日の名残り
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 花火よ燃え尽きて海に舞い上がれ! | 神野友亜 | 小澤正澄 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
2 | 擦り傷だらけの純情 | 神野友亜 | 小澤正澄 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
3 | 空っぽの心 | 神野友亜 | 小澤正澄 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | 4thシングル 最高位 売上万枚 |
4 | 恋が待ち伏せしてた午後 | 神野友亜 | 藤中友哉 | 鶴澤夢人・長戸大幸 | |
5 | You and me(and…) | 坂井泉水 | 織田哲郎 | 麻井寛史 | ZARDのカバー 4thアルバム『揺れる想い』収録曲 |
6 | クリスマス ケーキ | 神野友亜 | 大野愛果 | 鈴木和哉 | |
7 | クリスマス タイム | 坂井泉水 | 栗林誠一郎 | 麻井寛史 | Barbierのカバー 1stシングル、アルバム『Barbier
first』収録曲 ZARD Versionは『ZARD BLENDU〜LEAF&SNOW〜 』収録曲 |
初回盤DVD
「空っぽの心」 Music Video+Making of「空っぽの心」Music
Video Shooting
リリースデータ
2022年9月14日 | 初登場9位 | 売上0.6万枚 | Produced by 長戸大幸 | GIZA studio |
メンバー
Vocal | 神野友亜 |
Bass,Chorus | 杉岡泉美 |
Keyboard,Chorus | 坂本ひろ美 |
SARD UNDERGROUND1stミニアルバム。3rdトリビュート盤から7ヶ月ぶり。前作以降にリリースされていたシングル「空っぽの心」を収録。新曲4曲とZARDカバー2曲を収録。シングルはオリジナル新曲+複数商法でZARDカバーという構成を続けてきたが、アルバムはZARDカバーのみ、オリジナル曲のみでしか出した事が無く、オリジナルとカバーが混在するアルバムは初となった。「クリスマス タイム」のオリジナルは坂井泉水が作詞とコーラスで参加した栗林誠一郎ボーカルのユニットBarbierの1stシングル。ZARD Versionでも発表されていたため、厳密にはセルフカバーのカバーとなる。初回盤は「空っぽの心」MVとメイキングを収録したDVD付。CDのみ通常盤と曲違いはないが、クリスマスアナザージャケットカードの絵柄が初回と通常で異なる、動画視聴シリアルの「空っぽの心」リリースイベントツアードキュメント映像が初回[first half]と通常[latter half]で異なるという違いがある(初回盤のシリアルで前編と通常盤のシリアルで後編に分けている)。前2作を越える初動売上を記録し(2ndトリビュートが1番高い)、アルバム初のトップ10入りを記録した。
初回・通常に封入されたシリアルによる動画視聴は2つの動画に使用できるが、初回と通常で内容が異なる「空っぽの心」リリースイベントツアードキュメント映像はフラゲ日9月13日〜12月12日まで、共通の「クリスマス ケーキ」MVの視聴は11月1日〜2月29日となっていて、発売から1ヶ月半以上経過しないと視聴可能にならない設定になっていた。またツアードキュメント視聴には記載されたパスワード入力が必須となっていたが、MV視聴にはパスワード設定が無くただURLが記載されているのみでURLさえ分かれば誰でも視聴可能になっている。
藤中友哉は検索しても全く出てこないがYuya Fujinakaの名義で2022年に楽曲提供を開始したばかりの新人作家のようだ(2022年の宇野実彩子のアルバム『All AppreciAte』表題曲を提供したのが最初とされる)。1998年生まれとされており、前作でも書いたように基本的にSARD UNDERGROUND制作陣は90年代ビーイング〜00年代のGIZA全盛期の残留組ばかりなのでボーカルの神野友亜(2000年生まれ)から見ると20歳以上年上の両親級の大ベテランばかりという状況(年齢が公表されている中では1番最初のカバーアルバムで「あの微笑みを忘れないで」の編曲を担当したGAK(from ZAMB)は91年生まれでリリース当時は20代という若手起用もわずかにあり、年齢非公表ながらキャリアからして30代と思われる安部智樹、山口篤もいたがいずれも1曲ポッキリの起用で継続して参加していない)だった。神野友亜と2歳しか離れていない同世代の作家は初起用となる。また坂本ひろ美(1995年生まれ)は藤中友哉より年上でメンバーより若い作家の起用は初と思われる。鈴木和哉も初起用だがこちらは全く情報が出てこなくて正体不明。ド新人初参加のアレンジャーなのだろうか。
というわけで『オレンジ色に乾杯』で気になった鶴長コンビ連投と作家陣がベテランばかりという点がやや改善された今作だがZARDでは「愛が見えない」1曲だけだった小澤正澄をいきなり3連投した事もあって、この3曲はZARDよりも小澤正澄を多用していた三枝夕夏 IN dbトリビュート感がやや強めに感じられる。元々オリジナル曲ではZARDよりもGIZAトリビュート感が出てくるところがあったが(薄味のバラードとかだと特に)、字余り詰め込み早口歌唱は「愛が見えない」Bメロで坂井泉水もやってはいたもののZARD全体として「愛が見えない」がそこまで代表曲ではない事、一方で三枝夕夏 IN dbの代表シングルである「君と約束した優しいあの場所まで」を彷彿とさせるところがあるので、余計に三枝夕夏 IN dbっぽい。三枝夕夏 IN db自体が長戸大幸(当初はKANONJI))がどこかZARDに続く存在にしようとするかのように特に力を入れて売り出そうとしていたところもあったので、20年ほど前とやり方が似てくるところもあるのかもしれない。小澤3曲が全て小澤編曲ではなく鶴長編曲になっているが、作風は完全に三枝夕夏 IN dbの時の小澤サウンドに寄せているし、この3曲に関してはZARDでも全く新しいSARDのオリジナル路線でもなく、三枝夕夏 IN dbだなと思う。
4曲目以降は落ち着いた雰囲気へと移行していき、終盤にかけては一気にクリスマスモードへと変貌。秋冬に向けていくミニアルバムとして季節の移ろいを感じられる仕様となっている。9月発売でクリスマスナンバーはどうにもしっくり来なかったが、まあ1,2ヶ月聞いて終わりではなく、もう少し後まで聞き続けたり、発売当初しっくり来なくて一旦聞かなくなっても12月になってもう1回聞こうと思わせるという効果はあるかもしれない。
初回盤DVDはMVとメイキングのみだが、シリアルによる動画視聴で見れる「空っぽの心」リリースイベントツアードキュメント映像の方がよりメンバーの素顔が垣間見える仕様。だいぶ打ち解けてきたのかベースの杉岡泉美がけっこう率先してノリが良かったり、年上の坂本ひろ美はやはり落ち着いていたりと、これまでのメイキングでは基本的に真面目で行儀が良すぎて美人というだけで各自の素の振る舞いまで見えてくる感じはあまり無かっただけに(脱退したギターの人が1番元気っぽいところは少しあったけど)ちょっと長めのイベントツアーになるともう少しパーソナルな面も見えてくるんだなと。こっちをDVDにしない辺り、残しておくものではないという判断なのか。
印象度★★★★☆
2022.11.12更新