2020年12月9日
Type-A,B,C,D,通常盤
初登場1位 売上50.2万枚
初登場18位 売上0.6万DL(単曲)
初登場2位 売上0.66万DL(Special Edition)
欅坂46から櫻坂46に改名しての再デビュー作。
欅坂46のラストシングル(配信)「誰がその鐘を鳴らすのか?」からは4ヵ月ぶりだが、CDシングルとしては1年7ヵ月ぶり。
「誰がその鐘を鳴らすのか?」は全員参加曲だったので2期生全員がこの曲がデビュー作となったが、シングルCDデビュー作は今作となった。「誰がその鐘を鳴らすのか?」参加メンバーから欅坂46終了直前に石森虹花が卒業、終了と同時に佐藤詩織が卒業して2名少なくなった26人体制。
初の選抜形式となっているがAKB48から連なる選抜形式とは方針を変え、C/W含めた全7曲全てが14人編成、1,2列目を構成する8人が7曲全て固定で“櫻エイト”と称された。残る3列目6名が曲によって異なる。1曲も参加していないメンバーはいない。さらに櫻エイトの中から2期生の森田ひかるが3曲、藤吉夏鈴、山﨑天が2曲ずつセンターとなっていてセンターは3人で固定された。3人以外のポジションは固定で3列目もセンターによって固定されているため、メンバーの組み合わせはそのまま3パターンしかない。
Type-A,B,C,D,通常盤で3曲目が全て異なる。
A~DのBlu-rayは表題曲MVのみ共通。A,Bは2020年7月16日に行われた配信ライブ「KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!」の模様を前編(A)、後編(B)に2分割して収録。C,DはC/WのMV1曲ずつ、2期生のみの個人PVを収録。2期生個人PVのうち関有美子・田村保乃・松田里奈・森田ひかる・井上梨名・武元唯衣・藤吉夏鈴・松平璃子・山﨑天の映像は、昨年に予定されていたシングルのリリースに向けて制作していたものと告知されている。欅坂46の発売中止になった9thの特典映像として2期生の個人PVの制作は完了していたようだ。それにその後新たに加わった新2期生の個人PVを今作用に新規制作したという事だろう。
1.Nobody’s fault
菅井友香、藤吉夏鈴、小池美波、山﨑天、田村保乃
小林由依、森田ひかる、渡邉理佐
上から3列目(全曲入れ替え制)、2列目、1列目でセンターは森田ひかる。1,2列目の8人も全曲固定だがセンターは森田・藤吉・山﨑の3人が入れ替え制でこの3人のポジションのみ入れ替わる。それ以外の5人の配置は固定。
全部僕のせいだと苦悩して結局平手が辞めてしまい崩壊した欅坂46から改名しての最初の1曲で誰のせいにもするな、誰のせいでもないと力強く主張しまくるという策士家お得意の言い訳ソング。乃木坂46の「アンダー」で今更アンダーという現実を突きつけてWセンターを1人卒業、1人精神不調で離脱に追い込み、次のアンダー曲「My rule」の歌詞がまるで言い訳のようだったのを彷彿とさせ、策士家として見るとこれまたあまりに酷い責任放棄だ。自分でとことん追い込んで1人の少女の人格を変えておいてしれっと誰のせいでもないよ?そうだろ?みたいな姿勢取ってくるとか策士家の悪いところがまた出たなという。
一方でどうしてこうなった?とばかりに苦境に立たされ続けたメンバーの心情には確かに寄り添った曲でもあり、平手のせいにもましてや策士家や運営のせいになんてできるはずもしようとも思わないだろうから、まさにこれぞという歌詞なんだろう。改名までする事も欅坂46での主張をある意味否定するような事から始める辺りに決意が感じられるといった寸法。
ただパッと聞き、結局険しい感じなのであんまり変わっていない。これ改名した意味あんの?というのが率直な印象でもある。正直「Buddies」か「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」の方が表題曲として世間に打ち出すのには良かったと思うが、よく考えればあまり明るくしすぎると欅坂は一味違う!派が一斉にいなくなり、かといってアイドル路線を望むファンも残ってないだろうし、売上堅持のためにはイメージを変えすぎない(購入力のある宗教的ファンの離脱を極力回避するのが最優先と判断)するのが戦略的に正しくはあるんだろうけど、それにしてももう少しバランス取れなかったのか。なんだかんだ「サイレントマジョリティー」から4年半以上も経過すれば当時共鳴してももう反抗期終わったリスナーも少なくないだろう。強めの表現にするための男口調の言い回しなど曲が森田ひかるにあまり合ってないのも辛い。森田ひかる自体は小さいながらも大きな瞳で存在感もあってセンターの貫禄も十分にあると思うんだけど、男口調のソロパートの歌い回しにはやはり無理があるように聞こえる。
力強さや決意を感じさせるなどコンセプトはいいんだけど、なんかもう少し違う方向にならなかったのかなという気はどうしてもしてしまう。
作曲のデレク・ターナーは正体不明。編曲はまたここにも出てくる野中“まさ”雄一。なんか最近再度登場頻度が増している気がしたがマンネリなテンプレアレンジを脱して秋元康に飽きられない方向性に拡散させたことで御用達アレンジャーとして食らいついているのかといった印象も。
★★★☆☆
2.なぜ 恋をして来なかったんだろう?
