ROCK ON!
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 備考 |
1 | EAGLES STRIKE | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路・侑音 | |
2 | SHE'S THE QUEEN | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路・侑音 | |
3 | EXTREME JOURNEY | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路・侑音 | |
4 | ROLLING LOVE | 池森秀一 | 山根公路 | 山根公路・侑音 | |
5 | KISSの行方 | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | |
6 | DOOR | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | |
7 | CLASH〜心の衝突〜 | 池森秀一 | NOSUKE | 侑音 | |
8 | DEEP IN MY SOUL〜上海ロックスター LAST EPISODE〜 | 山根公路 | 山根公路 | 侑音 | 山根公路メインボーカル(ツインボーカル体制) |
9 | ROSES | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | |
10 | YOU ARE MY OASIS | 池森秀一 | 山根公路 | 侑音 | |
BONUS TRACK | |||||
11 | 夏の雨 (Live at Billboard Live TOKYO) |
池森秀一 | 山根公路 | DEEN | 初回生産限定盤のみ 11thアルバム『クロール』収録曲 |
11 | ひとりじゃない〜SKA Style〜 (Live at Billboard Live TOKYO) |
池森秀一 | 織田哲郎 | DEEN | 通常盤のみ 16thアルバム『バタフライ』収録Ver. 原曲は9thシングル |
11 | レールのない空へ (Live at Billboard Live TOKYO) |
池森秀一 | 鈴木寛之 | DEEN | 完全生産限定盤(FC限定)のみ 28thシングル |
11 | 君がいない夏<acoustic version> (Live at Billboard Live TOKYO) |
小松未歩 | 小松未歩 | DEEN | 配信版のみ 32ndシングル『Starting
Over』C/W収録Ver. 原曲は12thシングル |
通常盤、完全生産限定盤(FC限定)は未入手なので「ひとりじゃない 〜SKA Style〜」「レールのない空へ」は未聴。
初回生産限定盤のみDISC-2(CD)&DISC-3(Blu-ray)
DEEN AOR
NIGHT CRUISIN'〜6th Groove〜
2024/9/1(sun.) Billboard Live TOKYO 2nd
Stage
リリースデータ
2025年1月22日 | 初登場20位 | 売上0.3万枚 | Produced by DEEN | Epic Records |
メンバー
Vocal | 池森秀一 |
Keyboards,Back-up Vocals,Vocal & Chorus Arrangement | 山根公路 |
DEEN22ndアルバム。公式は全アルバムカウントで39th扱い。前作から1年ぶり。前作以降新曲リリースは無く、全曲新曲で構成され、先行配信すら1曲も無い全曲初出音源となった。前作でシティポップ路線でのアルバムを完結と銘打っており、今作では"DEEN's ROCK"を2006年の『Diamonds』以来掲げている。“KING OF ROCK & POP ALBUM”とも形容され、全曲タイトルにレジェンドロックアーティストへのオマージュが散りばめられている。
初回生産限定盤は「DEEN
AOR NIGHT CRUISIN'〜6th Groove〜」2024年9月1日ビルボード東京公演2nd
StageのライブCD、ライブBlu-rayが付属。スリーブケース仕様。
完全生産限定盤(ファンクラブ限定盤)は前作『DANCE IN CITY〜for groovers only〜』全10曲のMVと未公開の「funky
fresh <another version>」を収録したMUSIC VIDEO集Blu-ray付属、アナザーブックレット仕様。
通常盤はCDのみ。
