TOKIO 20周年レビュー〜J Storm 2008-2014〜
ジャニーズとしては異例の3社目への移籍は嵐の専属レーベルとして01年にスタートしたジャニーズ自社レーベルのJ Stormだった。このためメンバーは「嵐の後輩です」とコメント。2009年にはデビュー15周年を迎えたものの「先輩」の嵐が10周年で大々的にやっていたため、まさかのシングル1作ポッキリ。ライブも15周年を盛大にアピールするのではなくメンバー全員30代になったというのを押し出したものだった。移籍当初はアルバムをすぐに出す事を約束していたが(「雨傘」特典DVDより)、1年後にはトーンダウン(「太陽と砂漠のバラ」特典DVD)、結局アルバムが出ないままで、2010年に3作出した以外は年1でシングルを出すだけという寂しい状態が続く。2012年にようやくアルバムがリリースされたものの、この時期になると一気に最低売上を連続更新してしまい、干され&低迷の時期を迎えた。しかし『17』アルバム曲を全て自作で行い、「リリック」以降、先に準備されていた「手紙」を挟んで、TOKIOは自作でやっていくという形に方針変更が決定。以降は長瀬をサウンドプロデューサー的な役割に置いて、メンバー主導での楽曲制作へ移行した。20周年を迎えた2014年、どうせ"J Stormの先輩"嵐の15周年にかき消されるんだろうという10周年時の悪夢をぶち破るまさかの高待遇。メディアで積極的に20周年を祝う扱いが続き、ロックフェスへの出演などもあり、ロックバンドTOKIOが初めてファン以外に認知されていく現象も起こり始めた。
その一方で歌謡ロックで迷走した路線は再びバンド中心のシンプルなものへと回帰していった。歌謡ロック期にこだわっていた長瀬完全単独ボーカルもそこまでこだわらなくなり、メンバーそれぞれがピックアップされる曲も増えた。この時期に充実していたのはライブであり、本数はやはり少なかったもののその充実と成長ぶりはDVD『OVER/PLUS』や『1718』で確認する事が出来る。
※『17』発売時の2012年にC/Wまで加えて全面的に書き直したものを2014年20周年の際にさらに追記修正しています。この項ではさらに残り2年分のシングルを追加しています。
39thシングル 雨傘/あきれるくらい僕らは願おう
08年9月3日
シングルとしては10ヶ月に沈黙を経ての移籍1発目にして08年唯一のシングル。移籍後は極端にリリースが遅くなり年1ペース。アルバムも2012年まで一切出ないという冬の時代へ突入する。雨傘
作詞作曲:椎名林檎、編曲:東京事変
松岡主演ドラマ「ヤスコとケンジ」主題歌。完パケされた曲提供としてはつんくとその取り巻きアレンジャーに提供されて以来だろうか。椎名林檎の意向とやらでサビでは長瀬の限界を若干越えるくらいの高音に達する。このため、TV出演やライブの際はかなり苦しい事になっていた。歌謡ロック路線ともそれ以前のストレートなロック路線とも最も多いポップロックな作風とも異なるTOKIOとしては新鮮な作風。演奏もかなり難しそう。長瀬の単独ボーカル曲だが、余計な装飾音は無く、アウトロの演奏も長いので、演奏が堪能できる。最初は違和感が強かったが、慣れてくるとかなり好きな曲の1つになった。
★★★★★
12thアルバム『17』
3rdベスト『HEART』通常盤のみC/W 渦中の男
作詞作曲:椎名林檎、編曲:東京事変
かなり激しいロックサウンドが炸裂し一気に駆け抜けるので2分ちょっとしかない短いナンバー。椎名林檎をそこまでちゃんと聞いたことが無くても、容易に椎名林檎に置きかえられるくらいTHE 椎名林檎なメロディーラインである。そして相変わらずキーがギリギリ。ちょっと聞いてても苦しいくらいムチャを要求されている感じが…。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W 上昇思考
作詞作曲:山下和彰、編曲:大西省吾
