2017年4月12日
Type-A,B,C,NGT48 CD盤
初登場1位 売上20.8万枚
DVD付のType-A,B,Cに加えてCDのみの通常盤には「NGT48 CD盤」と独自の呼称をつけている。
48グループだが、レコード会社が乃木坂46、欅坂46陣営と同じソニー系列のためか、販売フォーマットは46寄りとなっている。
・配信では全曲をまとめたSpecial Editionとして発売
・DVDの特典映像に個人PVが収録されている
・劇場盤が存在せず、通常盤(NGT48 CD盤)をフォーチューンミュージックで購入することで個別握手券が付属。
といった点が48グループではなく、46グループと同じ方式となっている。
1.青春時計
デビュー前にAKB48のC/Wで発表していた曲は全員参加していたので、選抜自体が初のようだ。全員同期なのに何を基準にしたのかTeam NⅢと研究生という2つに分けられており、今作はTeam NⅢ全員での歌唱という扱い。
ゆるふわなラップ(のような語りのような)から始まる異色作だが、基本的には昔ながらのフォーク風のポップチューンでどこか懐かしくも新しい48系にしては優しいサウンドが心地いい。またいきなりセンター中井りかのラップから入り、そのまま食い気味に次のパート→次のパートへと進んでいき、間奏というものが全く存在せずに全部歌で構成されているというのも変わっている。
歌詞は男子の淡い恋心を歌っているが、“どうしてこんなに眩しいんだろう どうしてこんなに切ないんだろう”とか”ホントの願い隠したこと いつかどこかで悔いるのかな”とか主人公のもどかしい恋心を表現すると同時に過ぎてから思う青春を表していて過ぎ去った日々が脳裏をよぎる。”知らぬ間に時計は刻んでる”とか”振り返ったら青春”とかまさにそうなんだよな、なんでもない退屈な日々で当時は青春という意識は無かったんだけど振り返ってみるとまさに”どうしてこんなに眩しいんだろう どうしてこんなに切ないんだろう”。名曲。
★★★★★
2.空き缶パンク
切ない気分にさせた後に反抗期パンクという策士家秋元康が炸裂するパンク風ナンバー。ギターが激しく鳴り響き、電子音も同じくらい激しく鳴り響き、ボーカルもロック風味だが、あくまでアイドルロックであり、激しい割にはサウンドの印象はかなり軽い。アイドルバリエーションの1つといった感じ。
★★★☆☆
Type-Aのみ
3.出陣
ド派手なオーケストラ、テケテンテケテンと和楽器が加味された時代劇風なナンバー。今まで聞いた48・46系列ではまるで聞いたことのない曲調。まさに出陣!といった感じだが、あまりのド迫力とスリリングさは聞いていても緊張感が走ってきてそう何度も聞く気にならない。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.純情よろしく
若干棒読み調ラップのような「大好きだよ!」の連呼をするバース部分がサビより印象的なポップナンバー。今作の中では1番普通にアイドルポップっぽい感じだけど、48系の王道とは少し違う感じ。まさかデビュー作で48系アイドル王道っぽい曲が全くないとは思わなかった。
★★★★☆
Type-Cのみ
3.暗闇求む
昨年末に卒業を表明し、発売直前の3月31日付で水澤彩佳が卒業(結成時から最初の卒業者でNGT48では本格始動前の辞退者は出ていなかった)したが、1stシングルの制作自体には全面参加していたようだ。26人全員での最後の1曲となった。シリアスなダンスナンバー。世間の欅坂46のイメージをもう少しマイルドにした感じの曲。
★★★★☆
NGT48 CD盤のみ
3.下の名で呼べたのは…
前述の水澤彩佳も含む「青春時計」に参加していない研究生メンバー(研究生だが前述のように全員1期生なので同期)による歌唱。やや落ち着いた雰囲気のポップス。同じグループでライバルでありながら友人になっていく様子を描いた秋元康お得意のメンバーの状況を歌にしたドキュメント風の内容。
★★★☆☆
DVD
1.青春時計 Music Video
センターは中井りか。
デビュー前の楽曲ではフロントにはいたが3曲のうちMVのある2曲では高倉萌香がセンターだったのでこれが初センターとなる。デビュー前とデビュー作とセンターが変わるというのはHKT48における兒玉と宮脇の関係と酷似している(デビュー前は兒玉がセンターだったがデビュー曲では宮脇になった)。
またAKB48の選抜においても兒玉と宮脇だと明らかに宮脇ばかり前面に出しているが、中井りかも「ハイテンション」から選抜になっていた。
新潟の街中でエキストラ市民たちと触れ合いながらの地元密着色の強いMV。NGTは他の地方48以上に新潟全面バックアップの元で新潟発をアピールしていくつもりのようで、その様子はMVからも伺える。朱鷺をイメージしたという赤の衣装が映えるのと、ここでセンターを広く受けそうな王道タイプの中井りかに変えたのは効果的だったなと思う。
以下Type-Aのみ
2.出陣 Music Video
センターは荻野由佳。
