2021年1月20日(配信限定Special Edition)
2021年1月27日
Type-A,B,C,D,通常盤
初登場1位 売上71.9万枚
初登場11位 売上1.2万DL(僕は僕を好きになる)
初登場2位 売上0.7万DL(Special Edition)
配信2作を経て10ヶ月ぶりのCDシングル。
握手会が封じられているため、オンラインを駆使したイベント商法となったが選抜常連人気メンバーの握手免除組をそのままオンラインでも適用したため、オンラインではやはり分が悪く売上は大幅ダウンとなった。
堀未央奈の最終参加作。C/Wでの初のソロ曲「冷たい水の中」MVを2020年11月27日にYouTube公開した際にMV内にて卒業を宣言するという斬新な卒業発表を行った。今作の後のオンラインでの9th BIRTHDAY LIVEが全体では最後、3月の2期生ライブが実質的な卒業公演となった。
、
1.僕は僕を好きになる
松村沙友理、遠藤さくら、大園桃子、堀未央奈、与田祐希、賀喜遥香、秋元真夏
生田絵梨花、梅澤美波、山下美月、久保史緒里、齋藤飛鳥
センターは山下。梅澤・久保がサイドを固めて3期生がフロント3名となった。楽曲自体は「シンクロニシティ」辺りとイメージが近い感じがするけど、作曲がみんな大好き杉山勝彦なので、同じく杉山曲の「君の名は希望」「羽根の記憶」辺りに引きずられているようなところもある。策士家は完全にそっちのモードになっていて「君の名は希望」も孤独を感じている主人公が希望を感じていくような内面に踏み込んだものだったが、今回はさらに踏み込んで自分と向き合う内容。恋をして変わるのではなく今回はただ向き合って本当に嫌いなのは他人ではなく自分であり、まずは自分を好きになろうとする、という当事者にはけっこう耳が痛く、全力で突き刺しにいっているような歌詞だ。策士家、ここまでズケズケ心の中に踏み込むのも珍しい。
新たな代表曲らしい風格もあるんだけど…一方で今そういう自分と向き合うとか嫌いなのが誰かとかそういう状況じゃないだろという間の悪さもある。そもそも策士家自らが家にいろとかこないだまで歌わせていたわけで、今の学生たちはあらゆるイベントを中止・自粛させられ、交流という交流を制限されて粛々とした日々をマスク常備で過ごす事を強制されている。最早マスク姿がデフォでクラスメイトの素顔も忘れる、2019年までに面識が無かったのであればこの1年クラスメイトだったのに素顔知らないままクラス替えというレベル。そんな最悪な時代に”今の場所受け入れればいい そんなに嫌な人はいない”はちょっと…。もう少し温めておけなかったのかこの曲。
★★★★☆
2.明日がある理由
日テレ系『第40回 全国高等学校クイズ選手権』テーマ曲。2016年から始まってこれで5年連続。例年9月放送で夏シングルのC/Wとして収録されてきたが、2020年はいつものようにテーマ曲担当が発表されて曲も出来上がっていたが放送が12月までずれ込み、シングルCD発売も無かったので発売は年明けまでずれ込む事態となった。
曲自体は夏時点であったので配信シングル「Route 246」と同じ選抜メンバーで構成されており、センターはこの中で最年少の岩本蓮加。3期生曲以外では初センターだが残念ながらMV制作無し。
爽やかなアイドルポップナンバーで普通にいい曲。このタイアップも連続したためか当初は青春やら学生応援的な歌詞だったのが徐々に関係なくなっていっていたが今回は元に戻してド直球の学生応援ソング。というか応援というより最早学生への説法みたいになってしまっていてとにかく若者よこうあれ!みたいな主張が詰め込まれまくり。ただでさえお得意の詰め込み早口歌唱なのに、サビでは追っかけコーラスにまで説法を詰め込みまくる始末。しかも“君たちには時間があるんだ”とか完全におじさん目線になってしまっていて、乃木坂46に”君たちには時間があるんだ”とまで歌われてもさすがにメンバーの大半が年上になるような10代とはいえ同じ若者同士で響かないだろうに…。青春とは○○だ!みたいなメンバーが歌うには分かった感じのような曲はこれまでもあったが、今回のは度を越えておじさんの説教臭が強すぎ。策士家の還暦越えを強く感じてしまう1曲だ。そういう意味で表題曲も説法だし、なんかここに来て金八りたくなってるのだろうか。※金八る=金八先生のようにカッコよく教えを説きたい衝動にかられて説法する事
