時のビーイングの中ではけっこう軸が定まっている。ただそんなに方向性が広いわけでもないので、良くも悪くもあまり印象に残らずに流れていってしまう感じもある。

「果てしない夢を」は作詞は坂井泉水、上杉昇だが、ZARDでもWANDSでもセルフカバーは行わず(C/Wの「雨に濡れて」はZARD単独バージョンも制作された)、セルフカバーしたのは作曲者本人だけとなった。上杉昇のサビのto my heart部分のハイトーンに真っ向勝負せずにファルセットで軽めに流している事もあり、ややおとなしい仕上がりでちょっと物足りない。なんだかんだそれなりにキャッチーな曲は並んでいる。当時の織田哲郎、栗林誠一郎作品ほどではなくても、提供をしていれば第3の作家として重宝される存在になっていた可能性もあると思う。とはいえGRASS VALLEYから何故にビーイングでソロユニット？というのはあるし、すぐにビーイングを辞めて方向性が変わったらしいので、挑んでみたもののビーイングの方向性は肌に合わなかったのかなとも思う。

印象度★★★☆☆

2023.1.17修正

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