月と専制君主
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 原曲、備考 |
1 | ジュジュ | 佐野元春 | 佐野元春 | 6thアルバム『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』収録曲 |
2 | 夏草の誘い | 佐野元春 | 佐野元春 | 18thシングル、5thアルバム『Cafe Bohemia』収録曲 |
3 | ヤングブラッズ | 佐野元春 | 佐野元春 | 15thシングル、5thアルバム『Cafe Bohemia』収録曲 |
4 | クエスチョンズ | 佐野元春 | 佐野元春 | 7thアルバム『TIME OUT!』収録曲 |
5 | 彼女が自由に踊るとき | 佐野元春 | 佐野元春 | 7thアルバム『TIME OUT!』収録曲 |
6 | 月と専制君主 | 佐野元春 | 佐野元春 | 5thアルバム『Cafe Bohemia』収録曲 5th配信(iTunes限定)シングル(月と専制君主-Boys & Girls Version-) |
7 | C'mon | 佐野元春 | 佐野元春 | 12thアルバム『Stones and Eggs』収録曲 |
8 | 日曜の朝の憂鬱 | 佐野元春 | 佐野元春 | 4thアルバム『VISITORS』収録曲、13thシングルC/W(カット) 「SUNDAY MORNING BLUE」を日本語に改題 |
9 | 君がいなければ | 佐野元春 | 佐野元春 | 9thアルバム『The Circle』収録曲 |
10 | レインガール | 佐野元春 | 佐野元春 | 9thアルバム『The Circle』収録曲 |
Strings Arrangement:佐野元春(1,2,6,8,9)
Brass Arrangement:佐野元春(10)
A part of brass arrangement inspired by 'Everyday People'by Sly
& Family Stone(3)
リリースデータ
2011年1月26日 2022年12月21日(Blu-spec CD2) |
初登場11位 | 売上1.4万枚 | Produced by Moto'lion'Sano Co-produced by 大井'スパム'洋輔 |
Daisy Music(ユニバーサル) Daisy Music(ソニー) |
佐野元春1stセルフカバーアルバム。2010年のデビュー30周年記念プロジェクトの一環で制作された初のセルフカバー企画アルバムで、4thアルバム『VISITORS』〜12thアルバム『Stones and Eggs』まで(1984〜1999)の楽曲から10曲をリアレンジしている。表題曲「月と専制君主」は2週間前にiTunes限定配信シングル「月と専制君主-Boys & Girls Version-」として先行配信されていた。ただし今作とは別バージョンでアレンジは今作収録のものと同じものだがBoys & Girls VersionにはCoccoがコーラス参加していて今作の音源では参加していない。ブックレットには本人コメントも引用したアルバム解説が掲載されている。初回盤は「レコーディング・ドキュメント 2010年7月-2010年9月 音響ハウススタジオ」を収録したDVD付、デジパック仕様。アナログ盤でも発売されたがアナログ盤はLP+CDのセット仕様。2021年にはDaisy Musicの委託先がユニバーサルからソニーへ移動する事が発表された。これに伴い今作以降の全作品が一時廃盤となったが、2022年12月に通常盤がBlu-spec CD2仕様でソニーから再発された。
演奏陣はTHE HEARTLANDとThe Hobo King Bandの混成メンバーとなっており、THE HEARTLANDメンバーだった長田進(ギター)、The Hobo King Bandメンバー井上富雄(ベース)、Dr.kyOn(キーボード)、両バンドメンバーの古田たかし(ドラム)の4人が固定で参加。彼ら以外に曲によって管弦やパーカッション等のサポートメンバーが参加している。また「彼女が自由に踊るとき」にはLOVE PSYCHEDELICOが参加(KUMIがBackground Vocal、NAOKIがGuitar)。
発売当時佐野元春を少し聞き進めていたものの(ベスト盤と初期のオリジナル)、新作としては『ベリー・ベスト・オブ・佐野元春「ソウルボーイへの伝言」』の後に今作が出てセルフカバーだというのでレンタル(当時はまだレンタルにもあった)してきたら知らない曲だらけで挫折、そのまま聞かなくなってしまった(というかこの辺りを最後にレンタルにも出なくなった)。まあそれくらいライトリスナーには厳しい…というかベスト盤に選出されるくらいの代表曲がほとんどなく、シングルも2曲しかない。一応2曲とも当時のトップ10ヒットシングルだが、現在さほど有名な曲でもなく、少なくともベスト盤を聞いて次に聞くような1枚ではなかったのは確かだった。
今作でのセルフカバーの方向性はアコースティックな響きを重視した方向性になっていてガツンとロックしたナンバーは無い。加えてファンの間でも90年代末期頃から声が出なくなってきた事を懸念する声が多く、現在の声に合わせての歌い方やアレンジを変える試行錯誤の一環とも言えるところがあると思われ、あくまで佐野元春を深く聞き込んできたファン向けの内容だ。一通りアルバムを聞いてから今作を聞いてもやはりそこまで馴染んでない曲が多くて渋い選曲だなぁとは思うし、基本的にセルフカバー=往年の有名曲というイメージで聞くべきでないのは選曲の時点で明らか。今作には今作の良さもあり、アコースティックな響きや今の声に適応させた歌い方のアレンジも変に原曲に寄せていない分だけ新しいものとして聞けるというところにはあると思う。また今作は一応ソロ名義でバンド名義ではなくメンバーも歴代2バンドの混合編成になっていて名前も無いもののセッションによる長めの演奏も収録されており、演奏部分を堪能できるかどうかでも印象は変わってくる。
現行盤(通常盤Blu-spec CD2) 初回盤DVD付 通常盤 アナログ盤
印象度★★★☆☆
2022.7.8更新