さかいゆうのプレイリスト[白と黒](初回限定盤)

Disc 1
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ストーリー さかいゆう さかいゆう さかいゆう 1stシングル 最高50位 売上0.4万枚
2 まなざし☆デイドリーム さかいゆう さかいゆう さかいゆう 2ndシングル 最高59位 売上0.3万枚
3 薔薇とローズ さかいゆう さかいゆう さかいゆう 5thシングル 最高29位 売上0.4万枚
4 ジャスミン さかいゆう さかいゆう,
蔦谷好位置
蔦谷好位置 6thシングル 最高29位 売上0.2万枚
5 裸足の妖精 さかいゆう さかいゆう さかいゆう 6thアルバム『Touch The World』収録曲
6 train さかいゆう さかいゆう さかいゆう 1st配信シングル、1stアルバム『Yes!!』収録曲
7 Room さかいゆう さかいゆう さかいゆう 1stアルバム『Yes!!』収録曲
8 Soul Rain 売野雅勇 さかいゆう さかいゆう 8thシングル(カット) 最高66位 売上0.03万枚
9 崇高な果実 売野雅勇 さかいゆう さかいゆう 4th配信シングル、7thアルバム『thanks to』収録曲
10 21番目のGrace 売野雅勇 さかいゆう さかいゆう 6thアルバム『Touch The World』収録曲
11 時季は巡る 谷穂ちろる さかいゆう さかいゆう 3rdアルバム『Coming Up Roses』収録曲
12 君と僕の挽歌 さかいゆう さかいゆう さかいゆう 3rdシングル 最高85位 売上0.1万枚

Brass Arrangement:村田陽一(1)、島裕介(2)
Strings Arrangement:徳澤青弦(2,7)、蔦谷好位置(4)、狭間美帆(5)、Sally Herbert(8)、美央(9)、橋本歩(11)、森英治(12)

Disc 2
No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 SHIBUYA NIGHT
(featuring TOMOYASU TAKEUCHI)
さかいゆう さかいゆう さかいゆう インディーズ2ndアルバム『Yu,Sakai』収録曲
2 Get it together Michael Kaneko さかいゆう さかいゆう 5thアルバム『Yu Are Something』収録曲
3 Jammin' 内田壮志 さかいゆう さかいゆう 2ndアルバム『How's it going?』収録曲
4 煙のLADY 土岐麻子 さかいゆう さかいゆう 5thアルバム『Yu Are Something』収録曲
5 She's Gettin' Married さかいゆう,Jean-Paul"Bluey"Maunick Bluey 連続配信第4弾、6thアルバム『Touch The World』収録曲
6 桜の闇のシナトラ 売野雅勇 さかいゆう さかいゆう 5thアルバム『Yu Are Something』収録曲
7 孤独の天才(So What) feat.Terrace Martin 売野雅勇 Miles Davis,さかいゆう さかいゆう 連続配信第6弾、6thアルバム『Touch The World』収録曲
8 サマーアゲイン さかいゆう さかいゆう さかいゆう,
Shingo Suzuki
1stEP『サマーアゲインEP』メイン曲 最高75位 売上0.1万枚
9 Midnight U... さかいゆう さかいゆう さかいゆう インディーズ1stアルバム『ZAMANNA』収録曲
10 よさこい鳴子踊り 武政英策 武政英策 Scott Ninmer 4thアルバム『4YU』初回特典CD『さかいゆう COVER COLLECTION』収録曲
高知県民謡のカバー 新録音
11 Freedom Freeway さかいゆう さかいゆう Scott Ninmer 新曲
12 君と僕の挽歌(New York Ver.) さかいゆう さかいゆう Zac Zinger 3rdシングル 新録音

Brass Arrangement:タブゾンビ&元晴 from SOIL&"PIMP"SESSIONS(3)

初回盤DVD
「SAKAI YU “LOVERS” CONCERT 2023 in YAON」第1部
No タイトル 備考
1   オープニング
2 まなざし☆デイドリーム 2ndシングル
3 ストーリー 1stシングル
4 煙のLADY 5thアルバム『Yu Are Something』収録曲
5 リベルダーデのかたすみで 6thアルバム『Touch The World』収録曲
6 Get it together 5thアルバム『Yu Are Something』収録曲 Guest:Michael Kaneko(Guitar)
7 嘘で愛して(Tell Me A Lie) 8thアルバム『愛の出番』収録曲
8 愛の出番 8thアルバム『愛の出番』収録曲
9 君と僕の挽歌 3rdシングル
10 薔薇とローズ 5thシングル

リリースデータ

2023年12月13日 初登場67位 売上0.08万枚 All Songs Produced by さかいゆう
ex 「She's Gettin' Married」Produced by Bluey
「ジャスミン」Sound produced by 蔦谷好位置
「サマーアゲイン」Sound produced by Shingo Suzuki
newborder recordings(ユニバーサル)

