2022年11月の配信シングル(後編)
かわいい人/家入レオ
2022年11月16日
2ヶ月ぶりの配信曲。14日に配信告知、配信3日後の18日に来年2月15日のアルバム『Naked』発売を告知し、先行配信となる事が判明した。作詞のみ下村亮介との共作で作編曲は下村亮介。暖かみのあるバンドサウンドによるほっこりナンバー。強い・クールなイメージが強いだけに優しい歌い方は新鮮だし、打ち込み系ではなくバンド系のサウンドなのも好印象。ベスト盤の時は超短髪で少年のような風貌になっていたのでジェンダーレス方面にでも進出するのかと思ったけど、いつの間にか髪も伸びて今作ではまた女性らしくなっている。MVでの子供たちとの触れ合いも自然体。初期のイメージが窮屈になっていてもっと明るい部分もあると言っていたのが『We』の頃だったがやっぱり近年は元のイメージ通りのクール寄りだっただけにまたこういう等身大の普通な感じが垣間見えるのは人間味があっていいと思う。ベスト盤のイマジャナイ感はハンパなかったけど、次のアルバムはベストより期待できそうだ。
★★★★☆
WHITE BREATH/ClariS
2022年11月16日
12月7日発売のカバーミニアルバム『WINTER TRACKS-冬のうた-』からの先行配信。25年前1997年のT.M.Revolution最大のヒットシングル(ミリオン)のカバー。男性ボーカルのカバーは初となるが…さすがにT.M.Revolutionのインパクト溢れまくりな大ヒット曲をClariSでカバーしても上手なカラオケにしか聞こえん…。さすがに選曲攻めすぎたのではないか。T.M.Revolutionカバーするならもっとパワー系のボーカリストじゃないとキツイ。冬の名曲もっと他にあっただろうに。
★★★☆☆
Stardom/King Gnu
2022年11月17日
2022年11月30日(CD)
30日発売のシングルCDから17日に単曲先行配信。CDにはC/Wに前作「雨燦々」と「Stardom-Instrumental-」を収録したが、このシングル仕様での配信は一切行われず、『一途/逆夢』『カメレオン』に続いて単曲配信のままとなった。これにより「カメレオン-Instrumental-」に続いて「Stardom-Instrumental-」もCD購入者限定音源となった。
2022 NHKサッカーテーマ曲。事実上サッカーW杯NHKテーマ曲。熱く盛り上がる系が続いていたが、前回のSuchmosに続いて一定のトーンで突き進む情熱を秘めた感じの楽曲。Suchmosが地味すぎたのに比べれば、ある程度の熱さで盛り上がるところもあってこの辺りがヒットシーンの最前線に立ち続けていられる一定以上のヒット性も持たせられるこのバンドの実力といえるのかも。しかし…W杯盛り上げるのにどっちがいいですかと「タマシイレボリューション」を差し出されればファン以外一般大衆こぞってそっちを選択しそうではある。
★★★☆☆
海のまにまに/YOASOBI
2022年11月18日
直近楽曲の英語バージョンを収録したEP『E-SIDE 2』と同時配信の新曲。YOASOBIらしい良い曲…というくらいしか特に書く事はない普通にいい曲。今年の中では1番いいかなとも思うけど振り返ってみるといいと思ったのに聞かないと思い出せないレベルになってるな…。
★★★☆☆
プレミアムワールド/広瀬香美
2022年11月23日
30日発売のベストアルバム『kohmi30th』収録の新曲の先行配信。先行配信ながら超絶インパクトの専用ジャケットやMVが制作され、過去のベスト盤の新曲の中でも格段にプロモーションに力が入れられていた。実験的な楽曲というのはこれまでもあったし、とにかく音楽的素養が高い人である事は以前から伺えたが今回はいつもの期待される冬曲を書こうという意識ではなく、自身の音楽センスを開放した感じ。なんか今風電子音系なんだけどハイレベルな音楽センスを遠慮せずに詰め込みまくった事でなんだか良く分からないけど広瀬香美でしか作れないようなとんでもねぇ曲に仕上がった…みたいな。なんかスゲーんだけどヒット曲としてはあまり耳に残る曲というわけではなく、とにかくなんかスゲーという印象だけ残る。
アルペンがCM撤退して久しく、それでもなんとなく連発されるベスト盤に冬の新曲を収録して…というのがもう10年以上続いていて純粋なオリジナルアルバムも出せていないが、今年になってからは配信で3曲目と急に軌道に乗っている。YouTubeがウケてTiktokで旧作が流行ったりしている事で「冬」じゃなくてもやれる手ごたえが掴めたのか、期待される冬曲フォーマットから外れて自由にやっており、冬にこだわるのを止めたのが結果的に良かったのかもしれない。
今回ちょいちょい歌番組出演も行われているようだが、インパクトな顔マスクジャケットと超絶攻めすぎな楽曲構成により、いつもよりも目に留まる、耳に留まるのか、やけに新曲が凄いとつぶやいている人が多い。「ストロボ」のヒットを最後にここ20年くらいプロリスナー筆頭に通な音楽リスナー系こぞって広瀬香美なんか誰も見向きもしない感じで、新曲が出ても無風状態、YouTubeカバーが面白がられても結局カバーアルバムが大して売れない…などとにかくスルーし続けていた人たちがこぞって絶賛しているような印象。何か今回はやり方がどこかピタッとうまくハマったのだろうか。
★★★★☆
この道どんな道/藤巻亮太
