新作シングル感想

クモ/TOKIO

2017年8月30日
初登場8位 売上2.2万枚
初回盤DVD付、通常盤

 

初回盤は3曲(2曲+カラオケ1曲)、DVDに「クモ」とCD未収録の「女の坂道/島茂子とザ・ソイラテズ」のVideo Clip収録。
また10月31日までの期間限定でJ Stormの公式サイト(ジャニーズの公式ではない)で「クモ」Video Clipメイキング映像を視聴できるコード付属(帯裏記載)。
通常盤はCDに「女の坂道/島茂子とザ・ソイラテズ」追加収録。また島茂子とザ・ソイラテズ仕様の差し替えジャケット封入(この曲のみ歌詞もこの裏に記載)。
こちらには同じく「女の坂道/島茂子とザ・ソイラテズ」のVideo Clipメイキング映像を視聴できるコード付属(帯裏記載)。

今回C/Wのカラオケ(Backing Track)は無く、「クモ(Backing Track)」のみ。
また通常盤がマキシシングルケースではなく、通常のプラケースに変更されている(裏ジャケが無い=背文字が無いため帯をなくすと収納時に困るタイプ)。

1.クモ

作詞作曲編曲:長瀬智也。メンバーが一切出演していない深夜ドラマ『わにとかげぎす』主題歌。今季は長瀬がドラマ『ごめん、愛してる』に主演しているのでいつものようにTOKIO主題歌かと思いきやそちらは宇多田ヒカル。こちらはドラマサイドからの要請を受けて長瀬がドラマのために書き下ろしたという流れになっており、長瀬主演の方を宇多田に献上したので代価として用意されたとってつけたタイアップではない、というところがポイントだ。

ここ最近は高音攻め&激しいバンドサウンドが目立っていたが、今作はここ最近のシングルに比べるとやや低め&抑えたバンドサウンドが印象的。もちろんバンド感が薄いわけではなく、5人のサウンドはしっかり鳴っているし(TVで見るよりCDで聞いた方がより分かると思う)、いつもより地味かと思いきや、今のTOKIOだからこそできるような大人の渋さ溢れる名曲

クモというのはスパイダー的なアレではなく、の方だが、カタカナ表記されているとスパイダー的な方に勝手に脳内イメージされてしまうのは何故なのか。何故かTV披露が2ヵ月近く前から行われていて、チラリと目にしていたにも関わらず、実際に発売されて歌詞カードを見るまでスパイダーの方だと思い込んでいた…。
★★★★★

2.story

作詞作曲:国分太一、編曲:国分太一・HIKARI・KAM。自作になってからもユニバーサル時代以降のTOKIOに多大な貢献をしていたHIKARIやKAMとの付き合いは続いているようだ。ほぼピアノとストリングスで構成されたバラードナンバー。国分は作曲は長瀬と並ぶか次ぐペースで仕上げていたがアルバム『17』の頃までは作詞が苦手と公言していて、実際『17』では2曲の作詞をメンバーに任せていたが、完全自作以降は作詞も普通に行うようになった。生きる事を歌ったような内面を映し出したような歌詞が多いのが近年の国分作詞曲の特徴だが、今作もその路線。

さすがにジャニーズなので直球でそうとしか取れない表現にはしておらず、「君」へのラブソングに捉えられる歌詞だけど、これはたぶん去年子供が生まれて、その子供に向けて書いたんじゃないかなと思う。
★★★☆☆

通常盤のみ
3.女の坂道/島茂子とザ・ソイラテズ

作詞作曲編曲:島茂子とザ・ソイラテズ。メンバーのインタビューでずいぶん前から城島が作った曲があり、今回それを作り直したと語られている事から、実際の作詞作曲はほぼ城島単独と思われる。演歌寄りの昭和歌謡曲。コテコテの昭和歌謡サウンドの一方でSNSが出てきたり、大江戸線(地下鉄)が出てきたり(大江戸線は平成になってからの開業)と歌詞が思いっきり現代というミスマッチが面白い。完全になりきる島茂子さんの演歌歌唱も凄いが、現代風の歌詞からは時代についていけなくなった大御所昭和歌謡歌手の悲哀みたいなものも出ていて、一見ふざけた曲ながら言葉遊びに定評がある城島の作詞センスがフルに発揮されているのもポイントだ。

自作に移行になってからはあまり歌っていないし、あまり曲も作っていないので久々の城島ソングがこれかよ!というツッコミはあるにしても、久々の一撃でここまで爪痕を残してくるのはやっぱ半端ないなリーダー。
★★★★☆

初回盤DVD

1.「クモ」Video Clip

屋上での演奏シーン+ハーフっぽい髪を脱色している女性のイメージシーンで構成。女性のイメージシーンの方がイメージなだけで何を表現しているのかイマイチ良く分からないが(メイキング映像の方でもファンが知らない女性モデルの撮影メイキングなんて1mmも需要ないというジャニーズ判断(たぶん)で一切出てこない)、演奏シーンはシンプルながらやはりバンドTOKIOはカッコいい

2.「女の坂道/島茂子とザ・ソイラテズ」Video Clip

映像も昭和風。ブラウン管サイズの映像は左右が黒枠の4:3であり、画質もアナログ仕様なので異様に荒い。完全になりきる島茂子は昔DASHで女装して母ちゃんキャラやってた時よりも年齢を重ねて逆に還暦前後の女性演歌歌手に割とマジに見えなくもないレベルに完成度が上がっている。しかし改めて何故に突如C/Wでこんな企画をやったのか謎だ。バラエティタレントTOKIO向けの企画なのに、バンドTOKIOを購入するファンしか見ないし聞かないような場所でこれをやるってもったいないといえばもったいない。

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