国分メインボーカル曲。ハイテンポなロックサウンドに乗せてやや拡声器を通したようなボーカルだが元気に盛り上げるノリノリの曲。ライブではキーボードから離れてハンドマイク片手に熱唱。歌う前には「関係者席のみなさんが立ち上がらないと僕はボイコットします!」などと関係者席にムチャぶりしている様子が『OVER/PLUS』に収録されている。この時のノリは非常にいいだけにCD版はもうちょっとボーカルを加工せずに自然にしてほしかった気はする。
★★★☆☆
アルバム未収録あきれるくらい 僕らは願おう
作詞作曲:ヒロイズム、編曲:山原一浩
「メントレG」テーマ曲。通常盤では4曲目に収録されているが、初回盤では2曲目。ごく普通のポップロックミディアムソングで、J Storm移籍後のA面曲の中では最も影が薄い。A面扱いされたのはタイアップがあったから以外に理由が無さそうだし、初回盤BにはPVも収録されているものの何故か途中で終わるなど手抜きされている。またシングルでは演奏がフェードアウトして終わるが、『17』ではフル収録されており曲がちゃんと終わる。特にアルバムバージョンの表記は無い。
★★★☆☆
12thアルバム『17』(初回盤のみ)(フェードアウトしないアルバムバージョン)雨傘/あきれるくらい 僕らは願おう(初回限定盤A)(DVD付)
雨傘/あきれるくらい 僕らは願おう(初回限定盤B)(DVD付)
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40thシングル 太陽と砂漠のバラ/スベキコト
09年8月19日
デビュー15周年のアニバーサリーイヤーだったはずだが、嵐の10周年にかき消されてリリースはこれ1作ポッキリ。あからさまに干されまくりな15周年となり、ツアーもわずか3本のみ。しかもそのライブに15周年の冠は無く、全員30代になった事から「OVER 30's WORLD」というタイトルだった。太陽と砂漠のバラ
作詞作曲編曲:清水昭男
長瀬主演ドラマ「華麗なるスパイ」主題歌。余計な装飾音は無く、バンドサウンドになっているもののそこはかとなく平坦な印象。これまで清水昭男は他アーティストへの提供に際しても主に作詞作曲までで、編曲まで手掛けるということはほとんど無かった。ゆえに編曲までは得意としていないと思われ、その不慣れ感が思いっきり出てしまった感じか。案の定この編曲が無難すぎて印象が薄い。歌詞もメロディーも名曲「Yesterday's」と遜色ない曲ではあるが、どういうわけかサウンド全体のバランスがどこかのっぺりしているのも微妙に感じる理由の1つ。もう少しガツンとさせた方が良かったのでは…。年末歌番組と紅白はこの曲しかなかったのでしょうがなかったが、この年が最も地味だった。
★★★☆☆
12thアルバム『17』スベキコト
作詞:城島茂、作曲:国分太一、編曲:野間康介
「5LDK」テーマ曲。久々の自作曲。野間康介の編曲によりやや打ち込み要素も入りつつもバンドメイン。1つか2つほどキーを下げて国分がメインで歌っても良かったんじゃないかという感じで、サビは「上昇思考」に近い元気なノリ。当初あまりピンと来なかったが、今ではわりといいなと思える。
★★★☆☆
12thアルバム『17』(初回盤のみ)
3rdベスト『HEART』通常盤のみC/W 誓い
作詞作曲:城島茂、編曲:KAM
城島と山口が歌っている。01年にTOKIOを変えたアレンジャーの1人であるKAMはやはり分かっている!といった感じのロックナンバー。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W Cross Fade
作詞作曲編曲:HIKARI
過去の「Symphonic」「glider」等を髣髴とさせる壮大ロック。スピード感とストリングスを駆使した壮大さで曲のスケールも果てしなく大きく、何故この曲が通常盤のみのC/Wで4曲目などに収まっているのか謎すぎる名曲。間違いなく今作最大の収穫はこの曲だ。
★★★★★
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41stシングル advance/また朝が来る
10年2月3日
J Storm移籍後で唯一年間で3枚もシングルが出たので、その勢いでアルバムが期待されたが何も無し。それどころかツアーさえ無かった。そんな2010年。advance
作詞作曲:小形誠、編曲:大西省吾
