THE LEGEND
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | アンジェリーナ (20thアニバーサリーremixed ver.) | 佐野元春 | 佐野元春 | 1stシングル 100位圏外 5thベスト『The 20th Anniversary Edition』収録Ver.('99 mix version) |
2 | ソーヤング | 佐野元春 | 佐野元春 | 9thシングルC/W 1stベスト『No Damage』収録Ver. |
3 | ガラスのジェネレーション | 佐野元春 | 佐野元春 | 2ndシングル 100位圏外 |
4 | 悲しきレイディオ | 佐野元春 | 佐野元春 | 2ndアルバム『Heart Beat』収録曲 |
5 | 情けない週末 | 佐野元春 | 佐野元春 | 1stアルバム『BACK TO THE STREET』収録曲 |
6 | ダウンタウンボーイ(Someday Collector's Edition remixed ver.) | 佐野元春 | 佐野元春 | 5thシングル 100位圏外 3rdアルバム再発盤『Someday Collector's Edition』追加収録のリミックスVer.(original ver.) |
7 | スターダスト・キッズ | 佐野元春 | 佐野元春 | 9thシングル(リメイク) 最高58位 売上4.5万枚 |
8 | シュガータイム | 佐野元春 | 佐野元春 | 7thシングル 最高77位 売上1.6万枚 |
9 | ハッピーマン | 佐野元春 | 佐野元春 | 8thシングル(カット) 100位圏外 |
10 | ロックンロール・ナイト | 佐野元春 | 佐野元春 | 3rdアルバム『SOMEDAY』収録曲 |
11 | サムデイ | 佐野元春 | 佐野元春 | 4thシングル 100位圏外 90年シングルCD盤 最高27位 売上4.3万枚 |
12 | グッドバイからはじめよう | 佐野元春 | 佐野元春 | 10thシングル 最高34位 売上5.5万枚 |
13 | ヤングブラッズ(7' シングルバージョン) | 佐野元春 | 佐野元春 | 15thシングル 最高7位 売上17.8万枚 15thシングルVer. 3rd12インチシングル 最高13位 売上6.8万枚 |
14 | ワイルド・ハーツ-冒険者たち | 佐野元春 | 佐野元春 | 19thシングル 最高7位 売上7.3万枚 5thアルバム『Cafe Bohemia』収録Ver. |
15 | クリスマス・タイム・イン・ブルー-聖なる夜に口笛吹いて- (12'シングルバージョン) |
佐野元春 | 佐野元春 | 4th12インチシングル 最高7位 売上13.4万枚、25thシングル『雪-あぁ世界は美しい』C/W(カット) 実際に収録されているのはオリジナルバージョン(※1) |
16 | 約束の橋(7'シングルバージョン) | 佐野元春 | 佐野元春 | 22ndシングル 最高20位 売上3.9万枚 30thシングル(再録音) 最高4位 売上70.3万枚 実際に収録されているのは92年の30thシングルVer.(※2) |
※1 12インチシングル1曲目はVocal/Extended Dub Mix、2曲目のVocal/Original Versionがオリジナルバージョン=『Cafe Bohemia』収録Ver.=25thシングルC/W収録Ver.となる。このため12インチシングルバージョンという表記は一応12インチシングルの2曲目には収録されているので完全に間違いではないが、2曲目はオリジナルバージョンなので本来は無表記かオリジナルバージョン表記にするのが正確。
※2 こちらはreleased in 1989とも書かれていて完全な誤植。92年のシングルは7インチでは出ておらず、7インチで出たのは初出の22ndシングルのみだが、収録されているのは92年のシングルバージョンである。この表記に従うならreleased in 1992、8pシングルバージョンとするのが正確。
リリースデータ
2003年1月1日 | 初登場118位、最高98位 | 売上1.1万枚 | Produced by MOTO'LION'SANO | Epic Records |
佐野元春8thベストアルバム。EPICの設立25周年記念企画の1つ『THE LEGEND』シリーズの1作。過去EPICに所属していた全11組のアーティストの80年代の代表作をまとめたベストアルバムシリーズとして元旦に一斉発売された。ジャケット中央部が窓になっていて収納したブックレットの表紙が見えるようになった銀色の特殊なデジパック仕様でシリーズ共通している。佐野元春は現役でEPICに在籍し続けていた事もあって本人監修となっていて選曲にも関与。『The 20th Anniversary Edition』に続いて前田康二によるリマスター。当時は『The 20th Anniversary Edition』と今作を合わせて"僕の80年代−90年代の主要な曲はほぼ全部、前田康二氏によってリマスタリングされたことになります。"とコメントしていた。