★★★☆☆
Type-Aのみ
3.Wilderness world
表題曲と同じメンバー構成。本来準A面的な共通収録枠ポジションになりそうな曲だが、4年連続通常盤のみC/W送りになっていた高校生クイズタイアップが何故か共通枠になっているのでこの位置に。大人っぽい感じのちょいゲームソングっぽいダンスナンバー。オンラインゲーム『荒野行動』とのコラボレーションソングとのことなので正しくタイアップソングっぽい。
★★★☆☆
Type-Bのみ
3.口ほどにもないKISS
アンダー曲。センターは阪口珠美。明るくてサビが非常にキャッチーで今作の中でも最も1発で覚えやすい親しみやすさがある。サビ途中で謎の加工音声”ワラ”が毎回入ってくるのも変なインパクトがあるが、これは歌詞にもきちんと記載されていて”(笑)”の事だった。ギャル語を駆使する阪口のキャラを生かしたのかどうかは不明。今作の中では随一の1曲。今回歌詞の表現に気になるところが多すぎるので、こういう歌詞が気にならない明るい曲がやはりいいな。
★★★★☆
Type-Cのみ
3.冷たい水の中
堀未央奈の初にして最後のソロ曲。卒バラ。これまでの歩みと卒業して1人で歩き出す決心を歌っているが、“ぬるま湯の中にいてはいけないと決心した日”とグループ活動をぬるま湯呼ばわりするのはなんだかなぁ…。生駒が卒業した時の「Against」もいつまでもここにいてはいけないみたいな引退肩叩きソングみたいな歌詞が複雑だったが、今回はもっと直接的。グループ活動もそれはそれで十分に厳しいものだと思うんだけど…。現実問題として48/46系アイドルは卒業することで週末握手会から解放され、休みが激増し、のんびりとしたプライベートの日々を満喫できるようになり…と多忙で犠牲にしていたものを取り戻すような生活を送る方が多いじゃないですか。
堀の歌声はユニット曲等でソロを取る箇所もこれまであったが、概ねAメロとかのあまり高くないところをヘロヘロ歌唱…という量産型乃木坂ボーカルという印象しか無かったが、今作ではサビもソロ歌唱なので声を張って歌っているのは今まで聞いたことのない新鮮さがあった。正直もっと声出ないと思っていたので、1曲歌うとこういう歌声になるんだというのが最後にして分かったのは面白かった。でも10周年まではいればよかったのに。…とも思ったが正直それを考えているメンバーが多くて(+普通に観客入れてライブ出来るようになってから)10周年メド卒業希望者渋滞が起きているのかもしれない…。
★★★☆☆
Type-Dのみ
3.Out of the blue
4期生曲。センターは早川聖来。前作「I see…」が表題曲を上回るYouTube再生数を記録するヒットとなり、その時に言われたSMAP感とやらにそのまま乗っかった堂々たる二番煎じ。作曲のyouth caseは続投、編曲は新たに石塚知生となったが、youth caseに石塚知生ってそれはSMAPではなくますます嵐…。
前作同様に今風ではない少し懐かしさのあるポップなダンスナンバーで、個人的にもやはりこういうアイドルポップを中心にして10代の頃から慣れ親しんできたので抜群の安心感はある(K-POPとか電子音ギンギンなやつは10代の頃に聞いてないのでそういった安心感が無いとも言える)。ただ前回ほどのインパクトはなく、今回は2度目の大当たりにはならないかなという感じも。
★★★★☆
通常盤のみ
3.友情ピアス
アコースティックなフォーク調の友情バラード。MV制作の無い通常盤枠だが、発売後に2人がライブハウスでアコースティックギターを演奏しながら歌うMVがYouTubeで公開された。MVでは完全アテブリでCD音源だが実際に数ヶ月練習してコード弾きはできるようになったという。ただ実際の今作の演奏とは弾き方が異なる箇所もあるためかMVを見ていると手の動きが合っていないように見えてしまう部分もある。せめて曲の一部だけでも現場生演奏に音源を差し替えるとか気の利いた熱い演出を入れてほしかったところ。
