2016年9月発売編

スターダスト/宿り星 イトヲカシ 2016/9/21 DVD付 初登場14位 売上0.65万枚
1.スターダスト
動画サイト界隈で人気を博し、ソロでも活躍していて作詞作曲ボーカルを担当する伊東歌詞太郎と、中学時代からの同級生で別々に音楽活動をしていた編曲ベースキーボードを担当する宮田“レフティ”リョウによる2人組ユニットのデビュー作。突き抜けたド直球の王道J-POP。王道のJ-POPというとなかなか普通にいい曲からさらにその高みに至るのが極めて困難なところだがこの曲に関してはラジオで1回流れたのを聞いただけでとてつもない勢いを感じた。キラキラした歌詞やメロディーはまさにこれぞ最初にJ-POPを聞き始めた96年頃からずっと求めていたJ-POPの極み。変わらないものがここにあった事を感じた。

2.宿り星
アニメ「双星の陰陽師」2期ED(春開始のアニメで夏クールの間に使用)。ストリングスも盛り込んだ王道のバラード。これもなかなかいい曲だがこの曲に関しては普通にいい曲以上のところにはなかなか届かないイメージ。果たして「スターダスト」が奇跡の1曲になるのかどうか。

DVD

1.「スターダスト」Music Video
伊東歌詞太郎がソロでメディアでの顔出しNGなのがこのユニットにもそのまま適用されているため(ライブには普通に登場)、メンバーが映像には一切登場せず、中学生の男女6人だけが主役。仲の良い男女6人組のうち女子1人が突如倒れて危篤状態になってしまい、心配した5人はスマホで願いをかなえる方法を検索して、流れ星に願いをかけることを決意。駅から歩いて山を目指し、流れ星に願いをかけようとする、という少年少女たちの純粋な友情物語が展開する。かなり直球なストーリー展開だけど、あえて余計な詳細設定や大人たちの登場を排除する事でリスナーを純粋無垢な子供時代の感覚に戻す効果はあると思う。なんだか懐かしい感覚になった。美男美女を揃えるのではなく、その辺にいそうな小学生に近い中学生(たぶん1年生設定)を起用した辺りも良かった。

2.「宿り星」Anime Music Video
タイアップ先のアニメのダイジェスト映像。アニメのストーリーは全くつかめないが男女の主人公で、女子キャラの方に導かれて主人公の少年が戦いの世界に身を投じるようになったっぽい、やがて強敵との戦いで少年暴走からの挫折っぽい、挫折から2人はさらに強い絆で復活し連携での新必殺技を繰り出してさらなる次元に至ったっぽい…というのは分かった。

★★★★★

ソラシド〜ねえねえ〜 Buono! 2016/9/21 DVD/CD 初登場7位 売上0.2万枚
(音楽DVDチャート)
DVD

1.ソラシド〜ねえねえ〜(Music Video)
屋外主体でのDolceによる演奏や3人だけでの屋上でのダンスシーン主体の内容。、活動後半にはかなりギャル化が進んでいた夏焼雅はさらに派手な印象になり、4年前は10代だった鈴木愛理もすっかり大人っぽくなった。案外イメージが変わっていない嗣永はやはりアイドルとしてのプロなのか。そういえば活動を休止したBerryz工房の末期はみなさんだいぶケバケバしい雰囲気にまで成長していたのにこの人だけずっとブレてなかったな…。

2.ソラシド〜ねえねえ〜(Dance Shot Ver.)
屋上でのダンスシーンのみでまとめたバージョン。メインMVにおけるバンドをバックにしたがえていた際は嗣永のセンター固定だったが、このバージョンでは冒頭は夏焼センターから始まって(歌い出しが夏焼のため)3人ともセンターに立つ機会がある変動制。そんなにダンスで魅せる曲ではないけどこれはこれで誰がどこを歌っているのかが分かりやすくていいかも。

特典映像
ロックの聖地(@Recording)

メンバー3人とギターベースドラムのスタジオミュージシャンのオッサン3人も含めてレコーディングブースの前に固定カメラを置いてレコーディング中の様子を分割画面で組み合わせて表示させたお手軽というか簡易的なMV。これはこれで意外とバンド感がある。

CD

1.ソラシド〜ねえねえ〜
4年経ってすっかり大人になったので古来からのハロプロ特有のセクシー路線に走るかと思ったけど案外Buono!らしさは変わらない直球なところに着地してしっかり待っていたリスナーの期待に応えたBuono!らしい1曲といった感じ。作家としての赤い公園の津野さんは外さないなぁ。