正式表記がハッキリしておらず、背文字部分の表記は『THE LEGEND ○○(アーティスト名英字表記) GOLDEN 80's COLLECTION』で全員共通しているが、ジャケット表記は『THE LEGEND EPIC RECORDS JAPAN 25th. ANNIVERSARY』でここまでは全員共通と思われるが、佐野元春の場合は『THE EARLY DAYS 1980-1989 MOTOHARU SANO』とも題されている。また公式サイトの現在の表記は何故かパッケージに表記されていない『THE LEGEND-Early days of Motoharu Sano』となっている。
タイトル通りに80年代の楽曲から選曲されているが、「アンジェリーナ」は『The 20th Anniversary Edition』収録のリミックスバージョン、「ダウンタウンボーイ」は直近で発売されたばかりだった『Someday Collector's Edition』に収録されたリミックスバージョンで収録されているとされるが、original ver.と題されていた"シングルバージョンを渡辺省二郎がリミックス"したという音源の事かと思われる。ただ渡辺省二郎がリミックスしたのは『The 20th Anniversary Edition』のバージョンもそうだったのでもう1度またリミックスしたのかという謎が残るのと、この曲のシングルバージョンはアルバム未収録のままだったのでoriginal ver.ってシングルバージョン(のリマスター)だったんじゃないの?という謎が…。またラストの「クリスマス・タイム・イン・ブルー-聖なる夜に口笛吹いて-(12'シングルバージョン)」は誤解を招く誤植(実際はオリジナルバージョン)、「約束の橋(7'シングルバージョン)」は完全な誤植(92年の8センチシングルバージョン)となっている。このように過去の音源のバージョン名をホイホイ変えたり、表記を間違えたりすることが多いので「ダウンタウンボーイ(Someday Collector's Edition remixed ver.)」が何なのかイマイチ良く分からない…。
今作限定の曲も特になく本人監修とはいえレコード会社主導のベストアルバム企画だったためか、以後の再発は無く、2021年のBOXでもスルーされた。ただし2010年にホームセンターやコンビニ向け出荷ベストとして発売されていた『BEST OF BEST Early days of MOTOHARU SANO』は今作から12曲、同時期に上位互換版として出ていた『佐野元春スーパー・ベスト』は全16曲共通で今作の事実上の再発(ジャケットにも『THE LEGEND』のロゴがある)だった。また公式サイトの今作の表記が何故かパッケージに一切表記されていない"Early days of "なのはこの2作のサブタイトル表記に引っ張られたものっぽい。
前述のように「約束の橋」が89年オリジナルではなく92年再録音ボーカルで収録されているので厳密には異なるが、一応80年代の佐野元春の代表曲を1枚でまとめたというアルバム。80年代全般を総括した作品としては他には『Moto Singles 1980-1989』があるが、ベスト選曲的なものは今作くらい、他はオールタイムで枚数も増えてくるので初期の代表曲目当てでさらっと聞くには案外最適な1作だと思う。03年当時は80年代作品のリマスターもまだ進んでいなかったのでリマスターで80年代を聞きたいなら今作というのもあった。
このシリーズ自体がEPIC25周年を記念したものだが、この時点までのレーベルの歴代アーティストというよりも80年代に焦点を当てていて選出アーティストが大江千里、大沢誉志幸 、小比類巻かほる、佐野元春、ストリート・スライダーズ、TM NETWORK、バービーボーイズ、松岡英明、THE MODS、ラッツ&スター 、渡辺美里といった一般イメージが80年代で止まっている面々ばかりで03年時点では懐メロ、活動していてもペースは落ちていて今何しているのか知らない過去の人たちばかりという懐古的な企画であった。もうとっくに移籍していたり解散していたりする中では佐野元春はまだEPIC最初期からの功労者として現役で気を張ってはいたものの、それでもセールス的にはシングルヒットからは遠ざかり、アルバムでのトップ10入りも出来なくなってきた頃合いであった。
そういった過去の人扱い的なシリーズ企画に後ろ向きなイメージを持たれがちではあるし、佐野元春は90年代以降も進化を続けていて聞きどころはあるのに今更80年代縛りって…というのはあるにしても初期の楽曲群はやはり耳に残りやすく、進化と円熟味を増していく90年代以降とは違った若き日のストレートな良さというのは確かにある。新たな世代の若者が聞くにはやはり年齢が近いこの時期の作品からがいいだろう。ベスト盤は数多いがボリューミーすぎるものばかりなので今作とかさらに30年を凝縮した『ベリー・ベスト・オブ・佐野元春「ソウルボーイへの伝言」』とかは入口にしやすいと思う。
『スーパー・ベスト』(今作と同じ収録曲) 『ベスト・オブ・ベスト』(4曲カット)
印象度★★★★☆
2022.2.7更新