sweet,bitter sweet〜YUMING BALLAD BEST(初回盤)
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | やさしさに包まれたなら | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 2ndアルバム『MISSLIM』収録Ver. 3rdシングル 100位圏外 |
2 | 瞳を閉じて | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 2ndアルバム『MISSLIM』収録曲、4thシングルC/W |
3 | 雨のステイション | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 3rdアルバム『COBALT HOUR』収録曲 |
4 | グッド・ラック・アンド・グッドバイ | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 4thアルバム『14番目の月』収録曲 岡崎友紀への提供曲 セルフカバー |
5 | 中央フリーウェイ | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 4thアルバム『14番目の月』収録曲 |
6 | 卒業写真 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 3rdアルバム『COBALT HOUR』収録曲 ハイファイ・セットへ提供 セルフカバー |
7 | Hello,my friend | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 26thアルバム『THE DANCING SUN』収録曲 25thシングル 最高1位 売上135.7万枚 |
8 | 守ってあげたい | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 12thアルバム『昨晩お会いしましょう』収録曲 17thシングル 最高2位 売上69.5万枚 |
9 | 潮風にちぎれて | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 8thシングル 最高31位 売上5.8万枚 |
10 | 夕涼み | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 13thアルバム『PEARL PIERCE』収録曲 |
11 | acacia[アカシア] | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 31stアルバム『acacia』収録曲 |
12 | よそゆき顔で | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 9thアルバム『時のないホテル』収録曲、14thシングル『ESPER』C/W |
13 | 翳りゆく部屋 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 1st公認ベスト『YUMING BRAND』収録Ver. 7thシングル 最高10位 売上25.6万枚 |
14 | 雨の街を | 荒井由実 | 荒井由実 | 荒井由実& キャラメル・ママ |
1stアルバム『ひこうき雲』収録曲 |
15 | ナビゲイター | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 9thシングル『遠い旅路』C/W |
16 | 海を見ていた午後 | 荒井由実 | 荒井由実 | 松任谷正隆 | 2ndアルバム『MISSLIM』収録曲 4thシングル(アルバム同発) 100位圏外 |
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | A HAPPY NEW YEAR | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 12thアルバム『昨晩お会いしましょう』収録曲 18thシングル『夕闇をひとり』C/W(同時発売) |
2 | ジャコビニ彗星の日 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 8thアルバム『悲しいほどお天気』収録曲 |
3 | NIGHT WALKER | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 14thアルバム『REINCARNATION』収録曲 |
4 | Autumn Park | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 18thアルバム『ALARM a la mode』収録曲 |
5 | シンデレラ・エクスプレス | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 17thアルバム『DA・DI・DA』収録曲 |
6 | ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 15thアルバム『VOYAGER』収録曲 19thシングル 最高9位 売上17.1万枚 原田知世へ提供 セルフカバー |
7 | ノーサイド | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 16thアルバム『NO SIDE』収録曲 麗美へ提供 セルフカバー |
8 | 静かなまぼろし | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 6thアルバム『流線形'80』収録曲 11thシングル『入江の午後3時』C/W |
9 | 消息 | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 13thアルバム『PEARL PIERCE』収録曲 |
10 | 幸せになるために | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 31stアルバム『acacia』収録曲 34thシングル 最高6位 売上10.1万枚 |