2.ロックの聖地
復活と同時に初の日本武道館単独公演を発表したので、日本武道館の地に立つBuono!の心情がそのまんま歌詞になっている楽曲。このため当日限りでしか映えないくらいガッツリ武道館への思いだけにフォーカスを当てている。曲自体は爽快なロックナンバーだけどライブで空間を共有したファンじゃないと感じるものが少ないかも…。

DVDシングルという扱いなのでCDは付属扱い。しかし扱いが安定しておらず、ディスクの収納はCDが前、DVDが後ろという通常のCD+DVDと同じ扱いで、帯の表記も「2枚組DVD+CD」と書いてる真下には「12cmCD+DVD」と書いてあったりも。単にO社シングルチャート入りを拒否したいだけなんじゃ…。

★★★★☆

最高かよ HKT48 2016/9/7 Type-A 初登場1位 売上34.5万枚
1.最高かよ
歌唱メンバーは井上由莉耶、多田愛佳(元AKB48)、神志那結衣、兒玉遥、指原莉乃(元AKB48)、田島芽瑠、田中美久、田中優香、朝長美桜、渕上舞、松岡菜摘、松岡はな、宮脇咲良、本村碧唯、森保まどか、矢吹奈子
48文化の象徴ともいえるミックスと呼ばれるあのサイバータイガーから始まる意味不明な単語が並びたてられる不気味極まりない叫び声をそのまま導入したライブ風のハイテンションナンバー。以前ミックスの講座をJPN48のシングル特典映像でやった事もあったが曲でそのまま実践してくるとは…。曲自体はノリノリ、ド王道ながら案外ここのところどの48もわざと王道を外したような曲を増やしているのでなんだかんだ安心感もある。ただとにかくこの宗教的なミックス文化が苦手なので正直しんどい。しかも「最高かよ」っていうのは欅坂46の長濱ねるが気に入って常用している言葉だと少し前に番組で言っていただけになんか流用したみたいでどうにも…。

2.空耳ロック/HKT48 Team TU
歌唱メンバーは荒巻美咲、今村麻莉愛、栗原紗英、坂本愛玲菜、筒井莉子、外薗葉月、松岡はな、村川緋杏、山内祐奈、山下エミリー
3月に結成されたばかりのHKT48の3つ目のチームの初のオリジナル楽曲。若手メンバー中心なのでフレッシュ感のある仕上がり。

Type-Aのみ
3.夢ひとつ/穴井千尋と仲間たち
歌唱メンバーは穴井千尋(7/31で卒業)、今田美奈、植木南央、多田愛佳(元AKB48)、熊沢世莉奈、兒玉遥、指原莉乃(元AKB48)、下野由貴、田中菜津美、深川舞子、松岡菜摘、宮脇咲良、村重杏奈、本村碧唯、森保まどか、若田部遥
Team Hのキャプテンだった穴井の卒業ソング。既に卒業して1ヶ月以上経過してからのリリースとなったが、今回も例外なくいつもの卒バラ…としか…。穴井は総選挙で14,15年に30位台に2連続で入り、HKT48の選抜にも毎回入っていたが、キャプテンに任命されたのが2012年春でまだCDデビュー前どころか指原が加入するより前。2014年までHKT48にはTeam Hしか存在しなかったので実質的にHKT48のキャプテンでもあったはずだがキャプテン就任から数ヵ月で指原が来てからCDデビュー以降は指原が率いるHKT48というのが世間一般のイメージになってしまったので他の48グループに比べてキャプテンという印象が極めて薄かったなぁ…(JPN48では選抜参加は最後まで無し)。

7.(無表記のシークレットトラック)
表記の無いシークレットトラックでカラオケバージョンも終わった7曲目に収録。その内容は「最高かよ」のミックス無しバージョン。ミックス前提で作った曲だったせいなのか無ければ無いで隙間があるような気がしてしまうもののこっちの方がすんなり聞ける。

DVD

1.最高かよ(Music Video)
室内のダンスシーンとロケで集音機を持ったメンバーが各地で声を集めるという内容。タイガーに合わせてタイガーマスクの選手に、ダイバーに合わせてプールに…など例のサイバータイガー…の意味不明な単語の羅列に合わせた演出も。合いの手が随所でポップな文字で出現して楽しい雰囲気になっており、ミックスの意味不明さや不気味さ宗教臭さを綺麗にカモフラージュしている印象。センターの松岡はなは見覚えが無かったが、なかなか存在感がある。

2.空耳ロック(Music Video)
3番目のチームで全員が3期生とドラフト生、ほとんど若手なので知らないメンバーばかりだけど、若々しさがある。衣装がバラバラの私服風になっているけどここでもセンターの松岡はなは一際存在感があると思う。今後は中心メンバーの1人になりそう。