2022年11月23日
1年2ヶ月ぶりの新曲。1月にアルバム発売を告知しての先行配信。気がつけば前のオリジナルアルバムから5年以上経過して過去最長ブランクとなってしまっていたが一応新曲が出なかったのは翌2018年だけで2019年以降は配信で1,2曲は出していた。とはいえ前作が1年8ヶ月ぶり、今作は前作から1年2ヶ月ぶりだがかなり途絶えている印象は強い。今作は開放感のある前向きなバンド路線な1曲。今度のアルバムもある程度は開放的な1作になりそうだ。
★★★☆☆
White Love/ClariS
2022年11月24日
12月7日発売のカバーミニアルバム『WINTER TRACKS-冬のうた-』からの先行配信2曲目。25年前1997年のSPEED最大のヒットシングル(ミリオン)のカバー。先のT.M.Revolutionと全く同時期にヒットしていたこれまた最大ヒットミリオンでまさか4曲しかないカバーのうち2曲を同時期のヒットで被せてくるとは1997年リアルタイム世代を落としにかかっているな…。割と30,40代のファンが多いんだろうか。SPEEDの歌唱(というかこの曲ほぼ島袋と議員の2人だけど)がとにかくパワーがあるので、ClariSのスッキリ系歌唱だとやはり軽めのカラオケカバーにはなってしまうが、それでも「WHITE BREATH」よりは違和感はない。というかこの曲普通にカバーすればよほど音程外さない限りはまず失敗はないくらい名曲だしな…。ClariSがカバーしたからどうこうではないのかもしれない。
★★★☆☆
Addicted/松浦亜弥
2022年11月24日
2011年12月の『松浦亜弥 10TH ANNIVERSARY BEST』以来11年ぶりの新作。同作収録の新曲「Subject:さようなら」以来の新曲となるが、各記事で見られる「13年ぶり」というのは最後のシングルが2009年2月の「チョコレート魂」であったことからこれ以来のシングル曲という意味合いかシングルの履歴しか調べていないかだろう。
シングル、オリジナルアルバムは2009年、以後企画盤となり、2011年の10周年ベストが最後、翌2012年はFCライブ等細々とした活動は続いていたが2013年には今作を制作したw-inds.橘慶太との結婚を発表(双方のアイドル人気絶頂期10代の頃に既に週刊誌で交際がすっぱ抜かれた事がある)、年末まではライブ出演もあったが以後は事実上休止引退状態となり2014年にFCも終了し同年末第1子誕生報告後は沈黙が続いた。2017年にはアップフロントから離脱して橘慶太の個人事務所への移籍を発表したが、2018、2020年と相次いで第2子3子の出産報告が続いたため、Kiroro状態(連続出産で産休に次ぐ産休状態)で当分活動は無いと思われたが今年になってWeb番組やCM出演をしたりとかつてのアップフロント先輩森高千里をなぞるような小規模な活動を再開しつつあった。
橘慶太の曲なのでグローバルな感じで、かつての松浦亜弥とは全く音楽性が異なる。活動を休止してから高まっていた実は歌唱力凄かった説を裏付けるように歌唱力は健在。しかし割と特徴的なあの松浦亜弥っぽい感じが綺麗に消え去っているので、なんか匿名性の高い歌うまお姉さんが歌っているというイメージで、松浦亜弥に一致しない。ジャケット通りになんか松浦亜弥というイメージがぼやけているような…。声が出なくなっているとかでは全く無くてこういう感じはなんか初めてだな。
★★★☆☆
Step!!/中山優馬
2022年11月28日
BSJapanext「中山優馬×ジャニーズJr. @YUMA HOUSE」テーマソング。明るく前向きな応援歌的な楽曲。ここに来て当時はあまりやらなかった明るくポップな楽曲をやるとは。でも前向きな曲ってこのくらいの年齢になってからの方が響くところもあるよね。
★★★☆☆
very special/MONKEY MAJIK
2022年11月30日
来年1月25日のアルバム『curtain call』からの先行配信。昨年の20周年ベストがファン投票したのに5年前とほとんど同じ選曲になってしまい案の定大コケになってからは良く分からないライダータイアップが2曲時間差で出ていただけ(Movie Versionが出てから無表記バージョンが出る)で、ベスト前の配信曲もアニメ絵だったので、久々にアニメでも特撮でもないジャケットの配信曲となった。佇まいもMONKEY MAJIKらしい軽やかな路線に戻っており、久々にらしい1曲といった印象。相変わらずバンド感は強くはないが、一時期よりトラックメイカー寄りでもなくなってきたかな。
★★★☆☆
雅かなしや/熊木杏里
2022年11月30日
12ヶ月連続配信の第9弾。23日にアルバムが出たばかりだったが今月も別枠で配信された。今回もほぼピアノ弾き語りだがアルバムには収録しないかするならアレンジを足していたのでやはりこの企画自体はデモ配信に近いところではあるのだと思う。”人生の永遠のテーマのひとつともいえる “富” と “愛情” の天秤を、せつなさと少しの皮肉を織り交ぜ書き上げた小説の様な1曲。軽快なピアノの音色と表情豊かな熊木杏里の歌声が、様々な人生模様を想像させる。”と紹介されているが、いつものバラードではなくピアノも軽快なのが良い。
★★★☆☆
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