SO-First

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 ain't nobody call me 佐々木美和 大島康祐 大島康祐 4thシングルC/W
2 POWER BEAT CHANNEL 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
3 SUPER LOVE 佐々木美和 大島康祐 大島康祐 4thシングル 100位圏外
4 煩った恋 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
5 Body 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
6 CHIKIN 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
7 カッコつけろよ 佐々木美和 大島康祐 大島康祐 3rdシングル 100位圏外
8 2月の雨 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
9 あたしがやりました。 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
10 ファイヤーガール 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
11 Dark Cherry 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  
12 slowly 佐々木美和 大島康祐 大島康祐  

リリースデータ

1997年3月26日 100位圏外 THE PRODUCER:大島康祐 ROOM RECORDS

メンバー

Vocal 甲斐冴子
Synthesizers&Programming 大島康祐
Keyboards 佐々木美和

SO-Fi1stアルバム。結果的に唯一のアルバム。92年にWANDSを脱退した大島康祐が直後にボーカル岩切玲子キーボード佐々木美和SO-FIを結成。92年12月の『ウーマンドリーム オリジナルサウンドトラック』にデビューに先駆けて初音源「一度だけのRainy Night」が収録され、93年6月にシングル「メとメで伝心」でデビュー、9月に2ndシングル「「愛してる」を云わせたい」をリリースするもまさかのボーカル岩切が速攻脱退。94,95年は音沙汰が無かったが、新たにボーカル甲斐冴子が加入So-FiIを小文字に変更して96年5月に通算3rdシングル「カッコつけろよ」から活動を再開した。今作には再始動後のシングル2作から3曲を収録。岩切ボーカル時代の初期2シングルは未収録のままとなった。再始動後は全作100位圏外となり、今作の後は音沙汰無くそのまま自然消滅した。

サポートミュージシャンとしてギターを鈴木英俊(3,6,710)、DEENの田川伸治(2,5,8)、寺島良一(9)、ベースをONE STEP communicateの工藤毅(7)が担当。またALL BACKING VOCALS&RAPS PERFOMED BY SO-Fiという記述があり、曲中で聞こえる男性ラップは大島康祐という事になる(大島康祐はこの翌年3期WANDS「Brand New Love」の歌詞には無いラップパートも担当している)。

「もっと強く抱きしめたなら」を最後にWANDSを脱退した大島康祐。脱退後も彼の作曲である「時の扉」の大ヒットなどがあったが、脱退理由は自身のユニット結成のためと説明される事が多く、その自身のユニットがSO-FIであった。脱退直後、もしくは前後して準備が進んでいたと思われ、92年7月に「もっと強く抱きしめたなら」がリリースされた5ヶ月後には『ウーマンドリーム オリジナルサウンドトラック』で「一度だけのRainy Night」が発表されている事から順調に準備が進んでいたと思われるが、なんと93年6月のデビューからシングル2枚でボーカルが脱退して活動停止状態となってしまうという異例の事態に…。2年経って96年に新ボーカルで再始動し、グループ名を一文字変えただけで再利用したことからこのままでは終われないというかこのユニットに対しては強い思い入れがあった事は伺える。

So-FiがSO-FIに変わる間の数年間でこの手のシンセ・キーボード系の音色の流行りは激変。「一度だけのRainy Night」や1stシングルの「メとメで伝心」は1期WANDS時代の特徴的なスパコンスパコンした跳ねた感じの大島サウンドの色を強く残していたが(2ndは未聴)、今作では別人のように変わっている。時代性の強いスパコンスパコンした響きは一掃されて、R&BやHIP HOPを軸にしたファンキーなノリの楽曲が続くが、今聞いてもけっこうカッコいいと思えるくらいに音が洗練されている。大島の守備範囲であるキーボードの女性メンバーを入れる必要があるのか演奏面ではかなり謎ではあるが、佐々木美和は作詞を一手に手掛けているのでそっちで役割を果たしている(岩切ボーカル時代は当初は作詞も岩切、2ndでは表題曲は外部、C/Wは佐々木美和となっていた)。

歌詞はややヤンキー的というかヤンチャな感じのかなり若い女性の心情を綴っていて、ソウルフルかつ暴れ馬のような勢いのある甲斐のボーカルもあって全体に全力全開のはっちゃけたパワフルさがあり、非常に元気な印象の1作。元気一辺倒ではなくけっこう大人っぽいクールな作風もあり、総じて洋楽的な雰囲気も強い。当時も無かったわけではないが、もう数年経つとけっこうこの手のサウンドもヒットチャート上位に普通に入ってくるようになったので、洗練され過ぎて時代的には早すぎたユニットだったのかもしれない。正直スパコンサウンドをまだ続けていたらしょうがなかったけどここまで洗練されていたのであればもう少し続きを聞いてみたかったし、時代が追いついてもう少し注目される未来もあったかもしれない。ヒットが全く出なかったのも致命的だったと思うけど、シングル用にもう少し分かりやすくキャッチーな1曲を出せていればな…。5期WANDSの始動作となった大島が作編曲を手掛けた「真っ赤なLip」がいいと思えるなら手に取って損は無い1作だと思う。

この後、大島康祐は翌年にはB'zのツアーにサポートキーボードで参加。00年には大島こうすけに表記を変更。ビーイングには残留していたようだがGIZAではほとんど起用されず、ビーイングが外部プロデュースしていたBON-BON BLANCOには作編曲で多く提供。「BON VOYAGE!」はトップ10ヒットを記録した。以後はビーイング外部へ提供の幅を広げ、2010年には嵐「Dear Snow」を作曲、久々の大ヒットを記録している。2018年には水面下でWANDS脱退後も交流があった柴崎浩と共にWANDSの再始動に参加。4期WANDSとして「真っ赤なLIP」の作編曲を手掛けるが再始動発表前に脱退したため、曲だけが残り、5期WANDSとして再始動が発表された。

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印象度★★★★☆

2021.5.5更新

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