10分以上に渡るショートムービー。高倉萌香がクラスの一部女子からイジメに合っていて学校に来なくなってしまい、転校することが教師から告げられる。いじめの事実を告発できない荻野由佳は子供の頃にいじめられていた時に逆に高倉に守ってもらったことがあった。葛藤する荻野、そして他のクラスメイトたちはいよいよ高倉が退学届を出しに来てしまったギリギリのタイミングで立ち上がり「出陣」する!というド派手な時代劇風の曲調に合わせてこれまたド派手に覚醒していく様子が描かれる。ただちょっとじっくりすぎて高倉が退学届け出す直前まで踏み出さずに迷い続けているので覚醒、出陣に至るまでがじれったい。
特典映像
3.大滝友梨亜×DjHiRo Fantastic Motion、4.荻野由佳×石井麻里、5.小熊倫実×田中敦子、6.柏木由紀×フカツマサカズ、7.加藤美南×マムシの三男、8.角ゆりあ×加藤マニ、9.北原里英×佐藤亜美、10.日下部愛菜×今泉洋
乃木坂46、欅坂46が初期から行っている個人PV。近年はクリエイター名を表に出さなくなっていたが、今作では初期の乃木坂46のようにメンバーとクリエイター名がコラボ扱いで表記されている。ミニドラマあり、ドキュメントあり、クリエイター系あり…と内容はクリエイター次第でいろいろあるのは同じだが、乃木坂や欅坂の1stを思うとクリエイターの自己満足のような意味不明なアート系は少なく、アイドルらしい明るいものや分かりやすいものが多い印象。正直柏木と北原以外は知らない、荻野由佳は「出陣」でメイン張ってた今覚えたばかりの顔だ、という以外知らないメンバーばかりだったが思ったよりは見やすかった。
また乃木坂欅坂との違いは細かいところでは収録順が分割して1種ごとのあいうえお順ではなく、3タイプ通して完全なあいうえお順になっている点、タイトルバックが無い点が異なる。タイトルバックが無いのは地味に不便で、終わりや始まりが分かりにくい個人PVの場合どこで次の個人PVに移ったのか分かりにくいのと、下手したらメンバーの名前が出ないかカッコつけてローマ字表記しかしなかったりするので、メニュー画面やパッケージのトラック表記を見ないと誰なのか分からない。何故肝心な部分をはしょったのか。そこがメンバー多すぎて個々を軽視する48と初期から個人PVで全員に出番を与えてきた46の違いなのか。
以下Type-Bのみ
2.純情よろしく Music Video
センターは本間日陽。
空港を舞台にCAに憧れてる風のメンバーがダンスシーンではCA風のお姉さんなスタイルでダンスするというちょい都会的な雰囲気のMV。CAスタイルになるとみんな同じ雰囲気になってしまい区別が…。
特典映像
3.佐藤杏樹×永野義弘、4.菅原りこ×中島望、5.清司麗菜×宮川慶大、6.高倉萌香×高橋栄樹、7.太野彩香×及川勝仁、8.髙橋真生×関山雄太、9.中井りか×中村太洸、10.中村歩加×森翔太
この中だとやはり「青春時計」センターになった中井りかが圧倒的に存在感あるなと思う。HKT48初期と違っていかにもお子様なメンバーがいなくて少し平均年齢を高めに採用している点もちょっと違うのかなと思った。
以下Type-Cのみ
2.暗闇求む Music Video
センターは加藤美南、高倉萌香(Wセンター)。
加藤はMVが無かったデビュー前のAKB48のC/W曲「君はどこにいる?」でセンターをやっていたらしいので、この曲に関してはデビュー前センター経験者によるデビュー前体制の楽曲といった趣き。
3/31付で卒業した水澤彩佳も参加していて結成時全26名のメンバーが出演している最後のMV。AKB48のC/Wで発表された2曲は選抜制度が無く全員参加だったようだが最初の1曲では柏木が参加してないので26人全員参加のMVは「みどりと森の運動公園」と今作だけになるのだろうか。
メンバーが続々とどこかへと向かっていき、最後は暗闇の海辺でのダンスシーンへ集約される。シリアス度の高い雰囲気。
特典映像
3.奈良未遥×米山三郎、4.西潟茉莉奈×TAKUYA UCHIYAMA、5.西村菜那子×濱田禮徳、6.長谷川玲奈×樋口慧一、7.本間日陽×山田彩華、8.水澤彩佳×中村隆太郎、9.宮島亜弥×MAD PRODUCTION、10.山口真帆×酒井伸太郎、11.村雲颯香×澤礼門、12.山田野絵×奥藤祥弘
発売時で既に卒業している水澤彩佳も卒業前に個人PVは撮影していたらしく普通に収録されている。幼稚園の先生の免許を持っており、そのままその夢へ向かうために辞めるというラストメッセージみたいな内容。AKB48の選抜メンバーになっても特に最後の作品も残せずに辞めていく者が大半の中で、発売は前後してしまったが最後に在籍していた証を残せるとか好待遇だよな…。
すっかり乃木坂46がピーク、欅坂46が世間一般の注目を浴びている状況で48系は売上枚数は出てるけどすっかり存在が空気みたいになってて正直NGT48はあまり話題になっていない感じだったんだけど、他の姉妹グループ以上に新潟を大事にしていたり、個人PVがあってメンバー1人1人を大事にしていたりと他の姉妹グループよりも地元もメンバーも大事にしているところが地味にいい。48本体自体のJPN化に過剰に巻き込まれると結局グループの色が見えなくなってSKE48みたいなことになりかねないが、NGT48は少し違う方向性を目指そうとしている(48システムに抗いきれない部分も多々ありそうだけど)と思うし、今後にも期待できそうだ。