ヤマト運輸CMソング。TOKIO自らが配達員となったCMが大量オンエアされたので、サビくらいは聞けば知っている人も多いのではないだろうか。シンプルかつアップテンポなロックナンバー。ユニバーサル初期のTOKIOが久々に帰ってきた感がある。これぞTOKIO王道。やや音がコンパクトにまとまっていてあの頃ほどラウドではない感じもするんだけど、個人的には久々に1発で気に入った曲だった。
★★★★☆
12thアルバム『17』また朝が来る
作詞:山原一浩&阿部祐也、作編曲:山原一浩
ドラマ「ROMES/空港防御システム」主題歌。メンバー出演ではなく、関ジャニ∞の大倉と安田が出演していたNHKのドラマで、TOKIOメンバーが出演していないドラマタイアップはこれが史上初。何で普通に関ジャニ∞が主題歌じゃなかったのだろうか。長瀬単独ボーカルによるミディアムロックだが、Bメロとサビのキーがべらぼうに高い。「雨傘」も凄かったがこの曲も何気にキンキンに張り上げた高音が続くのでかなり凄い曲である。1発で気に入った「advance」とは対照的に当初イマイチに思えたが、聞き込んで来たらけっこうな名曲に思えてきた。
★★★★☆
12thアルバム『17』(初回盤のみ)通常盤のみC/W CRY FOR THE MOON
作詞作曲編曲:オオヤギヒロオ、Horn Arrangement:村田陽一
深夜ドラマ「0号室の客」後期主題歌。嵐、NEWS、関ジャニ∞、TOKIOのメンバーが3〜4話ずつ主演交代していったドラマで6つあったストーリーのうち、4つ目までは嵐(「マイガール」のC/W「時計じかけのアンブレラ」)が主題歌で、残り2つでTOKIOに交代した。TOKIOのドラマへの関与は6本目での城島が主演したのとその演出に松岡がクレジットされていたことのようだが見ていないのでよく分からない。C/Wにまでタイアップがついたのは珍しいが、あまりA面っぽくはない。ホーンを駆使したジャジーなナンバーでけっこう異色な出来。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W Period
作詞作曲:清水昭男、編曲:長岡成貢
まったりした山口ナンバー。ストリングスがメインで、山口のボーカルからも美しさを感じる曲だが、どうにもこの手の曲は苦手である。
★★☆☆☆
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42ndシングル -遥か-
10年6月16日
作詞:前田亘輝、作曲:春畑道哉、編曲:山原一浩
鉄腕DASHのコーナーの1つであるDASH海岸のテーマ曲。09年7月からさりげなく使用されていた曲がこのタイミングでようやく発売された。TUBE提供曲で編曲は山原一浩だが、穏やかな曲調は同時期に制作されたと思われる09年にTUBEがリリースした「Summer Greeting」と同系統の作風。発売されなかったのは単純にちょっと地味なので浸透するのを待っていたとかそういうことだろうか。今作以降で唯一5万枚を越えて、唯一1位も獲得した曲だが、1位獲得はSound Horizonに敗退確定だったところを謎の土日キャンペーンにより爆上げしての1位奪取だった。しかし土日で上昇した売上枚数がキャンペーン効果にしてもあり得ない数字にまで達してしまい、前作累計を初動だけで突破するなど、本人稼働があったわけでもないキャンペーン程度でここまで売上が上昇するのは不自然極まりない状況になったため、自社買い疑惑まで浮上する始末。この反動で当時の1位からのランクダウン記録となる2週目31位まで吹き飛ぶなど、ヒットしたとは言い難く、個人的には、J Storm移籍後では逆に最も地味なシングルだと思う。
★★★☆☆
12thアルバム『17』通常盤のみC/W Everlasting
作詞:阿部祐也、作編曲:山原一浩
ストリングス系のバラード。「-遥か-」とは異なるが、ゆったりした雰囲気は共通していて地味な1曲である。
★★☆☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W DASH VILLAGE
作曲:長瀬智也、編曲:KAM
