時間の翼〜30th Anniversary〜

No タイトル 作詞 作曲 編曲 原曲
1 Get U're Dream 坂井泉水 大野愛果 鶴澤夢人 32ndシングル
2 この涙 星になれ 坂井泉水 岩井勇一郎 鶴澤夢人 31stシングル 
3 promised you 坂井泉水 栗林誠一郎 鶴澤夢人 33rdシングル
4 痛いくらい君があふれているよ 坂井泉水 シオジリケンジ 鶴澤夢人 30thシングル
5 窓の外はモノクローム 坂井泉水 岩井勇一郎 鶴澤夢人  
6 お・も・ひ・で 坂井泉水 寺尾広 鶴澤夢人 31stシングルC/W
7 明日もし君が壊れても 坂井泉水 大野愛果 鶴澤夢人 WANDSへ歌詞提供 セルフカバー
8 世界はきっと未来の中 坂井泉水 岩井勇一郎 鶴澤夢人 29thシングル
9 hero 坂井泉水 大野愛果 鶴澤夢人  
10 時間の翼〜30th Anniversary〜 坂井泉水 大野愛果 鶴澤夢人 サビを1回分コピーで増量

リリースデータ

2021年9月15日 初登場18位 売上0.4万枚 Produced by DAIKOH NAGATO
with all of heart to IZUMI SAKAI
B-Gram Records

ZARD9thアルバム『時間の翼』のリアレンジアルバム。初のオリジナルアルバム全11作単独再発で10作はリマスター今作のみオリジナルは廃盤のままリアレンジアルバムとして発売された。リミックス2曲はカットされ、オリジナル10曲編成へと変更。全曲を鶴澤夢人がリアレンジしている。「時間の翼」のみ「時間の翼〜30th Anniversary〜」と改題され、2番サビ〜大サビ〜ラストサビという未完成だった原曲の2番サビのボーカルをコピーしてイントロ〜2番サビ〜間奏〜2番サビ〜大サビ〜ラストサビという構成に変更している。実際には今作発売からは20周年だったが、デビュー30周年に合わせている模様。オリジナルは坂井泉水のセルフプロデュースだったが、今回はDAIKOH NAGATO with all of heart to IZUMI SAKAIと表記された。他のアルバムのリマスターを手掛けている島田勝弘は録音は担当しているものの、マスタリングは担当せず、ミックスとマスタリングはKOUKI YAMAMOTOが担当

9thアルバム『時間の翼』は坂井泉水の没後いつの間にか新品が販売されなくなり、iTunesでの配信からも外されるなど廃盤状態となっていた。2012年の『ZARD ALBUM COLLECTION〜20th ANNIVERSARY〜』にリマスター収録されたのが唯一新品で聞ける状態だったが、2020年頃より『ZARD ALBUM COLLECTION〜20th ANNIVERSARY〜』もいつの間にか生産が終了。今作発売に合わせて公式に生産終了になっていたことを公表(ついでに次回作『止まっていた時計が今動き出した』も生産終了扱いとフリーペーパーに記載されていたらしい)。

直接廃盤になっている理由として明言はされていないが、今作のリアレンジにあたっては生前の坂井泉水が今作の仕上がりに満足がいっていないと長戸大幸に明かしており、2人の間でいつかリアレンジして出し直そうという約束が交わされていたと説明された。坂井さんが生前○○したいと言っていたシリーズ最新バージョンの爆誕である。01年の発売から07年に亡くなるまでの間に坂井泉水本人が今作についてそのような言及を公式にしたことは皆無で、没後も今までそのような証言が関係者から出た事も無かった。