2人とも普段から声が小さめで当然量産型乃木坂ヘロヘロ歌唱の筆頭格…ではあるが、大園は昨年の『46時間テレビ』のソロコーナーで奥華子のバラードナンバーの本気カバー映像を披露。決してうまくはないが真剣な思いが伝わる不思議な声の魅力を発揮しており、見ていたメンバーの中には涙する者も出てくるほどの感動を呼んでいた。恐らく今作自体が46時間テレビきっかけで大園の歌唱を生かすのを意識して制作されたのではないかと思われ、デュオなのに完全に大園メインになっていて遠藤の声がイマイチ目立たない。これは遠藤の歌声に特徴が無いというのもあるのかもしれないがそれにしても大園メインで遠藤が重ねているところは大園の声しか判別できないし、遠藤がメインで歌っていて大園が重ねているっぽい部分でも遠藤が歌っているのではなく大園が重ねているという印象が先に来るような…。
★★★☆☆
Blu-ray
1.僕は僕を好きになる Music Video
1番は普通のダンスシーンのみで今回随分シンプルなMVだなと思っていたら唐突にカメラやスタッフが映り始め、撮影終了して帰宅していくメンバーというメイキング風の映像になり、そのままセンター山下が妙に庶民感のある昔ながらの一軒家で家族で夕食し始める。フェイクドキュメント的なやつが始まったのかと思いきや、なんとこれも食卓の撮影セットで撮影を終えた山下は飛鳥・与田と合流してショッピングかと思いきや雑誌の撮影が始まり…と次から次へと撮影終了→日常へ戻っていくと見せかけて次の撮影でした→撮影終了で日常へ→これも撮影でしたというあれもこれも撮影でしたの繰り返しで構成されるユニークな作風。色々やってきたけどこれは48/46系でも未だ見た事ない新しいアイデアかもしれない。後半のリハーサル風のシーンは本当にリハーサル現場の様子を使っているらしく、基本的に全部フェイクでしたという流れの中に少しばかりの本当が混ざっているのもリアル感がある。
一方でこういった構成上、センター山下が場面の切り替えを引っ張っていくため、かつてないほどセンターの単独シーンが多い。珍しく大サビ部分でのソロパート回しもあるので通常であれば歌っているメンバーのリップシーンが挟まれそうなところだがそれも完全に無視されて進行するのはちょっと惜しい。
以下Type-Aのみ
2.Wilderness world Music Video
渋谷スクランブル交差点のような場所でのダンスシーンや都内各所でのメンバーの単独シーンで構成。実際の渋谷での撮影もあるようだが、スクランブル交差点は栃木県足利市の「渋谷スクランブル交差点オープンセット」で撮影された模様。
メンバーが各自様々な暗殺者として暗躍するという展開だが特にストーリー性はなく、シュールな暗殺模様が次々展開していく。爆弾犯の与田だけなんか格好も含めてシュールで笑える。また発射系のメンバーはみんな撃っているだけでターゲットが明確でないのに、毒殺犯の賀喜だけは明確にターゲットの男性の飲み物に盛るシーンがあるのもなんか妙に印象的。
3.清宮レイ、4.筒井あやめ、5.矢久保美緒、6.弓木奈於
今回は4期生のみの個人PV。前作は新4期生のみ、「Sing Out!」は旧4期生の個人PVがあったので、これで4期生全員が2回目の個人PVとなった。ただ今回は他に特典映像も無いので、4種に16人を4人ずつ割り振るという個人PV収録史上最大のカルピス収録状態に…(前作は4種のうち2種に3人ずつだったので1種当たりの人数は最少ではない)。
いつもの元気なスマイルだけではない大人っぽさを強調する清宮(オチが無いままなのが投げっぱなし感あるけど)、シュールなおじさん達と青春コント(?)を繰り広げる盛りだくさんな筒井、連続成功モノに挑む矢久保、プライベート風の遅刻ドラマな弓木と4人それぞれ個性的ながらアートなクリエイター系ではないので安定して面白かった。
以下Type-Bのみ
2.口ほどにもないKISS Music Video