長瀬自作のインスト曲。DASH村のテーマ曲として長年BGMとして使用されていた。アコースティックギターメインの素朴な雰囲気の曲だ。DASH村はうちの父が好きでよく見ていたので、俺もちょくちょく目にはしていたがこの曲の存在は認識しておらず、聞いても分からなかった。
★★★☆☆
アルバム未収録-遥か-(初回限定盤1)(DVD付) -遥か-(初回限定盤2)(DVD付) 通常盤
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43rdシングル NaNaNa(太陽なんていらねぇ)
10年8月11日
作詞作曲:玉置浩二、編曲:安全地帯
長瀬主演ドラマ「うぬぼれ刑事」主題歌。東京事変に続いて編曲まで込みで安全地帯に提供された曲となる。べらんめぇ口調の歌詞やノリのいい曲調は、個人的にあまり安全地帯や玉置浩二のイメージには無かった。実際この時期の安全地帯で同系統の曲も発表されておらず、TOKIOに提供する前提で制作されたと思われるが、それにしてもTOKIOの王道イメージでも無いという…。新たなTOKIOの代表曲を作る!という意気込みだったのか。まあノリノリすぎて奇行連発がワイドショーで騒がれるようになっていたのでそういうイメージの玉置浩二からすればそんなに違和感は無かったかもしれない。FNS歌謡祭ではこの曲で玉置と共演するはずだったが、ドタキャンされてしまった。このため長瀬は当時の玉置浩二の格好を真似たコスプレ姿で登場。玉置がいたはずの位置にはぽつんとギターが置かれていた。曲の最後でメンバーがNaNaNa合唱しているところで長瀬は突如この場にいない玉置へメッセージを発信し始める。「玉置さぁん!玉置さぁん!まだ間に合います!まだ間に合いますぅ!」
「FNSをご覧の皆さん!ただ今!ハプニング映像が!映し出されています!しかしぃ!」
「この後もまだまだ素晴らしいゲストが登場するので!ひとつ!チャンネルはそのままでよろしくお願いします!」
などと叫び始め、客席ではアーティストしか見ていないにも関わらず、「みんなジャンプゥゥ!ジャンプ!ジャンプ!」と煽りまくり、「このままじゃ終われない!このままじゃ終われな」と演奏したままブツ切りでCM突入。CM中も延々と「NaNaNaNa…」と熱唱演奏を続けたらしく、CM明けも引き続き演奏をしたままで最後に「来ませんでしたぁ!」と叫び演奏が終了して再びCMへ突入。視聴者に強烈なインパクトを残した。この日はクレイジーケンバンドの横山剣とは普通にコラボし、曲終了後には「玉置さん…」とつぶやいていた。クレイジーにドタキャンした玉置、安全にコラボした横山の様子から「バンド名(クレイジーと安全)が逆」、また長瀬の言動の無敵っぷりから「長 瀬 無 双」などと話題になった(安全地帯のライブも放映されたが録画だった)。TOKIOはFNS歌謡祭で、お通夜のように演奏を見ているミュージシャンの中で異常なほどにノリノリで鑑賞している場面がワイプでよく映るが、この時は最もすさまじかった。その後もライブで玉置さん来てくれなかった!をネタにし続けていたようで、2011年5月に行われたライブでもこの話をしながら曲を披露しておりその模様がDVD『OVER/PLUS』に収録されている。この際はプライベートで見ていたKAT-TUN(当時)田中を無理やりステージに招き入れて、2番Aメロで即興ラップをやらせている。咄嗟に応じた田中はマジラッパー。その後もFNS歌謡祭においてTOKIOと玉置浩二が共演する機会自体は何度かあったものの、何故かコラボが無く、リベンジは果たされていない。
★★★★☆
12thアルバム『17』初回盤2のみC/W Nature Mind
作詞:夏紫子、作曲:オオヤギヒロオ、編曲:野間康介
山口メインボーカル。ピアノロック的なさわやかな曲。「通常盤(もしくは通常盤初回プレス)を買えば曲が全部揃う」という法則が唯一崩れたのがこのシングルで、初回2と通常盤でC/Wが異なっている。
★★★☆☆
アルバム未収録初回盤2のみC/W それしかできない
作詞作曲:高木洋一郎、編曲:山原一浩