菅井友香、森田ひかる、小池美波、山﨑天、田村保乃
小林由依、藤吉夏鈴、渡邉理佐
藤吉がセンター。表題曲から3列目はごっそり入れ替わり、1,2列目は固定(森田と藤吉の場所が入れ替わっただけ)。
初めて彼氏が出来て浮かれまくる女性目線の楽曲。欅坂46=黒い羊化していく”僕”目線の曲というイメージが強かったので明確に新グループ感があり、恋に落ちて見える世界が変わった主人公の浮かれっぷりがそのまま再始動してようやく動き出せるグループの勢いと重なる。反面、いつもの少年が1人盛り上がる秋元系お得意のアイドルポップナンバーに比べるとそんなにバリバリに明るくもアイドルっぽくも無く一定のクールさもあるが、欅坂46からの変化のさじ加減としては表題曲よりバランスいいと思う。
★★★☆☆
Type-Aのみ
3.半信半疑
菅井友香、藤吉夏鈴、小池美波、森田ひかる、田村保乃
小林由依、山﨑天、渡邉理佐
山﨑がセンター。さらに3列目がごっそり入れ替わり、1,2列目は固定(山﨑のポジションに森田、森田のポジションに藤吉が移動しただけ)。今作のメンバーの組み合わせはこのType-Aの3曲3パターンのみで残りのC/Wもこの3曲の組み合わせのうちのいずれか1つとなる。
「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」の浮かれっぷりと正反対の半信半疑の愛を歌った楽曲。1期生の誰かがセンターなら普通に似合うだろうけど、これを最年少の山﨑天センターでやらせるとは…。まあ確かに加入時にめっちゃ無邪気にふるまって冠番組で子供らしく跳ね回っててMCの澤部にもすぐに「天ちゃん」とちゃん付けで呼ばれるくらいすぐに親しまれたものの、この無邪気する態度が宗教化しつつあったファンに反感を買って叩かれまくってしまい、その後他の2期生が台頭していく中で全く発言しなくなり置物化、初期の人懐っこいイメージのままの澤部に「天ちゃんどう?」と話をふられても曖昧な表情で返答しないみたいな場面が繰り返されて完全に闇落ちした感あったし(平手みたいな闇ポエムブログを上げた事もあった)、この1年間でかなり持ち直したとはいえ無邪気に立ち返ったわけでもなく比較的クールなイメージは堅持しているのでこういう曲を与えられるのも分からなくもないか。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.Plastic regret
菅井友香、森田ひかる、小池美波、山﨑天、田村保乃
小林由依、藤吉夏鈴、渡邉理佐
藤吉センター「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」と同じ編成。
女性目線の失恋ソング。「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」の続きだとするとかなり切ないが、しっとりしつつも適度にポップな感じ。
★★★☆☆
Type-Cのみ
3.最終の地下鉄に乗って
菅井友香、藤吉夏鈴、小池美波、山﨑天、田村保乃
小林由依、森田ひかる、渡邉理佐
森田センター「Nobody’s fault」と同じ編成。
昔ながらのフォークロック風味の明るめの曲調。対して歌詞は生きることに諦めの境地に至っているという暗めのもので最後もあまり希望が見えず“これからの人生期待なんかしていない”で終わるという諦めっぷり。しかしそんなに暗黒な感じでもなくいい感じに達観している受け入れた感じの諦めというか、そんなに悲観的ではないように聞こえるのは明るい曲調のせいだろうか。2020年末から思う来年以降とかまさにこんな心情だよね。
★★★☆☆
Type-Dのみ
3.Buddies
菅井友香、藤吉夏鈴、小池美波、森田ひかる、田村保乃
小林由依、山﨑天、渡邉理佐
山﨑センターで「半信半疑」と同じ編成。Type-DのみC/WながらMVが制作された3つ目の曲であり、「半信半疑」ではなくこちらが山﨑センターのリード曲的扱い。
希望を持って仲間たちと進んでいこうという櫻坂46としての再始動を最もストレートに表現した楽曲。爽やかなだけではないスケールの大きさもあって間違いなく新たな代表曲(ライブでやるときに重要な位置で披露される曲)になりそう。
これは普通に考えて全員曲にすべきだったと思うんだけど変な制度を全曲に適用させて機械的に3パターンを割り振って、結果的に森田・藤吉センター時の3列目メンバーである井上梨名、幸阪茉里乃、原田葵、渡辺梨加、増本綺良、関有美子、武元唯衣、大園玲、守屋茜、松田里奈、尾関梨香、土生瑞穂をこの曲からハブってしまったのが悔やまれる。これは間違いなくグループ全体の曲だろう。7曲の中では今作が1番いいと思う。
