新作シングル感想

キュン/日向坂46

2019年3月27日
Type-A,B,C,通常盤
初登場1位 売上64.5万枚
初登場7位 売上1.8万DL(「キュン」単曲)
Special Edition 初登場2位 売上0.8万DL(アルバム扱い)
(合算アルバムチャート初登場12位 累計0.9万P)

けやき坂46の昨年のアルバムに続く単独シングルデビュー作品。これに伴い日向坂46改名して完全に独立、別グループとなった。シングルデビューは既にメンバーにも知らされて今作のレコーディング等が進められていたようだが、改名は知らされておらず、単独デビュー発表の場でサプライズで発表されたため、メンバーも驚愕していた。また出演メンバー以外のメンバーも同時刻に知らされた。

坂道オーディションでけやき坂46唯一の3期生として加入した上村ひなのは前月の欅坂46『黒い羊」C/Wでのけやき坂46名義最後の2曲には不参加で特典映像のみの参加だったため、今作が楽曲初参加。同じオーディションで合格した乃木坂4期、欅坂2期よりも早い最速での楽曲デビューとなった。ただし「JOYFUL LOVE」は加入前後の頃の曲で不参加、他はユニット曲、1期生曲、2期生曲なので全員参加の「キュン」「ときめき草」の2曲に参加している。

学業のため休業している影山優佳は不参加。大学受験が理由だが4月から高校3年生なのであと1年は休業したままと思われる。

3曲目と特典映像が異なる3種+通常盤の4種発売。配信限定で全曲網羅したComplete Editionも発売。
乃木坂46、欅坂46に続いてA~CはDVDではなくBlu-ray付での発売。

全国握手会で売上が伸びた影響と低レベル週が重なり、6週目に1.8万枚で再度1位に返り咲いた。平成で1位になった曲が令和で1位になる事は配信はともかくCDシングルランキングでは恐らく唯一の記録になるものと思われる。

発売直後から柿崎芽実が体調不良で番組や握手会を欠席するようになり、徐々に行方不明になりつつあったが、案の定メンタル面を理由として6月に卒業を発表。今作が最終参加作となった。

1.キュン

井口眞緒、潮紗理菜、柿崎芽実、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依、金村美玖、河田陽菜、小坂菜緒、富田鈴花、丹生明里、濱岸ひより、松田好花、宮田愛萌、渡邉美穂、上村ひなの

全員参加曲。全編に渡ってキャッチーで耳に残る最上級アイドルソング。キュンキュンダンスと名付けてTiktokでも流行らせている冒頭部分から1度聞いただけで覚えるようなインパクトがあるが(倖田來未の08年の4曲入りシングルの4曲目に入っていて当時CMソングとしてかかっていた某曲にそこはかとなく似ているのが初めて聞いた気がしない理由なのではないかという説もあ)、これは別にサビでも何でもなく、サビは別にあってそっちもそっちで耳に残る。48,46系のアイドルソングもさすがに2010年から聞き続けてくると一定以上の印象を抱ける曲がほとんどなくなってきているのが正直なところだけど、そんな中で王道の明るさでこのインパクトはかなり久々。なかなか出てこない個人的アイドルソングの最高峰の1曲になりそう。

歌詞が一方的すぎるのはまああまり気にしない事にしよう。電車で一目惚れして一方的にときめいている純情少年の恋心という事でギリご愛敬ではある。ただそれにしてもこの思いに君は気づいていないだろうみたいな認識で主人公はいるものの、教室が舞台じゃなくて学校が同じであることを示すような部分も無く、電車の中というシチュエーションしか出てきてないので、これ最悪主人公は相手の顔以外は名前も知らないし、相手の方に至っては主人公の存在自体を認識してない可能性が高く、一歩踏み誤ればストーカー予備軍ソングじゃねーか…とか考えてはいけ
★★★★★

2.JOYFUL LOVE

井口眞緒、潮紗理菜、柿崎芽実、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依、金村美玖、河田陽菜、小坂菜緒、富田鈴花、丹生明里、濱岸ひより、松田好花、宮田愛萌、渡邉美穂

2018年10月にメチャカリのCMタイアップになっていた曲。なので半年くらい前の曲で、上村ひなのは不参加けやき坂46時代の曲という事になるが、いちいち前の名義にはせずに普通に日向坂46名義に変更している模様。MVも既に制作されてそれをCM映像に流用していたものの楽曲自体は配信もされていなかったが、メチャカリの有料プランに11月5日までに入会して12月5日まで継続していた場合にCDプレゼントというキャンペーンを行っていて限定盤として1曲入りCDは存在していた。メチャカリは登録後1ヶ月無料だが条件が1ヶ月継続のため、実質月額5800円+税を支払わないとCDが入手できなかった。11月5日登録の12月5日解除で月額発生をギリで防ぐことができたかは不明だが、恐らくこの設定は無料でCDだけゲットされる事への対策と思われる。オークションでそこそこの値になっていたものの、6000円以上(手数料考えると6500円以上?)で売らない限りは出品者全員赤字だったと思われる)。

そんなわけで事実上未発表になっていた曲がようやく正式発売。広がりのある良メロポップで準A面的な風格がある。C/Wで発表してきたけやき坂46時代の楽曲のアベレージ以上といった印象。「キュン」と系統は違うが同じような片思いソングになっているので、「キュン」の主人公がめくるめく妄想を募らせた結果、ついに一方的な愛の境地に行き着いてしまった…とか考えてはいけな
★★★★☆

Type-Aのみ
3.耳に落ちる涙

井口眞緒、潮紗理菜、柿崎芽実、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依

1期生曲。MVは無いが番組での披露によるとセンターは加藤(冒頭ソロパートも加藤)。さわやかサマーポップチューンだが、歌詞は恋人との関係が終焉して悲しみに満ちていて涙を流す青年が主人公。泣こう泣こうとか歌っていたのに最後のサビ前が”変な泣き方だ”とセルフツッコミを入れているのがちょっとシュール。
★★★☆☆