城島メインボーカル。大人の味わいのまったりバラード。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W 路傍の花
作詞作曲編曲:HIKARI
「Cross Fade」と同系統の壮大ロック。ライブ用に他メンバーボーカル曲のバリエーションを増やす目的でもあったのか、C/W4曲もあったのに今回長瀬が歌っているのはC/W4曲の中ではこの曲のみ。今回も名曲だが、やや二番煎じ感もあり、「Cross Fade」には若干劣る印象もある。ただファン人気は高く、ファン投票でベスト盤に収録されたのは「Cross Fade」ではなくこっちだった。
★★★★☆
3rdベスト『HEART』通常盤のみC/W Dream&Breeze
作詞:TAKESHI、作曲:加藤裕介、編曲:HIKARI
長瀬以外の4人がボーカルという異色曲。爽快さわやかなアップナンバー。サビは山口がメインで歌っているが、Aメロは国分と城島(1番のみ)、Bメロは久々の松岡が主に歌っている。ライブ映像によれば長瀬はギターに徹しておりソロを弾いたりしている。全員が歌えるというTOKIOの特性を生かした曲で、こういった試みはなかなか面白い。DVD『OVER/PLUS』で見て改めてその魅力を感じた。
★★★★☆
3rdベスト『HEART』NaNaNa(太陽なんていらねぇ)(初回限定盤1)(DVD付) NaNaNa(太陽なんていらねぇ)(初回限定盤2)
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44thシングル 見上げた流星
11年5月25日
作詞作曲:平義隆、編曲:HIKARI、Strings Arrangement:KAM
松岡主演ドラマ「高校生レストラン」主題歌。シングルでは久々のバラードナンバー。主演しているにも関わらず松岡はボーカル参加せずに松岡以外の4人で歌唱している。1番は長瀬(Aメロ/サビ)、山口(Bメロ)で歌唱。TV出演では基本的に2番がカットされていたのであまり知られていないが、2番は城島が歌唱している。最後のサビでまた長瀬と山口に戻り、国分は単独歌唱は無いが全体のコーラスを担当。やたらとキーが高いため、TV出演時は特に山口がBメロで音を外しまくってしまっていた。山口は高音が伸びて歌がうまいというイメージが強かったのでその姿は少々ショックだった。なお喉があったまった状態で披露された『OVER/PLUS』では普通に歌えている。震災直後だった事もあり、歌詞の内容や曲調は復興を思わせるところもあったように思う。
★★★★☆
12thアルバム『17』
3rdベスト『HEART』通常盤のみC/W Wheel
作詞作曲:今井晶規、編曲:山原一浩
国分、山口、長瀬のボーカル曲。ホーンも入りつつバンドメインで爽快にロックしているC/Wにしておくには惜しい曲なのだが名曲2作に挟まれている収録位置が悪かった…という意味で惜しかった曲。
★★★★☆
アルバム未収録通常盤のみC/W PLUS
作詞作曲:城島茂、編曲:TOKIO、Strings Arrangement:山原一浩
この時期開催していたツアーのタイトルチューンで3月にモバイル配信限定でリリースされていた曲。CD化に際してはストリングスを加えてリアレンジされている。アコースティックな作風となっていて、演奏時はメンバーが座って演奏する。城島がメインボーカルだが全員にソロパートがあり、長瀬は1番までしか歌わず2番以降はボトルネック奏法でギターソロを聞かせている。自作曲としては「sugar」と並んで編曲までTOKIO名義の完全自作にして最高傑作の1つである。TOKIOを聞くなら「sugar」と今作は絶対に聞くべきだ。なおストリングスの無いオリジナルバージョンはPVで聞くことができる。
★★★★★
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45thシングル 羽田空港の奇跡/KIBOU
12年2月29日
当初2月頭のリリース予定で「KIBOU」の単独A面だったが1月半ばに突如発売中止が発表された。延期ではなく中止発表しかされなかったので波紋が広がる中で時間差で新たな発売日と「羽田空港の奇跡」との両A面化が発表された。当初はDVD付2種の予定だったが1種追加された。初回1→初回2→通常盤の品番が連番になっているのに、「KIBOU」をメインにしている初回3だけ品番が飛んでいるのはこのため。羽田空港の奇跡
