夏の終わりにU〜Lookin'for the eighth color of the rainbow〜
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 悲しみが痛いよ〜Acoustic Version〜 | 川島だりあ | 川島だりあ | T-BOLAN,葉山たけし | 1stシングル |
2 | 泥だらけのエピローグ〜Acoustic Version〜 | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN,葉山たけし | 5thアルバム『HEART OF STONE』収録曲 |
3 | Lookin'for the eighth color of the rainbow | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN,葉山たけし | 新曲 |
4 | すれ違いの純情〜Acoustic Version〜 | 森友嵐士 | 織田哲郎 | T-BOLAN,葉山たけし | 8thシングル |
5 | シャイなJealousy〜Acoustic Version〜 | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN,葉山たけし | 7thシングル『おさえきれないこの気持ち』C/W |
6 | マリア〜Acoustic Version〜 | 森友嵐士 | 森友嵐士 | T-BOLAN,葉山たけし | 新曲、12thシングル(別アレンジでカット) |
リリースデータ
1994年8月6日 | 初登場4位 | 売上34.1万枚 | Sound Produced by T-BOLAN | ZAIN RECORDS |
メンバー
Vocal | 森友嵐士 |
Drums | 青木和義 |
Guitar | 五味孝氏 |
Bass | 上野博文 |
T-BOLAN2ndアコースティックアルバム。『LOOZ』から8ヶ月ぶり。92年の『夏の終わりに〜Acoustic Version〜』の続編で前回同様に4曲のアコースティックリメイクと2曲の新曲を収録。新曲の「マリア」は1ヵ月後にアップテンポバージョンがシングルになるが元々そちらも同時期にレコーディングされていたらしく、先に発売された今作の音源が最初からAcoustic Versionという表記になっていて、シングルは無表記でオリジナル扱いとなった。これまで森友のドアップ写真がジャケ写になっていたが今作ではメンバーが「夏の終わり」をテーマにした写真を選んだコラージュになっている。楽曲解説を記載したレコーディングノーツも付属する。売上は『LOOZ』のさらに半分程度となった。しかしシングルになった「マリア」は好調で80万枚に迫る売上を記録して自身3番ヒットとなった。
2014年のBOX『T-BOLAN THE COMPLETE』では『夏の終わりに〜Acoustic Version〜』と同一DISCに収録されているため、『夏の終わりに〜Acoustic Version〜』6曲に続けて7〜12曲目に収録されている。また2017年の『T-BOLAN〜夏の終わりに BEST〜LOVE SONGS+1 & LIFE SONGS』はシリーズ2作全12曲を収録してさらに選曲したものとなっている。
メンバーが制作した新作アルバムとしては結果的に最終作。1ヶ月後のシングル「マリア」が大ヒットした後は、新作オリジナルアルバム無しのまま94〜95年にまたがるツアーを決行。この時点で既に森友は喉に異変を感じていたようだが強行して悪化していき、1995年3月26日大阪厚生年金会館でのツアーファイナルはかなり厳しい状況で客を入れた後に中止を決定。スタッフが観客に中止説明をする中で森友が制止するスタッフを振り切り、メンバーも追従してライブを決行。これが結果的に解散前最後のライブとなった。原因不明の喉の不調が続く中で、95年はシングル2枚、96年にシングル1枚と、ペースを大幅に落としながらのシングルリリースは継続したが96年3月の「Be Myself/Heart of Gold 1996」を最後に新曲発売も途絶えた。
前作の続編という明確なコンセプトの元に制作されたのと、前作以降のバンドの進化などもあって前作よりアコースティックなバンドサウンドに磨きがかかってバージョンアップしたような1作。アコースティックギターの音色にも前作よりこだわっているように聞こえるし、曲の後半でドラムも入った際の生バンドの質感も前回よりもさらにバンドっぽくなった。アップテンポなロックナンバーだった「泥だらけのエピローグ」が渋いアコースティックバラードに変貌するなど、前作には無かった驚きもあるが、基本的には前作同様にメロディーの良さが引き立つ仕上がり。結果的に今作の制作で最後になってしまったのは残念だが、時代に囚われない普遍的な良さが感じられるいいシリーズだったと思う。
しかし今作の後にアコースティック編成でのアコースティックツアーを立ち上げるなんてことも無く、何もなかったかのように次の通常ツアーを始めてしまうというのも凄い。普通なら今作出したら翌年春くらいまでは新作を出さずに今作の関連ライブやツアーを行って引っ張れるだろうに…。
印象度★★★★☆
2021.12.10修正