2022年9月の配信シングル(後編)

2022年9月の配信シングル(後編)

前半から一転して後半はドカドカ配信が…。

勿忘草/高橋優

2022年9月21日
10月5日のアルバムからの先行配信。優しい感じのストリングスミディアム、いわゆるストバラの範疇に入るような楽曲なので映画やドラマタイアップでもあったのかと思ったらテレビ朝日「お願い!ランキング」9月度エンディングという…。映画やドラマ抜きでこういう曲が出てくるというのは何気にかなり珍しく、しかもアルバム先行がこれかぁ…。40歳を前にしてすっかり落ち着いたようにも思うが、いつまでも物申すようなバイタリティを保つのもしんどいしな…と思っていたらアルバムでは1曲目から…(アルバム感想Coming Soon)。
★★★☆☆

Door/大原櫻子

2022年9月21日
3ヶ月連続配信シングル第1弾。作詞は元ねごとの蒼山幸子、作編曲は小名川高弘。フェードアウトするように離れていたが、ここに来て小名川高弘復帰。しかし小名川高弘というと亀田誠治ラインの生音バンドサウンドを主軸にしていた印象だったが今作はどうにも1人オケ制作っぽい打ち込み感漂うさっぱりしたアレンジになっていたので最初に聞いた時に小名川高弘復帰とは思わなかった。メロディーはともかく編曲面で随分作風が変わったなぁ…。年齢に合わせて落ち着いてきた感。しっとりラブソングが次のアルバムの方向性か。
★★★☆☆

⼼を知るよりも感じる⽅が性に合ってる/熊木杏里

2022年9月21日
12ヶ月連続配信シングル第7弾。公式に”⽇常のふとした瞬間に⾃分の⼼のありかに気がつかされる。知っている様で知らない⾃分に出会った時は、そんな気持ちに⾝を委ねてみるのも悪くない。そう思わせてくれる詞の世界と軽快なピアノの伴奏が、⼼を軽くしてくれる1曲”と書いてあるが…その通りだという以外に正直あまりそれ以外の感想が浮かばない普通の曲。
★★★☆☆

Call me back/松任谷由実 with 荒井由実

2022年9月21日
10月4日発売ベスト盤収録の新曲の先行配信。1980年に完成していた未発表曲に新たに歌詞をつけた曲で、AIで作られたデビュー当初50年前のAI荒井由実と現在の松任谷由実のデュエットという形で「松任谷由実 with 荒井由実」名義になっている模様。AOR風味だが”あの頃”っぽい曲なのは1980年の曲だからか。AI荒井由実は荒井由実のようで荒井由実ではないというか、AI美空ひばりがそうだったようにやはりどこか人間味には欠けるよなというか。
★★★☆☆

Pain/家入レオ

2022年9月28日
作詞は本人、作編曲は新井弘毅。かなりガツンとした激しいロックナンバー。城戸紘志がドラムで参加したと名乗りを上げているので久々に生バンド編成でのレコーディングが実現したものと思われる。ベスト盤の14曲のうち新曲含む11曲が打ち込み編成だったけど(バンド編成ではない曲もあるとはいえ)、家入レオの強いボーカルには激しい演奏も合うのでこういう曲ももう少しやってほしいな。割と憂いがあるというか声の響きを生かした聞かせるナンバーが多かったので本当に久々にガツンとした1曲だ。
★★★★☆

すみれ色の夜/Little Parade

2022年9月28日
何故か主要DLサイトでは配信されずほぼストリーミングのみ。AmazonではMP3のDL購入ページはあるようだがそれ以外なんか無くね?また10月になって12月の3rdミニアルバム発売を発表し先行配信だった事が判明した。
小名川高弘がプロデュースしたと言っているが作詞作曲は太志なので編曲が小名川高弘と思われる。また元Aqua Timezのキーボードmayukoがストリングスアレンジをしたと言っているので、正式なクレジットは「作詞作曲:太志、編曲:小名川高弘、ストリングスアレンジ:88flavors(ex:Aqua Timez:mayuko)」といったところか。ただ生の弦を招くような予算があるのか、打ち込みストリングスなのかは正直聞いても分からない。元メンバーのうち引退して会社員になった事を公表しているTASSHI以外は音楽活動をそれぞれ継続しており、これでTASSHI以外の元メンバーがソロに関与した事になる(既に長谷川大介は現時点では最多担当アレンジャー、OKP-STARはベーシストとしてサポート参加)。