さかいゆう初のベストアルバム。カバーアルバムから1年ぶり。2006年のインディーズアルバム『ZAMANNA』からこれまでリリースしてきた楽曲を「白」と「黒」の2枚に分けて選曲。ジャケットは『WHITE AND BLACK』という英字タイトル表記となっていて小さく「YU SAKAI'S PLAYLIST」とも表記されているのみで、日本語タイトルは背文字部分に表記されている。またブックレットのページ背景がDISC-1は白、DISC-2は黒になっているだけで白盤・黒盤という直接の表記は無いが、公式サイトディスコグラフィーではDisc 1(白盤)、Disc 2(黒盤)という表記がされている。ポップス的側面の「白」、SOUL・R&B・JAZZ・ゴスペルなどの要素が強く表現されている「黒」、また自身が演奏するピアノの「白鍵」「黒鍵」という色を表しているとされる。DISC-2のラストには新録音カバー「よさこい鳴子踊り」、新曲「Freedom Freeway」、新録音セルフカバー「君と僕の挽歌(New York Ver.)」といった3曲の新録曲が収録されている。リマスターはRandy Merrillが担当。

初回盤はライブDVD『「SAKAI YU “LOVERS” CONCERT 2023 in YAON」第1部』付。
通常盤はCDのみ。

『Touch The World』からの選曲が多めだがインディーズ2作と公式サイトでフルアルバムとしてナンバリングされている1st〜7thアルバムからは1曲以上ずつ選曲されている(4thアルバム『4YU』からアルバム曲は選曲されていないが「ジャスミン」と「サマーアゲイン」が収録されている)。一方でミニアルバムやEP、企画作(『ONLY YU』『Fight & Kiss』『Whale Song EP』『愛の出番』『CITY POP LOVERS』)からは選曲されていないほか、8作しかないシングルCDからも4th「僕たちの不確かな前途」、7th「再燃SHOW」の2曲が未収録となった。

起点となっている『ZAMANNA』は2006年、メジャーデビューは2009年10月のため14周年(15年目)となり、今作の宣伝文では特に周年をことさらアピールすることはせずに触れていないが、今作を引っ提げてのツアーの告知ニュースや特集番組の告知では"デビュー15周年目に突入"、"15周年イヤーに突入"と14周年15年目なのを各アーティストおなじみの前倒し周年誤用法にてアピールしていた。2023年10月〜2024年3月まで放送のNHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』主題歌「ハッピー☆ブギ」を中納良恵 さかいゆう 趣里の3人の連名名義で担当している事からそこに合わせてのベスト盤と思われる。中納良恵は自身のライブでソロバージョン「ハッピー☆ブギ」を披露、今作と同時発売でコロムビアからは趣里が歌う劇中の笠置シヅ子カバー曲を集めた『福来スズ子 傑作集』も発売されるなど周辺誰もが想定していたであろう紅白出演だったが、何らかの事情で頓挫したのか2023年紅白で『ブギウギ』特集は組まれることが無かった。TV露出も一切なく、毎朝"なんてクールなリィズムゥゥゥ"の部分を歌っている人のベストアルバム(朝ドラ主題歌サイズではこの部分にしかソロ歌唱が無い)ではあまりに引きが弱くほとんど話題にならず1000枚にも届かない大不振な売上となってしまった。

事務所オーガスタのユニット福耳の「LOVE & LIVE LETTER」を手掛けた事があり、最初期の頃はAirola(ソニー)だったのもあって人気アニメの続編(「のだめカンタービレ フィナーレ」、「君と僕。2」)に「まなざし☆デイドリーム」「君と僕の挽歌」が起用されているのと「君と僕の挽歌」は二宮和也がカバーした事もあるのでそこそこは知られていると思われるが、それ以外にあまり大きなタイアップも無く、このクラスの売上だとシングルCD撤退が早く、いわゆるシングル曲っぽいシングル曲がほとんど作られていない。今作では8作しかないシングルすら全て収録していない。冒頭に4曲+各ディスク最後に「君と僕の挽歌」とそのセルフカバーを配置しただけで後はアルバムからのピックアップとなっている。オリジナルアルバム単位だとその時々の作風のまとまりや流れもあってアルバムとしてどれも良かったんだけど、曲単位でバラバラにベスト盤として並べると知っている曲やヒット曲満載のベストアルバム的な内容とはかなりかけ離れてしまい、率直にちょっと聞きづらい…。