★★★★☆
通常盤のみ
3.ブルームーンキス
菅井友香、藤吉夏鈴、小池美波、山﨑天、田村保乃
小林由依、森田ひかる、渡邉理佐
森田センター「Nobody’s fault」「最終の地下鉄に乗って」と同じ編成。森田センター曲だけ1曲多い。
流麗な感じのラブソング。サビ前には台詞もあるが、それ以外もソロパート回しが目立つ。というか今作7曲ともソロパートが必ずあるので(全員には無い曲もあるがC/Wまで含めると全員1か所はソロパートあるんじゃないか)ソロパートを用意してメンバー1人1人誰が欠けても成立しない状態にして、誰か1強にせずにメンバーを大事にしようとしているっぽい。ソロパートは48/46系列ではユニット曲でもない限りほとんど聞けないのでこういう差別化も面白いと思う。ただ今まで歌っているところほとんど聞いたこと無いので誰がどの声なのかはほとんど分からない。
★★★☆☆
Blu-ray
1.Nobody’s fault-MUSIC VIDEO-
新潟の佐渡島ロケにより海や山など大自然でのダンスシーン中心でなかなかダイナミック。人数を16人にしたのとセンター様を圧倒的中心に置くのは辞めたため、バックダンサー感が無くなり、一体感が出たのは大きな変化だと思う。一方で波しぶき舞う埠頭での激しいダンスシーンや折り重なるようなカットなど険しめの雰囲気はあまり変わっていない…というかCMで1番険しいこの部分を使ったもんだから余計前と変わってなくね?感が強くなってしまったところもある。
闇堕ちしぎする前の分岐点、本来このくらいで続けていればあんなおかしなことにはならなかったというIFの世界線を見ているかのようでもある。それでも抜けるような青空だったり、ラストで駆け上がりながら桜が舞っていたりと、新たな希望は感じられるだけだいぶ良くなったのか。
Type-Aのみ
KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!~前編~
2.Overture
3.太陽は見上げる人を選ばない
4.エキセントリック
5.東京タワーはどこから見える?
6.Student Dance
7.Nobody
8.アンビバレント
2020年7月16日に行われた無観客配信ライブの前編。これは前年の結果的に平手最後の東京ドームライブ以来となる単独ライブ。新2期生はライブ初参加となるが、「太陽は見上げる人を選ばない」に全員で出た後は新2期生の出番はなく、基本1期生+抜けたメンバー分を2期生で埋める(2期生も楽曲デビューしてないので持ち歌が無い)といった編成が基本になっているようだ。またこの時点では石森・佐藤が在籍しているので櫻坂46再デビューメンバー+石森・佐藤で28名。
冒頭はステージ上で普通に歌っているが、無観客のため「エキセントリック」以降は会場のあちこちに用意された様々なセット演出での披露になっていて無観客配信でないとできない演出が見られてかなり新鮮。クールな楽曲ばかりなので演出もクール系でいかにも欅坂な感じの演出続きではあるものの、不調平手が抜けた穴をどう埋めるか?という問題を考えながら行っていたこれまでのライブと異なり、正式に平手が脱退後のため、恐怖や不安を煽るような過剰な演出は無くなり、「エキセントリック」では土生、「アンビバレント」では小池がそれぞれセンターを担当しているが、平手の代理センターという意識が無くなり、平手のマネ事ではない新たなスタイルで披露している感じ。”平手がまた不調で出れないので代わりをやる”のと”もう平手はいない”というのではかなり明確に意識が変わっている感じ。
特に「アンビバレント」は異様なジタバタダンスや狂ったように暴れまわる平手(ライブVer.)、もしくは気の抜けきったポンポコダンス平手(TV Ver.)など極端なイメージしかなかったが、適度にクールでカッコいい新たな小池センター「アンビバレント」になっていて好印象だった。「エキセントリック」は以前のイメージを引きずっている感じではあったが、この曲はAメロのラップがメンバーのソロ繋ぎになっていたのがこの時点でオリジナルから8人も抜けているので歌唱パートが大きく再編されていて、2期生も参加してCD音源とは明確に違う声で聴けるのが新鮮だった。
Type-Bのみ
KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!~後編~
2.大人は信じてくれない
3.避雷針
4.風に吹かれても
5.ガラスを割れ!
