Godzilla x Kong: The New Empire
ゴジラxコング 新たなる帝国

2024年公開。モンスターバースシリーズとしては2014年の『GODZILLA ゴジラ』、2017年の『キングコング: 髑髏島の巨神』、2019年の『Godzilla: King of the Monsters(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)』、『Godzilla vs. Kongに続く第5弾。前作から4年後(2028年?)が舞台となっていて今回も公開時より未来となっている。

前作からはモナークの人類言語学者でジアの養母となったアイリーン・アンドリューズ(レベッカ・ホール)、コングと意思疎通ができる耳に障害を抱えている髑髏島の先住民イーウィス族最後の生き残りであるジア(カイリー・ホットル)、前作では前々作から続けて出演していたマディソン・ラッセルと行動を共にしていた配信者バーニー・ヘイズ(ブライアン・タイリー・ヘンリー)の3人が続投。前々作から出ていたラッセル父娘は出てこないほか、渡辺謙、小栗旬に続く新たな日本人キャストの起用も無くなってしまった渡辺謙はともかく小栗旬の雑な処理酷かったからなぁ…。

前作で発見された地下空洞世界で同族を探していたコングだったが見つからず虫歯になってしまい地上に緊急避難してくる。地上では謎の波動が感知されており、ジアもそれを受け取っていた。当初因果関係が分からなかったためジアの示している波長の話をモナークでも真剣に受け止めてもらえず困り果てたアイリーンは前作で知り合ったバーニーに協力を求める。最終的にはモナークの協力も取り付け、正式な調査のためアイリーン、ジア、バーニー、虫歯の治療を担当した獣医のトラッパー(ダン・スティーヴンス)、操縦士のミケル(アレックス・ファーンズ)と共に虫歯の治療を終えて帰るコングと一緒に地下空洞に出向く事になった。一方でゴジラもその波長を感じて原発やエネルギーが集まる北極点を襲撃してエネルギーを溜めまくっていた

地下空間内の前哨基地が何者かの襲撃で壊滅しており、ミケルは森の生物の罠にかかって捕食されてしまいアイリーン、ジア、バーニー、トラッパーは地下空間で独自の生活を営んでいたイーウィス族と出会う。地上での生き残りはジアだけだったが地下空間に居ついていたイーウィス族は健在だったのだ。一族に伝わる話によれば、スカ―キングという邪悪な猿がかつて地上支配を目論んでゴジラと対決。ゴジラが苦戦の末に勝利し、スカ―キングは地下に逃げ込んだがその後もスカ―キングは地上進出の機会を狙っているという。そしてジアがモスラを呼び覚ます役目を背負った人物と聞かされる。

アイリーン達とは別行動で地震によって開いた未解明の領域に進んだコングは同族を発見するが襲撃される。返り討ちにして幼体のスーコに無理やり案内させたコングは道中でスーコが仕掛けた罠も跳ねのけ交流しているうちにお互いに友情が芽生えていく。同族たちが集う場にたどり着いたコングだったが同族は無理やり従わされており、スカ―キングが猿の王として君臨していた。スカ―キングはウィップスラッシュというを武器に先端につけた結晶体の力でかつて氷河期を引き起こしたというほど巨大な冷凍能力を持つ巨大怪獣シーモを無理やり支配していた。

コングとスカ―キングの戦いは鞭に苦戦するも劣勢というほどではなかったが、シーモの冷凍攻撃で右腕に凍傷を負ったコングは追い込まれ、スーコの手引きでかろうじて敗走する事に成功。ジアの元に戻り、壊滅した前哨基地の倉庫で残っていたコング用のビースト・グローブにより治療、パワーアップ。前作でゴジラ相手に相当苦戦していた事からパワーアップ用に極秘に開発されたが、通常時はこれ以上強くなられても困るという事で試作段階で計画が止まって前哨基地の倉庫にしまってあったらしい。

