Very6 BEST(あなたのお名前入りスペシャルBOX盤)
DISC 10,11,12(Blu-ray)

※DVDは「出せない手紙」までがDISC 10、「WISES〜I'll be there〜」からはDISC 11

※DVDは「蝶」までがDISC 11、「常夏VIBRATION」からDISC 12

※DVDは「by your side」までがDISC 12、「Can't Get Enough」からDISC 13

黄色＝初回盤A(DVD/Blu-ray)にも収録

あなたのお名前入りスペシャルBOX盤DISC-10,11,12はBlu-ray。DVDは容量の関係で1枚多い4枚でDISC-10,11,12,13の4枚。ほぼ全てのミュージックビデオが網羅されたミュージックビデオ集。MVは初期から05年までは『Film V6』シリーズが5作リリースされていたが、以降は初回盤DVDに収録されるようになったのでまとまった形のミュージックビデオ集はリリースされなくなっていた。2015年20周年の『SUPER Very best』の受注生産限定だったV6 20th ANNIVERSARY SHOP限定盤DVDではカミセンとトニセンを除くMV54作が収録されたDVDが付属していた。今作はその54作に加えてそれ以降の楽曲、カミセン、トニセンのMVも収録されている。新曲「Full Circle」以外は全て既発映像ではあるが、Blu-rayでも発売されていた『The ONES』初回盤A収録の15曲以外は全曲初Blu-ray化となる。

既発MVではカミセンの1st映像作品『SKY』に新曲として収録していた「EVERY DAY」が未収録。同様のフォーマットで2nd映像作品『? -question-』に収録された「Happy Together」は収録されている。また『STEP』初回盤AのBlu-ray/DVD収録の「雨」が未収録だがリリースされたばかりだったため意図的に収録を外したものと思われる。

カミセンとトニセンが00年前後の時期に単独リリースした作品は時系列ではなくズレた位置に配置されており、99年、00年のシングル「WISHES〜I'll be there〜」「Precious Love」は01年と02年の間の位置に唐突に2連続で差し込まれ、04年の「ちぎれた翼/20th Century」は本来なら24thと25thの間、02年の「恋のシグナル/Coming Century」は21stと22ndの間に入るはずがやはりズレて配置されている。これら4曲は『Film V6』シリーズ収録の際は時系列に配置されていたため、今作で何故ズラされたかは不明。またこの後の「オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ」や「Hello-Goodbye」はちゃんと時系列に差し込まれている。

「ジャスミン」は当時のシングル初回盤にはトニセン、カミセンそれぞれのバージョンのみ収録、『SUPER Very best』20th ANNIVERSARY SHOP盤では6人バージョンのみ収録になっていたが、今作にはそれら3バージョン全て収録された。このMVはソロカット回しで構成したものとなっていため6人揃ってのカットも無く全員バージョンも基本は2バージョンを組み合わせたもの。これ以外にもシングル収録時には若干のロングバージョンだったり、ダンスバージョンが存在する曲もあったが全て1バージョン収録となっている。

映像盤ベストのような作品だが、途中までは『Film V6』シリーズで繋いでいたのに、『SUPER Very best』の時も今回も予約限定生産盤のみで、発売日前に既に入手不可能なレアアイテム化してしまったのは惜しい。SMAPや嵐のように単独作品としてリリースするわけにはいかなかったのだろうか。『SUPER Film V6』とか言って単独でリリースされたらそれなりに需要はあったと思うのだけど…。

V6の場合は初期からきちんとMVが制作されており、両A面2曲目はスルーする事も多かったが、ショートや簡易で済ませた事は無かった。ストーリー性のあるような作品や強くインパクトを残したような面白い映像は無いが(なので『Full Circle』で過去のMVの要素を盛り込んでもデカい唇がセクバニという以外は何となくどっかにあったような…としか分からない)、ダンスを中心にその時々のメンバーの姿を記録し続けてきたことによる資料的価値は大きい。『The ONES』で全曲MV制作なんていう無茶をぶちかかました辺りではさすがにネタ切れ感は漂ってくるが…。

最初期のカミセン優遇、トニセンは歌唱を支える用という格差は映像で露骨に残されていて「MUSIC FOR THE PEOPLE」ではカミセン3人はソロショットがあるのにトニセンは3人セットしかなかったり…。ただこの格差は初期だけで割と早い段階で6人平等になってくる。また後期ほど年の差もあまり関係が無くなってきて6人の関係がフラットになって良好になっていったんだろうなという空気感も何となく感じられる。

26年に及ぶだけにメンバーも当然変化していくが、最初から渋い色気を漂わせていてほとんどイメージが変わっていない坂本、地味に驚異的な爽やかさを保ったままで晩期でも爽やかおじさんな長野、永遠の少年性を保ち続ける三宅…など26年も経っているのにイメージがあまり変わらないメンバーが3人もいるのはなかなか凄い。1番変わったのは森田で最初の10年はヤンチャなイマドキの若者像を地で行くような茶髪ヤンキー風スタイルだったが、10周年辺りで落ち着いた渋いヒゲ姿に一気にイメチェン。そこからは大きくイメージは変わらないままに渋さを増していくので晩期には年少組に見えないほど渋くなる。変わらぬ三宅との対比も鮮やか。

井ノ原はデビュー時10代だったとは思えないくらいに老け顔で最初の数作での冴えなさはあの"イノッチ"イメージとはけっこう離れていて改めて驚いた。坂本とは5歳差、長野とも4歳差で最年少の岡田との4歳差と同じ、三宅森田とは3歳差でカミセンの方が年が近かったりするんだけど最初期のこの老け顔だとトニセン年長扱いにされたのも何となく納得。なので井ノ原はそこからイノッチへと若返っていき、10周年辺りまではデビュー時の方が老けて見えるほど。イノッチイメージが固まってからはやはりあまり変わらない。

岡田はデビュー時14歳で確かにあどけない顔立ちではあるんだけどそれにしては最初から岡田君。14歳にしては顔が完成され過ぎているというかかなり大人っぽい14歳だったんじゃないだろうか。香取慎吾にしろ長瀬智也にしろこのくらいの年代でデビューした最年少メンバーは20代に至るまででもだいぶ顔つきが変わっていってさらに30代を経てオッサン化も進んでだいぶイメージが変わっていく方が普通だと思うんだけど、岡田君はずっと岡田君のまま。後期は何度か髭姿で渋いオジサン化するんだけど、剃って出てくるとまた元の青年イメージに戻る。

そんなわけで6人6様であるけど、「僕らは まだ」「Full Circle」でたどり着いた最終形でもみんなカッコいい。何なら最後が1番カッコいい理想的な年齢の重ね方をしていたように思う。ジャニーズ史上最長となったデビューから新曲ゼロの年無しでの勤続26年の男たちは伊達ではない。26年アイドルであり続け、年齢を重ねながらもカッコよさを保ち続けたのは何気に凄かったと思う。最後までアイドルV6を全うしたんだな。

印象度★★★★☆

2022.1.2更新

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