配信版含めて今回もボーナストラックのライブ音源が4種全て異なる。これは初回生産限定盤に収録されているビルボード東京公演2nd
Stageとセットリストが全て異なっていた1st
Stage公演からの抜粋4曲となる。
今作では侑音以外のアレンジャーの参加が無くなった一方で、2人になってから編曲から撤退していた山根公路の編曲参加が前作での2曲(大平勉との共同名義)から4曲へと倍増した。
当初の告知時は"遊び心を込めた歌詞"としか書いていなかったが、曲目発表時に"レジェンドロックアーティストたちへのオマージュが散りばめられた楽曲タイトルや歌詞にも遊び心が溢れる"となり、"楽曲タイトルや歌詞にはレジェンドロックアーティストへのリスペクトが散りばめられており、遊び心あふれる内容"と情報を出すたびに書き方が変わっていったが、オマージュやリスペクトがどういうことなのかは明かされていなかった(まあタイトルは見れば分かるんだけど)。ちゃんと記載されたのはディスコグラフィーページの方に今作を載せた際で、ここでようやく"レジェンドロックアーティストの名前を全ての収録曲のタイトルに、楽曲名を歌詞に盛り込んだ遊び心も満載の作品"と具体的な言及がされた(何故かページ内部には書かれていない)。
全曲タイトルに洋楽バンド名が使用され、歌詞にはそのバンドの曲名を必ず入れるというのも課していたようで各楽曲1〜3曲ほどそのバンドの曲名が仕込まれている。「Roses」はタイトルだけだとGuns N' RosesなのかThe Stone Rosesなのか分からないが曲中に使われているのがGuns N' Rosesの曲名なのでGuns N' Rosesの方だと分かる。アルバム全部聞いたのはイーグルスとオアシス、ベスト聞いたのがクイーンと3組しかまともに聞いていないので残りはさっぱり分からずざっと調べたところ以下の感じだと思うが、代表曲を使うというよりかは使いやすくてなるべく有名な曲という選定基準になっていると思われる。さすがにイーグルスで「Hotel California」を使ったり、オアシスで「Don't Look Back in Anger」とかいきなり繰り出す歌詞としては難しいし。「Live Forever」くらいなら頑張れば持って行けそうだけど。山根さんがファンを公言していて真っ先に出てきそうなビートルズを今回使わなかったのは意外だが、曲中に直接"ビートルズ"を出した事がある(キズナ)、ビートルズへの思いをそのまま歌詞にして自ら歌った事がある(Forever Friends)と過去に何度かビートルズネタを使っているためだろう。
もしかしたら細かいフレーズなどでそのバンドの要素を取り入れたりしているのかもしれないが、EaglesとOasisでも特に分からなかった。またこれまでいくつかの媒体には出ていたが今作はメディア取材を受けていないようでインタビューはゼロ。ラジオ出演も告知程度な上、1月27日のフジテレビ『ノンストップ!』やBSフジ『小山薫堂 東京会議』は蕎麦森としての仕事だった(たぶんオマケでニューアルバム発売を最後に告知して「池森秀一さんでしたありがとうございましたー」っていう全く印象に残らないやつ)。さらにはニコ生、YouTube配信など近年はアルバム発売時に積極的に活用していた生配信も一切行わなかった。このため今作についてのメンバー発信の情報はWeb上に全く出回っていない。発売から1ヶ月以上経過してから『サウンド&レコーディング・マガジン』4月号に唐突に登場し、初めて録音環境や機材を中心としたインタビューに応じており、この中で今作についても触れている。インタビューでは"歌詞にも有名な曲の歌詞や単語を幾つか入れてますよ"、"1曲に2,3個"と語っており、何故か曲名だと言っていない。言い間違えなのか、本当に歌詞の中から単語を使っているのか不明でさすがに洋楽の歌詞の中身(フレーズ)までいちいち把握していないので、下記は歌詞中に登場する英語から該当バンドの曲名そのままになっている部分を拾い上げたものとなる。※抜けがあるよ!という場合はメールフォームからお知らせくれれば追加します。
バンド名 | 歌詞に出てくる曲名 |
Eagles(1971〜1980、1994以降断続的に再結成) | Take It Easy、Desperado |
Queen(1973〜1991、フレディ没後断続的に活動) | Don't Stop Me Now、I Was Born To Love You |
Journey(1975〜) | Don't Stop Believin'、Escape |
The Rolling Stones(1964〜) | Come On、Tell me、I Wanna Be Your Man |