Type-Bのみ
3.Footsteps

加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、高本彩花、小坂菜緒

ユニット曲。小坂が参加しているものの、センターは初の高本彩花となっている模様。人数が少ないのでソロパート回しが聞きどころだが、誰がどの声なのか良く分からん…。孤独を感じて落ち込んでいる相手を励ますメッセージソング。10代向け励ましソングが響くような事はもうないんだけど、それでもアイドルはこういう曲の方がいいんじゃないかなとは思う。
★★★☆☆

Type-Cのみ
3.ときめき草

井口眞緒、潮紗理菜、柿崎芽実、加藤史帆、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花、東村芽依、金村美玖、河田陽菜、小坂菜緒、富田鈴花、丹生明里、濱岸ひより、松田好花、宮田愛萌、渡邉美穂、上村ひなの

全員参加曲。タイトルはかわいい感じだが、ややシリアスな雰囲気の楽曲。アルバムのリード曲だった「期待していない自分」の延長にあるような雰囲気だろうか。歌詞はこれまた恋の始まりソング。こちらは一方的ではなく友情から恋に変わるみたいな感じなので、少なくとも相手も主人公の存在を認識しているのは前提にある。曲調としては前述のようにアルバムリード曲の延長みたいな方向性なのでデビュー曲としてもありだったと思うけど「キュン」があるならまあ「キュン」になるよなぁ…といった感じ。
★★★☆☆

通常盤のみ
3.沈黙が愛なら

金村美玖、河田陽菜、小坂菜緒、富田鈴花、丹生明里、濱岸ひより、松田好花、宮田愛萌、渡邉美穂

2期生曲。別れの予感が漂うカップルの曲という微妙な距離感の心情を歌った曲。2期生に今作で1番大人な雰囲気のこっちを歌わせるのも何だか珍しい気がする。曲自体は落ち着きつつも標準的なアイドルポップ。
★★★☆☆

Blu-ray

1.キュン-Music Video-

ラジコンカーでの撮影を行ったためか、ありそうでなかった低めで疾走感のある映像で忙しない中でもちゃんとメンバー全員がスッとアップで抜かれるというところも含めてデビュー曲にして早くもみんなが主役みたいな。学校も大学っぽいところで撮影されているので秋元系でよくある学校モノよりもスタイリッシュな雰囲気。3年の経験もあるという特殊な成り立ちからして既にある程度完成されつつもフレッシュさがあるっていうなかなか最高な仕上がり。

以下Type-Aのみ
2.JOYFUL LOVE-Music Video-

2018年10月の楽曲タイアップ時点でMVをCM映像に使用していて、今回その映像そのままっぽいので必然的に半年前の去年の9月くらいの撮影なんだろうか。岐阜にある養老天命反転地というモダンアート系の不思議な公園が舞台。空間自体がかなり不思議な感じだがそれを生かしたメンバーの配置や衣装のカラフルな色合いがとても綺麗。

けやき坂46ストーリー~ひなたのほうへ~
3.井口眞緒、4.柿崎芽実、5.佐々木美玲、6.高瀬愛奈、7.河田陽菜、8.小坂菜緒、9.松田好花

1stシングルとはいえこれまでの活動歴とエピソード、素材もたんまりあるのでそれを生かした個人PV。各々のインタビューや過去映像で構成されている。個人PVというとクリエイター次第なところがあるが、クリエイター系に振り回されず、それぞれが歩んできた道のりが主題になっているというのはかなり良かった。

以下Type-Bのみ
2.Footsteps-Music Video-

綺麗系のメンバーを集めたという感じ。イメージ映像中心なのでせっかくソロパートが多い曲なのにほぼ歌っておらず、結局誰がどこ歌っているのか分からないのがちょっと残念。極端に特徴的な声をしたメンバーもいなくて全員そこそこ歌えていると逆に全くわからん…。

けやき坂46ストーリー~ひなたのほうへ~
3.潮紗理菜、4.齊藤京子、5.金村美玖、6.富田鈴花、7.渡邉美穂、8.上村ひなの

3分割してあいうえお順で並べているが上村ひなのだけはあいうえお順ではなく、しかしCの最後でもなくこの配置。あと改名を望んでいたという齊藤京子も一切触れないので「ひなたのほうへ」というサブタイトルは明らかに後付けで、みんなひらがなけやきとして話をしているのでまあ当然撮影時点はまだ改名を知らされていなかったんだろうな。サプライズにしたかったとはいえ改名判明後だったらまた少し違った内容だったかもしれない。

以下Type-Cのみ
2.ときめき草-Music Video-

ずんずん前進していくような内容。MVだけで3曲目となる小坂センターになっているが、ここは別のメンバーのセンターで見たかった…。「ハッピーオーラ」までは毎回センター変えていたのに、「JOYFUL LOVE」から先日の欅坂46のC/W「君に話しておきたいこと」も含めて4曲連続センターというのはこのまま固定するつもりなのか。前進していくのを正面からカメラが捉えているため、立ち位置が小坂の真後ろになっている上村ひなのが最後のサビの大半が小坂のアップに隠されていて映ってないのがちょっとかわいそう…。

けやき坂46ストーリー ~ひなたのほうへ~
3.加藤史帆、4.佐々木久美、5.高本彩花、6.東村芽依、7.丹生明里、8.濱岸ひより、9.宮田愛萌

番組ではほとんど喋らない東村・濱岸が揃って収録されていたり、割と3種の中で最も秘めた思いが明らかになる感がある。

キュン(TYPE-A)
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日向坂46
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