The Singles | The First Fifty Years
No | タイトル 邦題(カタカナ表記以外) |
作詞作曲 | 備考 |
1 | People Need Love | B.Andersson/B.Ulvaeus | 1stアルバム『Ring Ring』収録曲、1stシングル |
2 | He Is Your Brother | B.Andersson/B.Ulvaeus | 1stアルバム『Ring Ring』収録曲、2ndシングル |
3 | Ring Ring | B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus/N.Sedaka/P.Cody |
1stアルバム『Ring Ring』収録曲、3rdシングル |
4 | Love Isn't Easy(But It Sure Is Hard Enough) | B.Andersson/B.Ulvaeus | 1stアルバム『Ring Ring』収録曲 |
5 | Waterloo 恋のウォータールー |
B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
2ndアルバム『Waterloo』収録曲、4thシングル |
6 | Honey,Honey | B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
2ndアルバム『Waterloo』収録曲、5thシングル |
7 | Hasta Manana 落葉のメロディ |
B.Andersson/B.Ulvaeus | 2ndアルバム『Waterloo』収録曲 |
8 | So Long | B.Andersson/B.Ulvaeus | 3rdアルバム『ABBA』収録曲、6thシングル |
9 | I Do, I Do, I Do, I Do, I Do | B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
3rdアルバム『ABBA』収録曲、7thシングル |
10 | S.O.S. | B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
3rdアルバム『ABBA』収録曲、8thシングル |
11 | Mamma Mia | B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
3rdアルバム『ABBA』収録曲、9thシングル |
12 | Fernando 悲しきフェルナンド |
B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
4thアルバム『ARRIVAL+2』追加収録曲、10thシングル |
13 | Dancing Queen | B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
4thアルバム『ARRIVAL』収録曲、11thシングル |
14 | Money,Money,Money | B.Andersson/B.Ulvaeus | 4thアルバム『ARRIVAL』収録曲、12thシングル |
15 | Knowing Me,Knowing You | B.Andersson/B.Ulvaeus | 4thアルバム『ARRIVAL』収録曲、13thシングル |
16 | The Name Of The Game きらめきの序曲 |
B.Andersson/S.Anderson/ B.Ulvaeus |
5thアルバム『The Album』収録曲、14thシングル |
17 | Take A Chance On Me | B.Andersson/B.Ulvaeus | 5thアルバム『The Album』収録曲、15thシングル |
18 | Eagle | B.Andersson/B.Ulvaeus | 5thアルバム『The Album』収録曲、16thシングル |
19 | Summer Night City | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS +3』追加収録曲、17thシングル |
20 | Chiquitita | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS』収録曲、18thシングル |
21 | Does Your Mother Know | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS』収録曲、19thシングル |
No | タイトル 邦題(カタカナ表記以外) |
作詞作曲 | 備考 |
1 | Voulez-Vous | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS』収録曲、20thシングル |
2 | Angeleyes | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS』収録曲、20thシングル両A面曲 |
3 | Gimme! Gimme! Gimme! (A Man After Midnight) | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS +3』追加収録曲、21stシングル |