以下Type-Aのみ
3.夢ひとつ/穴井千尋と仲間たち(Music Video)
7月31日で既に卒業しているため、卒業前に制作したと思われる新規の歌唱シーンと、加入から卒業公演まで含めたヒストリー映像での卒業バラード典型映像。卒業後なので卒業公演までのヒストリーが収録可能だったというところが典型卒バラパターンと少し違うところか。

4.「HKT48の団結修学旅行 Vol.1」
指原以外の全メンバー(入ったばかりの研究生除く)で河口湖へのバスツアーをして体験学習をするという旅番組。前作でも富士山方面でMV制作したついでのように富士サファリパークとか富士急ハイランドへ行く内容だったのに、何故に2作連続で同じような方向でロケになったんだろうか。前回はタイプごとに参加メンバーが完全に分かれていたが今作では出発からコテージまでは全員でバス移動し、複数のメンバーがカメラを持ってメンバー同士を撮影しているので普段のグループ全体の雰囲気やメンバー同士のわちゃわちゃした空気がそのまま映し出されているような印象。作り込まれたバラエティ的な演出が無いので変に面白くしようとするような指原流のバラエティ仕込みな流れもなくて逆に見やすかった。後半は3チームに分かれて体験学習ということで、3分割されType-Aにはカヌーの体験学習の様子が。そしてラスト5分少々では指原とフットボールアワー後藤による夜の東京での大人の修学旅行編が収録されているが、これは無理やり3分割しただけのようで、Type-Aは目的地への移動中のトークとどこかへ到着してどこかの屋上で何かを見たようなところで強制終了してしまう。指原はすっかりバラエティ芸人として別の次元に立ち、人格もすっかり芸能人になってしまったなと改めて。

★★★★☆

Power of the Paradise 2016/9/14 通常盤 初登場1位 売上47.6万枚
1.Power of the Paradise
日テレのリオオリンピックテーマ曲。04年以降夏は全て、10年以降冬も全て日テレのオリンピックは嵐の新曲が起用されているが、A面起用は04年の「HERO」と08年の「風の向こうへ」以来で、単独A面は初。メンバー主演の映画やドラマ主題歌や別のタイアップが立て込んでいて後は全てC/Wで片づけてしまうという嵐にとってはオリンピックテーマ曲はかなり序列の低いタイアップだった。しかも今回はC/W曲も少なく、予定になかったけど無理やり出したような…。発表されたドームツアーの日程もなんだかSMAP仕様の会場や日程の組み方だし、ジャニーズ内は相当ごたついているんだろうか。楽曲はいつものオリンピックテーマ曲らしいさわやかポップな応援歌。リオなので安直にサンバとかカーニバルなノリとかにせずに風味程度に抑えているんだけど、むしろ一直線にそういったノリにした方が逆にインパクトがあったかも…。単独A面になった割にこれまでのオリンピックタイアップよりも引っ掛かりが無い…。

通常盤のみ
2.花

ザ・バラード。普通のバラード。バラードオブバラード。

4曲目の「花(オリジナル・カラオケ)」の後にシークレットトークが30分以上収録。

★★★☆☆

CHEER UP! THE SUMMER 山下達郎 2016/9/14 初登場8位 売上1.3万枚
1.CHEER UP! THE SUMMER
ドラマ『営業部長 吉良奈津子』主題歌。「アトムの子」や80年代の夏のヒット曲を思わせるようなサマーアップナンバー。新鮮さというよりは過去の王道イメージを組み合わせたような感じではあるけど、この10数年ほどはバラードの方が多かったのでマンネリというよりかは久々に聞きたかった路線が聞けた!といった印象が強い。

2.CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU〜君の瞳に恋してる〜(Live)
チャ〜ラ、チャ〜ラ、チャ〜ラチャッチャッチャッ、チャ〜ラ、チャ〜ラ、チャ〜〜〜アイラ〜ビュ〜ベイベ♪とあちこちで原曲イメージを大事にしてカバーされているので聞けば誰もが思い出す定番洋楽のカバー。2016年1月28日の大阪フェスティバルホールでのライブ音源。これまたここ10数年の山下達郎よりも80年代のイメージの方が近いけど、そのイメージで聞けば見事にハマっている。

