HOLIDAYS IN THE SUN
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | to Mother | YUI | YUI | HISASHI KONDO | 16thシングル 最高1位 売上9.0万枚 |
2 | again | YUI | YUI | HISASHI KONDO | 13thシングル 最高1位 売上16.4万枚 |
3 | Parade | YUI | YUI | northa+ | |
4 | es.car | YUI | YUI | e.u.Band&HISASHI KONDO | |
5 | Shake My Heart | YUI | YUI | Tsuyoshi Kinoe | |
6 | GLORIA | YUI | YUI | HISASHI KONDO | 15thシングル 最高1位 売上11.4万枚 |
7 | I do it | AIMI | YUI | northa+ | ステレオポニーへ提供 セルフカバー |
8 | Please Stay With Me | YUI | YUI | HISASHI KONDO | |
9 | Summer Song | YUI | YUI | northa+ | 12thシングル 最高1位 売上11.6万枚 |
10 | Cinnamon | YUI | YUI | northa+ | |
11 | Driving Happy Life | YUI | YUI | northa+ | |
12 | It's all too much | YUI | YUI | HISASHI KONDO | 14thシングル 最高1位 売上11.3万枚 |
13 | Kiss me | YUI | YUI | northa+ |
リリースデータ
2010年7月14日 | 初登場1位 | 売上31.3万枚 | Sound Produce&Directed by HISASHI KONDO | ソニー |
YUI4thアルバム。C/Wベスト『MY SHORT STORIES』から1年8ヶ月ぶり、オリジナルアルバムとしては2年3ヶ月ぶり。08年8月末に制作に専念するためのリフレッシュ休暇として活動休止を発表。しかし09年3月にはステレオポニーに「I do it」を提供、09年6月にはシングル「again」を発表して自身の活動も再開したため、『MY SHORT STORIES』からシングル『again』までは7ヶ月程度、シングルとしても1年に満たない11ヶ月ぶりでさほど長い休止期間では無かった。しかし復帰からオリジナルアルバムまでは1年以上の時間を要した。休止前含めたシングル5曲、ステレオポニーに提供した「I do it」のセルフカバーを収録。14th両A面だった「Never say die」は未収録。休止前のシングル「SUMMER SONG」は「Summer Song」に表記が変わったが、音源の変更は無くそのまま。初回盤は初商品化の「It's happy line」、前作収録範囲の「My Generation」、「LOVE & TRUTH」、「Namidairo」、「Laugh away」、シングル初回盤とは異なるマルチアングル仕様の「to Mother」のビデオクリップを収録したDVD付。4作連続1位を獲得し、『MY SHORT STORIES』と1stの売上は上回った。
ステレオポニーへの提供に関しては当時のステレオポニーとYUIが同じ近藤ひさしプロデュースだった事に起因しており、ステレオポニーが地元沖縄でレコーディングを行っている際に休暇中のYUIが訪れセッションを行ったのがきっかけとされている。曲提供はこれが初。作曲のみで作詞はステレオポニーのAIMIが担当。またこの縁で続く復帰シングル「again」のドラムはステレオポニーのSHIHOが担当した。「to Mother」はビデオクリップでは初のピアノ弾き語りパフォーマンスをしていたが、クレジット上は近藤ひさしがピアノを演奏していてYUIは演奏していない(この曲のみYUIはギターも演奏していない)。
思ったより早い活動再開となったが、シングルリリースが続いてアルバムまでは前作から2年開けたのでそれなりに制作期間はあったものと思われる。今作では1stからディレクター、サウンドプロデューサーとしてクレジットされながら編曲や演奏には参加していなかった近藤ひさしが自ら編曲に参加。northa+は「I do it」以外で1人オケ制作を継続(「Parade」のアコーディオンは奏者を招いている)、近藤ひさし編曲ではミュージシャンを呼んでの生バンド編成と制作体制が綺麗にセパレートした。ただ当時のステレオポニー(1stアルバムまで)でもそうだったように近藤ひさしはバンドサウンドをコンパクトにまとめ上げる作風のようでどうにもせっかくの生演奏もどこか小さくまとまっている印象は否めない。ライブではロックバンド編成でけっこうガツンとやっている部分もあるだけにその勢いをもう少し音源で出してきてもいいと思うんだけど…。
リフレッシュ休暇を経ての今作はよりナチュラル志向で成長した感じの柔らかい印象のアルバム。結果的にYUIとしてリリースしたベストまで含めた全アルバム8作のうち今作のみがジャケットでもブックレット写真でも全体に優しく微笑んでいるんだけど、この笑顔が今作を象徴していると思う。笑わないストイックなイメージが先行しすぎていたので、いや私だって普通に笑うし、という思いは少なからずあったと思われるし、復帰シングル「again」を始め、「GLORIA」、「It's all too much」は求められるYUI像に応えたようなストイックさや夢への強い思いを打ち出した楽曲になっているもののそれ以外は概ね歌詞の内容は恋愛中心。等身大の女性っぽさをだいぶ出してきたように思う。この点以前とは変わってしまって残念だという声も多かったが、いつまでも10代のままでも、尖った感情がリアルタイムであり続けるわけでもなく、自身としてはとうに叶ってしまった夢追いの歌詞ばかり書き続けるのもどうかと思う。
一方で元々そこまで強いメロディーというわけでもなく、初期の曲が印象的だったのはストイックなイメージが引っ張っていたところがあるので、ストイックさが無くなってしまうと曲自体も以前より弱くなってしまったように感じてしまうのも否めないところで難しいところではある。柔らかい雰囲気は今作の魅力で、全体にはいい感じではあるんだけど1曲1曲では以前ほどではない。
結果的には今作の賛否両論、昔の方が良かったという声がけっこうあった事で、YUIのイメージが独り歩きしすぎていて本人も自分自身とイメージの剥離を痛感してちょっと手に負えない、背負いきれない感じになってしまったのが、再度笑顔を封印した次回作へ、そして休止へと繋がっていったところがありそうでもある。
印象度★★★☆☆
2020.10.29修正