新作シングル感想

両忘/コブクロ

2021年7月7日
初登場4位 売上1.5万枚

9ヶ月ぶりのシングル。
アルバムの1ヶ月前先行シングルで、通常盤のみ。ファンクラブ限定盤も無く、ファンサイト会員限定で特典としてコブクロうちわ2枚セットが付属するのみだった。

C/W2曲は小渕がソロ名義で2013年に発売したギターインストアルバム『ツマビクウタゴエ』以来となるギターインスト。実質小渕のソロだがコブクロ名義の作品として収録された。

1.両忘

アルバムへの先行シングルだがなんと小渕のエレキギター以外打ち込みピコピコデジタルサウンドという史上初レベルの異色楽曲。常に固定バンドメンバー+20名近いストリングス大所帯という大規模雇用を抱えて飽和しまくっていたコブクロがまさか全員切り捨てて2人+プログラミングの岸利至という最少編成でシングル表題曲を出すとは思わなかった。イントロだけだとPerfumeの新曲かと思った

しかも歌詞のメッセージ性の圧が凄い。コブクロ完全に開き直ってきたなというか、過ち真実正義徹底的にリスナーに突きつけていくというストロングスタイルな内容となっているが、かつての小渕に続いて黒田の不倫が週刊誌に暴かれて不倫デュオとして世間警察からバッシングを受けまくったメンバーからの回答のような楽曲だ。開き直りだと言われても構わないとでも言いたげなミュージシャンとしての宣言のような内容は潔いし、今度こそ新たな境地に達したような気がする。

…気がするだけで確信できないのは路上ライブと言う原点に立ち返ったとかアピールしておきながら結局終身雇用の如く固定バンドメンバー+20名近いストリングス大所帯をほぼ全曲で使い続けるとか、スランプを脱して曲制作が絶好調と言っておきながら次のアルバムまで過去最長ブランク&既出曲だらけだったりとどうにもコブクロ自体が重くなりすぎて身軽になれない状態が結局活動休止明けからも延々続いていたため。よってこの後のアルバムは以前の曲ばかりで新生コブクロには成り得ないのは確定しているが、可能性は見えた。その先に期待したい。

あと世間警察によるコブクロ=純愛ソングというイメージでもう響かないみたいな言説が散見されるが、代表作とされる「YELL~エール~」「ここにしか咲かない花」「桜」「君という名の翼」「蕾」「今、咲き誇る花たちよ」はどれもラブソングではないラブソングでの代表ヒットは「風」「永遠にともに」「流星」くらいで他にもあるが代表ヒットには上がってこないのではないか。今回ツマビクウタゴエになっているC/W2曲もラブソングではあるがコブクロの代表曲として真っ先に上がってくる曲ではないだろう。

このようにコブクロは有名ヒットシングルだとラブソングの方が少ないのではないか。特に筆頭二大代表曲と思われる「蕾」は亡き母に、「桜」も夢や人生がテーマだ。売上を大きく伸ばした「ここにしか咲かない花」もタイアップ先ドラマの島の人々をテーマにしていた。ラブソングは多いが、個人的に「蒼く 優しく」が1番好きな曲だったりもするし、コブクロといえばメッセージソング、ラブソングのイメージはほとんどなく、ラブソングの歌詞とかほとんど頭に入ってないのでもう曲が聞けないとかイマイチ意味が分からなかったりする。

結婚式で純愛感全開で弾き語りで歌った芸人が不倫してケチがついた「永遠にともに」のイメージで物凄く引きずられている気がする。どうも「永遠にともに」1曲にのしかかっていた不倫イメージが小渕→黒田の相次ぐ不倫報道、特に今回の黒田のは詳細がキモチワル~イ感じで暴露されてしまったため小渕の時よりインパクトが強く、これによりコブクロ本体に「永遠にともに」1曲のトリプル不倫イメージがそのままイコールになって押し寄せてしまったような…。2人組なのに1人分増え
★★★☆☆

2.STAY (ツマビクウタゴエver.)

2013年の小渕のソロアルバム企画が何故かC/Wで復活。これは小渕の完全なソロ名義でアコースティックギターのインストでコブクロの楽曲を奏でるというもの。デビュー時より笹路正徳プロデューサーにその辺のギタリストより上手いと言わしめた小渕のアコースティックギターの名手としての側面が聞ける活動…ではあるが、8年も放置してここで2曲というのは第2弾アルバムへの先行なのだろうか。

今作は09年7月の18thシングル。大ブレイクしたコブクロがストリングス病に陥って飽和しまくって完全にピーク越えたなと感じていた時期だっただけにあまり印象に残ってないシングルの1つ。シンプルなアコースティックで奏でる今作はまた違った味わいはあるが…。
★★★☆☆

3.YOU (ツマビクウタゴエver.)

01年の3rdシングル。路上ブームも終わろうかという時期のデビューでいきなりブレイクしたもののあっという間に1発屋コース一直線だった時期のシングルで、最低位(30位)を記録。また前2作が応援ソング的な内容だったので初のラブソングとも銘打たれていたが、これまたシンプルなアコースティックで奏でる今作は違った味わいに。
★★★☆☆

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