きっと/FIELD OF VIEW

2022年9月28日
初登場16位 売上0.17万枚

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02年7月「Melody」以来20年2ヶ月ぶりのシングル。

配信ではDL/ST共に「きっと」のみの単曲配信ST配信は初めて行われたため、FIELD OF VIEWとしてはST配信に「きっと」1曲しかない状態となる。

1994年にviewとしてデビューしてシングル2枚リリース後に1995年にFIELD OF VIEWとして再デビュー。2001年にthe FIELD OF VIEWへ改名して2002年に解散していたがtheはレコード会社移籍(出戻り)に伴う大人の事情だった、theがついていた事を忘れていたとボーカル浅岡がコメントしていた事がある。実際解散ライブのDVDまではthe FIELD OF VIEWとしてリリースされたが、翌2003年に『at the BEING studio』がリリースされた際には早くもFIELD OF VIEW名義に戻っていて、2012年にT-BOLAN復活に伴うBEING LEGENDツアー開催時も同様だった。

1995年から15周年を迎えた2010年に浅岡雄也ソロ名義でFIELD OF VIEW楽曲中心に行う記念ライブを決行、2012年BEING LEGENDツアーではFIELD OF VIEWとして出演したが、ギター小田は不参加でベース新津、ドラム小橋も日によって参加不参加の日があるなど完全な形での再結成では無かった。2015年の20周年で小橋琢人をドラムサポートに招いてからは毎年デビュー日5月15日近辺に小橋をサポートに迎えてFIELD OF VIEW楽曲中心に行う周年ライブを行う事が恒例化。2020年に25周年を迎える際に浅岡雄也が長戸大幸に直接コンタクトを取って何かやりたいと打診した事でベスト盤の発売が決定、ビーイング公認協賛になった事でそれまでは「u-ya asaoka ○○th Debut Anniversary Special Live」と銘打っていたライブを堂々FIELD OF VIEW名義で行えるようになった。

2015年からメンバーの参加状況は浅岡・小橋の2人のみで変わっていなかったため、当初は再結成であるという明言は明らかに避けており、あくまで記念年だからFIELD OF VIEWとしてライブをやるとしていたが、新コロでライブ延期を重ねるうちにほぼ通年活動に等しい状態へと移行していき、結局2人でFIELD OF VIEWとして活動を継続するという形になった模様。

今作では明確にメンバーが浅岡・小橋の2人であるとクレジットされている。しかしSpecial Thanks枠筆頭で表記されている解散時残りのメンバー2人も小田孝(FIELD OF VIEW)、新津健二(FIELD OF VIEW)というバンド所属扱いの表記となっていて脱退扱いや元メンバー扱いにはしていない(曖昧にしているがニュアンス的には参加はしていないけどメンバーみたいな意味合いと思われる)。

1.きっと

作詞作曲:浅岡雄也、編曲:葉山たけし。インタビューによれば今作も『FIELD OF VIEW 25th Anniversary Extra Rare Best 2020』収録候補として長戸大幸から推薦されていた未発表/未完成デモの1つである事、浅岡本人が収録を拒否して寝かせていた楽曲で、1994年viewとしての2枚目「迷わないで」頃に制作していたデモ曲が基になっている事が明かされており、制作スタイルは未発表新曲群とほぼ同じで当時のメロディーだけ使用して作詞や編曲などは全て新規制作という事のようだ。アレンジャー葉山たけしやベスト盤では叶わなかったディレクター寺尾広も浅岡の希望で起用されたと明かされている。

FOVらしい爽やかな普通にいい曲。『Extra Rare Best 2020』の未発表新曲群同様に普通にいいけど当時ほどではないのはやはり自分の中でもFIELD OF VIEWが過去の思い出になってしまっている事や、そもそも不完全な状態で再始動している事、当時選出されなかった未発表曲である事などが重なってまあ当時の印象を越えるのは至難ではあるのかなと。作詞は現在視点で書き下ろすのに新規での作曲を全くしないのは単に眠ったままの当時の未発表曲の方が新たに作曲するよりもFIELD OF VIEWの当時の空気があるからとかなのだろうか。ソロでの新曲も2019年を最後に長く途絶えているだけに(アルバムだと2017年が最後)気になるところではある。

