Completed Collection HUMMING BIRD Recordings
アルバム名 | 区分 | オリジナル発売日 |
P.S. I LOVE YOU(+9) | 1stアルバム | 1990年9月26日 |
From Me To You(+7) | 2ndアルバム | 1991年2月21日 |
Happy Together(+4) | 3rdアルバム | 1991年11月6日 |
Today and Tomorrow(+5) | 4thアルバム | 1992年5月21日 |
Birthday(+4) | 5thアルバム | 1993年4月21日 |
リリースデータ
2019年4月24日 | 300位圏外 | BRIDGE |
メンバー
Vocal | 塚田彩湖 |
Guitar,Backing Vocal | 鈴木孝子(現在は宮川孝子)(2023年12月没) |
Bass,Backing Vocal | 石田美紀 |
Drums,Backing Vocal | 菊野晴泉 |
PINK SAPPHIRE、CD5枚組BOX。事実上の全曲集。1990〜1993年にリリースされたオリジナルアルバム全5枚にそれぞれシングルバージョン、C/W、カラオケアルバム『オリジナルTVトラックス』収録のインスト音源、初収録のインスト3曲(※)を追加収録して全曲リマスター、SHM-CD仕様の5枚組。HUMMING BIRDレーベルからリリースした全音源とされているが、それ以外に音源を発表していないため全曲集である。今作のリリースはメンバー公認であり、公式ブログで発売が告知され、メンバーSNSに掲載されているキーワードを販売元のBRIDGE公式通販での予約注文時備考欄に記入すると直筆サイン入りポートレート&ロゴステッカーが付属した。BRIDGE公式通販以外でも各店舗で販売された。
配信においては2021年に1st、2ndシングルと1stアルバム、2023年に残りの全シングル、アルバムが今作のリマスター(2019 Remaster)でDL/ST配信された。配信においてはオリジナル準拠となっていてアルバムへの追加収録が無い代わりにシングルはシングル単位となっている。
※初収録のインスト3曲がどの曲か明記されていないが、カラオケアルバム『オリジナルTVトラックス』全10曲+末期2シングル「For the Earth」「クラスメイト」はシングルにインストが収録されていたため既出インストは12曲、残る「Hello Goodbye(Inst ver.)」「TOMORROW(Inst ver.)」「POWER OF LOVE(Inst ver.)」が初収録インスト3曲に該当する。
PINK SAPPHIREは現在の公式では93年9月のライブを最後に休止、としている。実際には94年に結婚を機にボーカル塚田彩湖が脱退したため、新ボーカルMAYUを迎えて再始動するもCD1枚もリリースすることなく翌95年に活動休止となっていたようだ。こういった経緯のため、休止(実質解散)より前に脱退した塚田彩湖はメンバーと長らく疎遠になっていたようだが、2012年に鈴木孝子が乳がんによる闘病をブログに綴っているのを見て久々に連絡を取り約20年ぶりに4人で再会(この時のブログでは塚田彩湖は休止や解散ではなく自身の脱退以来の再会としている)。その後4人でライブ活動を再開したという。
今作発売以降はしばらく活動は無く、そのまま2020年以降の世界変異に突入したため再度解散状態となっていたが、2023年3月13日に5月13日に久々のライブ開催を告知。その後このライブをもって活動停止するためラストライブとなる事が発表された。4月29日には鈴木孝子が1年前に余命1年と宣告されていた事を公表した。またライブ直前には菊野晴泉が都合でライブに参加できなくなったと発表され、ドラムはサポートを入れてラストライブを行った。12月22日になって12月12日に鈴木孝子が亡くなった事が発表された。
PINK SAPPHIREに関しては「P.S. I LOVE YOU」をアーリー90'sのヒット曲の1つとして何となく聞いたことがあるようなないような…程度で、PRINCESS PRINCESSの全盛期である80年代末期、90年代初頭に出てきてヒットしていた女性バンドの1つで他にはGO-BANG'Sなんかもそうだけど、筆頭のPRINCESS PRINCESS含めて90年代の時代の変化に適応できずに淘汰されていったバンドの1つという認識だった。
初めてきちんと聞いてみたが、けっこうPRINCESS PRINCESSの亜流っぽいなぁというのが最初の印象。まずもって最大のヒット曲「Diamonds」を持つPRINCESS PRINCESSに対してPINKとSAPPHIREという単語の組み合わせは連想ゲームみたいな状態になっているし、メジャーデビューに当たってスカウトされたという塚田彩湖の声の雰囲気もざっくり言えば元気系で、PRINCESS PRINCESS奥居香にかなり近いものを感じる。楽曲に関してはハードロックを基本にしたアップナンバー主体。キーボードが正式メンバーにいないのもあってエレキギター主体のハードロック路線というのはキーボードのメンバーもいてポップ寄りのPRINCESS PRINCESSとはけっこう異なる部分かなと思う。ただ後半頃になってくると元気ロック路線以外にもう少し等身大のラブソング等も増えてポップ色を強めるのでキーボードやシンセのキラキラした音が初期よりも目立ってくる。
良くも悪くも90年代前半がぎゅっと詰まっている上にほぼ一直線で突き進んでいて5作の間に音楽性に大きな変化は無く、それこそアルバムごとに明確に路線が変わる感じでもない。徐々に変化してきたところで終わってしまっているので、時代の変化に対応できずにあまり長くない活動期間で終わってしまったのも納得ではある。ただそれでも最初から最後まで失速することなく駆け抜けていった感じもあり、25年以上経って聞いてみるとけっこうかけがえのない輝きだったようにも思えた。
印象度★★★★☆
2019.12.10更新