SUKIMASWITCH 20th Anniversary Tribute Album
『みんなのスキマスイッチ』

Chous Arrange by 矢野まき（2）
Strings arranged by 江口亮,miri(レトロリロン)(6）
Strings Arrangment:小川貴之,美央(7）
Horn Arrangement:小川貴之,村上基(7)

リリースデータ

スキマスイッチ初のトリビュートアルバム。2023年に迎えたデビュー20周年記念の一環として企画された。スキマスイッチとゆかりあるアーティスト、スキマスイッチをリスペクトするアーティスト11組がそれぞれ思い入れのあるスキマスイッチの楽曲をカバーしたとされている。ジャケットイラストは1st〜3rdアルバムを担当していた塩田雅紀が手掛けている。

公式の説明に従えばスキマスイッチ側の曲指定ではなく、相手側が思い入れのある曲を選曲したとのことだが、選曲は2009年の4thアルバムまでとなっていて、20年の半分10年にも届かない活動前半までに留まっている。もっと言えば9曲目までは前半5年、初期3部作と言われた3rdアルバムまでなので、初ベスト『グレイテスト・ヒッツ』だけ聞いていても大半の曲が網羅できてしまう。

1曲目からトオミヨウが回り込んできててちょっと笑った。本当今最も回り込んでくるアレンジャーだな…。全体に30代〜40代とメンバーより同世代から1世代下くらいまでが並んでいる中で徳永英明だけ大先輩になったかと思ったらラスト2曲は令和の新世代、若手枠って感じかな(ただし両者年齢不明で星街すいせいに至ってはVTuberアイドルなので実像不明)。

特に印象的だったのはsumikaで先日の自身のシングル(EP)でもキーボード小川貴之のメインボーカルを解禁していたが、今回この「ガラナ」ではなんと片岡・小川のツインボーカル体制を音源ではたぶん初披露。トリビュートアルバムで新スタイルを見せてくれるとは…。Uru、Aimer、JUJU辺りは名前が出た時点で容易に想像できるようなソロシンガーらしい歌唱を前面に出した歌モノアレンジ。寸分の狂いなくバラードをそのままバラード歌唱していて期待通り過ぎてあまり面白味はない。バンド勢(自力でアレンジできる人)の方が各自のバンドの色と融合させていてテンポやアレンジも比較的自由に料理しているのでアレンジ面で新しさがあって飽きさせない仕上がり。またラスト2曲の新世代若手枠(?)の動画サイトクリエイター界隈の2組もイマドキ1人オケ制作かと思いきやちゃんと生バンドでカバーしていて好印象(むしろ女性ソロシンガー勢の方が音数絞ってる…)。

これが10周年頃(2014年頃)にリリースされたトリビュートアルバムならばタイミング的にも最良のまさに『みんなのスキマスイッチ』だったと思う。ただこれ一応20周年企画の一環であるのを銘打っている以上、選曲が2009年までの初期に偏っての『みんなのスキマスイッチ』はちょっと哀しすぎやしないだろうか。確かに広く知られる代表曲は初期5年に集中していて、「ゴールデンタイムラバー」も6周年の頃の曲ではあるので前半に寄ってしまうのは仕方ないにしてもちょっと通な選曲したがる参加者が数組はいて2010年代以降の楽曲も選曲して自然とバランス取れるもんじゃないの？参加者みんな初期の曲しか知らないの？最低でも「Ah Yeah!!」「Revival」くらいは誰か選んでほしかったなぁ…。「キレイだ」も独自アレンジで面白いんだけどさぁ…これ初出はw-inds.のシングルヒットなんだわ…w-inds.トリビュートになっちゃってんだわ…「ユリーカ」とか「Ah Yeah!!」を演奏してくれよ…。

印象度★★★★☆

2024.7.13更新

戻る