スキマノハナタバ〜Love Song Selection〜(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | パラボラヴァ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 21stシングル 最高21位 売上0.9万枚 |
2 | 奏(かなで) | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 2ndシングル 最高22位 売上6.7万枚 |
3 | 僕と傘と日曜日 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 6thアルバム『スキマスイッチ』収録曲 |
4 | 1017小節のラブソング | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 13thシングルC/W |
5 | Revival | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 7thアルバム『新空間アルゴリズム』収録曲 |
6 | ボクノート | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 7thシングル 最高3位 売上13.1万枚 |
7 | 小さな手 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 1stシングル『view』C/W |
8 | 藍 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 3rdアルバム『夕風ブレンド』収録曲 |
9 | アイスクリーム シンドローム | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 13thシングル 最高6位 売上2.7万枚 |
10 | ラストシーン | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 16thシングル 最高10位 売上1.2万枚 |
11 | ただそれだけの風景 | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 1stミニアルバム『君の話』収録曲 |
12 | 未来花 for Anniversary | スキマスイッチ | スキマスイッチ | スキマスイッチ | 2nd配信シングル 初CD化 7thアルバム『新空間アルゴリズム』収録曲「未来花」のリメイク |
Bonus Track | |||||
13 | ありがとう re:produced by 常田真太郎 | 大橋卓弥 | 大橋卓弥 | 大橋卓弥 2ndソロシングル リメイク |
No | タイトル | 備考 |
1 | 「未来花 for Anniversary」Video Clip | ビデオクリップ |
2 | 「ありがとう re:produced by 常田真太郎」Recording Making | レコーディングメイキング映像を使用した実質ビデオクリップ 音声は曲のCD音源フル尺で現場音声なし |
3 | 「view」15th Annivesary take at 刈谷市総合文化センター(2018.7.9) | 1stシングル ライブ映像+MC |
リリースデータ
2018年9月19日 | 初登場6位 | 売上1.6万枚 | Produced by スキマスイッチ | Augusta Records(ユニバーサル) |
メンバー
Vocal,Guitar | 大橋卓弥 |
Piano,Keyboards,Chorus | 常田真太郎 |
スキマスイッチ1stセレクションアルバム。デビュー15周年を記念しての初のセレクションアルバム。楽曲を花束に見立てて"大切なあの人にラブソングの花束を"として"記念日に贈りたい曲、記念日に聴きたい曲"をテーマにメンバーが選曲したラブソングセレクションとなっている。『新空間アルゴリズム』ではピアノとボーカルのみだった「未来花」をロンドンでの現地ミュージシャンでバンド演奏+ストリングスを加えた「未来花 for Anniversary」は配信でリリースされていたが、今作で初CD化となった。また「ありがとう re:produced by 常田真太郎」は08年の大橋卓弥ソロ活動時に2ndシングルとしてリリースした楽曲で、常田真太郎によるリプロデュースという形でリメイクしたもので今作唯一の初出音源となる。
初回盤は「未来花 for Anniversary」Video Clip、「ありがとう
re:produced by 常田真太郎」Recording Making、デビュー15周年記念日に披露した「view」のライブ音源とその周辺のMCを収録したDVD付。イラストブックレット付
上製本型パッケージ仕様となっており、パッケージとブックレットが一体型となっている。
通常盤は通常のプラケース仕様だがカスタムジャケット仕様となっており、収録楽曲の花言葉とリンクした一輪の花のイラストが1枚ごとに描かれている。
ベスト盤ではなくセレクションアルバムという事と、初収録曲が既発曲のリメイク2曲しかなかった事もあって、ファンも買い控える事態となり、オリジナルアルバムを下回る売上となった。
2013年に10周年でベスト盤をリリース後、既にC/Wコレクションもやってしまい、新たなベスト盤を作るには作品数が圧倒的に足らず、しかし15周年なので何かベスト的な企画を…という事でセレクションアルバムという企画になったものと思われ、その着想は「未来花