6.誰がその鐘を鳴らすのか?
相変わらず険しい曲ばかりだが、不安が勝っていた以前と違って一体となったカッコよさが出ていて割とベストアクト的な安定感がある。あの鬼気迫る感じの方がコアファンには好評だろうからこれではヌルイのかもしれないけど…。「風に吹かれても」は笑う笑わない問題がTV出演時にも話題になったがようやく解放された感じがあるし、「ガラスを割れ!」もようやく純粋にカッコよく決まった感がある。「ガラスを割れ!」の息切れ止まぬままのMCにて菅井が欅坂46の終了(改名再始動)を宣言し、ラストシングルとして「誰がその鐘を鳴らすのか?」を披露し、そのままライブは幕を閉じる。少なくとも平手の代理、平手のバックダンサーではない一丸となったメンバーの姿がここにあるが、欅坂46の名前自体が既に平手と共倒れした状態にあり、名前を捨てるのも必然だったように思う。
Type-Cのみ
2.なぜ 恋をして来なかったんだろう?-MUSIC VIDEO-
階段でのダンスシーンと空間でのダンスシーン中心。スピード感があり、センターの藤吉夏鈴が恋に目覚めて世界が開けた感じ(?)をダイナミックに表現しているようなそんなイメージ。正直、藤吉夏鈴はお通夜だった冠番組を持ち直させた2期生の中ではローテンション能面という置物1期生群のお通夜スタイルを継承していて佇まいももっさいイメージだったのでセンター3人の1人というのが意外すぎたんだけどパフォーマンス力はけっこう高かったらしい。けっこう素敵な笑顔を見せていて普段のローテンションっぷりとは違うステージで化けるタイプの人だったんだなと思った。
3.井上梨名、4.武元唯衣、5.藤吉夏鈴、6.松平璃子、7.山﨑天、8.大園玲、9.阪茉里乃、10.守屋麗奈
2期生→新2期生の順番(Dと2分割)で山﨑天までは1年前に撮影されていた映像。このため新2期生は現在の容姿だが、井上~山﨑は今とは髪形や色、顔つきも微妙に異なっている。乃木坂46が個人PVをよくやっていた頃の作風を踏襲しているが、雰囲気モノよりもアイドルノリの明るいもの、歌モノが多め。結果的にIFになって実現しなかったとはいえ当初の予定通りに平手が「10月のプールに飛び込んだ」のセンターをやったシングルに収録されるには「黒い羊」までを考えるとなかなか難しくどうなっていたんだろうか。いずれにせよ2期生を駆使してダーク化しすぎたグループを何とか立て直そうというのは一貫していたんだろうな。冠番組も地蔵1期生を見切ってほぼ2期生メイン企画の連投にして立て直して2019年後半~2020年までずっと繋いでいたし。
Type-Dのみ
2.Buddies-MUSIC VIDEO-
都会を舞台に屋上や雑踏の中でのスピーディーなダンス中心。基本的にはカッコいいラインを堅持しているがアイドルらしい笑顔やわちゃわちゃも久々に見る事が出来、MVの内容的には3作の中で最も再始動、改名での心機一転にふさわしいと思う。普通にこれでいけなかったものなのか。
3.関有美子、4.田村保乃、5.松田里奈、6.森田ひかる、7.遠藤光莉、8.大沼晶保、9.増本綺良
Type-Cの井上・武元の歌ネタの破壊力が凄かったので、こっちは田村のアイドルシュミレーションゲーム風なのがアイドルアイドルしている以外は全体におとなしめな印象。