Out Of Blue
No | タイトル | 作詞 | 作曲 | 備考 |
1 | Teenage Last | 松本素生 | 松本素生 | |
2 | 天使たち | 松本素生 | 松本素生 | |
3 | Driffting Drive | 松本素生 | 松本素生 | 26thシングルC/W |
4 | Anti Hero | 松本素生 | 松本素生 | |
5 | 45rpm | 松本素生 | 松本素生 | |
6 | スパイス(Alternative Ver.) | 松本素生 | 松本素生 | 24thシングル(ライブ&事務所通販限定)『ならば青春の光』C/W 再録音 |
7 | out of blue | 松本素生 | 松本素生 | |
8 | Soul Train | 松本素生 | 松本素生 | 25thシングル(ライブ&通販限定)両A面曲 |
9 | 天国の口、終わりの楽園 | 松本素生 | 松本素生・ 橋口靖正 |
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10 | tha band | 松本素生 | 松本素生 | 26thシングル 最高69位 売上0.06万枚 |
リリースデータ
2016年8月24日 | 初登場56位 | 売上0.12万枚 | Produced by GOING UNDER GROUND,橋口靖正 | ビクター |
メンバー
Vocal,Guitars | 松本素生 |
Guitars,Chorus | 中澤寛規 |
Bass,Chorus | 石原聡 |
Additional Musician | |
Keyboards,Guitars,Chorus | 橋口靖正 |
Drums | 冨田政彦 |
GOING UNDER GROUND11thアルバム。2年半ぶりのアルバム。2015年1月の渋谷公会堂でのライブを持って河野丈洋が脱退。このライブを収録したDVDリリースを最後にインディーズ時代から在籍していた事務所アクアミュージックを離脱。公式サイトもアドレスごと一新され、新体制でまずは自主制作に近い形でライブ会場&通販限定でシングル「もう夢は見ないことにした/Soul Train」をリリース。2016年になってYouth Recordsと契約してシングル「the band」をリリース後、ビクターと再契約してメジャー復帰となった(後に1ショット契約だったと明かされれていてビクターでのリリースは今作のみだった)。「もう夢は見ないことにした」は未収録。また河野在籍時のシングル『ならば青春の光』C/Wだった「スパイス」は現メンバーで再録音した別バージョンとして収録された。バンドの再スタートを高らかに宣言してのリリースだったが、売上は前作を下回った。
2枚目のファーストアルバムとも銘打たれ、3人になって事務所も離脱しての文字通りの再出発作品という触れ込みでそれだけの勢いがみなぎったロックアルバム。一応青春が終わったその先を歌ってはいるんだけどそれよりも改めてバンドを続ける事、バンドを楽しむことを取り戻し、らしさとかこだわらずに今やりたいロックを今なりにかき鳴らしているといった印象。良くも悪くもストレートな作品で、物足りない部分もあるにはあるけど今回に関しては新たな始まりを感じられればそれでいいのかなと思う。どうも09年の伊藤洋一脱退辺りから事務所の経営体制はかなり苦しかったみたいだし、負の連鎖を断ち切れたのであれば今度こそその先へ行けるのかなと。
4人になってからの3枚のアルバムでは発売のたびにインタビューでほぼ毎回のように前作の頃はあまりバンドの状態が良くなかったが今回は傑作だというような趣旨を語っていた。同時に青春が終わったと感じているみたいな事も言っていて実際に青春が終わったその先はもうとっくに歌にもなっていた。「シナリオライター」(『Roots&Routes』)なんかその色が特に濃い名曲だったし、「ALONE AGAIN」や「ならば青春の光」は終わってしまった切なさを歌っていて辛い部分も感じられた。なので今回また青春が終わると言われてもずっと聞いているリスナーからすれば青春終わる詐欺状態だし、毎回続いていた過去を下げて新作を持ち上げるインタビュー芸もまたそれか…という感じがあったのも事実。
思ったほど売れなかったのは繰り返されたこのパターンで愛想尽かされたところが大きそうな気がするし(気に入っていた過去作品を毎回下げられれば熱が冷めても仕方ない)、青春が終わったその先の見せ方は前々作や前作の方が鮮烈だったと思う。今作は青春とか関係なく、そんな季節はとっくに過ぎ去ったのは大前提として、新体制でのリスタート、もう1度バンドをやるという初期衝動を取り戻したところが焦点だと考えれば確かな良作と言える。青春に対して感傷的になったり、引きずるのではなく、ひたすら前を見ているのでタイトルからして後ろ向きな感じがしてしまう「もう夢は見ないことにした」だけ未収録になったのは納得だし、この先が楽しみになる。ただこれで次回作の時にもまたインタビューで「前は正直新体制に慣れずにいっぱいいっぱいでいい曲も少なかった。今回は本当にいい状態で制作が進んで全部いい曲」とか言い出したらどうしようか…
印象度★★★★☆
2016.11.6更新