シングルバージョンそのままである「Get U're Dream」「この涙 星になれ」「痛いくらい君があふれているよ」「お・も・ひ・で」、そしてピアノイントロを加えた以外のアレンジはシングルと同一のためイントロのwith P-edtion部分を除く「promised you」の5曲はシングルと収録されたベストアルバム等のCD、配信でオリジナルアレンジで聞く事が可能。「窓の外はモノクローム」、「明日もし君が壊れても」、「世界はきっと未来の中〜another style 21〜」、「hero」、「時間の翼」、「promised you」のwith P-edtion部分は他に収録されておらず、配信もされていないため公式ラインナップから抹消された事になる。「明日もし君が壊れても」「hero」は『Request Best〜beautiful memory〜』に収録されているが葉山たけしによるリメイクバージョンでアレンジは全く異なる。「hero」は『ときめきメモリアル SOUND BLEND〜featuring ZARD〜』にも収録されているがこれも未配信、廃盤。「時間の翼」は『止まっていた時計が今動き出した』やベスト盤に収録されているがキーもアレンジもまるで異なる作り直したフルバージョン、「世界はきっと未来の中」は他にも別アレンジがあるがanother style 21は今作のみだった。

鶴澤夢人はどれだけ長戸Pに評価されているんだよ…という状態だが今作の作家陣は比較的今も残っている面々なのに全員差し置いて鶴澤夢人に全曲任せてしまった。ほぼ全面的に1人オケ制作で、岩井勇一郎が自身作曲の2曲で追加でギターを演奏しているのと「お・も・ひ・で」にサックスが追加されている以外はゲストミュージシャン枠はVoices(コーラス)だけというZARD史上最大級の省エネっぷり。鶴澤夢人は現在SARD UNDERGROUNDを長戸大幸との連名名義でメインアレンジャーとして担当しており、今作はZARDがSARD UNDERGROUNDになってしまった逆転現象というのが1番感覚的には近い。複雑だったり、時流に合わせようとして無理してラップやら倉木麻衣風やらになっていたアレンジを全て王道っぽいバンド風アレンジに変えているんだけど、鶴澤夢人のアレンジはZARD王道のものよりも軽めに仕上げる傾向があり、もう少し大きく鳴っていてほしいところでも音がしょぼい。なので今作だけを聞いているとZARDとしては実験的だったアルバムをZARD王道に修正したアルバムという印象にはなるんだけど、実際に王道そのものである90年代の作品群や葉山たけし復帰後の末期作品群と並べて聞くと音の厚みの差は歴然になってしまう。次回作辺りはともかく基本的に他のアルバムと並べてしまうとやはりこれは違うのではないかと思ってしまうし、どう違うのかというとこれZARDじゃなくてSARD UNDERGROUNDじゃないのか…という。『時間の翼 tribute』としてSARD UNDERGROUNDで発売していた方が個人的には好印象になっていたと思う。

一応オリジナルに気を遣ったというか単に新たにメンバー集めるつもりがない省エネ制作なだけっぽいが、坂井泉水のボーカル以外のサポートコーラスもオリジナルのまま流用。「promised you」でアレンジがZARD王道ミディアムになったのにコーラスだけ倉木麻衣の初期曲のまま(Michael Africkのコーラスがガッツリ)とかなかなか不思議な感覚になる部分もある。

当時なりの試行錯誤の末にメチャメチャ薄味になってしまって味気ない曲もあったので「窓の外はモノクローム」とか「hero」辺りはオリジナルよりは良いと思う(ただし葉山たけしリアレンジ版がある「hero」はそっちの方がいい)。ただどうにもZARD王道っぽく短時間で打ち込みし直したインスタント感があってオリジナルの制作陣ほどの強いこだわりが感じられない。この点はどうにも残念というより何故鶴澤夢人1人に全曲丸投げ急造させてまでしてオリジナルを抹消したがるのかという長戸Pへの疑問が強く残った。最近の異様なまでに自分の存在を前に出したがるという以前のなるべく隠したがっていた頃とは真逆のスタイルも含めてプロデュースワークもどうも圧倒的慧眼でズバズバプロデュースしていた90年代前半までとは別人のようだ。

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印象度★★★☆☆

2021.10.10更新

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