4 | I Have a Dream | B.Andersson/B.Ulvaeus | 6thアルバム『VOULEZ-VOUS』収録曲、22ndシングル |
5 | The Winner Takes It All | B.Andersson/B.Ulvaeus | 7thアルバム『SUPER TROUPER』収録曲、23rdシングル |
6 | Super Trouper | B.Andersson/B.Ulvaeus | 7thアルバム『SUPER TROUPER』収録曲、24thシングル |
7 | Lay All Your Love on Me | B.Andersson/B.Ulvaeus | 7thアルバム『SUPER TROUPER』収録曲、25thシングル |
8 | One of Us | B.Andersson/B.Ulvaeus | 8thアルバム『The Visitors』収録曲、26thシングル |
9 | Head over Heels | B.Andersson/B.Ulvaeus | 8thアルバム『The Visitors』収録曲、27thシングル |
10 | When All Is Said and Done | B.Andersson/B.Ulvaeus | 8thアルバム『The Visitors』収録曲 |
11 | The Day Before You Came | B.Andersson/B.Ulvaeus | 8thアルバム『The Visitors +4』追加収録曲、28thシングル |
12 | Under Attack | B.Andersson/B.Ulvaeus | 29thシングル |
13 | I Still Have Faith in You | B.Andersson/B.Ulvaeus | 9thアルバム『Voyage』収録曲、30thシングル |
14 | Don't Shut Me Down | B.Andersson/B.Ulvaeus | 9thアルバム『Voyage』収録曲、31stシングル |
15 | Just a Notion | B.Andersson/B.Ulvaeus | 9thアルバム『Voyage』収録曲、32ndシングル |
16 | Little Things | B.Andersson/B.Ulvaeus | 9thアルバム『Voyage』収録曲、33rdシングル |
17 | No Doubt About It | B.Andersson/B.Ulvaeus | 9thアルバム『Voyage』収録曲、配信シングル |
リリースデータ
2024年10月25日 | 初登場44位 | 売上0.18万枚 | All songs Produced by Benny Andersson&Bjorn Ulvaeus | ユニバーサル |
メンバー
Agnetha Faltskog |
Bjorn Ulvaeus |
Benny Andersson |
Anni-Frid Lyngstad |
ABBA世界デビュー50周年記念ベストアルバム。1972年デビュー起点ではなく、「Waterloo」での世界デビューから50周年という扱い。また発表自体は2021年の『Voyage』だが「No Doubt About It」がシングルカット扱いで配信されたのが2022年になってからであったため、1972年〜2022年までの50年という意味合いも込められていると思われる。解説の記載では母国スウェーデンのポーラーミュージックがリリースした全34曲の英語のシングルと数ヵ国でシングルA面になった人気曲も収録したとされているがどの曲がシングル以外の曲なのかは明記されていない。リリース順での収録。9thアルバム『Voyage』がリリースされてからは初のベスト盤となったため、「I Still Have Faith in You」〜「No Doubt About It」の5曲はベスト盤初対象・初選曲となった。
スウェーデンで発売されたシングルについて明確な資料が無く、英語版Wikipediaの記述を参照したが配信も1枚としてカウントすると34作になるが、両A面「Angeleyes」があるので35曲になってしまい1曲多い…?「Love Isn't Easy」「Hasta Manana」「When All Is Said and Done」の3曲がスウェーデンでシングルとしては発売されずにカウント除外なのは間違いないはず。
国内盤デラックス・エディションは高音質SHM-CD仕様で7インチ紙ジャケット仕様。両面ポスター、ステッカー・シート封入。CDは『Waterloo』シングルEPをスキャンしたディスク・ホルダーの両A面に装着する仕様。
国内盤通常盤は通常のジュエル・ケース仕様、SHM-CD。
2種共に生産限定盤とされる。
輸入盤は2CD、4LP仕様が存在する。
類似作に2001年の『The Definitive Collection』があるがこれはイギリス準拠でのシングルコレクションとされていた。今作は本国(スウェーデン)とされていてこれに伴ってか一部選曲が異なる。『The Definitive Collection』とほとんど同じながらDISC-1には日本でシングル化されたため日本での人気が高い「Hasta Manana」が新たに追加され、DISC-2は逆に「On and on and On」「The Visitors」「Thank You For The Music」が削除されている。両A面2曲目の採用基準はもっと曖昧で掲載されている当時のシングルジャケ写では他にも両A面表記になっているシングルがあり、「The Visitors」「Thank You For The Music」もそんな両A面2曲目表記がある(他国では1曲目でもリリース)のだが、正式には『Voulez-Vous/Angeleyes』だけという扱いになっているようだ。