ストリングスも交えた優しいバラードナンバー。暖かみのある太志らしい良曲ではあるが…正直なところ新しさも過去を越えていく感じでも無いので難しいところ。ビクターとの契約も終了したようで(DLが無いのこれが原因かも)、状況は厳しそうだ。
★★★☆☆

SOUVENIR/BUMP OF CHICKEN

2022年9月29日
5ヵ月ぶり新曲。アニメ『SPY×FAMILY』第2クールOP。4~6月まで放送された第1クールから4ヶ月開けて第2クール開始という事で主題歌も交換となった。

せーのでガツンと演奏するのではない作りこんだ制作集団化していく今時のバンドの方向性に適応していくようなまた新しい勢いを感じる1曲。ウォウウォウはまだしも裏声のコーラスとかなんかもうすっかり知っているBUMPじゃなくなっちまったな…というのは偽らざる本音でもあるが、サビどこミディアムよりはこの方がいいか…という感じ。ただBUMPとして全く新しい空気感というとそうでもなくどことなくベイビーアイラブユーだぜのやつ(『aurora arc』収録の「新世界」)と通じるノリのようにも思う。
★★★☆☆

鎌倉 On The Beach/原由子

2022年9月30日
ユニクロCMソング。10月19日のアルバム『婦人の肖像(Portrait of a Lady)』から2曲目の先行配信。前作「ヤバいね愛てえ奴は」共に先行配信扱いだが前作には専用ジャケットが作られたのに対して今作はアルバムジャケット流用となっている。1985年のサザンオールスターズ『KAMUKURA』収録の原由子ボーカル曲「鎌倉物語」の続編のようなイメージを意識して制作、「鎌倉物語」発表当時、恋をしていた若者たちが時を経て成熟し大人になった世界を描いているとされる。「鎌倉物語」は桑田曲だったのに対して今作は作詞は原&桑田の共作で作曲は原由子

待望の自作曲だが思った以上にメロディアスな名曲で驚いた。というか今でもこれだけの曲が書けるのに『MOTHER』以降31年間数えるほどしか自作していないのが惜しい(サザンでソロがあってもまずもって桑田作だし、サザンのアルバムで1曲というルールにしてもサザンの新作がなかなか出ない、C/Wでの登場も不定期)。その辺りのマイペースっぷりも含めて原由子というシンガーの魅力なのかもしれないけど。
★★★★☆

すずめ feat.十明/RADWIMPS

2022年9月30日
新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』主題歌。2016年『君の名は。』、2019年『天気の子』に続く3度目で3連続新海誠作品の主題歌となった。映画は11月11日公開で9月20日に今回もRADWIMPSと明かされたばかり。前2作のように複数楽曲が用意されるのか、アルバム発売があるのかはこの時点で判明していない。また新人女性シンガー十明がボーカルに起用されていて、feat.十明となっている。

実際に聞いてみる前回の三浦透子と同様に今回も十明をRADWIMPSが提供プロデュースしている、RADWIMPSがバンドからプロジェクト化してきているだけに今回もロックバンドサウンドではなく、野田洋次郎提供プロデュースの十明ソロみたいな楽曲になっていた。なんともいえない雰囲気モノな楽曲で、少なくとも今回はヒットするような感じではないか…。

なお10月5日に桑原彰が正式復帰を発表しているが、そもそも前作の頃にインスタで発表される新曲ではギターをこっそり弾いておりますがと明言していたのでレコーディング現場においてはとっくに復帰していたものと思われる。
★★★☆☆

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