また葉山たけしなら大丈夫だと思っていたらWANDS、SARD、ZARDリメイク同様にドラム音が軽い。ていうか唯一の演奏メンバーがドラムだというのに打ち込みみたいな軽さなんだけどこれ本当に小橋さんドラム叩いている?葉山たけし編曲でドラマーがいてもこれなのでやはり近年の”Produced by DAIKOH NAGATO”がこういう軽い音作りでプロデュースしているとしか思えない。インタビューによれば歌詞や歌唱は褒めまくりで書き直しも無く、90年代とは打って変わってほぼオールオッケーで通ったらしいが、コーラスがデカすぎるとかサビ始まりの曲構成はProduced by DAIKOH NAGATOを発揮したようなので音作りでの指示はある程度はしていると思われる。

そのデカすぎると言われたコーラスは確かに大合唱のような存在感を発揮していて2曲目の「きっと(Off Vocal)」でもコーラスがそのまま残されているのでよりコーラスのみを聞ける仕様。浅岡さんの中で「君がいたから」の厚いコーラスがFIELD OF VIEWの始まりという意識が強く(ボーナストラックにライブ音源でも収録しているし)、この曲自体が「君がいたから」に通じていくような歌詞になっているのもあって、新たな世代による厚いコーラスというところにビーイング出身者としてのこだわりが感じられる。神野友亜(SARD UNDERGROUND)しか知らず、木村涼介(dps)、蔵本勝希(GARL)という2つのバンドは名前も知らなかったのでちょっと検索してみたところ、dpsは2020年で凍結して2年間活動している形跡がない。新コロで活動できなくなってそのままっぽい感じで公式サイトは2020年半ばで停止、公式Twitterは2021年4月頭まではメンバーの個人TwitterをRTしていたが停止、ボーカルとギターの個人Twitterで個人活動の更新のみ継続しているがベースの人は昨秋から今年1月までの途切れがちの更新が最後になっているのを確認。GARLに至っては結成4周年と言っていたと思ったら今作発売直後の9月1日に9月30日をもって解散すると発表していて解散目前の末期状態であったと判明(クレジットではfrom GARL表記だが、先のインタビューではex GARL表記で既に過去(元GARL)にされている)。まともに活動しているのSARDだけで新たな世代が全然育ってなかった感がまたなんとも…。
★★★☆☆

Bonus Track:
君がいたから(2022 Live ver.)

2曲目は「きっと(Off Vocal)」3曲目に収録。1995年の1stシングルの今年のライブ音源。演奏クレジットもどのライブなのかも記載されていないが今年の周年ライブとして5月14,15日に新宿ReNYで開催された『FIELD OF VIEW 27th Anniversary Live 2022』での音源と思われ、そうであればサポートメンバーはGt.葉山たけし、Ba.麻井寛史、Key.今井隼,Gt.森本隆寛、Mp.Key.大場-hana-映岳と公表されている。

シングル盤の追加生産版途中頃から削除されてしまった「(でも)」の表記が今作の歌詞カードで復活している。

こちらはきちんと生演奏。まあFOVなのはボーカルとドラムだけではあるし、ソロ名義でやっていた小橋サポートドラム参加での周年ライブと同じといえば同じなんだろうけど、心構えとしてFIELD OF VIEWの名前を背負ってFIELD OF VIEWの曲をやるいというのとではやはり違うのだろう。変わらぬ歌声、歌い方にはFIELD OF VIEWボーカルとしてのこだわりは感じられる。

シングルとしては正直昔ながらのシングルどころか現役時代C/W無し(ライブやリメイクにする)だった事が無いのでちょっとこの内容で2022年に出すシングルとしてはどうなのかというのはある。
★★★☆☆

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