ミュージカル劇風の内容で、駆け落ちしようとする北野と鈴木とそれに振り回される屋敷の人々、センターの阪口は密かに2人を応援していて裏で手助けしようとするというストーリー展開。センターだけでなくそれなりにみんな個性的に出番があって楽しい感じ。
3.賀喜遥香、4.北川悠理、5.黒見明香、6.松尾美佑
苦手な激辛バラエティに挑むコメディドラマ風の賀喜、本人の不思議なキャラを生かした北川は良かったけど、ポエム全開な残り2人はアート系だった。あとこの辺りからなんか今回「天才」題材被り多くね?となってくる。
以下Type-Cのみ
2.冷たい水の中 Music Video
発売良いかなり前だが堀がセンターデビューを果たした「バレッタ」から7年となる2020年11月27日にYouTube公開。MV内で卒業を発表した作品。冒頭でこれまでの歩みを振り返り、メインは豪雨の屋上での「バレッタ」時のセーラー服姿でのダンス。バラードなのにFNS歌謡祭に出てくる平手のような陶酔系の激しいダンスを繰り広げ、終盤ではセーラーを脱ぎ捨てて例の卒業宣言。その後は歴代映像も流されて卒業作としてまとまった感じ。
昨年中止になった(配信で縮小して行った)念願の2期生ライブへの意欲を語っていただけに唐突な卒業となったが、一応この後2期生ライブは控えている。制作段階ではライブ観客規制も緩和に向かいつつあり、当初は有観客に戻しての2期生ライブで終われる算段だったと思われるが出来なくなったのはやや想定外(想定はしていたがほぼ最悪から2番目(1番は中止)のケース)だったのかも。
卒業は意外ではあったが、2018~2019年辺りにかけては妙に韓国メイクっぽい感じになっていて雰囲気が変わりつつあった(正直変に濃い感じになってしまい微妙だった)のが、新コロ自粛を経た辺りでナチュラル志向に戻っていたので憑き物が落ちたというか何かスッキリ心境の変化があったのかなとは思っていたが、タイミング的に卒業を決めたのでアイドルとして最後をまっとうしようとかそういう心境だったのかもしれない。
3.遠藤さくら、4.柴田柚菜、5.早川聖来、6.林瑠奈
男子生徒とのナチュラルな会話ドラマが進む遠藤は自然でいい感じ。柴田はポージングチャレンジの味付けが個性派クリエイター色が強くて残念、早川は思ったより等身大っぽいドラマで意外性が(愛がたりひ~んの甘えるイメージが強かったので)、林はテンション高くて個性全開。今1番面白い逸材かも。
以下Type-Dのみ
2.Out of the blue Music Video
MV撮影の前日宿泊の旅館の部屋で枕投げが始まり、最初は一部メンバー同士のおふざけレベル(センター早川が賀喜の撮影で今作のダンス動画を撮っていたが田村と金川がふざけて枕を放り込んできて頭に直撃した早川が怒って反撃を開始)だったが佐藤と積み木していた清宮が積み木倒壊&当てられてブチ切れて物凄い剛腕で2人(早川と田村)を文字通りに吹っ飛ばし、火がついた早川の強烈な一撃が壁ごとぶち抜いて隣の部屋も全員巻き込んでの大バトルとなり(筒井だけ震えあがってて参戦しないなど芸が細かい)、部屋を飛び出してゲームコーナーも火花散りまくる戦場と化すという派手な内容。のんびりした性格の遠藤と北川の2人は別行動で仲良くマッサージチェアでくつろいでいるので出番が少ないがオチとして目立っている。
と、ネタに振り切り過ぎてダンスシーンが全くないためかエンドクレジットと同時に翌日のMV撮影という設定で(くつろいでいた遠藤と北川だけ目がパッチリしてて他は全員眠そうにしていたりとここも芸が細かい)TVサイズながらダンスカット映像も収録されていて丁寧。
3.掛橋沙耶香、4.金川紗耶、5.佐藤璃果、6.田村真佑
子供たちとカンケリバトルを繰り広げる掛橋、変な曲路線の金川、ハッカーの娘と父のシュールなドラマを繰り広げる佐藤、謎の天才問答を繰り広げる田村。ここでも金川・田村で「天才」被り。明らかに今回天才被りしすぎなのでテーマ天才という指定があったのだろうか。で、天才とは?みたいな哲学思考から組み立てたようなのがことごとくクリエイター系、アート系に寄ってしまって滑った感じ。