生きたくはない僕等

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 生きたくはない僕等 上原あずみ 三好真美 舛井功  
2 Never free 上原あずみ 川島だりあ 小澤正澄 7thシングル 最高55位 売上0.2万枚
3 秘密 上原あずみ 徳永暁人 小澤正澄 6thシングル 最高40位 売上0.5万枚
4 Song for you〜精一杯力一杯〜 上原あずみ 川島だりあ 尾城九龍 8thシングル 最高74位 売上0.1万枚
5 Shiny way 上原あずみ 太田俊秋 尾城九龍  
6 U & I 上原あずみ DARIA&FUYUKI DARIA&FUYUKI  
7 奇跡 上原あずみ 綿貫正顕 立山洋航  
8 人生ゲーム 上原あずみ 三好誠 尾城九龍 コンピ盤『GIZA studio Masterpiece BLEND 2003』収録曲
9 Maze 上原あずみ 三好誠 三好誠  
10 Last moment 上原あずみ Bonn Bonn  
11 First love 上原あずみ 小澤正澄 三好誠 岩田さゆりへ歌詞提供 セルフカバー
12 ママレード☆ラブ 上原あずみ 岡本仁志 岡本仁志  
13 Song for you〜Will〜 上原あずみ 小林正範 大賀好修 8thシングルC/W

リリースデータ

2006年10月18日 初登場49位 売上0.3万枚 Produced by KANONJI GIZA studio

上原あずみ2ndアルバム。前作より4年ぶり。前作以降GIZA studio御用達のヒルズパン工場地下ライブハウスでのライブは不定期に行われていたが、03年末のGIZA studioのコンピ盤『GIZA studio Masterpiece BLEND 2003』に新曲として「人生ゲーム」が収録された以外は単独での作品リリースは停止状態となった。当時のGIZA studioではリリース停止後にパン工場ライブでの出演が続き、MCや公式サイトのコラムやブログで新曲レコーディングやリリースをほのめかしたとしても復活した事は1度も無く、例外なくフェードアウトしていた。上原あずみも当時のパン工場ライブMCでは新曲への意欲を積極的に語り、05年前半頃には"夏までは新曲を出したい"と具体的な時期にまで言及してステージ上から"マネージャー!お願い!!"と叫ぶなどしていた。夏には果たせなかったものの05年12月には本当に新曲発売が決定GIZA初となる長期停止からの復活を果たした。以降3枚のシングルをリリース後に今作が発売され、「人生ゲーム」とシングル3曲、C/W1曲、復活と同時期に岩田さゆりへ歌詞提供していた「First Love」のセルフカバーを収録。

詩集「ココロ」も同時発売された。「ココロ」の宣伝文には"3年に及ぶ事実上の活動停止期間"と書かれている(実際にはライブは不定期に行っていた)。前例のない復活だけに待望かと思われたが、シングルは出すたびに売上が激減。今作もさほど伸びずに2週目には221位まで吹き飛んで2週で300位圏外となった。以後再度リリースが停止07年年明けには公式ブログも開設されたが、今度は2度と復活する事が無く、頻繁に体調不良(というより精神不調?)を訴えるブログが延々更新され続けていたが、2010年7月重大な契約違反があったとして契約解除となり、公式サイト・ブログは強制消滅。加えて全作品が回収・廃盤となり、最大手通販サイトAmazonから全作品の登録が抹消された(現在は販売者が無理やり登録したいくつかの作品のカタログが復活している)。登録抹消には至っていないが、コナン主題歌集やMasterpiece BLENDシリーズなど楽曲が収録されていたコンピ盤も律儀に廃盤となった。(他のコンピ盤はともかく比較的人気があって売れ続けているコナン主題歌集の第2弾だけが通常盤も廃盤になっているのはこのため)。単なる回収に留まらずに上原あずみの残した作品までもが徹底的に抹消された(唯一『THE HIT PARADE』だけ生き残った)。