for Anniversary」からだったようだ。「未来花」は新たな代表曲になり得るという相当な手ごたえがあったようで、ドラマ『おっさんずラブ』主題歌だった「Revival」をドラマの予想外のヒット後も全くアピールせず、一貫してピアノとボーカルのオリジナル「未来花」をアルバムリード曲にしてプロモーション、さらにロンドンレコーディングで「未来花
for Anniversary」まで制作していたほど。今作ではロンドンで現地ミュージシャンの演奏でレコーディングしたとしか明かされていなかったロンドンレコーディングの演奏メンバーがクレジットで判明したという点と、恐らくこの際に今作のマスタリング(リマスター)も依頼していたようで、マスタリングがそのまま同じアビーロードスタジオ、マスタリングエンジニアも現地のAlex
Whartonとなっている。スキマスイッチのマスタリングエンジニアはこれまで宮本茂男、Ted
Jensen(『グレイテスト・ヒッツ』&『スキマスイッチ』)、Stuart
Hawkes(『新空間アルゴリズム』)だったと思うので、今作は一応全曲新しいエンジニアによるリマスターとなっている。
…と物凄く細かい事を書いたが、正直これまでのアルバムを全部聞いていると、コンセプトによる選曲、リメイク2曲くらいしか無いのでずっと聞いてきたリスナーにとっては魅力に乏しい。リマスターが新しい人である…よって今まで聞いた同じ曲とは少し聞こえ方が違うかもしれない…新鮮かもしれない…と思って聞き始めた方がたぶん少し幸せ。実際、ラブソングセレクションというコンセプトに合わせて温かみを重視したのか今作は少し柔らかめというか抑えた感じの仕上がりに聞こえた。1年前の『re:Action』DISC-2の宮本茂男リマスターによる「奏」の音源がちょうどあったので両方並べてみたら以下の感じ。そんなに変わらないけどでも細部のギザギザの伸びがけっこう違うといった感じか。
コンセプト自体は…ラブソングという括りだと正直ほとんどラブソングなわけで割と無限に選べてしまうところもあり、明確にラブソングセレクションといったらこれしかないよねっていう選曲ではないと思うんだけど、アーティスト側からの現在のラブソングでの推薦曲とか代表曲とかあまり陽の目を浴びてないけど聞いてほしい曲はこれなんだろうなというそんな感じ。定番のシングルから、人気のアルバム曲、あまり知られていないC/W曲まで満遍なく収録されている。バラードアルバムを想像しがちなところでアップテンポで明るい「パラボラヴァ」を1曲目に置いたのはかなり狙っていると思う。まあ結局バラード多めではあるんだけど、基本的には暖かいアルバムだ。
「未来花 for Anniversary」に関しては海外演奏陣ではあるんだけど、正直これは言われないと分からないくらい割といつものスキマスイッチのバラード。ストリングスの派手さでいってもその前の「ラストシーン」のエンディングが物凄いド派手なので、ロンドンだから豪華ってわけでもないし…。いきものがかりが「風が吹いている」で同じことをやった時は普段とはだいぶ違った感じになっていたのを想定していたのもあって思ったより変化が無かった。
「ありがとう re:produced by 常田真太郎」はピアノと管弦しか入ってない(バンド無し)なのでオーケストラバージョンみたいな仕上がり。常田真太郎はオーケストラアレンジにも関心が高いらしく、2011年の槇原敬之の『cELEBRATION』コンサートではアレンジを担当したり、2013年にはスキマスイッチでの日本武道館でのフルオーケストラ編成でのライブもやっていた。…が、通常のアレンジで見せる天才的、職人的なアレンジのセンスの良さは素人でも感じるくらいだけど、これがオーケストラアレンジになると印象が凄くフツーになってしまう。今回もなんかフツーにオーケストラな感じになったなぁ…としか…。
「奏(かなで)」、そしてやたらプッシュされていた「未来花 for Anniversary」を入口にしてスキマスイッチを聞き始めるというのにはかなり最適だとは思うけど、全部聞いていてことさらラブソング縛りにあまり興味を抱けないとやはりその関心度の低さだけ今作の印象もあまり高くはなってこない。個人的にも後者だけど、花屋のコンセプトやパッケージの丁寧さなど考えて作り込んでいるのは存分に伝わるし、そういった丁寧さは好感触ではある。
初回盤DVDは「未来花 for Anniversary」Video Clipは今作の贈り物のコンセプトを反映した内容。様々な世代が登場してちょっと異様に感じた部分もあるけど愛を感じる内容だ。「ありがとう
re:produced by 常田真太郎」Recording Makingはそのままレコーディングのメイキング映像かと思ったら、メイキング音声オフで曲がフルでかかるというレコーディングメイキング映像を使ったビデオクリップだった。
Recording Makingとあったのでてっきりそれで尺を20分くらい使っているのかと思ったら「ありがとう re:produced by 常田真太郎」Recording Makingは前述のように単なるメイキング映像を使ったビデオクリップだったので曲の尺で終わってしまう。この時点でDVDは25分も残っていて「view」15th Annivesary take at 刈谷市総合文化センター(2018.7.9)」がこのDVDのメインだった。単なるデビュー記念日に演奏した「view」のライブ映像…というだけでなく、ライブのリハーサルの様子から収録されていてむしろこっちがメイキングという勢い。そして演奏後のファンとのやり取りによるドッキリ、MCまで収録され、個人的には今作で1番良かったのがこのトラックだった。
印象度★★★☆☆
2018.11.26更新