「Dancing Queen」の波形
今作のリマスターは小さめに小綺麗にまとめるという近年目立ってきた傾向のリマスターだが、実際波形でも目に見えて音の小ささは出ていた。3つが2001年音源で並んでしまったのでほぼ同じだが、『ARRIVAL』の2006年デラックスエディションや『ABBA GOLD』の2008年リマスターはたぶんもう少し上げているはず。2014年の『40/40 THE BEST SELECTION』ではガッツリ音圧を上げた迫力マシマシリマスターの典型でちょっと過剰だったのが分かるが、今作は一転してかなり小さくまとめており、近年のリマスター全体の傾向である"普段よりボリュームを上げて聞くのは必須だがとても小綺麗になったリマスター"の典型的なパターンかなという印象。なんか今回しょぼくない?と思ったらとりあえずボリュームをガッといっていいと思う。
『ABBA GOLD』以降のベストアルバムは基本的に順番はバラバラだが選曲はシングル中心で世界的に1992年の発売以来CDの時代の最定番ベスト扱いされてきた『ABBA GOLD』は結局のところシングル曲しか選曲されていない。ドラマ主題歌効果で日本で最もヒットした2001年の『S.O.S.-THE BEST OF ABBA』も同様にシングル曲しか選曲されていなかった。今作とほぼ同内容の時系列シングルコレクションである『The Definitive Collection』は日本では注目されずチャート圏外に終わっていて日本においてはABBAの時系列でのベスト盤はあまり流通していなかったので(他にはBOX『THANK YOU FOR THE MUSIC』くらいか)、その点ではここに来て新鮮な1作と言える。2014年日本限定発売でここまで10年新たな定番となっていた『40/40 THE BEST SELECTION』はアルバム曲からも幅広く選曲されていたがやはり時系列はバラバラだったので、今作と『40/40 THE BEST SELECTION』、被りは多いが目的は少し異なる感じだろうか。また当然2021年の復活作『Voyage』まで選曲対象になったベストアルバムは初なのは大きい。
基本的に今でも日本でも有名なABBAの楽曲のほとんどはシングル曲で、アルバム曲にも多くの有名曲があるという感じではない。一定数のファンはいるものの、オリジナルアルバム単位ではあまり重要視されていない感もあるし、シングルコレクションである今作に重要な曲が抜け落ちているという感覚はあまりない。まあ「The Visitors」「Thank You For The Music」辺りはアルバムの表題にも使用されている曲達だし、「She's My Kind Of Girl 木枯らしの少女」は当時日本でヒットしたらしいのでこの辺りが抜けていると網羅的ではないのかもしれないが…。それよりもヒストリー的に時系列で辿れるのがやはり最大の魅力。こうして並べるとDISC-1の70年代の方がサウンド面での普遍性が高く、DISC-2の80年代になるとどの時代とも違う80年代特有の音の響きが感じられ少し時代性を感じてしまう部分もある。一貫してポップミュージックとしてキャッチーで耳に残る時代を超越できるヒットチューンが並んでいる印象ではあるが、最盛期はやはりDISC-1中盤〜DISC-2せいぜい序盤にかけてになるだろうか。DISC-2になると表面的にはポップなんだけどどこか落ち着いたトーンの曲が増えて以前のような煌めきが無くなってくる。これは歌詞で顕著で「The Winner Takes It All」辺りからは夫婦となっていたAgnethaとBjorn、FridとBennyが相次いで離婚し、あからさまに別れた男女の関係が歌詞に反映されているのもあって訳詞を見るとほのめかしどころかかなりストレート。ただ曲を書いているのが歌詞も含めて一貫して男性陣2人の連名で、女性陣2人はボーカリストに徹しているスタイルでありながら日本語訳詞が〜なの、〜だわ等語尾が全て女性言葉になっているので、この辺りのニュアンスって実際のところどうなんだろうか。歌っているのが女性だから女性視点で訳しているんだろうけど…。
新たなる決定盤ベストというよりは時系列オールタイムシングルコレクションという目的の異なる新たなる選択肢の1つといった装いの1作。現在の日本では『ABBA GOLD』に続編『MORE ABBA GOLD』がセットになったバージョンもそこそこ流通しているので(逆に『MORE ABBA GOLD』単品流通がほとんどない)最定番はそれとして、シングルにこだわらず日本での人気曲40曲を集めた日本向け決定盤を『40/40 THE BEST SELECTION』、同じく日本向けで当時のドラマ主題歌起用からCDでダントツ最大ヒットを記録したために流通量もダントツで最も廉価で入手可能な1枚モノ入門盤として『S.O.S.-THE BEST OF ABBA』といったところか。
パッケージに関してはデラックス・エディションは単に7インチジャケットになったというくらいで未発表写真もその分だけ大きいものの資料としてはイマヒトツ。歴代シングルジャケットも写真がズラっと並んでいるだけで、発売日のデータすらない。解説には一通りの歴史が網羅されているものの、オリジナルのライナーを日本語訳しただけで、日本盤独自の解説も1曲ごとの解説も無い。その点はもう少し手間をかけてほしかった。
印象度★★★★☆
2024.12.14更新