11 | 霧雨で見えない | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 19thアルバム『ダイアモンドダストが消えぬまに』収録曲 麗美、ハイ・ファイ・セットへ提供 セルフカバー |
12 | 雪だより | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 10thアルバム『SURF & SNOW』収録曲 藤真利子へ提供「山の雪だより」改題 セルフカバー |
13 | ロッヂで待つクリスマス | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 6thアルバム『流線形'80』収録曲 |
14 | One more kiss | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 新曲 |
15 | 春よ、来い | 松任谷由実 | 松任谷由実 | 松任谷正隆 | 26thアルバム『THE DANCING SUN』収録曲 26thシングル 最高1位 売上116.4万枚 |
16 | あの日にかえりたい[acoustic version] | 荒井由実 | 荒井由実 | 初回盤のみ収録 6thシングルのリメイク |
リリースデータ
2001年11月14日 | 初登場1位 | 売上87.9万枚 | 東芝EMI |
松任谷由実5th公認ベストアルバム。バラードベストアルバム。00年にアルファレコードが事業撤退したことで荒井由実時代の楽曲の権利もEMIへ移動。早速荒井由実時代のリマスター発売が実現していたが、今作は初めて荒井・松任谷両時代から選曲されたベストアルバムとなった。一部松任谷由実本人も選曲に関与したようだが、基本的にスタッフセレクションとなっており、『Neue Musik』にはあったアルバム全体のプロデュース表記が記載されていない。Bernie Grundmanによるリマスタリングが施されている。収録されていた2ndベスト『ALBUM』がCD化されず、シングル盤も89年に8センチCDで1度発売されたまま廃盤になり、CDでの入手が不可能になっていた「潮風にちぎれて」「ナビゲイター」はCDアルバム初収録。「ナビゲイター」は今作のみの収録(「潮風にちぎれて」は07年の『SEASONS COLOURS -春夏撰曲集-』にも収録された)。新曲として「One more kiss」が収録された。
初回盤には小野リサがコーラス&ギター演奏を担当した「あの日にかえりたい[acoustic version]」が追加収録されている。この曲は6thシングルのリメイクとなる。
バラードベストブームの中で、今作は『Neue Musik』『Super Best of Yumi Arai』との被りも多かったが、初の荒井・松任谷の垣根を越えたベストアルバムだった事もあってか2週連続1位を獲得し、前後のオリジナルアルバムが20万前後まで落ち込んでいた中で4倍以上の大ヒットを記録した。2012年に『日本の恋とユーミンと。』が発売されたのに伴い、それ以前のベスト盤は全て生産が停止したらしく現在は廃盤となっている。
『Neue Musik』と同様に初回盤にも通常盤にも同じデザインのスリーブケースが付属する。このため初回盤と通常盤の見た目が同じなので注意が必要である。見分け方は曲目の部分に「あの日にかえりたい」が記載されているかいないか、もしくは品番が「TOCT-24701A、TOCT-24702A」と数字の後に「A」が入っているものが初回盤となる。しかし今作のスリーブケースは全面真っ赤な仕様で曲目はおろかタイトルも表記されていないため(発売時のビニールに透明なシールがついていてそこにタイトルや曲目が記載されていた)、帯が付属していない場合は曲目での識別どころか今作が今作なのかどうかすら判断するのが困難である。ただしスリーブケースの底面(バーコードがある面)の上部右上付近に品番表記がされており、ここに「A」があるかないかで判断する事ができる。
前後のオリジナルアルバムの4倍近い大ヒットになったとはいえ、当時のユーミンへ呪いの如く付きまとっていた「落ち目」ムードは根強く、十分な大ヒットだったにも関わらず、たった3年前の『Neue Musik』が300万枚売れたのにミリオンにも届かないとはやはり「落ち目」だ…みたいな言われ方もけっこうしていたように記憶している。実際のところ、大ヒット認識されている2012年の『日本の恋とユーミンと。』まで今作を越えたアルバムは無かったどころか、実に20万枚越えすら無いんだけど、当時はまだミリオンもそれなりに出る時代だったからなぁ…。
今作の当時の価値はやはり荒井・松任谷両時代からの選曲。それを意識したのかDISC-1の前半に待望の荒井由実時代の楽曲が連発されている。実際のところ『Neue Musik』や前年に公認作昇格を果たした『Super Best of Yumi Arai』との有名曲の被りは多いんだけど、やはり一緒に聞けるという部分は大きかったんだと思う。またDISC-1はなんとな〜く春夏寄り、DISC-2は秋冬寄りに寄せている感じもあるけど、DISC-1の方が有名曲が多めで、DISC-2は締めるところは有名曲がドンと貫禄を見せるも全体にはDISC-2がやや地味かなと思う。
1曲目の「やさしさに包まれたなら」や「中央フリーウェイ」などえ?バラード?という曲もあるものの、基本は落ち着いた曲が並んでいる。なので、まったりしすぎ、暗いという側面もあるんだけどそれ以上に、今作の魅力は何気にバラードを並べた事で生じた普遍性だと思う。『Neue Musik』は正直バブルの香りが漂うベストアルバムだったが、バブルを感じさせたのは主にアップテンポな曲でのインパクトが大きかったようで、バラード中心の今作を聞くとバブルとかよりもいい意味でのノスタルジーや多少古びていても色褪せはしていない普遍性を感じられ、改めてユーミンの曲の良さを感じることができる。「ナビゲイター」「One more kiss」「あの日にかえりたい[acoustic version]」は他のアルバムでは聞けない曲・バージョンとなるが、これら3曲目当てだけではなく、他のベスト盤で有名な収録曲は押さえているリスナーでも、バブルでも落ち目でも枯れてもいないユーミンの凄さを感じられる1作だと思う。
印象度★★★★☆
2016.4.7更新