前作で入手した斧はスカ―キングに奪われていてこのままでは勝てないのでゴジラを迎えに地上へ。しかしコングの元にやってきたゴジラはいきなり猛突進で殴りかかってきてコングが止めろと合図しているのに全く聞かない。仕方なく応戦するハメになり、無駄な殴り合いが続くが目覚めたモスラが降臨するとゴジラあっさり納得。一転して協力して地下空間へ戻り、スカ―キング、シーモ、部下らとの激しい無重力バトルが展開する。

再度ホールを抜けて地上に出た一行はブラジルで大格闘を繰り広げる。シーモが強力でパワーアップしたゴジラでも仕留めきれず苦戦、コングはスカ―キングと互角に渡り合っていたがやはり仕留めきれずにいたが、ゴジラとスカ―キングが対峙してゴジラがスカ―キングの鞭を破壊する。コングが鞭から外れた結晶でシーモの支配権を奪おうとして揉み合いになっていたが、最終的にはスーコがホールの入口に引っかかていた斧をもって地上にやってきて結晶を破壊。シーモの冷凍光線をコングがスカ―キングに当ててカチカチに凍らせて破壊。ゴジラは残っていたエネルギーを空に放出、シーモの冷凍光線で氷河期になりかけていた空が復活。スカ―キング亡き今、シーモにゴジラやコングへの敵意は無いらしく、ゴジラは単独で帰還。コングはシーモ、スーコと仲良く地下空間の同胞達の元に帰還して猿の王となるのだった。たぶんこれでキング・コング。ジアは地下空間のイーウィス族には残らずに義母のアイリーンと一緒に戻ると宣言してハッピーエンド。

 

う、う〜ん…(汗)という感じでなかなか強引な展開が目立つ。前作で地下空間設定を導入してしまったため今作もその世界を広げて話を展開。地下空間なら何でもありになってしまい、地上がかなりおざなりになってしまった感。

ゴジラがいきなりコングに殴り掛かるのも突然目的忘れて馬鹿になったみたいで変だし、散々パワーアップしたはずのゴジラがシーモに対して有効打を与えられないのもかなり謎。シーモそんなにやべぇ奴には見えないんだけどパワーアップした熱線がさっぱり効いている様子が無いってキングギドラより遥かに凄い事になるけど…。そして際立つスカ―キングの小物っぷり。そもそもに細身&M字ハゲみたいな見た目からして弱そうだし、鞭が強力な以外は素で殴り合えば最初の段階でゴジラはおろかコングだけでも殴り殺せそう。こんなのに大昔ゴジラが苦戦したとは思えないんだけど(ゴジラもシーモばかり相手にしていたが、スカ―キングと対峙した際は鞭あっさり破壊したし)、その昔もスカ―キングではなくシーモ以上に手強い部下がいて苦戦しただけでスカ―キング自体は弱かったという話だったのでは…。

虫歯で助けを求めてくるとかミニコングとの交流、ゴジラに協力を求めようとしたら一直線に殴り掛かってこられたのでメチャメチャ慌てたり、スカ―キングとのやり取りなど喋れない分だけ豊かな表情だけで見せていて、こういった人間的なコングの姿はコング主役の映画として見るとかなり良かったと思う。ただ個人的に見たいのはコングの映画ではなく、ゴジラの映画なのでゴジラの映画としてはかなりビミョーかなと…。ていうかこのシリーズこれからコングメインで行くつもりなのだろうか。地下世界とコングでどんどん当初から離れていきそうだなぁ…。

人間ドラマは前作よりはまとまっていた。アイリーンとジアの関係はちゃんと描かれていたし、前作から成長したジアが巫女(小美人的立ち位置?)のように覚醒して神々しくなって存在感を発揮。便利屋のトラッパー(実質ビースト・グローブ用意担当)、相変わらずのおちゃらけ役のバーニーの4人を中心にシンプルでバランスが良い。

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★★★☆☆

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