東京女子流
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | フォーリンラブな時 | きなみうみ | きなみうみ | きなみうみ | 2024/6/19配信シングル |
2 | 夏の密度 | 山崎あおい | きなみうみ | きなみうみ | |
3 | ロンリーレイン | 春和文 | 増田武史 | きなみうみ | |
4 | 導火線、フラッシュバック | きなみうみ | きなみうみ | きなみうみ | 2025/6/18配信&ミュージックカード限定シングル |
5 | Q&A | きなみうみ | きなみうみ | きなみうみ | |
6 | 2:30am | きなみうみ | きなみうみ | きなみうみ | 2024/2/18配信シングル |
7 | ロマンチックな事情 | 楠田莉子 | 楠田莉子 | きなみうみ | |
8 | 交換日記 | 山邊未夢, 新井ひとみ, 中江友梨, 庄司芽生 |
矢吹香那 | きなみうみ | |
9 | datura | きなみうみ | きなみうみ | きなみうみ | 2024/7/13配信シングル |
10 | nostalgia | 春和文 | 増田武史 | きなみうみ | |
11 | とけないまほう | SIRA | SIRA | きなみうみ | |
12 | キセキ | きなみうみ | きなみうみ | きなみうみ |
リリースデータ
2025年7月30日 | 初登場39位 | 売上0.2万枚 | Produced by 東京女子流 Sound Produced by きなみうみ |
エイベックス・ミュージック・クリエイティヴ |
メンバー
山邊未夢 |
新井ひとみ |
中江友梨 |
庄司芽生 |
東京女子流7thアルバム。前作から3年ぶり。前作以降2023年は新曲リリースが無かったが、2024年よりきなみうみプロデュース体制で新曲リリースを再開。15周年ライブを行った2025年5月3日に2026年3月31日での解散を発表。同時に今作の発売が発表され、6月18日に「導火線、フラッシュバック」が先行配信された。「導火線、フラッシュバック」のバンドル配信(C/W)になっていた4人各自のソロ曲は未収録。前作以降の4配信シングルを収録。これまでavex traxメインレーベルAVCD(ミュージックカードだとAVZ1)だったが、2023年のミュージックカードよりXNSC品番に変わっており、今作もXNSC品番となっている。発売元はエイベックス・マネジメント、販売元はエイベックス・ミュージック・クリエイティヴとなっているが、前作リリースの翌2023年からメインレーベルを外れていたようだ。また今作は全シングル・アルバムCD通して初の完全1種発売となった。直前までジャケ写が公開されなかったためか、Amazonでは最後までジャケ写が更新されずアーティスト写真のままとなった(エイベックスでは先の相川七瀬なんか画像なしのままだったけどどうしたんだ…)。
エイベックスは長年の功労者でもけっこう簡単に干す(misonoはそういうCD出したので有名だが、最初期のレジェンドTRFも活動期間の半分以上がリリースできてないし、hitomiももう新曲とかいらないよねと言われて「LOVE 2020」を制作した事を公言している)、ブレイクできなかったダンスグループが15年も活動を継続できた前例はなく、道の無いところを突き進むオンリーワンの存在となっていた。それだけに30歳を前にしてついに…というところではあるのか。そこを越えてほしかったところもあるけど、売上も動員も落ちていくばかりだったっぽいし、後半はO社に集計されなくなってみんなやらなくなったミュージックカードを安定したグッズ収入として利用していたくらいなので考え方を変えてきた感じもあったけど…。
新曲がリリースされなかった1年半を経て前作のリード曲存在となった「Viva La 恋心」「コーナーカット・メモリーズ」を手掛けたきなみうみに好感触を抱いたメンバーの希望により、きなみうみに全面的に任せる体制となった。メンバーと同世代(というかメンバーが1996〜1998年生まれできなみうみが1999年生まれなのでメンバー全員より年下の作家)という事もあって一緒に作っていくのもやりやすかったようだ。確かに相性が良く前作『ノクターナル』でたどり着いた松井寛時代とは異なるが、一時期の電子路線よりも初期からの発展形というか東京女子流らしいと感じられるこれが今の東京女子流といえる方向性に到達した感じがあり、そこに統一性を持たせてくれたのがきなみうみだったように思う。今作は全体に適度に凝ったサウンドと聞かせるメロディー、大人になった東京女子流の最終到達点にふさわしい1作に感じられる。
基本的に1人オケ制作時々ギタリストが別途参加という制作体制になっているが、割と丁寧にサウンドが構築されている印象で、アレンジャー1人オケ制作クレジットでよく見る"Guitar&Other Instruments"とか"Guitar&Programming"じゃなくて1曲ごとのクレジットにきなみうみが演奏した楽器が1つ1つ羅列されている。アコースティックギター、エレキギター、ベース、ローズ、シンセ、キーボード、パーカッション等の後にプログラミングとなっているのでドラム以外の基本バンド編成楽器はきなみうみが自ら演奏(ギターは一部サポートも演奏)しているようだ。
一方で横一線に12曲ミディアム〜ミドルくらいの大人っぽい落ち着いたテイストで同じような雰囲気の曲が並んでいて、突出したリード曲やアルバムならではの幅のある曲が全くない。先の4配信シングルのイメージそのままの曲がそのまま並んでいる。作詞作曲できなみうみ以外を起用した曲も数曲あり、「交換日記」をメンバー4人がリレー形式で交換日記のようにして歌詞を書いていったというトピックはあるものの、編曲で完全統一されているので全体像があまり変わらない。物凄く統一感のある良いアルバムともいえるが、初期の松井寛アレンジで一貫していた頃でももう少し幅があったからなぁ。もう少し明るさを感じられる曲があってもさ…。この点において前作の方がアルバムとしてのバランスは良かったが、これが最終形態で確定だと言わんばかりの統一感、完成度では今までを圧倒する極みの1作でもある。
最終アルバムとしての有終の美っぽさも存分にあり、「交換日記」もそうだけど、ラストを飾る「キセキ」はデビュー作「キラリ☆」に通じていく要素があって綺麗な締め方だ。
印象度★★★★☆
2025.8.31更新