「時間の翼」

No タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
1 Get U're Dream 坂井泉水 大野愛果 葉山たけし 32ndシングル 最高4位 売上24.1万枚
2 この涙 星になれ 坂井泉水 岩井勇一郎 古井弘人 31stシングル 最高5位 売上12.9万枚
3 promised you〜with P-edtion〜 坂井泉水 栗林誠一郎 Cybersound 33rdシングル 最高6位 売上11.5万枚 イントロピアノ追加
4 痛いくらい君があふれているよ 坂井泉水 シオジリケンジ シオジリケンジ 30thシングル 最高5位 売上12.5万枚
5 窓の外はモノクローム 坂井泉水 岩井勇一郎 大賀好修  
6 お・も・ひ・で 坂井泉水 寺尾広 古井弘人 31stシングルC/W
7 明日もし君が壊れても 坂井泉水 大野愛果 徳永暁人 WANDSへ歌詞提供 セルフカバー
8 世界はきっと未来の中〜another style 21〜 坂井泉水 岩井勇一郎 大賀好修・
徳永暁人
29thシングル 最高2位 売上20.2万枚 別アレンジ
9 hero 坂井泉水 大野愛果 大賀好修  
10 揺れる想い Gomi's New York Remix 坂井泉水 織田哲郎   8thシングル リミックス
11 負けないで 
Gomi's 10th Anniversary Special Mix
坂井泉水 織田哲郎   6thシングル リミックス
12 時間の翼 坂井泉水 大野愛果 徳永暁人 未完成バージョン(2番サビ〜)

リリースデータ

2001年2月15日 初登場1位 初動23.2万枚、売上37.1万枚 Produced by IZUMI SAKAI B-Gram Records

ZARD9thアルバム。2作のベスト盤、ライブ盤を経てオリジナルは2年ぶり。ベストに収録された「MIND GAME」は未収録でその後の5シングルを収録。「promised you」はイントロにピアノが追加されたアルバムバージョン、「世界はきっと未来の中」はシングルバージョンんお3人のアレンジャーのうち徳永暁人のみ残してシオジリケンジ、古井弘人が外れ、新たに大賀好修が加わってリアレンジされて収録されている。アルバム本編は実質9曲目で終了し、以降はリミックス2曲、「時間の翼」は2番サビから始まる未完成のアルバム表題曲という構成になっている。この「時間の翼」はZARD2章を告げる曲として近いうちに発表すると当時答えていたが、なかなか発表されず結局次回作では全く別のアレンジで収録された。このアレンジでの完成版は未発表のままでそもそも完成に至ったのかも不明。オリジナルアルバムとしては結果的に最後の1位獲得作品となったが、売上は激減した。オリジナルアルバムでは今作のみが早い段階で廃盤となっていてiTunesでの配信もオリジナルアルバムで唯一今作のみラインナップから外されている。

2021年に30周年を記念してオリジナルアルバム10作のリマスター盤が発売されたが今作のみ鶴澤夢人によるリアレンジ盤『時間の翼〜30th Anniversary〜』としてして全曲リメイク(リミックス2曲は削除)され、ジャケット写真も別カットに差し替えられた。この際にはオリジナル盤が長らく廃盤である事に公式でも触れていたが何故今作だけ頑なに闇に葬り去ろうとしているのか理由は明言されていない。オリジナル盤が公式に入手可能なのは2012年の『ZARD ALBUM COLLECTION』のみであったが2021年の今作以外のリマスター盤発売に合わせるようにBOXの生産も終了したため、オリジナル盤は事実上の封印状態となった。

 

当時は全く語られていなかったが、06年の『Golden Best』発売時にこの時期に体調を崩したのでリリース後に長期の休養に入ったとの記載があり、以降の作品に付属するバイオグラフィーには必ず表記されるようになった。

ベスト盤の大ヒットの後からは試行錯誤全開のシングルを次々と切りまくり、ついには不慣れ全開なラップを始めたり(4)、倉木麻衣になってしまったり(3)したのでとにかく驚いた。今作もバンド感はほとんど無く、かなり軽めの打ち込みが目立つようになっている。極めつけにリミックス2曲と未完成な表題曲。当時はGIZA studioが出来てビーイングは完全にそちらに注力し、旧ビーイング勢は軒並み解散か独立していっていなくなってしまっていた。唯一B-Gramに残されたZARDは主要作家を失ってしまったこともあり、路線変更をせざるを得ない状況となるも曲が揃えられず、完全に干されたのだと思っていた。だが、後に体調不良が明かされたことを踏まえると、完成後に体調を崩したとはされているが、アルバム制作途中で体調を崩して当初目指した完成にまで持っていけなかったのではないかと思う。今作だけ後に廃盤にしてしまったのもそれが原因だったのではないだろうか。

当時は10周年を記念して何かファンに喜んでもらえるものを、という理由でリミックスを収録したとしていたが正直かなり理由が苦しかった。00年前後はやたらリミックスが流行っていたとはいえ、こんな引き伸ばされたリミックスをオリジナルアルバムに収録されて喜ぶファンがそんなにいるものなのかと思っていたがなんとか10曲越えに持っていくための苦肉の策だったのかも。あまりに長すぎるせいで結果的にオリジナルアルバム収録時間最長になってしまったが、オリジナルアルバムとして聞く場合はこの2曲は飛ばしてしまった方が流れはスムーズかもしれない。

シングルの時点でも異様な実験作が続いてあまりに路線が変わりすぎ&未完成な印象な今作だが、逆に考えるとZARD史上最高にアグレッシブな作品という捉え方もできる。ベスト盤を経て新たなZARD像を探そうと、時流に合わせて試行錯誤を繰り返していたのは確かで迷走していたとしか言いようがない部分もある。ただ試行錯誤っぷりが表れたサウンドは、色々試していただけあって凝っていてなかなかに面白い。正直ラップとか100%合ってないと思うし、この時期の試行錯誤は迷走だったとは思うけど、他では聞けないZARDサウンドが聞けるという意味ではこれ以上の作品は無い。体調不良が無ければこの試行錯誤ももっと突き詰めて何らかの答えが見えていたかもしれないだけに今作の本当の完成形が聞いてみたかった。また当時第2章の序章になる曲としていた「時間の翼」が今作の中で最もZARD王道の響きとメロディーをまとっていた…というのは地味に謎である。このアレンジ版でのフルバージョンも聞きたかった。

B00005HU52  B099C5LMHQ30th Anniversary(リアレンジ)

印象度★★★★☆

2021.6.15修正

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