作詞作曲:横山剣、編曲:横山剣&KAM
松岡主演ドラマ「13歳のハローワーク」主題歌。「トランジスタGガール」以来となるクレイジーケンバンドの横山剣の提供でTHE ロックンロールと言った感じだが、メンバーも年齢を重ねた事で大人の渋みが自然と出ていてあの頃のような"いつもと違う事やってます"感が無くて自然な感じがする。当初恐ろしく地味な曲だなとも思ったんだけど、聞き込むとこれはハマる。
★★★★☆
12thアルバム『17』KIBOU
作詞:小川マキ、作曲:森元康介、編曲:大西省吾
「advance」に続くヤマト運輸CMソング。2011年夏からオンエアされていたが、何故か一向にリリースされなかった。オンエア開始直後の11年8月には山口が無免許で捕まり、CMで山口が運転していた部分を差し替えたりと色々あったのも延期されてきた原因の1つか。「advance」と同系統のTOKIO王道のストレートロックナンバーだが、よりシンプルで曲も短く一気に突き抜ける。やはりTOKIOはこういう曲をメインにしていってほしいなと思える期待通りの1曲だ。
★★★★★
12thアルバム『17』通常盤のみC/W ストロボ
作詞作曲編曲:HIKARI、Strings Arrangement:山原一浩
ストリングスも交えた期待通りの壮大なミディアムロック。これがC/Wでいいのか?そもそもHIKARIが関与するようになって10年以上経つけどA面でなかなか起用されてないのは何故か?やはり「GREEN」が当時コケたのが響いたのだろうか。
★★★★☆
アルバム未収録通常盤のみC/W PERFECT LIFE
作詞作曲:オオヤギヒロオ、編曲:KAM
国分と長瀬がメインの元気系ロック。TOKIOが歌謡ロック以降の迷走を経てシンプルなロックバンド路線に戻ってきたことを再確認できる1曲。
★★★★☆
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archive
作詞作曲編曲:長瀬智也
スタジオライブ風のPVも制作されたアルバムリード曲。「リリック」みたいな楽曲がもっと聞きたいなら確実に気に入るであろう長瀬らしいロックチューン。ガツンとしたロックサウンドが最高で、「リリック」以降のTOKIOの本格的な幕開けのような1作だ。
★★★★☆
12thアルバム『17』
ロースピード
作詞:松岡昌宏、作曲:松島茂宏、編曲:長瀬智也、山原一浩
ブラスサウンドを取り入れたポップな作風とここ最近高まったロックサウンドが融合したポップロック。大昔に城島と松岡が何となく作っていた楽曲を新たに作り直したものとされている。松島茂宏というのは2人の名前をフュージョンさせたもの。ガツンとしたロックサウンドばかりでなく、こういうポップな曲をやれるのもTOKIOの強みだと思う。
★★★★☆
12thアルバム『17』
3rdベスト『HEART』
The Course of Life
作詞作曲:国分太一、編曲:HIKARI
作曲は得意だけど作詞はあまり得意ではないのかメンバーに任せる事が多い国分が『17』で唯一作詞まで手がけた楽曲。自問自答しながらも君とだったらこの道を進んでいけるという前向き系楽曲に、HIKARIがアレンジを担当した事でかなり感動的な楽曲に仕上がった。個人的には『17』の中では1番好きな曲で、国分曲としても「I'm mine」に並んで好きな1曲。
★★★★★
12thアルバム『17』
3rdベスト『HEART』
46th リリック
13年3月20日
作詞作曲編曲:長瀬智也
長瀬主演ドラマ「泣くな、はらちゃん」主題歌。自身で書き下ろした自作曲。「明日を目指して!」の時は装飾音まみれにされてしまったが、今回は5人のロックサウンドだけで構成。近年のアルバム曲で主にこの系統の楽曲を披露していたのでそれがついにA面で表に出てきたというのはTOKIOとしても新たな転機だったと思う。アルバム曲を知らない一般リスナーにはかなりの驚きがあったようだし。ファン人気も高く、『HEART』投票では1位となっている。名曲。
