止まっていた時計が今動き出した
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | 明日を夢見て(Album Mix Ver.) | 坂井泉水 | 大野愛果 | 小林哲 | 35thシングル 最高4位 売上6.2万枚 |
2 | 時間の翼 | 坂井泉水 | 大野愛果 | 小林哲 | 9thアルバム『時間の翼』一部収録曲 別アレンジ フルバージョン |
3 | もっと近くで君の横顔見ていたい | 坂井泉水 | 大野愛果 | 池田大介 | 37thシングル 最高8位 売上5.0万枚 |
4 | pray | 坂井泉水 | 徳永暁人 | 小林哲 | |
5 | 出逢いそして別れ | 坂井泉水 | 春畑道哉 | 春畑道哉・ 池田大介 |
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6 | 止まっていた時計が今動き出した | 坂井泉水 | 中村由利 | 徳永暁人 | |
7 | 瞳閉じて | 坂井泉水 | 大野愛果 | 徳永暁人 | 36thシングル 最高4位 売上4.4万枚 |
8 | さわやかな君の気持ち(Album Ver.) | 坂井泉水 | 徳永暁人 | Dr.Terachi& Pierrot Le Fou |
34thシングル 最高4位 売上7.0万枚 アレンジ大幅変更 |
9 | 愛であなたを救いましょう | 坂井泉水 | 栗林誠一郎 | 明石昌夫 | |
10 | 天使のような笑顔で | 坂井泉水 | 大野愛果 | 徳永暁人 | |
11 | 悲しいほど 今日は雨でも | 坂井泉水 | 大野愛果 | 小林哲 |
リリースデータ
2004年1月28日 2021年9月15日(リマスター) |
初登場2位 初登場36位 |
売上21.2万枚 売上0.1万枚 |
Produced&Directed by Izumi Sakai | B-Gram Records |
ZARD10thアルバム。前作から3年ぶりという最長のインターバルとなった。シングル4作を収録。『forever
you』以来の新曲の方が多いオリジナルアルバムになった。ブックレット一体型のデジパックビニールケース仕様となっており、オリジナルアルバムとしては初の特殊ジャケット形態(初回ではなく最初からこの仕様)。いつしか過去の写真や豆粒みたいな写真が増えていたがブックレットでは久々に撮りおろしの写真がふんだんに使われ、しかもアップの写真が多い。1位獲得が確実視されていたが月9ドラマ『プライド』主題歌に起用されたQUEENの新ベスト『ジュエルズ』が大ヒットして1位をかっさらっていってしまったので初登場2位となった。オリジナルアルバムでの連続1位もこれで途切れる事となった。綿密に狙って決めた発売日だったのにこの結果は想定外だったようでQUEENが洋楽であるのをいい事に当時は"邦楽1位"などと銘打って今作でも1位記録は継続しているかのようなをアピールをしばらくしていた。2021年に30周年を記念してオリジナルアルバム10作のリマスター盤と『時間の翼』のリアレンジ盤が一斉発売。『ZARD ALBUM COLLECTION』以来、単独では初のリマスターとなる。
「愛であなたを救いましょう」はストック曲であると坂井泉水自身が当時コメントしており、栗林・明石が復帰したわけではない。前作には2番サビからラストまでの未完成で収録されていた「時間の翼」はバージョン表記も無いが、アレンジャーが変更されておりキーもアレンジも異なる全くの別音源で収録されている。「明日を夢見て」は曲目には記載が無いが、クレジット部分にのみAlbum Mix Ver.と記載されている。「さわやかな君の気持ち」はアレンジャーが変更され、全く別のアレンジ。
サウンド面での試行錯誤(というかGIZAサウンドとの融合)の1つの回答であり、休止からの復活を宣言するZARD第2章の幕開けでもあるような1作。発売当時感じたのは現状のビーイングGIZAの総力を結集したような気合の入ったアルバムだなということだった。このアルバム最大の特徴はGIZA studioの主流だった軽い打ち込みサウンドで、主にドラムパートがメチャメチャ軽い、ギターサウンドもかなり控えめなので、アレンジの印象は総じて薄味。混迷していた『時間の翼』に比べると迷いが無く、比較的シンプルなので打ち込み中心ではあるが案外そのままバンドに置き換えて演奏できそうな曲が多い。そんな中で3〜5辺りはこれまでにない大人なZARDを打ち出していて薄味GIZAサウンドがうまくはまっているように思う。ただシンプルすぎてするっと突き抜けてしまったりもう少し派手なサウンドが鳴ってほしいと思えてしまう部分も大きい。そんな中で「止まっていた時計が今動き出した」では徳永暁人が奮闘して往年の王道を彷彿とさせる派手目なロックアレンジを施したり、シングル史上最高にアレンジが手抜きだった「さわやかな君の気持ち」もわりと派手にリメイクされているのを聞くとやはりこれを待っていた!という気分になるし、特に「止まっていた時計が今動き出した」には歓喜したオールドファンは多かったと思う。
ZARD自体は99年頃からリアルタイムで聞いていたが、初めて購入したのは今作なので思い入れ自体は深い。ただもっと前からずっと買い続けていたらそこまで思い入れのある作品になっていたかは微妙なところはある。最初に入る1枚ではないと思うけど、少し大人なZARDが聞ける落ち着いた1作だと思う。
印象度★★★★☆
2021.6.29修正