★★★★☆

clever ClariS×GARNiDELiA 2016/9/14 初登場21位 売上0.7万枚
1.clever
作詞作曲はいつものClariS提供陣でアレンジとコーラスにGARNiDELiAが関わっているんだけど(アレンジをtoku、コーラスをメイリア)、思っていた以上にいつものClariS系スッキリポップナンバー。言われなければ分からないくらいClariS単独楽曲みたいでもう少しコラボ感が合っても良かったのでは…。

2.clever-TV MIX-
TVサイズのショートバージョン。

DVD

1.クオリディア・コード 「ノンクレジット1stエンディング映像」
2.クオリディア・コード 「ノンクレジット2ndエンディング映像」

タイアップ先アニメのクレジットが出ないED映像。いきなり知らない曲、知らない声が流れてきて何事かと思ったんだけど一応今作ClariS単独の作品ではなく、GARNiDELiAとの共同名義なわけで1期ではGARNiDELiAが単独でEDを担当していたらしいのでどうもその曲らしい。作品を知らないので全く分からないが、これ1種しか出さないというのは今回は作品を見ている人しか買わない前提なんだろうか。

★★★☆☆

恋をしたのは aiko 2016/9/21 初登場3位 売上3.4万枚
1.恋をしたのは
アニメ映画『映画 聲の形』主題歌。編曲はKano Kawashima。原作ファンだという事だが…話のあらすじと歌詞を見る限りだと正直あまりストーリーに寄せてないような…。楽曲自体はいつものaikoのミディアムナンバーといった感じ。ただ例によってよく聞くと島田昌典を起用していた頃に比べると貫録と安定感を避けるかのように軽やかに聞こえる…というのはKano Kawashima、OSTER projectに代わってからの共通点か。

2.夏バテ
編曲はKano Kawashima。比較的ロック色の強いミディアムナンバー。例によってあまりギターを重たく響かせずに軽やかに仕上げている印象。

3.微熱
編曲はOSTER project。まったりしたオシャレ系ナンバー。

★★★☆☆

まいにち。 Every Little Thing 2016/9/21 初登場63位 売上0.09万枚
1.まいにち。
6月に配信限定でリリースしていた楽曲を3ヵ月遅れでCD化。さすがに3ヵ月では感想も変わらないのでそのまま据え置きで。

2.ブルースター
ブラスポップナンバー。オシャレな雰囲気で、近年の電子音主体路線とはまた少し違ってバンド主体なところは共通している。それにしてもエイベックスサイドの今作の異常なまでのやる気の無さは一体。最早ファンにさえ買わせる気が無いという非常事態であり、他媒体では告知されていたが公式ページでの発売告知がわずか5日前の9月16日(配信の時は即日だったのでそれよりマシではあるが)。MVも制作させてもらえず、これに伴い07年以来のDVD付無しの1種発売最低売上、最低順位の更新は必然であり、せっかくいい曲なのにもったいない。ていうか一応今年が正式な20周年であり(昨年大々的に掲げてしまいツアーも春で終わってしまったがデビュー記念日には単発での20周年ライブもしっかり行った)、おそらく20周年唯一となるであろうCDがこの扱いって…。

★★★★☆

12月のひまわり Aqua Timez 2016/9/28 初登場22位 売上0.4万枚
1.12月のひまわり
真骨頂である温かみのあるミディアムバラード。J-POP界がストリングス病真っ盛りな時期でもAqua Timezは染まらずに入れてもバンドを覆ってしまうほどではなかったが今作でもストリングスとバンドの融合は自然だ。配信ばかりでCDシングルは1年以上開く事となったけど、前作の頃にあえて意識して強い言葉遣いにしていたのはやはりしっくり来なかったのか、歌詞の暖かみが以前に戻っているのもなんだかんだやはりこれが太志の持ち味だなと思う。学生時代や10代の頃を完全に回想する形になっていてあの頃学生だったリスナーも社会人かその手前くらいになっているのを意図してかしないでか想定したようなメッセージが並んでいるのもいい。2番の締めのフレーズには1stミニアルバムのタイトルがあてられているなどAqua Timezと共に歩んできたリスナーほど歌詞が響きそう。

2.岐阜と
太志のみが岐阜出身ながら岐阜へアピールしたところ岐阜の観光大使に任命されたそうで「12月のひまわり」は岐阜市とタッグを組んだ「まだ、はじまったばかりプロジェクト」のプロジェクトソングという事になっていてMVも岐阜で撮影されるという岐阜づくしな展開になっているが、そのC/Wであるこの曲はさらにストレートに岐阜ってる。太志のそのままの故郷岐阜での思い出と故郷への思いがラップ調に綴られており、岐阜色が強い。ラップ調だとサウンドがハードになる事が多かったが今回はクールに進めていくというのは新鮮。

★★★★☆ 

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