KISS(1974〜) | Crazy Nights、I Want You、I Was Made For Lovin' You |
The Doors(1967〜1971) | Light My Fire、Hello,I Love You |
The Clash(1977〜1985) | One More Time、Lover's Rock |
Deep Purple(1968〜1974、1984〜) | I'll Catch You |
Guns N' Roses(1987〜) | Don't Cry、November Rain |
Oasis(1994〜2009、2025) | Stand by me、Whatever |
思っていた以上にしっかりロックなアルバム。「DOOR」「ROSES」以外はアップテンポなロックナンバーで押しまくるパワフルな1作だ。侑音になってからギターが遠慮しすぎなところがあったが、今作ではしっかりとギターもロックしている。ストリングス不使用、サックスを4曲で使用(うち2曲はトランペット、トロンボーンも招いたブラス隊編成)しているので、ひたすらのギター押しではなく、ブラスが彩って華やかな部分もあるのは今のDEENらしいところか。過去のロック系のアルバムでももう少し違う系統の曲もあったので、今作は過去最高に統一感のあるロックロックした(?)アルバムだと思う。それだけにボーナストラックがあまりにもボーナストラック過ぎるというか、AOR NIGHT CRUISIN'のライブ音源なので方向性が違い過ぎ。せっかくの統一感がちょっともったいない…。ただボーナストラックが無い10曲だと40分にも届かないのでさすがに短すぎるし、40分に持っていくために必要ではあったのかもしれない。
気になるところでは前作までのシティポップ路線でもこの傾向はあったが、今作では特に前半のロック色が強い曲ほど一瞬誰だか分からないくらい声が違う、高音の発声が薄めでコーラスのように聞こえる部分が目立っているような…(山根さんのストレートな高音発声のたぶんデモをそのままトレースしたような歌い方)。シティポップの時はサウンドに合わせてあまり主張しない歌い方をしているのかなとも思ったが、今作では時に爆音サウンドに呑まれ気味の薄めの声になっているので以前のロックナンバーの時とはだいぶ様子が違う。サウンドの方向性としては『Diamonds』よりも『Graduation』のロック色が強いナンバーの方向性に近く、ガツンとした勢いのあるロックナンバーが並ぶ一方で割と横一線で意外と1曲1曲では残りにくい。さらっと一気に最後まで駆け抜けていき、ノリはいいのでわりかし何度でも聞ける。
いつものラストバラードナンバーっぽい「ROSES」が1つ手前で出てきて、最後は「YOU ARE MY OASIS」でガツンとロックに締めるというのはさりげなく今までやってこなかった新鮮な部分だと思う。ロック色の強いアルバムでも『The DAY』の最後はアカペラ曲だし、『Diamonds』も最後はアコースティックナンバーだったし、『Graduation』も最後だけ毛色の違うバラードだったし、今作で「ROSES」を最後にしなかったのはかなり意識的にそうしたような感じがする。また「CLASH〜心の衝突〜」の作曲でいきなり出てきたNOSUKEって誰?そういうところも含めて今作は語ってほしいところがけっこうあるんだけどなぁ…。
『全開恋心!!〜Missing You〜』を最後に出番が無く、ほぼ10年ぶりとなった上海ロックスターだが「DEEP IN MY SOUL〜上海ロックスター LAST EPISODE〜」でまさかの最終回。過去に遡る形でEpisode 3,2,外伝,1.5と刻んでいたのでEpisode 1をまだやっていなかったんだけど、1作目の「上海ロックススター」の時系列の先となるまさかの上海ロックスターの最期を直接描写してきたのはあまりに予想外。いきなり"もう目覚める事はない"とか"あの世"とかマジでド直球で上海ロックスター死んじゃってるんだけど久々の新曲で物凄い勢いで畳んできたな。山根さん、いよいよ還暦間近59歳という自身の年齢もあるけど、判明しているだけでここ5年ほどで妹の旦那さん(居酒屋 千の二代目)と、かつて上海ロックスターのムービーにも登場した事がありその後は妹夫婦に任せていて隠居していた実の父親(居酒屋 千の初代)を相次いで亡くしているみたいだし、ちょっと重みが…。しかしこれ大丈夫なの?曲調はそうでもないけど、いかんせんここまでの流れが全く無く("Episode 1"まで行ってから"現在"に戻ってそして"最期"、と少なくとも間にあと2曲は必要だったのでは)、急に殺されちゃった感じで唖然とするばかり。
印象度★★★★☆
2025.3.9更新