★★★★★
3rdベスト『HEART』通常盤のみC/W アリア
作詞作曲編曲:HIKARI、Strings Arrengement:KAM
HIKARIとしてはわりと抑えめの楽曲で。ここ最近の中では小粒な印象でこの曲に関してはあまり強い印象には残らなかった。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W Pocket
作詞作曲:小久保淳平、編曲:大西省吾
TOKIOらしい元気ロックナンバー。「advance」や「KIBOU」を担当した大西省吾だけに今回も余計な装飾の無いストレートなアレンジをしているのが好印象。
★★★☆☆
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47th 手紙
13年3月20日
作詞:YUKI、作曲:蔦谷好位置、編曲:野間康介
国分主演映画「だいじょうぶ3組」主題歌。本来YUKIが自分で歌うような布陣で制作された楽曲。恐ろしく淡々とした地味な楽曲で、最初に聞いた時はどこがサビなのかも全く印象に残らないまま通り過ぎてしまった。これは5回くらい聞いていると味わい深さへと徐々に進化していく。近年の曲に比べるとキーも抑えめだが、意外とバンドサウンドは前に出ているので地味になりすぎてないところも魅力だ。
★★★★☆
アルバム未収録通常盤のみC/W To be
作詞:上田起士、作曲:Erik Lidbom、編曲:大西省吾
国分と山口がメインボーカルを担当した元気ナンバー。1番最初に聞いた時は「手紙」よりこっちの方が印象的だったが、「手紙」がじわじわ印象が上がったのに対してこちらはあまり変わらなかったので現在は印象が逆転している。とはいえこんな風にたまに長瀬以外のボーカル曲が来ると新鮮だし、これもまたTOKIOの強みの1つだと思う。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W 夕灼けの街
作詞作曲:黒田晃太郎、編曲:山原一浩
焼けではなく灼けなのが珍しい夕焼け系(?)ナンバー。サビ以外は静かでサビでバンドがガンガン盛り上がるロックバラード。「リリック」をきっかけにして完全自作に移行するとしているので、あえて提供を依頼するとかTOKIO用の楽曲ストックが残ってて世に出しておきたいとかじゃない限りは、原則的にはこれが最後の提供楽曲になると思われる。
★★★☆☆
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48th ホントんとこ/Future
13年10月30日
ホントんとこ
作詞作曲編曲:長瀬智也
長瀬主演ドラマ「クロコーチ」主題歌。またしても主演ドラマ主題歌を自ら書き下ろした。3億円事件の謎を追うドラマだったが、エンディング付近でドラマが続いているバックでかかるという形の使われ方だったので、緊迫した場面でイントロがヘイ!ヘイ!とかかかり始めるのは珍妙な感じだった。しかし中盤以降はラスト付近で関係者に迫り、「いい加減話してくださいよぉ」とか長瀬が迫っている場面で「教えてくぅ〜れぇ〜よぉ〜」とかかるといった回が続くことになり、なんか妙にハマっていたがある意味ギャグ的でもあった。「リリック」に続いて長瀬自作らしい武骨なロックナンバーといった感じだったが、何故か年末歌番組では今更「AMBITIOUS JAPAN!」ばかり歌わされた事もあり、やや影が薄くなってしまった。『HEART』収録も逃すなど、なんとも不遇だが、投票時点でライブを行っていなかったのも原因だろうか。絶対熱いナンバーになると思うんだよな。
★★★★☆
アルバム未収録Future
作詞作曲編曲:長瀬智也
3度目のヤマトCMタイアップ。3度目にして自作。これまでの2作を踏まえたような爽快ナンバーだがより勢いを増したロックナンバーになっている。キャッチーさはさすがに前2作に劣る気がするけど、勢いは越えていると思う。3度もやっていると共通して「思いを届ける」がテーマになっているので、これがヤマトの提示した条件なんだろうなぁ…と分かってしまう。
