インディゴ地平線
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 花泥棒 | 草野正宗 | 三輪徹也 | 笹路正徳&スピッツ | |
2 | 初恋クレイジー | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
3 | インディゴ地平線 | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
4 | 渚 | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | 14thシングル 最高1位 売上83.9万枚 |
5 | ハヤテ | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
6 | ナナへの気持ち | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
7 | 虹を超えて | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
8 | バニーガール | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | 13thシングルC/W remiix |
9 | ほうき星 | 草野正宗 | 田村明浩 | 笹路正徳&スピッツ | |
10 | マフラーマン | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
11 | 夕陽が笑う、君も笑う | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | |
12 | チェリー | 草野正宗 | 草野正宗 | 笹路正徳&スピッツ | 13thシングル 最高1位 売上161.3万枚 |
リリースデータ
1996年10月23日 1997年1月1日(LP) 2002年10月16日(リマスター盤) 2008年12月17日(SHM-CD) 2017年7月5日(LP) |
初登場1位 - - - 初登場39位 |
初動67.5万枚、売上134.4万枚 - - - 売上0.17万枚 |
Produced by 笹路正徳&スピッツ | ポリドール ユニバーサル ユニバーサル ユニバーサル |
メンバー
Vocal、Harmonica | 草野マサムネ |
Guitars、Electric Sitar | 三輪テツヤ |
Bass Guitar | 田村明浩 |
Drums | 崎山龍男 |
スピッツ7thアルバム。前作以降リリースされた「チェリー」「渚」とC/Wの「バニーガール」を収録。「渚」は特に表記されていないがイントロが追加されている。「バニーガール」はミックスエンジニアが坂本充弘から今作全般を担当した森山恭行に変更になっていて、スタッフクレジット部分に"remixed by 森山恭行"と表記されている。ただし「チェリー」はシングルのまま収録されているため、坂本充弘がエンジニアとして別表記されている。今作で笹路正徳と4作目となったが、笹路正徳は自分と組むのはアルバム3〜4枚くらいがちょうどよい、やがて自分から卒業していくべきだという考えを持っており、当時メンバーにもその話をしていた。結果的に次のシングル「スカーレット」をもって笹路正徳を離れる決断をすることとなった。初回盤は箱入りでCDケースがオレンジ色。通常盤、リマスター盤、SHM-CDは帯付の普通仕様。2作連続のミリオンセラーを記録し、初動売上はスピッツ史上最高だが、累計売上は『RECYCLE』と前作『ハチミツ』に続く3番目。また毎年オリジナルアルバムがリリースされていたのは今作までとなる。02年に1st〜8thまでがStephen Marcussenによるリマスター盤として再発売された。リマスター盤には新たに書き下ろされたライナーノーツ封入。08年12月には02年リマスター音源をSHM-CDとして新たに再発している。
アナログ盤は1997年1〜7月にかけて7th〜1stアルバムの順に限定発売された。2017年にはミニアルバム含めて16作が『CYCLE HIT』と同時発売で完全受注生産限定で重量盤として改めてアナログ盤として発売された。この際は小鐡徹によるアナログ盤用の最新リマスターが施された。この際には16作全てがトップ100入りを果たした。
個人的に初めて買ってもらったアルバムが今作。プロフィールページに記載している最初の3枚はどれも当時はレンタルしたCDをテープ録音したものだったので、CDで現物を再生して聞いたアルバムは今作が人生最初の1枚、ということになる(記憶にある限り)。それだけに聞いた回数及び思い入れが次回作と並んで半端なく強い。全曲スタンダードナンバーと化しているくらいだし、当時抱いていたスピッツのイメージと今作がピタリ合致していたのも大きかった。
ただ他の作品も聞いてみて改めて思ったのは今作は他の作品より少し地味というか地に足のついた感があるどっしりとした佇まいの1作だ。また他の作品にはないちょっとセピアなイメージもある。特に前作『ハチミツ』のキラキラした感じとはけっこう逆の位置にあるような感じ。「チェリー」がラストになっているのも他のアルバムに比べてもこの曲が締めという意味合いはあまり感じられず、どっちかというと前作寄りの明るさを持っている曲なので今作には合っていないところがあって最後に置くしかなかったという感じ。ある意味ちょっと煮え切らない感じもする今作、ブレイクに浮かれず深化したともとれるし、笹路さんとの制作が円熟味を迎えたというのもあるのかもしれない。またミックスに関しても今作の時点でかなり難航した(スピッツ、笹路さん、エンジニアの考えにそれぞれズレがあってなかなかまとまらなかったとか)とも語られている。メンバー個人としても三輪がスランプ状態に陥ったとも語られており、迷いが生じ始めていて状況としてはあまり余裕が無かったのかもしれないけど、アルバム聞いていると妙に余裕が感じられるというのは面白いところだ。
またもう1つのトピックとして、3rd以来の三輪作曲、初の田村作曲の楽曲があるのも見逃せない。これは笹路さんから草野以外のメンバーも作曲をするという提案が前作『ハチミツ』の頃にされており、『ハチミツ』では採用されなかったが、今作でも同様の提案があって今回は採用されたということらしい(よって崎山作曲楽曲は採用されなかったものの作ったようだ)。「花泥棒」も「ほうき星」もどちらもちょっと違ったタイプの曲ながらかなり好きな曲なので今後もスパイス的な役割を果たす意味でメンバー作曲も定期的に続ければ良かったのになと思ったりもする。
印象度★★★★★