というのも今作はDISC-1『白』にポップス路線、DISC-2『黒』にはアレンジに凝ったメロディーというよりも演奏全体を聞かせるブラックミュージックのテイストが強めの作風で分けている。『白』の方は序盤のシングル連発はシングルらしい強さがあるんだけど、「ストーリー」「まなざし☆デイドリーム」のようなワクワクするようなアップテンポでとびきりポップ感のあるいわゆる売れ線系統のポップスを狙って作ることが無くなってしまったのでコクのあるバラードやミディアム続きになってしまう。これではどうにも相殺しあってしまっている印象。対する『黒』はリズム隊もよく動き回っており演奏全体を聞かせるのでバラードはほとんどなくて聞き応えはあるんだけど今度はメロディーのポップ感はあまりない。「サマーアゲイン」だけはEPタイトル曲なのでシングルに準ずるような勢いがあるんだけど、白と黒がバランスよく混ざっていないとどちらかだけだと魅力が減退してしまう。またシングルらしいシングル曲を作る才能はあるんだけどシングルCDリリース撤退が早く、大きなタイアップなども回ってこなくなってシングルらしいキャッチーさを意識した曲を作らなくなってしまったのがベスト盤としてまとめた時にけっこう響いてきたなと改めて思った。『Yu Are Something』『Touch The World』辺りはキャッチーさは無くてもトータルで名盤だと思っていたんだけど、こういうつまみ食いの形で選曲されているとどうもなぁ…。『Coming Up Roses』までと継続的なシングルCDリリース撤退後の『Yu Are Something』の間を繋ぐ『4YU』も比較的ノリが良くて名盤だったが、何故かこのアルバムだけ冷遇されていてアルバム曲の選曲ゼロ(「ジャスミン」「サマーアゲイン」と既出収録曲のみ選曲)、アルバム未収録のままのシングル「再燃SHOW」がスルーされたところも残念。ベスト盤としてはちょっとビミョーな印象で6thまでのオリジナルアルバムよりやや印象が落ちてしまった。これならバッサリ10曲くらい削った白と黒を織り交ぜた1枚全14曲できっちりまとめた方が良さが伝わったように思う。

一方で新曲では『Yu Are Something』『Touch The World』以来となる海外レコーディングが再開されておりNYでの現地ミュージシャンとのレコーディングが実現。「よさこい鳴子踊り」を海外仕様で演奏するという珍妙な味わいに音楽の面白さを改めて感じさせてくれるし、新曲「Freedom Freeway」もキャッチーさはあまりないが久々に凝った演奏が堪能できる。2020年以降の1人オケ制作が増えての超絶地味化&内省化していた作風がまた外に開いていく気配を感じさせ今後への期待は高まる。

 

初回盤DVD「SAKAI YU “LOVERS” CONCERT 2023 in YAON」第1部
2023年4月8日に日比谷野外大音楽堂で開催されたライブのうち前半のオリジナル曲で構成された第1部を全曲収録。このライブは2部制で2部は『CITY POP LOVERS』収録のカバー曲をorigami PRODUCTIONSのメンバー達をゲストに迎えて披露するという内容だった。日比谷野外大音楽堂でのライブは2019年10周年を記念して「さかいゆう 10th Anniversary Special Live “SAKAIのJYU”」を開催して以降、2020年5月には「さかいゆう “Touch The World” Release Party」2公演のうちの1公演として開催予定だったが緊急事態宣言により中止、2021年6月6日に『さかいゆう お待たせYAONライブ 2021 “愛の出番"』として開催予定だったが5月21日に本人が陽性判定となったため早々に中止…と2度中止となっており、4年越しの開催となった。このためか2月に開催されていたツアーは「Road to YAON Tour 2023」と題され、満を持しての野音でのライブが実現…はしたものの当日は思いっきりとなってしまった。

サポートメンバーはGuitar:Masa Shimizu、Bass:種子田健、Drums:Tomo KANNO。「Get it together」ではMichael Kanekoがギターで2部に先駆けてゲスト参加している。選曲はほぼベスト的な選曲に近く初期の代表シングルと『Yu Are Something』以降の近年の楽曲。盛り上がる部分は全く無いが丁寧で落ち着いた演奏とブレのない綺麗な高音ボーカルを堪能できる上質なライブといった印象。曲中ではマスクも苦しければ外しても問題ない、つけたい人はつければいいとして一緒に歌ってくれと呼びかけて声出し&規制緩和を告げている部分も歴史的記録として刻んでおくべ場面だろう。といっても「君と僕の挽歌」にしても「薔薇とローズ」にしてもみんなで歌える曲っていうほどではなく、そういう曲がレパートリーにない事やそもそも客席の声をほとんど拾えていないのでその辺は映像では伝わりにくい…(福耳に提供した曲がさかいゆうの曲の中で最もみんなで歌える系の曲なのでは…)。

総じて入口となるベスト盤の特典DVDとしては最適な選曲やパフォーマンスになっているとは思うんだけど、雨だったのだけが惜しい。

B0CKBLZW9W初回盤DVD付  B0CKC371T5通常盤 

印象度★★★★☆

2024.1.27更新

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