契約解除の理由は公式には公表されていないが、契約解除直後の週刊誌で愛人詐欺を行っていたと報道された。週刊誌での報道直前に契約解除となっており、GIZA側も疑惑を認めるようなコメントは一切出していない。また逮捕されたという情報は一切出ていない

2013年にはAZUMIという名前と「COLORLESS」というタイトルでアダルトビデオデビューをする人物が出現した。公式に上原あずみだと明言はせずに、有名歌手などとぼかした言い方をしていたが、名前やタイトルがほぼそのままであるなどこれで本人でないなら逆に名誉棄損な勢いで正体をほのめかしていた。しかしAZUMIもまた1年に満たない活動期間でリリース停止のままフェードアウトして2013年中には活動を終えていた模様。以後は完全に消息不明。

演奏クレジットは一括のためどの曲で誰が演奏しているかは不明だが、作編曲者が多いためある程度の推測は可能。ギタリストは大量に参加していて大賀好修、岡本仁志、小澤正澄、立山秋航、FUYUKI、Bonn、三好誠、綿貫正顕の8名。コーラスは岩井勇一郎、上原あずみ、宇徳敬子、岡崎雪、岡本仁志、DARIA、中平彩子、星田紫帆、MIOが参加。ベースは大橋雅人、ドラムは山口PON昌人。FEEL SO BAD(川島だりあ、倉田冬樹、大橋雅人、山口PON昌人)はメンバー全員が参加している。

 

奇跡の復活を遂げたが作風は暗黒なまま変わっておらず歌唱力の向上もあまり見られない。10代の不安定な精神状態は20代になってもあまり変わることなく、生きる中でのダークな感情がストレートに歌われていてずっしり重たい。さらに一部楽曲では完全に生バンド演奏になっていたり、打ち込みっぽい曲でも前作よりもロック色が強く、サウンドが太くて重くなった。これは本人の意向というよりも4年も開いたのでこの間にGIZA自体の作風が軽いものからもう少しがっしりした音作りに変わってきていたのもあると思われる。

暗い印象が強いとはいえ何も常に暗くてネガティブで生きる意味が無いとか歌い続けているわけでもなく、光を目指したり希望を見出そうとしている曲もあるし、ラブソングもある(ラブソングに関しては感情表現がやっぱり重いけど)。より突き詰めたこれぞ上原あずみな世界観の渾身の1作っぽさは確かに感じられる。ダークな歌詞こそが本領発揮なわけで、愛内里菜みたいな確か歌唱力で歌われても、三枝夕夏みたいな無機質ボーカルで歌われても、説得力は削がれていたと思う。うまくないけど一生懸命訴えようとしてるようなこの上原あずみのボーカルだからこそ、強烈な何かが宿ってるというのは確実にあった。ただその後の顛末が顛末だけに結局この人に何か救いは一時でもあったのだろうか…という年月を経るごとに思ってしまうところもある。

あと上原あずみ本人だけでなく、ビーイングGIZAで90年代末期〜00年代前半を支えていた作家陣の多くがこれ以降どんどん名前を見かけなくなっていったので割とこれがビーイングでの最後の仕事、もしくは末期の仕事となっている人が多いような…。rumania montevideoが自然消滅してから既に数年経過していて三好真美は初作曲にして唯一になったし、三好誠もこの辺りを最後に見かけなくなる。綿貫正顕もこの辺りを最後に独立しているし、初期の愛内里菜の編曲をよく手掛けていた尾城九龍なんかもこの頃にはすっかり見かけなくなった。これ以降、安定して活動していた面々でも次々引退や移籍などが相次ぎ、作家陣にも変動がどんどん出てきたので、00年代前半に一定のレーベル単位のファンを生んだGIZAの転換点でもあったのかなと今になって思う。

今作に関してはAmazonカタログ無しのまま

印象度★★★☆☆

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