★★★★☆
アルバム未収録通常盤のみC/W switch
作詞作曲:山口達也、編曲:長瀬智也・KAM
メンバー5人の中では最も自作が少なく、『17』でも1人だけ作曲を担当していなかった山口の『Harvest』以来の自作楽曲。なんとなく大工仕事の方が得意で曲作りはあまり得意じゃないのかと思ってたので(おい)、あまり期待してなかったんだけどけっこういい曲。編曲が長瀬になっているため、わりと長瀬っぽいロックナンバーになっているが、「お前達」と歌っていたりと珍しい表現も見られる。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W home〜この場所〜
作詞作曲:国分太一、編曲:KAM、Strings Arrangement:沢田完
ピアノとストリングスと長瀬のボーカルしか入ってないバラードナンバー。このため松岡・城島・山口は参加してないと思われる。正直けっこう地味でシンプルなアレンジで映えるというかもっとアレンジした方が映えた気がする。
★★☆☆☆
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49th LOVE,HOLIDAY.
14年5月21日
作詞作曲編曲:長瀬智也、Horns Arrangement:KAM
JRA(競馬)タイアップ。ホーンアレンジも重なって比較的バラエティイメージTOKIOに近い陽気なノリのロックチューン。ひたすら高音で問答無用のハイテンションで突き抜けていく。これはありそうでなかった楽曲。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W みあげれば
作詞作曲:国分太一、編曲:長瀬智也&KAM
迷いながらも前へ進んでいく系の歌詞の内容は国分作詞の楽曲としては3作連続。これが国分作詞楽曲の1つの特徴なのかもしれない。メンバーの中でこういう前向き楽曲を書く人は他にいないので個人的にはけっこう好きだ。
★★★☆☆
アルバム未収録通常盤のみC/W フレーズ
作詞作曲編曲:長瀬智也、Strings Arrangement:KAM
バンドメインの3連ロックバラード。シングルほどの勢いはないけどこれまた期待通りの1曲だ。
★★★☆☆
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ハート
作詞作曲編曲:長瀬智也
20周年を記念したファン投票ベストアルバムのために書き下ろされた新曲その1。「sugar」ではツアーを念頭に置いてファンへの感謝を歌っていたが、今作はまさに20年分の感謝の思いと、そして未来、これからも「こんな感じでいこー」とファンへ語りかける。近年の長瀬らしい厚みのあるロックサウンドが頼もしい。制作風景も映像化されており、メンバーはそれぞれ個別に来てレコーディング。長瀬だけが全員の録音に立ち会い、自らのイメージを伝えるなどサウンドプロデューサーやディレクターのような役割をこなしていることが伺える。ここに自作体制になった現在のTOKIOの姿を見ることができるが、同時にこういう制作体制だと「編曲:TOKIO」が無くて、ほとんど個人名でのアレンジ作品ばかりなのも何となく納得。なおソニー時代に「Heart」という曲があり、表記は異なるが口にすると全く同じなので混乱を招く。
★★★★★
3rdベスト『HEART』
こころ
作詞作曲:城島茂、編曲:城島茂、KAM
20周年を記念したファン投票ベストアルバムのために書き下ろされた新曲その2。こちらはアコースティック主体のほのぼのとした作風になっており、長瀬とリーダーのカラーの違いが出ていて面白い。得意の言葉遊びは今回もキレキレで「羽跡」と書いて「ハート」と読む仕掛けも。当初タイトルも「羽跡」にしようとも考えたらしいが、「ハート」と読みが被って混乱するので止めたという。その時「Heart」も思い出したのかは不明今作も長瀬が歌っているが、かなりキーが低くなっており、この作風なら「PLUS」みたいにリーダーメインボーカルとか全員でボーカル取ったりするのもありだったと思う。
★★★★☆
3rdベスト『HEART』